○佐野
委員 業界報によりますと、相当いろいろな折衝が積まれていることは明らかにされておりますけれ
ども、それは別といたしまして、では一般会計から
建設公債が出されておるのに、そのもとで進むのが——たとえば先ほど松浦さんの
質疑の中にいろいろ問題のありました償還にいたしましても税金を担保として一般
建設公債、この中に
道路費というものを確保していく、このほうが一番無難なような感じですけれ
ども、何かこれを避けておられる。いろいろな問題があるのでしょう。ところで、
道路特別会計の中におけるところの債券、この場合に自民党の皆さんの筋からいろいろなお話が出ておるのですけれ
ども、何かこれは適当な機会に資料としていただきたいのですが、たとえば
地方公共団体の引き受け債、二番目には
地方金融機関の引き受け債、あるいは自動車メーカーの引き受け債、いわゆる自動車購入者による自動車公債、大体五つくらいいろいろ私
たちのところにも入ってくるのですけれ
ども、こういう
考え方、そういうことに対するもっといろいろな
問題点を、ひとつ検討の中で明らかにしておいていただきたいと思います。
私は、たとえば農業協同組合の
理事長をやっておりまして、これはなかなか皆さんのほうからお話があるような地元経営で、農協が一体現在すでに発行されておる債券をいろいろ買って高利のやつを持っておるのに、いまさら何の関係もない
道路にそれは投資しろと言ったって投資できないだろうし、あるいはまた、地元銀行にいたしましても、あるいはまた、
地方銀行なり相互銀行にいたしましても、県金庫として毎年毎年たくさんの縁故債を引き受けさせられ、その上に毎年毎年
道路公債を引き受けさせられ、
建設公債を引き受けさせられ、その上にまた
道路公債をなんと言ったら、とても、私
たちもそういう金融的な問題に関係いたしておりますだけに、もう少しそういう点をはっきりさせていただかなくちゃならないのじゃないか。これはいろいろなうわさを通じて、その場合どうだというような話というのは非常におかしいじゃないか。もっとそういう点に利害得失なり、現実にどうだという——
大臣なんか、公社の場合でも、県知事あたりは非常に地元
金融機関を動員して引き受けるのだと言っておるのですけれ
ども、地元
金融機関はみんな悲鳴をあげているのじゃないですか。既発行債のやつを四十一年の金繰りから四十二年の段階に来て市中に売って、それで大きな損をしておる。こういうようないろいろな経験をなめてきておるだけに、しかも開発公社なんというのは民法法人としてやられておって、これは特殊法人の公社に切りかえるわけですけれ
ども、前の場合だって、財団法人の公社なんというものはいわゆる県知事が
理事長ですけれ
ども、その
理事長が自分の
道路その他のために金を借ろうと思えば、一番にらみのきくこの県知事が、いわゆる今度は特殊法人としての
道路公社になる、その場合の
理事長というものはだれになるかわかりませんけれ
ども、そういう
意味においてにらみがきかないのじゃないかということなんかも地元で話をしておるのですけれ
ども、もう少しこういう点に対して、私
たちにも資料を与えて検討させていただきたい。かようなことを
考えるわけです。
ただ、この場合に、今度は別の角度において
大臣にひとつ検討してもらいたいと思いますことは、たとえば
道路利用者税にいたしましても、やっぱりもっと特別税として問題を
考えてみたらどうだろうか、あるいは通過
道路ができて、その通過
道路の付近は、
住民には迷惑かもしれません。
騒音なり
ガスなり、いろいろな形で困っておる。そういうところに
道路がついたら、固定資産税といったって、なかなか
住民はうんと言わないだろうと思います。しかしながら、通過
道路からうんと奥に入ったところにいわゆる企業がやってくる。その企業がそこにおいて、外部経済としての利益を内部経済の利益に変えることができる期待利益も大きいと思いますね。そういう法人が現実的に企業が利益を受けておる、こういう
道路によって利益を受ける者にいわゆる期待利潤としての特別税を課するという、諸外国でもやっていると思いますがね。日本の場合は、
大臣が言われる都市
計画にしても、
道路があるから、
道路が何十メートルまでというような形におけるたとえば都市
計画税なんというものは、とてもこれは現実には合わないと思いますけれ
ども、その
