○田邊
委員 厚生省の
予算なり
社会保障の
給付を
充実させるという意味からいっても、いわば場当たり的な、その場その場のつかみではいかぬと思うのですよ。いま大臣の
お話にもありましたように、いみじくも今
年度の
予算の全体を見ればおおばんぶるまいをしていますね。いろいろな、景気を刺激するような
予算を組んでおるわけであります。そうなってくると、どうしても
社会保障の関係というのはじみであり、目立たないものですから、押されがちなんであります。したがって、一つのめどを立てて、一つの
計画を立てていけば、そういった点に向かって
政府部内においても、あるいは財政のひもを握っておる大蔵省に対しても仕事がやりやすくないか、
予算が取りやすくないか、これから先のいわば
施策の
充実がしやすくないかと私は考えて、そういう意味合いからやはり具体策を持たなければ、ただ場当たり的に、あれもやってくれ、これもやってくれというだけではならぬのじゃないか、こういう意味合いで私は申し上げておるのであります。私の意見には、大臣も基本的には賛成のようでございまするから、ぜひそういう意味合いで
内田大臣がおるときに
厚生省の、今後の五年なり十年なりの将来を見渡して、やはり仕事が順調に進むような、他の
予算に押されない、こういう
状態というものの基盤をつくってもらいたい、こういうことを私は特に希望するがゆえに実はお願いをしておるわけであります。さらに、この点に対しては、あらためてひとつ大臣に検討していただいた上に立っての御答弁をいただく機会を持ちたいと思うのであります。
そこで、さっき大臣の御発言の中に、いま
経済審議会の中でいろいろと検討されておる、こういう
お話がございました。ことに最近も、
社会保障小
委員会において一つの報告書が出されておるのであります。大臣もお読みになったと思うのでありまするけれ
ども、この中で一番問題になっておりまするのは、私が申し上げたように、
国民所得に対する
社会保障給付費というものが、西ドイツの二〇%をはじめとしてかなりの
水準になってきておる。
日本は一九六七年においてはわずかに六%にすぎない。これをもっと引き上げなければならぬというのが基本的なかまえでありましょう。それともう一つは、いま
日本の
社会保障の中では、医療部門に対する
給付が非常に多い金を使っておる。それに対して所得部門、特に
年金部門といっているのを中心とした
所得保障の面に対して、いわば
給付なり
施策は非常に少ない。この比例をもっと直さなければいかぬ、こういうことをいっておると思うのですね。四十二年において医療部門が四六・二%、
年金部門が一二・八%、私が大体五十年といったのは、
経済審議会も五十年をにらんでいるのですよ。医療部門は五十年で三五%、
年金部門は一・三%ぐらいに引き上げなければならぬ、このくらいになるであろうと実は予測をしておるのであります。ところが、外国においては医療部門が大体二〇%から三〇%、
年金部門の
割合というのは三〇%から四〇%を占めている、こういうことの
指摘があることからいっても、私はこの
割合というものに対してこれから考えていかなければならないと思うのですよ。ところが、この質問に対して実はお答えをいただくことになると、いわば医療に金かかかるんだ——ここに保険
局長いるけれ
ども、
医療保険は、抜本
改正の中でもって、いわば受益者負担の原則か何か間違った思想を導入いたしまして、これに対してはひとつ国の負担を少なくしていこう、こういうような意見になっては困るのであります。問題は、医療部門に対する金が多いんじゃなくて、
年金部門に対する、
所得保障に対する部門が極端に少ないというところにこのねらいがあることを誤りなくひとつ見ていただかないと、へたな答弁されては困りますから。そういう意味合いでもって、医療部門なり
年金部門の
割合というもの、これを逆調にしなければならぬというこの
政策審議会の報告書は、私は一つの重要な示唆を持っていると思いますが、一体どの
程度がこの
割合としては適当だとお考えになりますか。