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1970-03-27 第63回国会 衆議院 建設委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年三月二十七日(金曜日)     午前十時十一分開議  出席委員    委員長 金丸  信君    理事 天野 光晴君 理事 正示啓次郎君    理事 服部 安司君 理事 阿部 昭吾君    理事 小川新一郎君 理事 吉田 之久君       青木 正久君   稻村左近四郎君       砂原  格君    丹羽喬四郎君       葉梨 信行君    廣瀬 正雄君       藤波 孝生君    森下 國雄君       山本 幸雄君  早稻田柳右エ門君       卜部 政巳君    佐野 憲治君       松浦 利尚君    三木 喜夫君       北側 義一君    小濱 新次君       内海  清君    浦井  洋君  出席政府委員         建設政務次官  田村 良平君         建設大臣官房長 志村 清一君         建設省道路局長 蓑輪健二郎君  委員外出席者         警察庁交通局交         通規制課長   井口 孝文君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     富樫 凱一君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     宮内 潤一君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     高橋 末吉君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  林  修三君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   島村 忠男君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   原山 亮三君         建設委員会調査         室長      曾田  忠君     ————————————— 委員の異動 三月二十五日  辞任         補欠選任   葉梨 信行君     遠藤 三郎君 同月二十六日  辞任         補欠選任   遠藤 三郎君     葉梨 信行君 同月二十七日  辞任         補欠選任   池田 清志君     青木 正久君 同日  辞任         補欠選任   青木 正久君     池田 清志君     ————————————— 三月二十六日  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第八七号) 同日  宅地建物取引業法の一部改正に関する請願外十  件(藤田義光紹介)(第一八二六号)  同(華山親義紹介)(第一八二七号)  同(天野公義紹介)(第一九五六号)  建築基準法の一部を改正する法律案の修正に関  する請願外一件(門司亮紹介)(第一九五七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第八七号)  道路整備特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出第四七号)  地方道路公社法案内閣提出第八六号)  本州四国連絡橋公団法案内閣提出第八二号)      ————◇—————
  2. 金丸信

    金丸委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、内閣提出道路整備特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、本日、日本道路公団より総裁富樫凱一君理事宮内潤一君、理事高橋末吉君並びに首都高速道路公団より理事長林修三君、理事島村忠男君及び理事原山亮三君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  4. 金丸信

    金丸委員長 内閣提出道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案議題といたします。
  5. 金丸信

  6. 田村良平

    田村政府委員 道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案提案理由の御説明を申し上げます。  ただいま議題になりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びにその要旨を御説明申し上げます。  政府におきましては、現行道路整備緊急措置法に基づきまして昭和四十二年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定し、これによりまして道路整備事業を推進し、今日まで相当の成果をあげ得たことは御承知のとおりであります。  しかしながら、道路交通需要は予想をはるかに上回って増大しており、これが交通混雑の激化、交通事故増大などを招き、経済活動国民生活に著しい支障を及ぼしていることも事実でございます。これがため、今後とも増大が予想される道路交通需要に対処するとともに、あわせて国土の総合的な開発と普遍的な利用を確保するため、道路投資画期的拡大をはかり、道路整備事業をさらに促進することが必要となってまいりました。  このような観点から、政府といたしましては、現行道路整備五カ年計画を発展的に改定いたしまして、昭和四十五年度を初年度とする新たな道路整備五カ年計画を樹立することとするため、ここに道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を提出することにいたした次第でございます。  次に、この法律案要旨を御説明申し上げます。  第一に、現在実施しております道路整備五カ年計画を改定して、新たに昭和四十五年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定することといたしました。  第二に、積雪寒冷特別地域道路交通確保に関する現行計画につきましては、新たな道路整備五カ年計画とあわせまして、昭和四十五年度を初年度とする積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画に改定することといたしました。  第三に、奥地等産業開発道路整備臨時措置法につきましても、同様の理由によりまして、その有効期限昭和五十年三月三十一日まで延長することといたしました。  その他これに関連いたしまして道路整備特別会計法関係規定整備を行なうことといたしております。  以上が、この法律案提案理由並びにその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いをいたします。
  7. 金丸信

    金丸委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————
  8. 金丸信

    金丸委員長 これより道路整備特別措置法の一部を改正する法律案地方道路公社法案本州四国連絡橋公団法案及びただいま説明を聴取いたしました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案、以上四案を一括して審査に入ります。  なお、先刻決定いたしました参考人からの意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承ください。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。卜部政巳君。
  9. 卜部政巳

    卜部委員 ただいま委員長のほうから御提案になられましたように、道路関係法案が四本そろって出ておるわけでありますが、本日は、道路整備特別措置法の一部を改正する法案についてのみ意見質問を行ない、審議を行なっていきたい、このように思います。なお、道路公社法等をはじめとする三法案につきましては、じっくりと、十分に時間があるということでもございますので、その中でほかの三案については審議をいたしていきたい、そのような考え方に基づきまして道路整備特別措置法について進めてまいりたいと思います。  そこで、この道路整備特別措置法案につきましては、五十八国会において満場一致で決定されたいきさつもあります。しかし、今日ここに、この法案の中に日本道路公団の名が浮き彫りにされておりますので、まず公団質問を試みてみたい、このように思います。  そこで、公団のだれでもけっこうであります、総裁はまたあとからでけっこうなんでありますが、担当の方から、公団職員が勤務中に事故にあった事例があるかないか、この点をひとつお知らせ願いたい。あれば、五年間を平均いたしまして何件くらい一年間に事故が発生しておるのか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  10. 宮内潤一

