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1970-02-25 第63回国会 衆議院 産業公害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年二月二十五日(水曜日)     午後零時十一分開議  出席委員    委員長 加藤 清二君    理事 小山 省二君 理事 始関 伊平君    理事 古川 丈吉君 理事 山本 幸雄君    理事 渡辺 栄一君 理事 島本 虎三君    理事 岡本 富夫君 理事 寒川 喜一君       伊東 正義君    伊藤宗一郎君       久保田円次君    浜田 幸一君       松本 十郎君    佐野 憲治君       西田 八郎君    米原  昶君  出席国務大臣         厚 生 大 臣 内田 常雄君         通商産業大臣  宮澤 喜一君        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)      山中 貞則君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      佐藤 一郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       湊  徹郎君         内閣総理大臣官         房審議室長   青鹿 明司君         防衛施設庁総務         部長      鐘江 士郎君         厚生政務次官  橋本龍太郎君         通商産業省鉱山         保安局長    橋本 徳男君  委員外出席者         経済企画庁国民         生活局参事官  西川  喬君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       松浦泰次郎君         厚生省環境衛生         局公害部長   城戸 謙次君         農林大臣官房技         術審議官    加賀山國雄君         通商産業省企業         局立地公害部長 柴崎 芳三君         運輸大臣官房政         策計画官    田付 健次君         建設省都市局参         事官      石川 邦夫君         自治大臣官房参         事官      立田 清士君         参  考  人         (公害防止事業         団理事長)   原 文兵衛君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  産業公害対策に関する件(産業公害対策基本  施策等)      ————◇—————
  2. 加藤清二

    加藤委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  産業公害対策に関する件について、本日、参考人として、公害防止事業団理事長原文兵衛君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加藤清二

    加藤委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたします。      ————◇—————
  4. 加藤清二

    加藤委員長 この際、産業公害対策に関し、関係大臣からそれぞれ所信を伺うことといたします。  では最初に、佐藤経済企画庁長官
  5. 佐藤一郎

    佐藤(一)国務大臣 このたび経済企画庁長官に就任いたしました佐藤でございます。どうぞひとつよろしく御指導をお願いいたします。  それでは、公害対策につきまして申し上げたいと思います。  近年わが国経済は、目ざましい発展を遂げまして、国民生活水準も著しい向上を見せております。  しかし、その反面、経済の急速な発展に伴う産業活動活発化、人口の都市集中等により大気汚染水質汚濁騒音等による公害が激化し、国民の健康と生活環境に重大な影響を与える等、国民生活にとって重大な問題となってきておるのであります。  このような状況下にかんがみ、政府企業国民が一丸となって公害防止をはかるという強い共通決意のもとに、今後も公害対策を強力に推進していく必要があると考えております。  このため、政府といたしましては、関係各省庁の緊密な連絡のもとに、排出規制強化公共施設整備拡充公害監視体制充実等諸般にわたる公害防止施策を今後一そう総合的かつ強力に推進することとしているところであります。またこれら諸般にわたる施策共通政策目標としての環境基準については、公害対策基本法に基づき、硫黄酸化物一酸化炭素による大気汚染について設定するとともに、水質汚濁についても鋭意検討を進めているところでございます。  国民生活行政を所掌する経済企画庁といたしましても、経済成長成果が、真に豊かな国民生活の実現に結びつくよう、人間尊重及び生活優先基本理念にのっとり、公害対策推進してまいる所存であります。  次に、公害対策の一環としての水質保全の問題について申し上げます。  経済企画庁は、従来から公共用水域水質保全に関する法律に基づき、水質汚濁防止に鋭意努力してまいりました。すでに同法に基づき百四十五水域について水質調査実施し、六十八水域については、指定水域指定水質基準の設定を行ない、関係各省庁及び地方公共団体協力のもとに水質基準確保につとめているところであります。  昨年問題となりましたシアン等急性毒物による魚類の斃死事件につきましては、上水道水源への影響等も勘案し、本年二月二日、シアンまたはクロームを使用する工場にかかわる水質基準強化したところでございます。  また、近年における水質汚濁多様化及びその全国的な規模での発生に対処するため、公共用水域水質保全に関する法律の一部を改正し、目的及び指定水域指定要件の改正、規制対象拡大、国と地方公共団体との協力関係緊密化等をはかることといたしております。  以上、経済企画庁における公害対策基本姿勢について申し上げました。  本委員会及び委員各位の御支援と御鞭撻を賜わりますようお願いいたします。(拍手
  6. 加藤清二

  7. 橋本登美三郎

    橋本国務大臣 このたび運輸大臣の任を仰せつかった橋本でございます。よろしくお願いを申し上げます。  運輸大臣といたしまして、公害対策について申し述べたいと思います。  近年、わが国においては、目ざましい経済高度成長が遂げられつつある反面、大気汚染水質汚濁騒音その他による公害問題が発生し、人の健康や生活環境に対する脅威となって、各種社会問題を引き起こしております。  公害問題の解決は、国民生活向上をはかるため、重要な課題であると考え、私といたしましては、交通公害防止対策運輸省重点施策の一つとして取り上げ、各般施策を積極的に推進し、国民各層の期待に添い得るよう努力する決意であります。  今日、運輸省が直面している交通公害のうち、主要なものとして、自動車排出ガスによる大気汚染航空機等交通機関による騒音、並びに船舶の油による海水汚濁の三つが特に指摘されるのでありますが、この機会に、これらの交通公害対策に関する具体的施策について若干申し述べたいと存じます。  まず第一に、自動車排出ガスによる大気汚染防止につきましては、現在、道路運送車両法等に基づき、ガソリンを燃料とする新車について、一酸化炭素濃度を二・五%以下とするように規制しております。  今般、政府は、一酸化炭素にかかる環境基準を決定しましたが、運輸省におきましては、今後、さらに一酸化炭素その他の自動車排出ガス対策強化をはかってまいる所存であります。  すなわち、一酸化炭素については、使用過程自動車に対する規制として本年八月からアイドル時の一酸化炭素濃度の検査を実施するほか、新車に対する規制として、明年一月から軽自動車及びLPG車を新たに規制対象に加えるとともに、引き続き規制方法改善についても所要措置を講ずる方針であります。  また、炭化水素については、本年九月から規制を加えるとともに、窒素酸化物対策についても検討を進めることにしております。  さらに、以上の個別的な対策を含めまして、自動車排出ガス対策長期計画確立すべく準備を進めている次第であります。  なお、自動車排出ガスによる大気汚染防止につきましては、根本的には、個々の車両排出規制を厳重に行なっても、最近の自動車の急増から見れば大気汚染はその極限に達するおそれがありますので、高度の科学技術開発により自動車排出ガスを一〇〇%排除し得る新技術開発するか、燃料それ自体を電気等に置きかえるか、緊急の研究課題考えますので、関係省とも密接な連携をとりつつ、大気環境清浄化努力する考えであります。  第二に、航空機等交通機関による騒音対策についてであります。  航空機騒音につきましては、閣議了解に基づき、夜間または一定騒音レベル以上の航空機の航行を制限しておりますとともに、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律に基づき、学校病院等防音工事に対する助成共同利用施設整備に対する助成空港周辺建物等移転補償等を行なうこととしており、四十五年度予算案においても、助成資金の大幅な増額を予定する等強力に対策を講ずる所存であります。  また、自動車騒音につきましては、道路運送車両法に基づき、一定騒音レベル以下になるよう規制を行なっておりますほか、自動車メーカー等を強力に指導いたしております。  さらに、新幹線の騒音につきましては、学校病院等の付近に防音壁を設置する等の騒音防止対策を一そう促進いたしたいと存じております。  第三に、船舶の油による海水汚濁防止につきましては、船舶の油による海水汚濁防止に関する法律に基づき、船舶からの油の排出規制を行なうとともに、廃油処理事業等の適正な運営の確保及び廃油処理施設整備推進しております。  特に、廃油処理施設整備促進をはかるため、所要助成措置を講じております。  第四に、交通公害防止技術研究につきましては、その重要性にかんがみ、技術研究開発を一そう推進していく所存でありますが、特に自動車等公害防止につきましては、安全性向上とあわせて、その研究体制強化をはかるため、昭和四十五年度に交通安全公害研究所を新設することといたしております。  以上、当面の重点施策等につきまして所信一端を申し述べましたが、よろしく各位の御指導を願いたいと存じます。  以上であります。(拍手
  8. 加藤清二

