○渡辺(栄)
委員 ただいま長官の所信を承りまして、非常に力強く思っております。われわれも、屋上屋を架しまして官庁をむやみにつくることに賛成するものではございません。ただいま長官のお話のように、
公害に対しましては、いろいろな、何と申しますか、随所に随時の
調査等も行なわれまして、それぞれの指導が発表になり、住民の非常な不信と不安、場合によりましては、動揺にすらかられておる現状でございますので、各省とも最近非常に熱心な施策を進めていただいておりますが、さらに効果あらしめる
意味におきまして、総合調整的な立場からお進めをいただきたいということを私は希望いたしたわけでございますから、ぜひともひとつ長官の所信に向かってお進めを願いたいと思っております。
なお、ただいまお話のございましたように、特に
公害の重要性に対処しまして、総理からは山中長官に対しまして
公害の問題については連絡をはかって進めるようにということにただいま承りました。
そこで、特に私お願をいたしたいのでありますが、われわれ自由民主党におきましても、毎週三日間ずつ今日まで延べ十二日間にわたりまして、
公害対策特別
委員会を開いておるのでございますが、そういう間におきましても、いろいろな意見が出ております。いずれ機会を見まして、そういうことにつきましては申し上げる機会があろうかと存じますが、本日はとりあえず当面の問題としまして、最近はカドミウムによります汚染米の問題等、相当な関心を寄せておるのでありますが、特に鉛、カドミウム、水銀あるいは農薬というようなものにつきまして、非常に国民の間に不信あるいは不安等を与えておるのでございますが、これは非常にむずかしいいろいろな要素を含んでおりまして、簡単にそれが
公害的な心配がないということが言い得ない立場の問題もあります。
また、現在は
公害がないけれども、すでに従来の経過におきまして、あるいは土壌が汚染され、あるいは水質がおかされておりまして、それがまた米その他の
公害となってわれわれの健康を阻害するというような問題も起きておりますので、簡単にだいじょうぶ、こういう無責任なことは言えないと思います。
しかし、私どもとしては、ぜひとも客観的な立場に立って、権威のある資料に基づいて、それは
公害である、これは心配ない、これは今後こういう対策によって
公害を除去するのであるというような、明確な資料に基づいてそれを国民に公表をし、これによって的確な施策を進めていくことが私は必要であろうと存じております。しかし、現在の情勢の中では、各省ともいろいろ苦労をしていただいておりますが、さらに明年度の
予算等において御配慮を願うことは当然でございまするけれども、当面まずわれわれの健康障害、そういうものに対しまして危険性のあるような
公害につきましては、すみやかに少なくとも一年以内にはその
調査をしてこれを公表し、また
公害に対しまする十分な防止とその対策を樹立することが必要であろうと思うのでありますが、そのためには明年度の
予算ということにとらわれないで、先ほどお話がありました、幸い山中長官がそういうようなお立場であるとするならば、ぜひともひとつ御熱意と御努力によりまして、必要であれば——必要でなければけっこうでございますが、必要であればひとつ予備費を支出いたしましてでも緊急な措置をとっていただきたい、このことにつきまして特にお願い申し上げたいと思うのであります。
特にカドミウム等の微量重金属等によりまして、いろいろ環境が汚染をされておりまするそういうような問題につきましては、私はぜひともすみやかな措置を講じていただかなければならぬと思うのでありまして、詳しい問題につきましてはそれぞれのお立場で各省御検討願って御措置を願わねばならぬと思いますが、少なくとも当面、非常にむずかしいといわれておりまするカドミウムの環境汚染
調査、水銀も同じでございますが、またこれに伴う住民の健康
調査等も進めていただいたようでありますけれども、これにはさらに相当な経費を伴うものだろうと私は思います。そういう
意味で、ぜひともそれらの問題に対しまする
調査あるいはこれらのための分析測定の機器の設置というようなことについて御検討を願いたいと思います。
また、この
公害の監視というような問題につきまして、いろいろそれぞれの各省御苦労いただいておりますが、現在各面におきましてそれぞれ随所随意な人たちが
公害に対しまして資料を発表しておるのでございますが、そのためには国、地方団体をあげましてこの
公害を監視する
体制が十分でないのではないか。そういうような問題につきましてはぜひともひとつ長官、御連絡をちょうだいしまして、予備費を支出いたしましてでもそれらの
調査、監視をする
体制を確立をしていただきたい。特にシアン等のような有害なものにつきましては何とかひとつ早くその監視
体制、測定のできるようなことについての格別の御配慮をお願いいたしたいと思います。
また、
自動車が非常にふえてまいりまして、そのために排気ガス等に伴いまする健康を阻害する問題等がいろいろ心配されておりまして、
通産省においてもすでに七月一日以降四〇%にのぼるところの鉛の低
鉛化ということ等が実現をしておりますが、こういう問題について積極的にこれを進めていただくためには、財政的な立場に立って、あるいは開発銀行の融資等が非常に必要になってくるのではなかろうかと私は思うのでございますが、そういうようなことについても、来年度の
予算を待って措置するというのではなくて、山中長官の御熱意と実力によりまして、こういう問題をぜひとも早急に解決をいたすように特にお願いいたしたいと思います。
この機会に、できましたら長官の熱意ある御回答をいただきまして、われわれも自信を持って
公害対策に取り組んでまいりたいと思います。特に予備費支出等に対しまするお
考え方をお示し願えればありがたいと思います。