○大橋(敏)
委員 とにかく国の大事な予算を食いものにしていくような悪徳なそうした議員については、厳正なる態度で臨んでいただきたいことをつけ加えておきます。
次に問題の事例でございますけれ
ども、
政府の見解をただしたいと考えております。
福岡県の筑後市の中島凡男という市
会議員のことであります。日本共産党所属全日自労
現地分会
委員長のことでございますけれ
ども、まあ結論から先に申し上げますと、ただいま私が申し上げました田川と山田市の市
会議員の実例と同じように、議員でありながら失対の適格者となり、そして失対賃金を受け取り、さらに本
会議やあるいは
委員会に出ていながら、いわゆる働かないのにかかわらず働いたとして全額支給されているという事実があるという疑いがあるということ、これが一つです。
それから
二つ目には、同市から土地と
建物を借りて、そこにその本人が無料で居住しております。しかも、この
建物は失対事業の円滑な運営をはかる目的のために、昭和三十一年六月ごろから組合の事務所兼詰め所として設けられたものでございます。ところがそれが、昭和三十三年ごろから、すなわち中島凡男氏が市
会議員になったときのころからですね。同市から十万円の補助金が支給されて、失対事業に働いている家庭の幼児、乳児を預かるという、失対労務者の便宜をはかる目的のその
建物が、自由保育所と名づけられているようでございますけれ
ども、開設されているということでございます。ところが今日では、失対
関係者の幼児、乳児はほとんどそこの中には入っていないで、しかも一般の保育料としては、幼児一人について千六百円から二千円、乳児一人につき二千八百円から三千円とって経営しているわけでございます。しかも当初の目的、趣旨からは逸脱したこの保育所に、保母のかわりとして失対に就労している
労働者を三名専従的に
使用して、しかもその労働賃金のほうといえば失業
対策費から支給されているという問題でございます。
いま申し上げたのは、大体の大まかな姿でございますが、私はいまから証拠を示しながらお話をしてみたいと思います。
ここに持っておりますのは同市の四十四年度の「議会総務
委員会出席記録」、中島凡男氏はそこの議員であるようでございます。要するに、この総務
委員会に所属していて、何日何に出席したということは明確でございます。それと、ここにありますのは、その市の「失対
労働者就労状況
実態」というものでございます。これは昭和四十四年から四十五年二月までの一人一人の賃金の支給の
内容が示された写しでございます。それで、これをつけ合わせてみますと、その不正の姿が十分見えるのでございます。中島凡男氏の四十四年度の議員報酬は六十万四千円でございます。そして四十四年度中に受け取った失対賃金は十八万二千七百八十八円、それに期末手当八万三千八十五円。加えますと、失対のほうからもらったのは二十六万五千八百七十三円ということになります。その中に、いま申し上げましたように、働かないで働いたとして賃金を受け取っている事実が明確に示されております。
それからもう一つの、これは自由保育所の問題でございますが、もう少し詳しく申し上げますと、
先ほども言いましたように土地、
建物ともその市から貸し付けられたものでございますが、土地は九百三十二・二一平方メートル、
建物は百十三・六一平方メートル、いずれも同市のもので無償で貸しているわけでございます。しかしこれも市の立場として、失対事業の運営上必要と考えた
措置であったことも考えられないことはないのでございますが、確かに当初の目的、趣旨のままに運用されているのであるならば、市の立場も私は理解できないわけでもございません。ところが、さきに述べましたような問題を数多くはらんでおります。ちなみにそこに
使用されている失対
労働者の三名というのは、角田某、渡辺某、東某というこの三名でございます。それはこの資料の中にはっきりと失対労働賃金が支給されているのであります。明確でございます。こういう問題について三年前福岡県の監査が行なわれました際に、いろいろ問題点が
指摘されております。そのときに、善処をいたします、このような約束がされているということを聞いておりますけれ
ども、今日までなお是正の姿は見られていないのであります。
労働省といたしましてこの事実を知っているかどうか、またこのような問題をどう考えているか、まず
答弁を願いたいと思います。