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湊説明員 先ほどからの御
意見を伺っておりまして、まことに理論的にはおっしゃるとおりであろうと思います。私
どもといたしましては、この種の
個人災害について大局的にどういうふうに判断しようか、実は率直な話、なかなか目安がございませんので、今度の
調査を通じてひとつはっきりした大きな方向をつかみたいというふうに
考えておるわけでございます。
そこで、再々の
委員会においても申し上げたのでございますが、実は
交通事故の問題が、最近のこの種
災害としては一番多うございます。去年一万六千人の死者、負傷者だけで九十七万名、合わせて百万名になろう。これについて現在
全国でおとりになっておる
交通共済、
市町村が
中心でやっておりますが、これは加入率二割くらいの実態でございますし、最近の傾向として明らかなのは火災でありますが、これが実は終戦直後あたりは、大体一年間に
全国で四百人ぐらいであったのが、逐年、一、二の例外はありますけれ
ども、これだけはもう文句なしに傾向としてふえてまいっておりまして、昨年は千三百人に達した、こういう例もございますし、それから水死、これなんか、かってに遊びに行ったんじゃといえばそうかもしれませんが、やはり幼き生命が失われたという点については大きな社会問題であろうと思うのでありますが、この水死というのは毎年大体三千ないし三千五百名の死者で、時期もそれから傾向も、これは安定してというと語弊がございますが、ずっと続いておる。
それから、この
災害について地域
ごとに調べてみますと、農業共済において非常に問題になっておりますように、
災害をほとんど受けたことのない
地帯というのが
全国にございますが、自然
災害等になるとその傾向はなおひどうございます。簡単に申せば、東北でいえば、青森が一番頻度が高うございます。それから関東、甲信越で申せば長野、それから
新潟、近畿のほうに行きますと兵庫、それから中・四国では高知、九州では宮崎、鹿児島、長崎、実は戦前からそうでありますが、地域的に
災害というのが農業
災害以上に非常に片寄っておる。そして、特に死者や何かの統計を見ますと、山くずれとか何かでもって、かなり局地的に集中している傾向が歴然であります。
それだけに、一般の
災害制度の持ち込み方というのが、私も農業者年金
制度あるいは農業共済
制度、いささかタッチして
承知しておるのでありますが、一般の国民の皆さんの受け取り方というものを頭に置いて、しかもこの地域的な偏在の度合い等を
考えたときに、ある項目については、一般的に
全国民に訴えるということも必要だけれ
ども、しかし特殊なものについては、やっぱり特殊
地帯に限定してほんとうの話を聞かなければなるまい。だから、形の上の
調査と別に、そういう
全国の県知事さんあるいは
市町村長さん等にお集まりを願って、そこら辺の打ち割った相談をする必要がある。だから、そういうことをやりながら全体としてこれを成功させるような表の
調査と、裏の
調査というと語弊がありますが、そういう実態把握と並行してひとつこれを進めなさい、こう私はいままで指示をしてまいっておりますし、その種の会合も実は二、三回、
調査の前後にいたしております。
そういう点を踏まえて、この
制度全体についてとにかくやろうということで、
調査費も計上し、再々の
委員会においてもいろいろ御算見があったわけでございますので、そういうことでひとつ何とかはっきりしたものをつくり上げるように努力をしていきたいと思います。