○島本
委員 やはりそういうような点をまっ先に考えてやっていかなければならないはずだったんじゃないかと思う。家庭持ちの
看護婦も安心できるような勤務体制を考えてやる、それから託児所なんかもちゃんと設置してやる、それから賃金
制度も改善して待遇の改善もはかってやる、こういうようなことが必要であります。
それから、
看護婦の現在の
養成費、こういうようなものは診療報酬による
看護婦の
養成費用というものを、今度は診療報酬から切り離さなければ、これはどうもうまくいかないんじゃないか、これは皆さんのほうも考えられておられるんじゃないかと思うんです。そして、最近のように
医療の社会化が進んでまいりまして、社会保険によって
医療が行なわれる
比重が増大してまいりますと、
看護婦の賃金はますます国の政策によって左右されるようになってくるわけでございます。この点はひとつ皆さんの
責任によって打開しなければならないはずなんです。それをよそごとのようにしておくから、現在のような情勢になってしまうんじゃありませんか。それだって
看護婦不足だ、もう要員の補充困難である、したがって労働過重になるんだ、したがって離職者が増大してくるし、志望者が激減してくるんだ、そうなってくると、まただんだん
看護婦も不足してくるんだ、こういうような悪循環になってくるんです。これをどこかで切らなければならない。これは国の
責任なんです。この国の
責任を、いままで口ではいいことを言いながら、さっぱり果たしておらないのが現在のような
看護婦不足を来たした根本原因である、こういうようなことをはっきりさせなければならない。それに対して出されたのが、いまのような高校卒の一年案の
准看なんです。いろいろ前からの人の問題もあります。やめる人はかってである、しかしながら、これは賃金でもなさそうなことを皆さんのほうで言っておられる。しかしながら、これはやめるのを阻止するための一つの案を——私は、
潜在看護力についての一つの提案を行なってそれをやったんです。それだけではないんです。
准看の人のつどい、そのグループの調査によっても、現行の正看、
准看の二本立ての
制度について、これはよくないと回答しておるのが九八%だ、まして
准看をいつまでも続けたいと思うか、思わないというのが九七%だ。その理由には、将来性がないというのが四五%、労働条件が悪いというのが二〇%を占めておる、こういうようなデータも出ておるわけです。それで正看昇格の道が開けたらいまの仕事を続けたいか、続けたいと答えたのが九四%になっているということなんです。そうすると、現在いる
准看でも、あのようにして離職率が高いといいながら、やはり続けたいという人が九四%もいるという以上、この道を開いてやったならばこれはもう安定するということに当然なってしまうんじゃないか、これをやらない現在の
制度の中にまた問題があるんじゃないか、こういうように思うわけなんです。それで、いまいわゆる高校卒業生に対して一年の新しい
制度を出した、それでも進学コースなんというのもまたあるわけなんです。おそらくいまいるこの
准看の人を早く希望によって全部正看にしてやる、そして現在のこの聖職に滞留しておってもらう、こういうような措置をまずすべきじゃありませんか。私
どもこのデータを見て、やはり仕事をしたいという、しかしながら
准看では、このままでは困るんだという、正看になりたい、なったならばいたいという人が九四%もいるというこの現状からして、やはり現在のこの
制度そのものに問題がある、このことを考えなければならないと思うんです。一般の
准看のために、これを正看にするための細い、狭い道を広げてやらなければならないんじゃないか。これをやらないと、いつでも不足がつきまとう、こういうように思うわけなんです。これは
大臣、こういうようなところも一つの隘路になっているということ、また、そっちのほうに答弁させると、りっぱな日本語で答弁するから、これは
大臣のほうから、こういうような点が隘路になっておるから、打開がここにも一つあるということを十分考えられたろうと思うのです。
大臣
の高邁なる決意を聞かせてもらいたい。