  9. 山中貞則

    山中国務大臣 第六十三回国会における当特別委員会の御審議をいただくに先立ち、総理府総務長官として所信一端を申し述べ、各位の御指導と御協力を賜わりたいと存じます。  わが国は、世界にもまれな経済成長によって国民所得水準向上し、国民生活も豊かになってまいりました。しかしながら、その反面、いろいろ社会問題が発生し、中でも公害の問題が深刻化いたしております。  公害問題は、申すまでもなく、緊急な解決を必要とする国民的課題でありまして、政府といたしましてもこのため諸般施策推進につとめてまいりましたが、公害対策基本法の制定を契機に一そうその施策整備拡充努力いたしておるところであります。  公害現象はその種類により性質が異なる等きわめて多元的で複雑なものであるため、その施策実施にあたっては、関係各省庁がそれぞれの専門的知識を生かしつつ、その実態に即応しおのおのの行政分野の中で効率的に対処していくことはもとよりでありますが、反面、公害行政一貫性総合性確保をはかる必要があります。このため、関係閣僚から構成される公害対策会議総理府に設置されているのでありますが、私といたしましても今後とも公害対策基本法に定められた理念と方向に沿って総合的、効率的に諸施策実施されるよう積極的に公害行政推進努力してまいる所存であります。  次に今国会におきまして御審議願うことといたしております公害紛争処理制度について申し上げます。  この公害紛争処理制度は、公害対策基本法第二十一条において、公害被害救済制度とともにその確立が要請されているものであります。  公害被害救済制度につきましては、すでに健康被害に関する医療救済制度が本年二月から実施されておりますが、公害紛争処理制度につきましては、第六十一回国会及び第六十二回国会公害紛争処理法案を提案し、御審議願ったところでありますが、成立を見るに至らなかったものであります。本法案を今国会にあらためて提案いたしておりますので、よろしく御審議願いたいと存じます。  いま、その骨子を申し上げますと、中央総理府機関として中央公害審査委員会を設けまして、公害紛争について調停仲裁等を行なわせ、また地方公共団体におきます紛争処理機構整備をはかる等の内容のものであります。  なお、本法案につきましては、第六十一回国会の衆議院におきまして修正のございました中央公害審査委員会専門調査員を置くことができる旨の規定及び都道府県及び政令で定める市に公害苦情相談員を置く旨の規定等を織り込んでおります。  公害紛争は、増加傾向にありながら、その処理制度の未整備等のため、必ずしも簡易迅速な処理が行なわれないうらみがありましたが、本制度が設けられることによりまして、公害紛争が簡易な手続で迅速かつ適正に解決されることを期待するものであります。  以上、公害対策に対する私の所信を申し上げましたが、公害のない住みよい社会をつくるため、委員各位におかれましても、よろしく御協力、御支援のほどを重ねてお願いいたす次第であります。(拍手
  10. 加藤清二

  11. 内田常雄

    内田国務大臣 第六十三回特別国会における当委員会の御審議に先立ちまして、厚生大臣就任のごあいさつを申し上げますとともに、公害行政に関し所信一端を申し述べまして、各位の御指導、御協力を賜わりたいと存じます。  近年、公害問題がますます重大化し、その緊急な解決が大きな課題となっていることは、申すまでもございません。最近における国際的な諸動向を見ましても、公害問題は世界的な関心を集め、各国が協力してこの問題の解決にあたろうという機運が盛り上がってきているところであります。  わが国公害対策については、逐年、着実な進展がはかられてまいりましたが、内政の年といわれる本年におきましては、公害から国民の健康と生活環境を守っていくため、各般にわたる防止施策を、さらに一そう積極的に推進いたし、公害のない真に豊かな社会を実現するため邁進する所存でございます。このため、厚生省といたしましては、当面、次のような施策重点を置いて公害対策拡充強化をはかってまいる考えでおります。  第一に、公害の著しい大都市等における公害防止を、総合的、計画的に推進するため現在公害防止計画策定を進めているところでありますが、この公害防止計画は、当該地域の実情と特性に応じて、公害発生源に対する規制土地利用適正化及び環境整備等広範な施策を盛り込んだ総合的な地域計画であり、きわめて重要なものでありますので、私といたしましてもその推進に最善を尽くす所存でおります。なお、公害防止計画作成の基礎となる基本方針策定につきましては、現在、京浜及び大阪地域について検討を進めておりますが、明年度におきましては、名古屋ほか四地域についてその策定を行なうことといたしております。また、公害対策目標となる環境基準については、昨年設定された硫黄酸化物に関する環境基準に引き続き、このたび、自動車排出ガスを主とする一酸化炭素に関する環境基準閣議決定されたところでありますが、引き続き騒音浮遊粉じん等についての検討を進め、逐次所要基準を設定してまいる所存でおります。  第二に、公害に関する調査研究については、従来から鋭意努力を重ねてきたところでありますが、複雑化多様化傾向を示す公害実態を科学的、総合的に究明する必要性はますます増大してきておりますので、大気汚染水質汚濁微量重金属汚染等の人体に対する影響等環境汚染と健康との関係全般に関する総合的な研究を行なう国立の公害衛生研究機関の設置をはかることとし、明年度においては、そのための所要調査を行なうことといたしております。  第三に、公害防止推進にあたっては、監視測定体制整備強化が必要であり、特に大気汚染に関しては、都道府県の区域を越える広域的な監視体制確立をはかる必要がありますので、明年度新たに、阪神地域における広域監視網整備のための補助を行なうとともに、引き続き、国設大気汚染測定網及び地方監視測定体制整備強化をはかることとしております。  第四に、公害防止施設整備をはかるため、引き続き公害防止事業団による助成強化することといたし、明年度においても、事業団事業量拡大政府出資増加等改善措置を講じてまいることといたしております。  このほか、健康被害救済対策推進微量重金属による環境汚染等実態調査及び防止対策促進、保健所における公害業務体制強化等各般にわたる施策実施してまいることとしております。  私は、以上申し上げました施策を通じまして、今後公害対策の一そうの充実をはかるため、誠意をもって努力いたす所存でありますので、何とぞ委員各位におかれましてもよろしく御支援を賜わりますようお願いいたす次第であります。(拍手
  12. 加藤清二

