○
橋本(龍)
政府委員 先ほど
川俣委員の御
指摘になりました点で、私
どもも二、三そうした
意味では同じような心配をいたしている点がございます。
一つは、先ほど川俣
先生御
指摘になりました
職員の士気の問題、これは確かにいろいろな点で私
どもも相当慎重に考えなければならぬ点がございます。これは私
どもとして、
一つのいわゆる地域社会を形づくった中で、できるだけ収容される
方々の人権を重んじ、機能を発揮していくための
努力をしなければならぬわけでありますから、そうした点については、なおこの
協会がむしろ設立されました後においても、いろいろお知恵を拝借する点もまたあると思います。
それと同時に、ただいま御
指摘にありましたように、確かに一部の
関係者の
方々の中には、
コロニーにこれだけ巨額な金額を費やすなら、既存の
施設の整備拡充にそれを振り向けてもらったほうがありがたいという御
意見のあることは、私たちも承知をいたしております。しかし現在、衆議院の
社会労働委員会に正式に小
委員会が設けられ、各党が協力一致してお考えをいただいておるいわゆる
障害者基本法というものの中にも、いわゆる国の
心身障害者対策というものは、親御さん方がなくなるときに、自分の
子供は自分が死んだあと一体どうなるんだろうといろ不安を抱かないでも済むようにすべきだという御
趣旨が盛り込まれたように思いますが、こうした点も私
どもとして考えなければならない最も大きな点であります。なるほど、七万四千人の患者数に対して、今度の
コロニーの千五百名というのは、そのうちのごく一部をカバーするものであることは事実です。そして、その
意味では、既存の
施設に対しての整備拡充に従来以上に国が力を入れていかなければならぬ点も当然であります。しかし、それと同時に、いままで手がけてきたことのない
一つのこの
コロニーというものを通じて、私
どもは今後の国の、いわゆる
心身に
障害を持たれる
方々に対する行政が大きく進むその足場がつくれれば、そしてその
データが他の
施設にも有効に使えるようなものが生み出されればということを、
一つの大きな心のささえにしておるわけであります。同時に、今後なお私
どもとして配慮しなければならぬ点としては、これから先の、いわゆる
心身障害者を
対象とした
施設のあり
方等についても、なお検討を要する点もあるでありましょうし、こうした点については、私
どもとしてなお検討もいたし、同時に、立法府である
国会の御
意見等もできる限り広範囲にちょうだいをし、十分に
努力してまいりたいと思います。
なお、最後に一点だけ、先ほど簡単に
お答えを申しましたことでありますが、補足して念のため申し上げたいと思いますのは、初め
厚生省自体がこの
コロニーを直轄するという
考え方であったはずだ、それが
協会をつくったということは、あるいは何か付属機関をふやすことが
目的ではないのかというような懸念を、一部でされておる方もあるのだというお話がございましたけれ
ども、
厚生省自体が、また
児童家庭局自体がかかえておる問題というものは、きわめて広範囲なものがあります。そして、同時に、この
コロニーというものを
運営していく上では、先ほどから
川俣委員も御
指摘になりましたような多くの問題点がございます。役所の行政の片
手間に
コロニーの
運営というものができるほど簡単なものではございません。その
意味では、やはりしっかりした
一つの機関にこの
運営、個々の
方々の人権を考えながらの
運営というものはまかさなければならないだろうということから、この
協会をつくり、
厚生省自体、何も責任を回避する意思は決してございませんけれ
ども、十分、より直接に、
厚生省が行なうよりも身近な触れ方を、中におられる
方々ともできるようにということで考えたことであります。なお、今後の
運営等につきましては、実際に発足してからもいろいろ
議論をちょうだいする点もあると思いますが、私
どもの真意もおくみ取りいただきたいと思います。