人たちが迷惑をこうむっておって、逆に奥に引っ込んだそこに企業が進出してきた、そこで社会的生産手段を独占して、
道路を準占用してそして膨大な期待利潤を得ておる、こういう企業グループに対する
道路の利用税として、ひとつそういう資本に対する、企業に対する税金というものも
考えらるべきじゃないかという点が第一点ですね。
第二点として、この自動車関連産業と申しますか、たとえば二月の十幾日だったですか政府原案が発表されて、一番喜んだのは土建業界であり、あるいは鉄鋼、セメント関係産業である。これで、この
道路費を公共
事業一八・四%ですか、あるいは万博が終わって不景気になると予想されたが、スムーズにいけるんだという形に非常になっている。先般送ってまいりました鉄鋼協会からの、いわゆる今度の予算を分析して、どれだけの鉄鋼が使われるかという試算をやっているのを見ますと、たいへん膨大な数字を見込んでおる。こういう
道路産業によって、それらのものに投資されたからといって他の産業に波及していくわけじゃないですね。ですから、そういうことで膨大な利益をあげているセメントなりあるいは鉄鋼なりあるいは
建設業なり、こういうところにやはり一つの特別税というものを設けてやっていく、こういうことも
考えられていいんじゃないか。そういう点に対して、諸外国でもやっておりますが、日本の場合においては特にそういうのをきらって、逆にいえば、産業基盤のために
道路をつくっているのに、その産業基盤の社会的生産手段をカバーしてやっておるのに、そこから税金を取るのはもってのほかだという意見もありますけれ
ども、今日の
道路の状態を
考えてみますと、そういう
意味における
道路利用者税なり受益者税というものを、違った角度において検討さるべきじゃないか。こういう点、非常に皆さんが公債問題その他で大きな困難にぶつかっておられますし、それはそれなりのいろいろな問題があると思いますので、そういう角度においてもひとつ検討していただきたい、こういう点をひとつ申し上げておきたいと思います。
時間も非常におそくなりまして恐縮ですけれ
ども、先ほ
ども申し上げましたような、
地方におけるこの
道路費のもたらす影響というものに対して、
大臣はやはり相当深刻に
考えて、特定財源なんというものは
地方に与えるべきじゃないか。逆にいえば、そういう特別税なり一般の税金をもって
国道その他のなにに当たるべきじゃないかという
考え方を持つわけですけれ
ども、こういう点は大きな転換になるだけに、少し検討していただきたい。というのは、先般もある県から決算書をいただいたのですけれ
ども、見てやはりびっくりさせらられるのは、町村の状態がたいへんだということです。これは雪の国ですから、特に市町道の場合、雪の被害をこうむるためにもどうしても舗装しなければならない。舗装しなかったら、あとの維持、修理がたいへんなわけですね。こういうことをやられているある県の報告をいただいたのですけれ
ども、これはたとえば、
昭和四十二年度で全国平均、
市町村が舗装を五%しかやっていない、こういうときに、この県は八・二%やっておるわけですね。四十三年は九・六%、四十四年度は二・一%だ。だから、皆さんが
考えておられるよりも、非常にテンポが早く舗装がやられておるわけですね。しかしながら、財源を見てまいりますとこれはたいへんじゃないか。というのは、先ほど申し上げましたような、単独
事業に対するところの交付税で優先的に頭から取ってしまうから、非常に優遇されておるように
考えますけれ
ども、この県の
市町村に対するところの
基準財政
需要額というのは五億七千八十二万五千円であるわけです。ところが、実際に使っておる金というのは二十億四千五百十二万円、たいへんなお金だと思いますね。ですから、率もいいわけですけれ
ども、これだけ本来
市町村がやるべきものを、
住民負担という形で寄付その他においてやられているところに非常に無理が出てきておるということを、ひとつ
考えていただきたいと思います。そういう
意味におきましても、ことしの財政
計画において非常な伸びを示しておりますね。ですから、そういうだけでなくて、それだけやったとしてもなお現実の
市町村におきましては
住民負担の中でやっておる。県におけるところの改良、舗装にいたしましても、
市町村に対する負担がいわゆる受益者負担という形でかかってくる。
市町村もまたこれを
住民にほとんどのものをかぶせていかなければならないという、こういう状態の中にあるということもひとつ知っておいていただきたいと思います。