  13. 宮澤喜一

    宮澤国務大臣 第六十三回特別国会における産業公害対策特別委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業大臣として、所信一端を申し述べたいと存じます。  公害問題と真剣に取り組み、国民の健康の保護と生活環境保全をはかることは、産業政策を進める上での重要課題でございます。通商産業省といたしましては、公害対策基本法の体系を軸として、国民生活質的充実をはかるという観点から産業及び生産技術実態に即した実効のある公害対策を、今後一段と積極的かつ総合的に展開してまいる所存でございます。  昨昭和四十四年二月の硫黄酸化物に関する環境基準閣議決定に引き続いて、昭和四十四年度には、千葉市原市など三地域に係る公害防止計画策定基本方針の指示、さらには大気汚染防止法に基づく排出規制強化公害に係る健康被害救済に関する特別措置法の施行が行なわれ、また、去る二月二十日には一酸化炭素に係る環境基準が決定されるなど公害対策は、逐次整備されてきておりますが、昭和四十五年度におきましては、特に次の点に重点を置いてまいる所存でございます。  重点施策の第一は、公害防止技術開発促進の問題であります。公害問題を解決するためには、何よりもまず優秀な公害防止技術開発しなければなりません。この点につきましては、工業技術院大型プロジェクト制度により排煙脱硫技術開発が所期の成果を得て昭和四十四年度をもって完了し、昭和四十五年度には、重油直接脱硫技術開発を引き続き強力に推進することといたしております。また、工業技術院傘下試験研究所において行なっている各種産業公害防止技術研究につきましても、その中心的役割りを果たしている資源技術試験所公害資源研究所(仮称)に発展的に改組、拡充するほか、大気汚染防止技術排水処理技術合成高分子廃棄物処理技術あるいは自動車公害防止技術などの研究を総合的、計画的に推進することといたしております。  重点施策の第二は、公害未然防止対策を徹底するとともに、公害に対する法的規制を着実に実施することであります。通商産業省は、以前から、公害発生を予防するための対策として、新規の工業地帯中心として産業公害総合事前調査実施し、風洞実験水理模型実験等により将来の公害発生科学的予測を行ない、適切な公害防止措置を講ずるよう地方自治体及び関係企業等指導を行なっておりますが、明年度は、これを強化拡充するとともに、新たに瀬戸内海全域水質汚濁防止のための予備調査を行ない、未然防止対策充実につとめてまいりたいと存じます。  また、公害対策基本法に基づく公害防止計画につきましては、昭和四十五年度早々には、千葉市原市など三地域について計画策定作業が完了する予定であり、引き続き東京、神奈川、大阪地域についても、基本方針を指示し、計画策定を行なうことにより計画的な公害防止対策を進めてまいる考えでございます。  さらに、大気汚染防止法水質保全法等に基づく規制措置につきましても、着実にその実施を進めてまいる考えでございます。  重点施策の第三は、中小企業公害防止対策推進であります。公害防止の徹底のためには、事業者の責務の自覚と努力が必要でありますが、中小企業者について見ますと、資金的あるいは技術的な理由をはじめいろいろな隘路があります。  そこで、昭和四十五年度におきましては、新たに日本商工会議所及び東京商工会議所など十三の商工会議所産業公害相談室を設け、中小企業者に対して産業公害問題に関する認識を深めさせ、積極的に防止努力を払わせるとともに、公害防止対策実施にあたっての問題について親身になって相談に応ずることといたしております。  また、公害発生地域から個別工場移転促進するため、中小企業金融公庫からの融資を新たに行なうなど助成措置充実につとめてまいりたいと存じます。  重点施策の第四は、亜硫酸ガスによる大気汚染防止し、環境基準達成維持をはかるための低硫黄化対策推進であります。この点につきましては、昨年五月総合エネルギー調査会に低硫黄化対策部会を設けまして、低硫黄化目標目標達成のための手段などにつき審議検討を進め、同年十二月に結論を得たところでございますが、昭和四十五年度からは、この結論を逐次実施に移すこととし、新たに重油脱硫に対し原油関税を軽減するほか、重油脱硫装置排煙脱硫装置に対する日本開発銀行の融資資金確保することといたしております。重点施策の第五は、公害防止施設等に対する助成措置拡充であります。その中心となる公害防止事業団につきましては、貸し付け事業事業規模拡大するなど公害防止事業拡充をはかってまいる考えでございます。  また、粉じん防止施設重油脱硫装置につきましては、特別償却固定資産税軽減措置充実に配慮したほか、新たに公害防止機器リース事業に対する助成推進にもつとめてまいりたいと考えております。  このほか、増大する公害保安行政需要に対応して公害保安対策を強力かつ総合的に実施するため、昭和四十五年度からは、鉱山保安局企業局立地公害部等を統合再編成し、公害保安局を設置することといたしております。  以上、通商産業省の今後の公害行政重点について申し上げましたが、委員各位におかれましても、一そうの御支援と御協力を賜わりますようお願い申し上げます。(拍手
  14. 加藤清二

    加藤委員長 以上で、関係大臣所信表明は終わりました。     —————————————
  15. 加藤清二

    加藤委員長 引き続いて、昭和四十五年度産業公害対策関係予算等について、それぞれ関係各省説明を聴取いたします。  まず、総理府から説明を求めます。青鹿審議室長
  16. 青鹿明司

    青鹿政府委員 お手元に配付してございます「昭和四十五年度総理府関係公害対策予算の概要」という資料につきまして御説明を申し上げます。  第一は、御審議をお願いすることにいたしております公害紛争処理法案に基づきまして、本年十月発足を目途に総理府機関といたしまして、中央公害審査委員会を設置いたしまして、調停仲裁等を行なうことといたしておるわけでございますが、その中央公害審査委員会に必要な経費でございまして、四十四年度は三千五百七十六万円でございましたが、四十五年度では四千五百四十万七千円を計上いたしております。  この経費内容を簡単に申し上げますと、中央公害審査委員会は、委員長常勤委員二人、それに非常勤委員三人で構成され、また委員会の庶務を処理するために、総理府官房中央公害審査室を設けまして、兼務の職員五人を含めて室長以下二十一人の職員を配置することといたしておりますが、この委員及び職員の人件費として、総理府本府の人件費の中に千五百三十四万五千円が見込まれておるわけでございます。また委員会経費といたしましては、四十四年度三百万四千円に対しまして、四十五年度では三百九十六万三千円となっておるのでございますが、この増加のおもな内容は、第六十一回国会におきまして、本特別委員会で修正を受けました点、すなわち、中央公害審査委員会に専門の事項を調査するため調査員を置くことができるようにされた点でございますが、その点を織り込んで今回法案を提出いたしておりますので、この専門調査員に対する手当と調査旅費、これがこの増加内容になっております。そのほか一般事務費、都道府県とのブロック会議の開催費及び調査委託費等といたしまして、四十五年度で二千六百九万九千円を予定いたしております。  次に、公害対策会議に必要な経費でございますが、これは四十五年度七万六千円でございます。それから中央公害対策審議会に必要な経費といたしまして、百二十万二千円でございますが、この二つは、総理府の付属機関になっておりますけれども、庶務は厚生省が担当いたしまする関係で、それぞれ総理府に計上されております予算は、公害対策会議は、参考人の謝金と出席旅費、中央公害対策審議会は、委員手当、委員の出席旅費のみでございます。  以上、総理府全体の公害対策予算は、四十四年度三千六百八十九万八千円に対しまして、四十五年度は九百七十八万七千円の増加で、四千六百六十八万五千円となっております。  以上でございます。
  17. 加藤清二

