○隅田
説明員 現在使われておりますものに対しましては、先ほどちょっと御
説明いたしましたが、ことしの八月一日から、
車両検査の際にアイドリングの測定を始めたわけでございます。このアイドリングと申しますのは、御存じだと思いますが、ちょうど交差点で待っているような状態で、からぶかしをしているような状態だと
考えていただけばいい。
それからフォアモードと申しますのは、普通に自動車は、アイドリングがありまして、それからアクセルを踏んで加速がありまして、それから
一定速度で走りまして、それから減速をするという状態がございます。この四つのモードを組み合わせた測定条件をきめまして、その全体で出ます量というものをはかっているわけでございます。これはちょっと研究してみると申しましょうか、高度でしかも時間のかかるテストをやりませんと、フォアモード測定というものはなかなかそう簡単にできません。したがいまして、
車両検査というような、とにかく流れ作業によって車がどんどん入ってくる、これを測定をしていくというような場合に、フォアモードを
適用するということはちょっと技術的に不可能でございます。一応現在、これは世界的に大体そうでございますが、アイドリングの場合には、やはり
一酸化炭素については非常に悪い成績を示しております。それから、非常に特殊な
整備状態なり使われ方をしますと別でございますが、普通の常識的な使われ方と
整備状態の単の場合には、アイドリングとフォアモードにはある程度の相関
関係がございます。そういう意味で、アイドリングを押えておくことによって、フォアモードのときの値はある程度押えられるということが、技術的にわれわれのほうも勉強した結果がわかっております。そういう意味で、
車両検査の場合は実際フォアモードの測定はできないが、一応相関
関係があるということで、アイドリングをもって
車両検査のはかり方ときめたわけでございます。
八月一日から始めたばかりでございますので、現状といたしましてはまだ成績はあまりよくございません。八月一日から始める前に、ためしの測定を検査場で、いわゆる
排気ガスについて全然
整備もしないものについてずっと続けたわけでございますが、そうしますと、大体世の中いま走っている車は、何もしないといたしますと、半分はいま五・五%ときめております
規制に不合格になります。これを
車両検査をやることによって、その不合格の半分を五・五%まで持っていきたいということをいまの
規制としては
考えて実行しているわけでございます。
御存じのとおり
車両検査には期間がございます。トラックで一年、乗用車で二年ということでございますので、八月一日から始めはいたしましたが、全部の車が一回り済むまでには、たとえば乗用車では二年かかります。これはわれわれとしても非常に問題でございます。世論からもそういう御指摘を非常に強く受けましたし、それで八月一日から車検場で始めると同時に、
警察庁の御
協力も得ながら
街頭での検査を始めたわけでございます。この
街頭での検査、これは一応運輸省はいわば技術を提供しているような形でございますが、とにかく
街頭でとめましてはかるというようなことをやりまして、その結果、不合格なものについて
道交法上の処理をしていただき、それについてわれわれのほうなりあるいは
警察庁でもう一ぺんはかってもらって、合格のものは合格というマークをつけるというような手をとっております。現在合格のものに
ステッカーを張るようにいたしておりまして、できるだけ早くこの
ステッカーを張った車が多くなるように、いま
整備工場などを督励しながら、鋭意行政
指導をしているというのが現状でございます。