○山本(政)
委員 時間を少し超過しているようですから、私結論を急ぎますけれ
ども、現に私は聞いたのですけれ
ども、作業療法でもうけようとすれば、相当あくどいことをやらなければならぬということを聞いております。それから、ここに大阪の病院の実例がありますけれ
ども、作業療法に名をかりて、これは一日に二時間、一週間に何時間でしたか、ともかくもオーバータイムをさしてはならぬということが基準法にありますね。しかし現実には、その基準法を越えた作業療法というものをやらしているわけですよ。これは労働基準監督官に話したってどうにもならない問題で、入院患者というものは労働基準法にいう労働者じゃないのですから、それをいいことにして、たいへんなオーバー労働がなされておるのだということも書いてある。一日につき二時間以上、一週間を通じて六時間以上の残業を厳禁して、そして違反した雇い主は、六カ月以下の懲役、五千円以下の罰金だといっているんだけれ
ども、この
適用はないわけですね。そして、そういう作業療法の中から、あわせて
先ほどたびたび申し上げたような悪徳病院の中では、職員の切り詰めとか患者のすし詰めとか、職員の資質あるいは施設の低下ということが行なわれておる、こういうような気がするわけです。
そこで、厚生省の
考え方の中に、もし
精神病院で作業療法というものがそういう利益をあげているからというような
考え方があるのならば、私はそういう
考え方というのは間違いじゃないか。たいへん僭越な申し上げ方かもわかりませんけれ
ども、やはり治療ということへ転換をさせるということになれば、再度考慮すべきじゃないだろうかということを実は
考えるわけであります。
なお、そのほかに、患者の
家族の会を結成をするにしても、これをチェックをしていってなかなかさせない、こういう問題がある。精神病の
家族というものはなかなか外部にそういうことを知られたくないということもあるでしょうし、患者自身の取り
扱いについてもなかなか複雑な
事情があると思うけれ
ども、もしそういう
家族の会というものが病院に反映をされるということになれば、よほどましになるのだろうという気もいたします。あるいは看謹上の養成にしても問題が多々あるのじゃないだろうか。看護課長がおれば実はむしろお聞きしたいのだけれ
ども、看護婦というのは、精神病の場合でなくたって母親がわりになるのじゃないだろうか。看護士は父親がわりになるというのが本来のあり方じゃないかと思うのです。ところが、何か
措置患者だけを
対象に
考えて、暴れるから男で、あるいは場合によっては力で押えつけることが必要なんだという
考え方がもしあるとするなら、これは私は精神病患者の治療に対してたいへん不幸なことじゃないかと思うのです。
いろいろ申し上げましたけれ
ども、そういう点もぜひお
考えを願って、前向きで対処していただきたい、こう思うのであります。そういうことで、最後に次官のお
考えをお聞きをいたして私の質問を終わりたいと思います。