    加藤委員長 次に、厚生省から説明を求めます。城戸公害部長
  18. 城戸謙次

    ○城戸説明員 厚生省関係公害対策の予算につきまして、お手元にお配りしてございます縦書きの資料によりまして御説明申し上げます。資料の二ページをお開きいただきたいと思います。  厚生省公害対策の予算は、総額明年度九億三千八百万円が計上されておりまして、四十四年度とでは約一億七千万円、二二%の増となっております。  おもな項目について御説明申し上げますが、まず第一に、公害防止計画等の推進でございますが、これは中に書いてございますような公害対策基本法に基づきまして公害防止計画策定環境基準の設定と規制強化のための経費でございまして、前年度三千六百万円に対しまして、明年度は三千九百万円を計上されておりますが、公害防止計画につきましては、名古屋、尼崎、北九州、大分・鶴崎のほかに、特に明年度は、昨年末予防的指定地域として指定されました鹿島を加えまして、五地域につきまして、基本方針策定を進めるための経費を計上いたしております。  第二番目は、次のページの国立公害衛生研究機関設置調査調査研究拡充でございます。このうち国立公害衛生研究機関につきましては、ただいま大臣所信表明にもございましたように、公害に関する環境汚染と健康との関係全般に対します総合的な研究を行なうというための調査費を計上いたしておりまして、必要な調査を行ない、専門家の意見を聞きました上で基本計画策定するということになっております。その建設は、四十六年度以降に建設する、かようになっておるわけでございます。  それからそのほかの公害調査研究は、従来どおり進めてまいるわけでございますが、その点特に申し添えておきたいと思いますのは、次の四ページをお開きいただきまして、三行目にございます公害医療研究費補助金でございます。これにつきましては実は六百万の減を表向き出しておるわけでございますが、これは従来水俣病、イタイイタイ病、四日市の公害疾病等につきまして、予算措置で医療費の自己負担分についての助成が行なわれておりましたのが、健康被害救済特別措置法の発足によりまして予算が別建てになったというための減でございます。  第三番目は、広域監視網整備等地方監視体制強化でございまして、このため一億九千六百万が計上されておりますが、特に広域監視網につきましては、近年地域によりまして非常に広域汚染が問題となってまいった現状にかんがみまして、明年度以降広域的な監視設備を建設するため、明年度はとりあえず阪神地区に対しまして二千百万円の広域監視施設整備費を計上しております。それから国設大気汚染測定網につきましては、従来からの方針どおり二十カ所を目標といたしまして計画的な整備を進めることとし、明年度は新設二カ所、京都市と大牟田市の二カ所を見込んでおります。  地方監視体制につきましては従来どおり助成をはかってまいる考えでございます。  四番目の公害防止事業団拡充強化でございますが、明年度は特に貸し付け事業重点といたしまして、事業量拡大をはかっていく、かようにいたしておりまして、交付金としては事務費と利子等補給金を合わせまして九千七百万円ばかり増の三億四千四百万円が計上されております。次の六ページにございます政府出資金一億円が計上され、政府出資金はこれで累計三億円になります。なお、事業計画としましては、いわゆる契約ベースで本年度百六十億に対しまして明年度は二百十億円を予定しております。当年度事業資金としましても財政投融資資金百四十一億円を含めまして百六十四億円を計上しております。  それから次に八ページをお開きいただきまして、第五の被害者救済対策推進でございますが、これは昨年十二月成立を見ました公害に係る健康被害救済に関する特別措置法の施行を引き続き進めてまいるための予算を計上してございますが、明年度は特に所得制限の緩和と介護手当の増額をはかるということにいたしております。介護手当につきましては日額三百円を、月額一万円を限度としまして日数により段階を設けて支給できるということにいたしたいと考えております。  次に六番目は、保健所公害対策強化でございます。これは公害対策を実効あるように進めてまいりますため、都市の保健所の公害対策事務処理体制の整備でございまして、四十四年度より都市型保健所の担当専任職員の設置をいたしてまいっておりますが、明年度も新たに三十三カ所の保健所を対象に整備を進めることといたしております。  なお、公害対策と密接な関係にあります都市産業廃棄物のうち清掃法の対象となるものにつきましては、明年度から地方公共団体による広域的な処理施設の整備を行なうこととし、特別地方債の清掃事業のワクの中に特別廃棄物処理事業費として八億円計上されております。  厚生省関係は概略以上のとおりでございます。
  19. 加藤清二

    加藤委員長 次に、通商産業省から説明を求めます。柴崎立地公害部長
  20. 柴崎芳三

    ○柴崎説明員 お手元にお届けいたしました縦書き資料の「昭和四十五年度の通商産業省産業公害対策について」、この資料に基づきまして御説明申し上げたいと思います。  先ほど大臣がその所信の中でも述べられたごとく、公害問題と真剣に取り組みまして、国民の健康を保護し、生活環境保全をはかることによって、国民生活質的充実に対処するということは、産業政策を進める上にまことに重要な課題でございますが、この実効を裏づける具体的な事業といたしまして昭和四十五年度に考えております事業の内容は、一ページから二ページにございますように、中小企業公害防止に対する助成強化産業公害総合事前調査拡充等十一の項目に分かれて考えられております。  これらの事業を裏づけます予算案の額でございますが、三ページに総合的な表が掲げてございますが、一般会計と財政投融資重油脱硫に対する原油関税の軽減という三本の柱に分けてございまして、一般会計の中にはさらに一般対策費、これが二億六千五百万円でございますが、これは主として企業局の立地公害関係の費用でございます。(ロ)の特別対策費は一億一千八百万円でございます。これは主として企業局立地公害部以外の他局の特別対策費を掲げてございます。(ハ)といたしまして、技術開発費十億一千百万円が計上いたしてございますが、これは工業技術院におきまして技術開発のために要する費用でございます。(ニ)に地盤沈下対策費という項目がございますが、これが十五億九千万円、これは地盤沈下対策として工業用水道を建設する場合、その建設費に対する補助金でございまして、東京都の城北地区と千葉県の葛南地区の二つの地域に対する対策費でございます。  以上の一般会計の合計が二十九億八千四百万円でございます。前年度に対比いたしまして一・五八倍という倍率になっております。  財政投融資関係公害防止事業団の事業、それから開発銀行、中小企業金融公庫国民金融公庫等を通じます融資でございますが、総額は二百六十九億円にのぼりまして、前年度対比一・七倍。  重油脱硫に対する原油関税軽減措置は、今回初めて実行される新しい政策に要する費用でございますが、金額といたしましては三十九億円。  以上を合計いたしまして三百三十七億八千四百万円ということで、前年度に比べますと一・九倍程度の金額が現在予算案として審議されておるという状況でございます。  以下順を追いまして、各項目の内容につきまして御説明申し上げたいと思います。  第一番目は、中小企業公害防止に対する助成強化でございますが、これは産業公害相談事業と中小企業金融公庫を通じます融資と二つに分かれるわけでございますが、産業公害相談事業は、中小企業公害防止対策推進し、かつ中小企業の親身の相談相手になるような機関をつくるということを目標にいたしまして、日本商工会議所及び東京商工会議所など、十三の商工会議所におきましてこの相談相手になる機能を持たせるということで、国から事業を委託いたしまして遂行させたいというぐあいに考えております。  中小企業金融公庫を通ずる融資につきましては、公害防止施設関係融資と、工場移転関係融資と二つございますが、特に四十五年度からは、工場移転関係融資が新設されまして七%の特利をもって実行されるということでございまして、金額は前年度の十億円から十五億円にふえておる。  第二の産業公害総合事前調査拡充でございますが、これは従来からやっております施策でございますが、四十年から四十四年までにすでに大気関係で二十五カ所、水の関係で十八カ所というものが具体的な調査の対象になりましたが、四十五年度におきましては、大気で八カ所、海域で五カ所、河川で一カ所を対象にしております。特に海域の五カ所の中には、瀬戸内海の全域水質汚濁防止予備調査という費目がございまして、いままでやっておりました各湾ごとの個別の調査では瀬戸内海の問題は解決しないということで、アメリカのカリフォルニア湾のモデルとか、あるいはデラウェア河口モデルとか、そういうものを参考にいたしまして、総合的な予備調査を実行したいというぐあいに考えておる次第でございます。  第三の、産業廃棄物処理対策推進でございますが、これは最近急激な勢いで増加しております産業廃棄物——一例をあげますと、スラッジ、廃油、スラグ、廃酸、廃アルカリというような物質が、国民生活に相当大きな影響を与えておるわけでございまして、しかし、その実態調査もあまり完全な形では行なわれていない現状でございますので、これらを中心といたしまして、排出、処分等の実態調査を早急にやろうということで、五百万円を計上しておるわけでございます。  第四の、公害防止計画策定調査充実でございますが、これは公害対策基本法に基づく公害防止計画策定につきまして、地方公共団体指導ずるための資料を得るための費用でございまして、具体的には、大都市の群小煙源が密集しておる地点の調査、それから先ほど御説明いたしました産業公害事前調査の中の大気関係のアフターケアのための、電算機を利用いたしましたシミュレーションモデルの作成、さらに新しい仕事といたしまして、水質関係のシミュレーションモデルの作成といった内容を含んだものでございます。  第五の、産業公害に対する規制拡充でございますが、これは従来行なわれております各種規制措置を継続、拡充ずるという内容でございますが、この中で新規に取り上げられたものを御説明申し上げますと、七ページの二行目にございます騒音、振動、悪臭対策のうち、鍛造業の騒音振動の対策調査、それから騒音の模型実験という費用が、実に約三百万円含まれております。次の微量重金属対策、これも四十五年度から新しく取り上げられた対策費でございまして、水銀あるいはカドミウム等いろいろ問題を起こしております微量重金属につきまして、調査対策を進めたいというぐあいに考えておる次第でございます。  九ページ目の、(八)産業廃水等の再生利用調査充実という項目がございますが、これも来年度新しく取り上げる項目でございまして、今後急速に増大する産業廃水、下水処理水等を工業用水道の水源に利用して、公共用水域水質保全という目的と、二者をねらいまして効果ある対策を立てたいということで、その調査費を計上しておるわけでございます。  事業の第六番目は、公害防止施設等に対する助成拡充強化でございますが、公害防止事業団につきましては、厚生省から御説明がありましたので省略いたしまして、金融上の助成措置といたしまして、新しく公害防止機器リース事業助成ということを来年度から始めたいと考えております。これは興銀、長銀の金融債を資金運用部で引き受けまして、その資金を原資として防止機器の貸し付け制度を行なう。金利はまだ確定しておりませんが、大体七・五%の金利を予定いたしまして、低利資金による防止機器の普及、拡充をはかるというねらいでございます。工業用水道への転換に対する日本開発銀行融資、これは従来やっておった事業をさらに拡充するといった性格でございます。地域冷暖房施設に対する日本開発銀行融資でございますが、これは来年度、四十五年度からの新しい事業でございまして、特に来年度は大阪関係の事業を目標にしたものでございます。  これらの融資のほかに、税制面からの助成措置というものも考えておりまして、四十五年度は粉じん防止施設につきまして、特別償却、初年度三分の一の特別償却を創設いたしますとともに、固定資産税の非課税措置を講ずるという点と、重油脱硫施設につきましては、やはり初年度三分の一の特別償却と、固定資産税の適用期限の三カ年延長という施策を実行することになっております。  第七の、産業公害防止技術研究体制整備開発促進でございますが、金額は十億一千万円で、前年度に比べて伸び率はあまり大きくございませんが、これは特殊な事情がございまして、排煙脱硫に関する大型プロジェクトが四十四年度で終了いたしたために、かかる現象になっているわけでございますが、その内容といたしましては、重油の直接脱硫施設に対する大型プロジェクト、その他自動車排気ガスあるいは産業排水処理の総合研究というような重点的な項目を効果的に実行しようということを考えまして、十億一千万円を計上しているわけでございます。  第八の、低硫黄化対策推進でございますが、燃料の低硫黄化は、大気汚染防止する上の基本的な対策でございまして、これに対しまして、重油脱硫に対する関税軽減措置、脱硫装置に対する日本開発銀行融資という二本の柱を建てまして対処しているわけでございますが、重油脱硫に対する関税軽減措置は、キロリットル当たり三百円、昭和四十五年七月から実施するということで、三十九億円が計上されております。脱硫装置に対する開発銀行からの融資でございますが、産業公害ワク五十億円の中で見ることになっております。排煙脱硫装置につきましては、これは新しいワクといたしまして産業技術振興ワクというものを設けまして、特利六・五%ということで重点的に融資しようというぐあいに考えております。  九の地盤沈下防止対策でございますが、これは先ほど御説明申し上げました工業用水道による地下水の転換事業、その工業用水道に対する補助金でございます。  第十の、工業立地適正化推進でございますが、一般会計で四千万円、財政投融資で約三十億円を考えておりまして、立地適正化公害のない新しい立地計画というものの樹立に努力いたしたいということをねらったわけでございます。  第十一の対策が行政体制の整備拡充でございますが、これは立地公害部、鉱山保安局等を整理統合して公害保安局を設置するという内容でございます。  以上御説明申し上げました内容は、終わりの四表に詳しく整理して載せてございますので、お読みとりいただきたいと思います。  以上でございます。
  21. 加藤清二