それからもう一つ、やはり私
たちもびっくりする数字なんですけれ
ども、たとえば冬の間における
道路交通確保、これは雪寒
道路にも出ておりますけれ
ども、こういう中でこの
市町村の場合を見てまいりますと、除却機械の償却費というのが七千九百万円もかかる、維持管理費が四千万円もかかっている、融雪溝の
整備その他に二千百万円、合計一億四千万円です。これに対するところの特定財源は、
市町村の場合は一般国庫支出なりその他全部ないわけです。だから、すべてが
市町村の持ち出しになっておる。六千九百四十九万円程度は
基準財政
需要額に見ておる。ですから、倍以上のものがいわゆる持ち出しとして、ここでいわゆる寒冷地帯におけるところの
道路確保がやられておる。ですから、この
計画の中に寒冷地帯における予算が出ておりますけれ
ども、この予算の中身を見てまいりますと、
大臣も御存じのとおり、これは指定された県道しか対象になっていない。
市町村道はそれは除外になっておる。ですから、ここにおきましてたとえば特別交付税の比率を見てまいりましても、たいへんだと思うわけです。ですから、自治省あたりでは特別交付税をもってある程度まで除雪その他のめんどうを見ておるのですけれ
ども、これが
昭和四十三年では
市町村が十一億四千万円、県は、雪寒
道路によるところの指定路線による除雪の補助金がありますから五億九千万円になる。四十四年度は県は七億円で、町村は十五億円です。二十二億円を特別出資としてこれに充てなければ、これがどうもならないという中で処理されてきておるわけです。もちろんこの場合に、
住民負担というものが非常に大きな数字が出てきておるだろうと思います。こういう点もやはり五カ年
計画の作成の中において、
市町村長なりそして
住民の要求なり、それらの熱意なりエネルギーというものをどういうぐあいにくみ取っていくか。こういう中で苦しんでおる。こんな特定財源さえ一つやれない。交付税があるじゃないか。その交付税もよけいやるのだから
土地開発基金に回せ、あるいは国に三百億円借金させてくれろというような形で吸い上げていっている中で、こういうような
地方財政の現況というものが出てきておるわけです。その上、今度の
措置によって、
国道であっても、四
車線であってしかも都市
計画に指定されておる
道路は、四分の三の補助から今度は三分の二の補助に減らす、こういう
措置がとられてきておるわけですが、いまの
道路の状態を見たら、あらゆる単独
事業の九割まで
道路に持っていく。雪寒の現状を見てもいまのような
状況だ。そういう中で、なおも国が現在政令による四分の三であったものを三分の二に切り捨てなくちゃならないという
考え方が、非常に冷酷な姿として浮き彫りされてくるのではないかという点も、ひとっこれからの問題として
考えていただきたいと思います。
最後に、こっちばかりしゃべってなんですけれ
ども、いずれ検討事項としてひとつ申し上げて、時間も迫っておりますので……。ただ、街路の場合におきましても、非常に
市町村と密接な関係で国の補助も出ておりますけれ
ども、この街路の現況は、
大臣も一応またそれぞれの局課長からお聞きしていただきたいと思うのですけれ
ども、四十一年度において承認されているのは金額にいたしまして四兆六千億円、四十二年度では五兆八千億円、これはキロとみなそれぞれ出ておりますけれ
ども、これに投資した金というものは五百七十九億円です、これは四十二年度ですけれ
どもね。ですから、都市街路に五百七十九億円、これだけのものを投資して承認された
計画路線だけを達成しようとすると、
大臣も先ほど笑っておられましたけれ
ども、四十一年度分をやるのには自後九十年間かかる。四十二年度分をやるには百年間かかる。こういうのが都市
計画街路として承認されておる。承認されておるのを、実際において四十二年度一カ年間にどれだけの金を投資したのだろうか。
考えてみると、これはたいへんな事態の中に——都市におきまして
生活環境と非常に密着しておる街路、その街路の進捗
状況がこのような状態の中にある。
そういう中で、今回とられる
措置というものは非常に残酷な
措置じゃないかということを感じましたので、いろいろの角度からいろいろお伺いしたい点もありましたけれ
ども、一応問題を羅列して将来の検討に資していただきたいということで、意見を述べて終わっておきたいと思います。