○坂野
政府委員 先生御
指摘の
被害の問題でございますが、確かに
千厩川の
水門の事故がございまして、不幸にして私
どもの
建設省の職員が一名殉職したわけでございます。
原因につきましては、目下
調査委員会を設けまして、はたしてこれが施設の上に不備があったか、あるいは運転上の不備があったか、そういうような問題等を含めまして原因の究明中でございまして、まことにこういう事故の起きたことは遺憾でございます。
この事故の起きた直後——事故の起きましたのは一月二十六日でございますが、その後、一月三十日の低
気圧がたまたま襲来いたしまして、その後の浸水
状況を見たわけでございますが、事故
発生後に応急の
措置といたしまして、その下に落ちた門扉に穴をあけまして、そして不時の出水に備えておったわけでございますが、これは一つはとびらを動かさなかったということは、事故の原因の
調査をするためになるべく現状維持のままにしておこうという方針もございました。通例のこの時期における出水といいますか、気象条件から見ると、こういうような八十ミリの降雨というようなことが予想されない
状態でございましたので、
建設省の事務所の判断としては、門扉に穴をあけておけば十分であろうということの想定のもとに、そういう不時の出水に備えておったわけでございますが、ちょうどたまたまこの一月三十日の低
気圧は、当地方としてはいまだかつてない予測し得ざる実は出水でございました。そのために、その
水門が落ちておったために、穴の大きさが不十分であったというために、確かに出水のために冠水を見たわけでございます。
その
状況は、
先生おっしゃるように面積としては約五十ヘクタール、浸水の戸数がちょっと食い違っているようでございますが、床上、
床下浸水が相当数出ておりまして、これに対しまして出水の
状況というものが予想されましたので、出水
予報というものを地元民に対して
通報しまして
被害の軽減につとめ、また水防等にも当たったわけがございます。それから、急いで門扉の穴を増加いたしましたが、もちろん急なことで間に合わなかったわけでございますが、その後は
水門を二メートルぐらい持ち上げまして今後こういう事態の生じないように
措置するつもりでございます。
先ほど申し上げましたように、
水門の事故そのものにつきましては目下原因究明中でございますけれ
ども、
水門が事故のために落下して、それに対して、一応の従来の常識に従って門扉に穴をあけて不時の出水に備えていたことも事実でございますが、先ほど申し上げましたように、こういう時期にこれだけの不測の
降雨量であったということは、私
どもとしてはこれは予測し得ざる現象であったというぐあいに解釈しておりまして、もちろん地元からもまだ損害補償要求等は正式には出ておりませんが、私
どもの
現地におきましては、できるだけ誠意をもって、その当時としても出水の
予報等を申し上げ、その後もいろいろ問題等につきましても、事務所あるいは地建の出先の局としては最大の
努力を払っているわけでございます。先ほど申し上げましたように、現在のところ事故の原因いかんにかかわらず、その後の
措置としては、私
どもとしてはまあ結果的にはたいへん不幸なといいますか、不十分でございましたけれ
ども、一応従来の通例の、何といいますか、判断し得る出水に備えて門扉に穴をあけておったということもございますので、できるだけ私
どもとしては地元からの要求がございましたら、それに対しまして、誠意を持って
災害復旧その他の手当てをいたすようにいま
努力を払っている次第でございます。