    加藤委員長 次に、経済企画庁から説明を求めます。西川参事官
  22. 西川喬

    ○西川説明員 経済企画庁所管の当該関係予算について御説明申し上げます。  まず、国民生活局所管の水質保全関係でございますが、縦型の二枚の書類をお手元にお配りしてございます。  水質汚濁問題は、近年水質汚濁源が非常に多様化しておりまして、従来から努力してきたところでございますが、従来やっておりましたような指定水域指定水質基準の設定に関する事務を強化する以外に、さらに新しい項目あるいは環境基準の設定等につきまして、来年度努力いたしたいというふうに考えております。  全体の予算といたしましては、二枚目に載っておりますけれども、昭和四十四年度の五千三百七万七千円に対しまして、昭和四十五年度の予算は七千七百九十七万円を予定しております。二千四百八十九万三千円の増額、約四七%の増加になっております。  予算の重点といたしましては、従来のやっておりましたことをさらに強化するということで、従来やっておりました水質基準の設定のための調査、これは十一水域を十三水域にふやす予定にいたしております。それから水域指定調査、これは八水域を十水域にふやすというふうに考えております。それからそれ以外の特殊問題調査、それから水質保全調査、これらにつきましては従来どおり継続して実施いたしてまいります。  それから新たな問題といたしまして、まず第一に未規制汚濁関係水質調査、これは今国会に提案になっております水質保全法の改正案によりまして、新たに規制対象となっております屎尿処理施設とか、屠畜場とか、あるいは砂利採取場、廃油処理施設等、このような新しい施設に対しまして、水質規制検討するための調査をいたすことにいたしております。これは現在指定水域になっております水域全部にいたすことにいたしておりまして、調査委託費が三百九十二万九千円、新規の予算として、これは四十五年度限りの費目でございますが、新規に予定いたしております。  それから重金属関係水質調査、これはやはり同じく新規でございまして、メチル水銀、カドミウム等の微量重金属の蓄積の問題が非常に大きな問題になってきております。メチル水銀につきましては、すでに御承知のように、検出されないことということにつきまして、関係のある水域、現在までに一般水域を除きまして、メチル水銀特定の水域といたしまして二十七水域をすでに指定いたしております。それ以外に今度はカドミウムにつきまして、これを新たに調査いたしたいということで、これは新規の項目といたしまして五水域、百六十五万円を予定いたしております。この五水域につきましては、厚生省のほうで現在考えておりますカドミウムの要観察地域というものを対象にして調査を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  それから水質基準の見直し調査、これは基準を設定いたしましてから相当年月もたっておりまして、あるいは事情の変化に対応いたしまして、従来きまっておりました水質基準を見直す、再検討する必要が生じてきたというような水域につきまして、あらためて見直し調査を行なうことにいたしまして、これも四十五年度新規でございますが、一応そういう必要のあるところ六水域考えておりますが、これに五百四十九万一千円、これも新規の項目として予定いたしてございます。  それから環境基準設定の調査、これは公害対策基本法に基づきます水質汚濁にかかわります環境基準の設定、これにつきましては現在水質審議会の中に部会を設けまして、鋭意その設定方式の検討を進めておるところでございますが、この検討の結果によりまして環境基準の設定を早急に行ないたいということで、予算的には三百五十四万六千円、現地小委員会を開催する予算がついております。これにつきましては、この説明にございますように、四十五年度十五水域となっておりますが、これは一応問題水域処理するために現地小委員会を開くということの予算の積算の根拠として使われました十五ということでございまして、大体これによりまして、委員会は一水域に約四回、約六十回の委員会を開催する予定にいたしてございます。その委員会におきましての検討のありようによりまして、決して水域数として十五ということでございませんで、できるだけ多数の水域につきまして必要な環境基準を設定いたしたい、こういうふうに考えております。一応予算的には三百五十四万六千円というものが新規として予定されております。  以上を新しい重点項目といたしまして、従来のものと合わせまして七千七百九十七万という予算を予定いたしております。その予算の内訳につきましては二ページの表に詳細書いてございます。  なお、これ以外といたしまして、定員問題につきましては、水質関係といたしまして二名の増員を認められております。経済企画庁全体として四名の——非常に定員の増はむずかしかったわけでございますが、四名増員、二名を水質保全関係に認めていただいております。  以上が国民生活関係でございますが、そのほかに総合開発局所管の地盤沈下対策審議会の経費といたしまして三十八万六千円というものが四十五年度認められております。これは別にまた一枚刷りの表でお手元にお配りいたしてございます。  以上で経済企画庁説明を終わります。
  23. 加藤清二

