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横路委員 安全性と公共性の調和の問題ですが、それはやはり安全性を第一に置いてもらわなければ困るのです。
飛行機をどんどん増便を認めるという場合に、
空港の
施設が整っていないのに増便を認めるということはだめなんで、調和じゃなくて安全第一主義ということでお
たくのほうはやってもらわなければ困ると思うのです。いまの
お話ですと、
自分のところでつくった
滑走路の選定についての
基準をみずからお破りになって、そのことを何もふしぎと思われておられない。
業務処理規程の五ノット以上という場合はこういう風に向かうように飛び立ちなさい、
滑走路を選定しなさい、ちゃんと
業務処理規程にありながら、
羽田の場合はその倍です。
航空局長、そういう運用になっていますということだけでは困るのです。
それからもう
一つ、先ほど民間航空条約の中には何も
規定がないんだということをおっしゃいましたけれ
ども、時間がないから私のほうで言うだけで終わっておきますけれ
ども、ICAOのパンス・ラックのパート四の十一の一、二ですね。これにはランディングアシュアーに達するまで次の
飛行機の
着陸許可を与えてはだめですよということが規程にちゃんと書いてある。そしてお
たくのほうでも四、五年前まではこの保安
業務処理規程の中に入っておったんだそうですが、これが四十四年のときに消えてなくなってしまったというように私は聞いている。ICAOのパンス・ラックできめられた。ハート四のアプローチ・
コントロール・サービス、
進入管制の場合の
基準の中にきちんときめられているのですから、やはりそれに沿ったような
基準をつくってもらわなければ、まるで無視したような形で
基準を設定して、どんどん民間の便を認めていくということでは困ると思うので、ぜひその点もお
考えをいただきたいと思います。
時間がございませんので、最後に
管制官の労働過重の問題について
お尋ねをしたいと思いますけれ
ども、昭和三十五年を一〇〇として、昭和四十五年の推定の取り扱い機数を一万七千五百機といたしますと、交通量は二・五六倍になっている。ところが現在は五十八名ですから、交通量に合わせて
管制官の数というものを
検討してみますと八十五名ということで、現在でも十七名の欠員が出ているわけです。十七名も現状で足りないわけですが、さらにいまの
羽田を
考えてみますと、十一名の
チームが三つ、十名の
チームが二つ、そして予算上は一応十三名になっておりますけれ
ども、その中で無
資格者、いわゆるフルレーティングという
意味での無
資格者は大体三分の一以上、五十八名のうち二十五名がそうですよ。だから、たとえば
羽田のいまのB
チームなんかを見ますと、十一名でやっていて、そのうち三名が完全な無
資格者ですね。六カ月の見習い期間、さらにそのほかに二人、三人はフルレーティングを持っていない人がいる。そして私
たちがみんなで
視察に行ったときにも、
現実に指示を受けながら
仕事をやっているわけです。だから警察のほうでも一応容疑者扱いにしている。まるきり
権限も持たせないで、
仕事をしていなかったら、やはり警察だって、ほかの二名の者について
被疑者というような取り扱いはしないだろうと思う。行ってみれば、ちゃんと
飛行機と
レーダー室なんかの場合、
飛行場管制の
資格だけ持っていて、
あとの
資格を持っていない人が、マイクでもって
飛行機と応答やっていますよ。手一ぱいですね。一人で二つも三つも、本来三人なら三人がすわらなければならないいすのところを一人でやっているわけです。だからトイレにも行けない。食事にも満足に行けない。二時から九時までの七時間の労働。あの
レーダー室に行ってみて、ああいう労働というものはほんとに密度の濃い労働だろうと思う。しかも、
一つ何か間違えば、
管制官が悪いんだというような
状態になっているわけです。事はやはり国民の生命、安全という問題ですから、それは予算がならぬ、いまもう
定員削減だ、なかなかむずかしいというような面があるけれ
ども、しかしこれはやはり金の問題じゃない。命をどれだけ大切にしているかいないかという問題だろうと思う。
そこで私、時間がありませんから
一つだけお伺いしたいのですけれ
ども、まずこの欠員補充の問題がありますね。それと同時に、いかにして
管制官を養成するかという問題があるのです。この
管制官の養成は、いまのように
チーム編成の中に入れてしまってやるというのは、やはり私は間違いだと思う。しかもその
訓練生専門に教育に当たるような
管制官というものはいないわけですね。
仕事を持ちながら教えている
状態です。ですから、やはりそれをはっきり分離をして——私
たちこの間日本航空へ行って
パイロットの養成のところを見ると、シミュレーターを使ってやっているわけですね。あれは
管制にだってあるわけです。シミュレーターは大体一台が二億円するような機械らしいのですけれ
ども、シミュレーターがあるというふうに私は聞いております。それだったら、やはりシミュレーターを使って、きちんとまとめた形でもって養成すべきであって、実際の
仕事の中にそれを組み入れてやらすと、この間のような
事故があって、
訓練生だって、おまえやはりやっているじゃないかということで——お
たくのほうでは、
仕事はやらせていないからだいじょうぶなんだというが、しかし、これはやはり一般の国民から見れば、
仕事をやっている。だから警察もやっていると見て容疑者扱いにしているわけです。
被疑者として取り扱いをしている。そういうことはきちんと、事は大蔵省が金を出すとか出さぬとか、行管のほうが
定員を認めるとか認めないとかいう問題ではなくて、その辺のところは国民の生命、安全を守るという
観点から、
運輸省としてももう少しきちんと監督官庁としてやっていただきたいと
考えるわけです。その養成計画の問題、その辺のところをどういうぐあいにお
考えになっているのか。