    加藤委員長 次に文部省から説明を求めます。松浦助成課長。
  24. 松浦泰次郎

    ○松浦説明員 御説明申し上げます。  お手元に、学校公害対策予算という一枚刷りの資料をお配りしてございますが、大きく分けまして二つに分かれておりますが、最初に公立文教施設整備費のうちの不適格建物改築について申し上げます。  公害等による学校施設の改築及び二重窓、換気装置等の公害防止工事に要する経費につきまして三分の一の補助を行なっております。今年度の予算は、面積にしまして三万八千平米、補助額で二億九百万三千円でございましたが、明年度予算案におきましては三万八千平米、面積では同じでございますが、単価上昇等の要素によりまして二億二千八百四十万円の補助を計画いたしております。  御参考までに申し上げますと、中身としまして、学校施設の改築、その関係が、今年度の実績としましては二十一件ございます。それから公害防止工事が十四件ございました。内訳としまして、改築のうち騒音関係が十八件、大気汚染関係が三件でございました。それから防止工事につきましては、騒音関係が、十四件中十一件、大気汚染関係が三件でございました。  騒音対策といたしましては、二重窓、壁の遮音、天井の吸音装置、それから事情によりまして学校木造施設等を鉄筋化するというような改築の事業をやっております。それから大気汚染に対する施策としましては外窓の気密化、それから空気浄化装置の設置、それから騒音と同じように、木造建物で必要なものにつきまして改築を行なうというような内容でございます。  次に、学校公害に対する学校施設対策に関する調査研究等でございますが、公害防止工事を行なった学校における教育環境の調査研究及び防音校舎等の換気(冷暖房を含む)方法等の標準資料を作成するという予算がございまして、本年度百六十三万六千円でございましたが、明年度予算案におきましては四百二十九万円の計画をいたしております。  内容としましては、調査研究会を設けまして、学識経験者等による調査研究をやってまいっておりますが、騒音関係としまして、防音対策工事の標準設計資料案というのを本年度予算で作成いたしておりますが、明年は引き続きこれの検討をして成案を得るというような努力をいたしております。それから、同じく調査研究会の研究題目としまして、騒音が児童生徒に及ぼす心理的な影響調査研究というのをやっております。それから、大気汚染関係としましては、校舎内の大気の汚染の除去の対策につきまして調査研究を行なっております。それから調査研究会による研究以外に、公害防止工事を行なった学校につきまして公害対策の基礎資料を得るという事業をやっておりますが、これは所要額二百五十万円を計画いたしております。それから公害防止工事を行なう場合の教室内の換気等につきましての技術的な調査研究、これは委託費でございますが、百四十二万円を計画いたしております。合計四百二十九万円の事業でございます。  今年度関係は大きく分けまして、以上の二点でございます。
  25. 加藤清二

    加藤委員長 この際、委員長からちょっと説明員に申し上げておきますが、予定が大体一時半、昼食抜きでございまするので、生理的現象その他の関係もこれあり、詳細説明は、いずれ後日いただくことにいたしまするから、本日はなるべく時間の御協力をいただくよう、簡潔に御説明のほどをお願いいたします。  次に、農林省から説明を求めます。加賀山技術審議官
  26. 加賀山國雄

    ○加賀山説明員 お手元にお届けしてございます資料によりまして、簡単に御説明いたします。  一ページでございますが、総計をごらんいただきますと、四十四年度十三億三千五百万円ほどでございましたが、十九億六千七百万円ということで、約六億三千万円ほど増加をいたしております。  それから公害関係融資ということで、ちょっと後ほど触れますけれども、農林漁業金融公庫のほうから融資ワクとして、七億ということで計上いたしてございます。  この表によりまして簡単に御説明申し上げますが、一番最初の農業関係水質汚濁対策調査というのは、これは従来ずっと続けておったわけでございまして、これをさらに続けて、継続調査をするということでございますが、その中で特に特殊調査ということで、たとえばカドミウムとか、ああいうような関係のものにつきまして、特別の調査費を組んでございます。  それから二番目の水産資源保護対策でございますが、これも従来計上してございました予算をさらに強化いたしまして、継続調査をいたしたい。さらにいろいろな監視のための施設に対する補助金等も組んでございます。  それから三番目の畜産公害でございますが、これは最近いろいろと問題になっている問題でございまして、農業の中の畜産の振興ということと並行いたしまして、いろいろ御迷惑をおかけしているわけでございますが、これに対しまして、畜産団地の造成事業というものを組んでみたわけでございまして、これは団地を丸がかえで別の場所に移転をするという、そういうふうな事業でございます。それの補助残について、先ほど申し上げました農林漁業金融公庫の融資をくっつけておる、そういうことでございます。それから畜産関係の(2)といたしまして、畜舎関係から相当汚水が流れるということがございまして、将来水質保全関係基準の中に入れるということになると思いますので、そのための実態をしっかりと調査してまいりたいということで、これを新規に組んでございます。  それから四番目の農林関係工場公害実態調査、これは従前どおりやってまいるわけでございますが、さらにことしからは大気汚染と悪臭の実態調査について、新しく計上いたしました。  それから試験研究は従来どおりでございます。さらにこれを強化していくわけでございます。  それから二番目の、これは関連予算ということで区別いたしておりますが、御承知の新潟県の地盤沈下の対策を引き続き進めてまいりたい。  それからその2にございます農業用水水質障害対策事業というのは、われわれがかねて非常に希望をいたしておりました事業で、要するにいろいろな対策を立てましても、そう水質がよくならないという場合につきまして、取水口の変更であるとか、あるいは排水関係の改良とか、場合によっては客土であるとか、そういうような仕事を組んだわけでございまして、大体ことしは五カ所を対象にいたしたい、そういうふうに考えております。  それから三番目は、先ほど申し上げました畜産関係の団地造成事業の関連で、金融公庫の融資ワクを七億組んでございます。そういうことでございます。  簡単でございますが、終わりにいたします。
  27. 加藤清二

    加藤委員長 次に、運輸省から説明を求めます。田付政策計画官
  28. 田付健次

    ○田付説明員 運輸省関係、御説明申し上げます。  横にとじました二枚の印刷物がございます。  まず、海水の油濁防止関係でございますが、これは船舶から流します油を流さないようにするための対策費でございます。  おもな点は(4)にございます廃油処理施設整備、これが大きいわけでございますが、全国の各港に四十七年度までに港湾整備五カ年計画にのせまして三十二港整備をいたす予定にいたしております。四十五年度と四十四年度と比較いたしますと、約一億のマイナスになっておりますが、これは意識的に減らしておるわけではございませんで、いま申し上げました五カ年計画に沿って整備をいたします。たまたま四十五年度の順序でこうなったわけでございます。四十五年度の予定整備港といたしましては、現在四港予定いたしております。そのほか民間の廃油処理施設もございますので、これにつきましては、その次の(5)にございます設備資金の貸し付けを行ないまして、日本開発銀行からの融資をさせて整備をいたしております。四十五年度につきましては、この分野に属します廃油処理施設は、現在九事業者用意されておりますが、最終的には四十七年度までに三十二港を整備をいたすという計画で進んでおる次第でございます。  そのほか、この分野におきましては、一番目にあります検査体制の整備、それから被害者救済対策としての事業でそれぞれマイナスの減額が計上されておりますが、一番目につきましては、すでに廃油処理施設の検査等につきます必要な器具の整備を終わった関係で、四十四年度までに終わっておりますので、四十五年度は下がっております。  それから被害者救済対策というのは、全国の沿岸市町村において実際に油濁が起きました状況を調査いたしておりましたが、二年度をかけて行ないましたので、対象市町村数が四十五年度に減りましたので、その関係で下がっておる次第でございます。  次に、自動車排出ガス関係並びに騒音防止関係でございますが、まず自動車排出ガス関係につきましては、この一番目にございますように、使用過程車の排出ガス検査——本年八月から、先般環境基準の出ましたときに定めました、予定をいたしております五・五%の検査を、各都道府県にございます自動車検査場で実施いたさなければなりませんので、その分の器具の設備費でございます。一億九千万円予定をいたしております。  それから二番目の点検整備体制の充実と申しますのは、これは排出ガスの点検整備実施をどの程度徹底させるべきかにつきまして、まずデータが要りますので、現在使っております使用過程車に正しい定期点検整備をさせた場合と、あるいはさせていない場合と、何台か車で試験的にデータをとっております。これに関する調査でございます。一部調査が終わりましたので、その分につきまして減額が出ております。  それから三番目は、自動車公害研究関係でございますが、従来船舶技術研究所の、船の研究所の片すみで、この自動車関係の安全、公害研究部門がございましたが、この際これは独立して新設すべきであるということで、交通安全公害研究所——仮称でございますが、これを新設いたしたいということで、この中に新しい車につきますガスの審査、排出規制の裏づけとなる試験研究、このほか昨年度問題になりました欠陥車対策に関するいろいろな安全研究、こういうようなものを入れまして、交通安全公害研究所を独立させる予算でございます。二億五千万円予定をいたしております。  次のページをはぐっていただきますと、次は航空機騒音関係でございますが、この中のおもなものは、(4)にございます空港周辺の教育施設等に関します騒音防止対策事業費でございます。  ここでちょっとお断わり申し上げなければいけないのですが、四十四年度までは一般会計でございましたが、四十五年度から空港整備特別会計をお願いいたしておりまして、この印刷物に見られますように、あちこちに三角がついておりますが、これらはいずれも、いままでは一般会計であったものが特別会計になっていくということでございますので、単に帳票上の整理でございます。まず四番目でございますが、これは右の備考欄にございますように、東京、大阪の両空港の周辺におきます学校、共同施設の騒音防止工事を行なう関係でございまして約十五億、それから建物等移転の補償には約三億を予定いたしております。この十八億が今度特別会計になります。  このほか、上に一行飛びました(2)に空港周辺騒音防止対策事業補助として十億ございます。これは四十四年度に十億の予定がしてあったのを、今度は、四十五年度から十八億になるということでございますので、これは全く同じ内容のものがただ会計の種類が変わったということで御了承願いたいと思います。  それから同じように、(1)と(3)にございますが、航空機騒音調査、これも計数上の整理で両方に分かれて書いてございますが、要するに三百九十一万六千円で四十四年度は航空機騒音調査をやっておりましたが、四十五年度は特別会計になりまして、(1)と(3)を足しますと約四百二十万になりますが、四百二十万で東京、大阪の騒音調査を二カ所ずつ測定をいたしたいということでございます。帳簿上はマイナスになっておりますが、それは先ほど申し上げました、単に整理上のことでございますので、御了解をいただきたいと思います。  あと4といたしましては、一般的な意味での鉄道車両工場、それから造船工場等におきます工場排水規制について、役所が監査をしたり指導する経費でございます。  それから、5の大気汚染気象業務、これは四日市で高層建築物を利用しまして気象の観測をいたしております。その観測の維持費でございます。  以上トータルいたしまして、運輸省関係といたしましては四十五年度に二十五億、昨年度と比べまして七五%増ということに相なっております。  以上で説明を終わります。
  29. 加藤清二

    加藤委員長 次に、建設省から説明を求めます。石川参事官
  30. 石川邦夫

    ○石川説明員 建設省関係公害関係予算について御説明申し上げます。お手元に一枚紙で「建設省公害対策関係予算一覧」というのがございますが、それについて御説明申し上げます。  調査費でございますが、ここにございますように公害防止計画策定調査費、これは主として大気汚染土地利用計画に反映するための防止計画調査費でございます。  それから水路水質汚濁調査費、河川水質調査費、河川浄化対策調査費、これらはいずれも排水路でございますとか、河川等の水質汚濁の状況を把握いたしまして、必要な対策を立てるための調査費でございます。それから地盤沈下対策調査費は、新潟地方の地盤沈下対策のための調査費でございまして、以上合わせまして四十四年度六千六百二十九万が、四十五年度予算案におきましては八千五百三十三万というように増加しております。  次に、事業実施関係予算でございますが、まず最初に緩衝緑地造成事業補助金、これは公害防止事業団工場地域におきまして都市公園として緩衝緑地を造成し、これを市に引き渡すという事業をやっておるわけでございますが、これに対する補助金でございまして、二億八千万円を計上しております。五カ所でございます。  それから都市河川環境整備事業、これは都市河川につきまして、注水によりまして河川の浄化をはかる河川浄化事業と、それから大都市の補助河川につきまして、堆積汚泥を取り除く補助河川浄化事業補助金、それから都市河川の河道整備をはかる河道整備費、これらを合わせまして十六億六千五百万円が計上されております。これは前年度よりも約五億円程度減っておりますが、これは万博関連によります寝屋川の直轄河川浄化事業がほぼ完成したためでございます。  次に、下水道事業でございますが、下水道事業につきましては前年度三百七十二億円に対しまして、四十五年度予算案におきましては四百七十三億円があがっておるわけでございます。これにつきましては、一般の公共下水道につきまして三百六十二億円、それから主として大都市周辺におきまして二以上の市町村を貫流いたしまして、広域的な見地から下水を処理する流域下水道補助金、これが六十五億円、主として都市の排水をいたします都市下水路が三十億円、工場等の悪水を下水に集めまして排出します特別都市下水路、これが五億三千万円ということでありまして、その他を含めまして約四百七十四億円の下水道事業ということになっておるわけでございます。  最後に、新潟地方の地盤沈下対策に対する中小河川の堤防かさ上げにつきまして、一億二千万円の補助金を予定しております。  以上合計いたしまして、事業費関係につきましては四百九十四億円。調査費を合わせますと四百九十五億円ということで、前年度よりも約百億円の増加となっておる次第でございます。
  31. 加藤清二

    加藤委員長 次に、自治省から説明を求めます。立田参事官
  32. 立田清士

    ○立田説明員 お手元に一枚の自治省関係公害関係予算の一覧表をお渡ししております。  自治省では毎年度地方団体の公害対策実態調査をいたしております。それに基づいて地方団体の公害対策推進指導を行なっております。実態調査内容といたしましては、従来毎年やっておりますのは、地方団体の公害対策関係の組織であるとか、あるいは条例の制定状況、あるいは審議会の設置状況、公害対策についての各種の財政措置の状況、こういうものを実態調査としていままで毎年調べております。この関係で四十五年度五十万九千円計上いたしております。  以上が自治省の直接の経費でございますが、自治省自体といたしまして、地方団体が行ないます公害対策についての財政措置について、一般的な各種の補助金がございますが、補助金以外の一般的な財政措置について、地方交付税において算入をいたしております。現在四十五年度の地方交付税についてはいろいろ作業中でございまして、いずれ地方交付税法の改正が提案される予定でございますが、現在の段階で予測されますのは、そこの欄外に書いてございますとおり、公害の監視、測定、そのほかの公害対策関係各種経費を、特に事務費を主にいたしまして、道府県分で約二十億、市町村分で約十億、合計三十億を算入する予定にいたしております。これはカッコ内にございますとおり、四十四年度は合計して十二億でございますので、約二・五倍を予定をしております。  それから、なお書きに書いてございますのは、地方交付税のうち、普通交付税で算入がむずかしい特別の公害対策関係の地方団体の経費については、特別交付税で算入する予定でございますが、四十四年度の特別交付税はまだ決定いたしておりませんので、参考に四十三年度の額をカッコ内で書いてございます。  なお、そこには書いてございませんが、別に地方団体が公害防止関連といたしまして行ないます下水道事業であるとか、工業用水道事業であるとか、あるいは清掃事業であるとか、あるいは学校の建設関係の事業であるとかいったような各種の事業につきましては、別途地方債において措置する予定でございます。  簡単でございますが、御説明を終わります。
  33. 加藤清二

    加藤委員長 次に防衛施設庁から説明を求めます。鐘江総務部長
  34. 鐘江士郎

    鐘江政府委員 昭和四十五年度の防衛施設庁の公害対策関係について御説明申し上げます。  昭和四十五年度の防衛施設庁予算要求額に計上されておりますところの公害対策関係経費のうち、騒音対策経費は約百二十一億一千五百万円でございまして、これを前年度の百億二千四百万円に比較いたしますと、約二十億九千百万円の増額、約二一%の増率となっております。この内訳といたしましては、防衛施設周辺の整備等に関する法律の三条に基づきまして実施する防音工事の補助金でありまして、学校、講堂、幼稚園、病院、保育所、診療所、特別養護老人ホーム、精神薄弱児施設、救護施設等の防音工事を施行する騒音防止対策費でございまして、その予算は約八十九億一千四百万円で、前年度の約七十六億二千四百万円に比べますと約十二億九千万円、一七%の増となっております。  さらに、周辺整備法の四条に基づきます市町村に対する補助金でございますが、市町村の庁舎、公民館、図書館、それから学習等休養施設、養護老人ホーム、準看護婦養成所等の生活環境施設に対して防音工事実施する民生安定対策費は約八億一千万円で、前年度の約二億八千七百万円に比較いたしますと約五億二千三百万円、率にいたしまして約八二%の大幅な増となっております。  また周辺整備法五条に基づき実施いたしますところの飛行場周辺に所在する民家等が騒音による障害を避けるため移転する集団移転対策費、これは約二十三億九千万円でありまして、前年度の約二十一億一千三百万円に比べますと二億七千七百万円、率にいたしまして一三%の増となっておるわけでございます。  次に、演習場及び飛行場等の使用に伴う水質汚濁対策経費及び悪臭対策経費の四十五年度予算につきましては、財政法三十四条の二に規定する実施計画の段階で所要経費が確定されるわけでございまして、ただいまの段階ではその内容は未定でございます。  以上で、防衛施設庁関係公害対策関係費の御説明を終わらせていただきます。
  35. 加藤清二

    加藤委員長 以上で、公害対策関係予算の説明は終わりました。     —————————————
  36. 加藤清二

    加藤委員長 この際、公害防止事業団の事業概要について、参考人理事長から説明を聴取いたします。公害防止事業団理事長原文兵衛君。
  37. 原文兵衛

    ○原参考人 公害防止事業団の原文兵衛でございます。  お手元に「公害防止事業団の事業について」という横書きの資料を差し上げてございますが、それに基づいて簡単に御説明申し上げます。  まず第一に、公害防止事業実施状況でございますが、公害防止事業団ができましたのは四十年の十月一日でございます。それ以来本年二月十五日現在までの事業の実施状況は、造成建設事業といたしまして二十九件、金額で二百十一億九百二十六万四千円となっております。貸し付け事業といたしまして百十三件、八十六億二千三百五十五万円となっております。  当事業団は、事業団法によりまして造成建設事業と貸し付け事業、両方をやることになっておりますが、造成建設事業と申しますのは四つのタイプがございまして、第一が共同公害防止施設でございます。たとえば数個あるいは十数個の工場から出る排水を共同で処理する共同処理施設を建設して譲渡する、こういうことでございます。  二番目のタイプが共同利用建物、すなわち工場アパートでございまして、幾つかの中小工場を、公害防止施設の完備した鉄筋コンクリートづくりの工場アパートをつくって、それで事業をさせる、こういうものでございます。  三番目が工場移転用地、これはたとえば町中の鉄工所等の騒音公害等、そのほかもございますが、そのようなものは移転以外にはちょっと防止の方法がないというようなものを、たとえば埋め立て地であるとか、あるいは町からずっと離れた内陸の地域等にいわゆる移転団地を造成して、そこにそういう工場を集める、こういう移転用地の造成が三番目のタイプでございます。  四番目は共同福利施設、先ほど建設省のほうの補助金の御説明にもございましたが、工場地帯と住居、あるいは商業地域を分ける、いわゆる緩衝緑地の造成、譲渡。これが造成建設事業でございます。  融資事業と申しますのは、個別あるいは共同でもって、たとえば集じん装置をつけるとか、あるいは排水処理施設をつくるとかという公害防止施設をつくるものに対しまして融資をいたします。中小企業に対しましてはその建設費の八〇%、大企業に対しましては五〇%の融資をいたしておるのでございます。以上が、いままで行ないました開始以来の事業の実施状況でございます。次に、四十面年度の予算等につきまして簡単に申し上げます。  先ほど厚生省から金額等申し上げましたが、四十五年度の事業計画は、事業費といたしまして総額で二百十億になっております。ここに資金ベース、契約ベースで載せてございますが、当事業団の事業は、契約いたしましても、その建設が翌年にわたる、年度の後半で契約したものは、どうしてもでき上がりは翌年になるわけでございまして、したがって、資金は翌年度必要だが本年度必要でないということがございますので、契約ベースと資金ベースに分けてございます。  これの伸び率は四十三年度から順に追っておりますが、たとえば契約ベースでいいますと、四十三年度で九十億、四十四年度百六十億、来年度は二百十億となっております。ただ申し上げたいのは、来年度は二百十億のうち造成建設事業が百二十億、融資事業が九十億、融資事業が全体の約四三%に伸びておるのでございます。四十四年度まではこの契約ベースのうち造成建設事業が七五%で融資事業は二五%でございましたが、来年度からは融資事業が四三%に伸びておるというのは、企業者が大企業中小企業ともに、公害防止施設をつくるということに対してはたいへん前向きの考え方になってまいりまして、融資の申し込みがたいへん多くなっておりますので、融資のワクを来年度から広げていただこう、こういうことでございます。  次に、政府出資金は四十三年度以来一億ずついただいておりまして、来年度も一億をお願いしているわけでございます。来年度がきまりますと現在までの合計が三億になります。  ページをめくっていただきまして、二ページの一番上にある政府補給金六千七百七十万五千円というのは、これは当事業団が資金運用部資金から六・五%の金利で借りてきて事業をするわけですが、中小企業等につきましてはなるべく金利を安くしょうというので、それ以下の金利でもって貸し付けをするという、いわゆる逆ざやになりますので、この政府補給金、利子補給金と、その前に申し上げました出資金、これでもって逆ざやの金利の、金利補てんの財源に充てるというわけでございます。  なお、当事業団の金利は、そこに書いてございますように、建設事業のうちの共同公害防止施設、第一のタイプのものに対しましては、中小企業及び地方公共団体を対象とするものは五分五厘、大企業が七分、その他の施設、工場アパートとか、移転団地、あるいは個々に公害防止施設をつくる場合の貸し付けというような場合には、中小企業及び地方公共団体につきましては六分、大企業については七分、こうなっております。実は当事業団が発足いたしました四十年の最初には、中小企業及び地方公共団体が七分、大企業が七分五厘、こういう金利でございまして、中小企業と大企業の差は五厘でございましたが、その後なるべく金利を下げていただこうといろいろと毎年お願いをいたしまして、ここに書いてございますように、中小企業については六分になりまして、大企業については七分、その差が当初の五厘から一分の差になった、しかし、どちらも金利は引き下げてきた、こういうことでございます。  最後に、緩衝緑地の建設補助金は、先ほど建設省のほうでお話がございましたように二億八千万を予定されております。  以上が公害防止事業団の事業、いままでの事業と、来年度の事業計画等の予算につきましての概要でございます。  以上簡単でございますが、御説明申し上げました。
  38. 加藤清二

    加藤委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十一分散会