    宮内参考人 お答え申し上げます。  発生はいたしております。五年間という資料は持っておりませんが、昨年一年間におきましては死者一名を含んで七件、八名の人身事故が起きております。
  11. 卜部政巳

    卜部委員 昨年は死者一名を含めて八名ということでありますが、三月十四日の夜の名神高速道路西宮インターの出口で起きました事故についての詳細をお聞きしたいと思いますが、お願いをいたしたいと思います。
  12. 宮内潤一

    宮内参考人 お答えいたします。  御指摘の日時に事故がありましたのは事実でございます。これは東京方面からトラックが暴走いたしまして、九州のある運送会社の下請をしておる従業員と聞いておりまするが、これが東名名神を走ります段階でウイスキーをあおりまして、そして途中で気がついてだいぶ警察等が手配をいたしましたけれども、御承知のとおり、高速道路というのは入った以上どこから出るかということがわからないわけでございますので、結局西宮まで行ってしまった。警察公団側の努力にもかかわりませず、ゲートにぶつかりまして、一名が相当重いけが、一名は軽傷で済みましたけれども、そういう遺憾な事故がありました。
  13. 卜部政巳

    卜部委員 それはどういう職員ですか。たとえば道路に立っておる者が暴走したトラックにはねられた、さもなくば、あの箱みたいなものがございますね、あの箱みたいなものに入っておるのがやられたわけですか、どちらなんです。
  14. 宮内潤一

    宮内参考人 お答えいたします。  二名とも、ブースと申しておりますけれども、料金を徴収いたしますところのボックスの中に入っておりまして、車がそのあれにぶつかりましてはね返って、反動でこっちのブースにぶつかり、またこっちへ行くというようなことで二名が負傷いたした次第であります。
  15. 卜部政巳

    卜部委員 常識から考えると、私たち自動車を利用しておりますが、そのブースとかいうのですか、先のほうにいろいろなコンクリートの壁みたいなものがたくさんありますね。それだったらトラックははね返るというのが常識でございますが、そうすると、ブースに入っておって負傷するというのは、どういうふうなかっこうで負傷するわけでありますか。
  16. 宮内潤一

    宮内参考人 事故の詳細、目下警察でも取り調べておりますが、要するに、こういうぐあいにブースがたくさん並んでおります。その中に入ってきて、こうあるブースにぶつかりました。はね返ったその角度が、お話のようにこういけばよかったのですけれども、こっちへ来ちゃった。そしてこういった。そこで、こっちとこっちと二つブースに入っておった両名がガラス破片等けがをした。それからもう一つは、料金を取りますときに、台がございまして、ここにお金なり券なりあるわけであります。これが移動するようになっておりまして、これはなぜかといいますと、徴収員からだが大きい人も小さい人もいろいろありますし、また各人の好みがございまして、おれはこういう角度で取りたい、おれはこうしたいというようなことで動かすようになっております。これが振動で動いたためにからだの部分を打った、こういうことにもなっております。
  17. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、宮内理事さんがお答えになっておられますように、常識としても考えられないような事故が発生したということでございますね。
  18. 宮内潤一

    宮内参考人 今回のは、いまの車のぶつかってはね返る状況、あるいは何回もぶつかっているというようなことは、ちょっと類例もございません。御承知のとおり、道路公団全国相当ブースもありますし、十何年の経験もあるわけでございますが、これは初めてのことでございますす。
  19. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、憶測がされないような状態の中で事故が発生するということ、またどんな安全対策をしておっても事故というものは発生するということを、このことが端的に物語っておると思うわけです。そういうことになりますと、やはりこれに対する対策というものが、そうは言いながらもブースの問題について行なわれていなければならぬと思います。ですから、いま宮内理事のほうから初めていうことをおっしゃられておるのですが、私の調べたところにおきましても、横浜でも一件あったように記憶いたしております。そういうふうなことからいたしまして、道路公団側といたしましては、やはりこのブースに対してのそういう措置というものも、当然安全対策が考えられておると思いますが、そういうものはございませんか。
  20. 宮内潤一

    宮内参考人 ただいま一件と申しましたのは、そういうような異常な状態のものはああいう例だということで、御指摘のような横浜の例は二年ほど前にあったわけであります。これは非常に大型のトラックが入ってきて、それでガラスに当たった。その中に入っておった人がそのガラス破片けがをした、こういう事故でございます。  そこで、今回まことに想像もつかぬようなことが起きたのでございますが、われわれといたしましては、全国ブース相当職員もおりますので、安全対策には十分意を用いておることは事実でございます。そこで具体的には、本社のほうで、料金徴収の場合あるいは路上作業をする場合あるいはパトロール等の巡回をする場合それぞれにつきまして、安全対策の要綱をつくって指導をいたしております。と同事に、労働組合との間には、本社におきまして安全対策委員会、それから名神とか東名とかいうところは、それぞれ管理局というのがございましてその責任を負っておりますので、そこには支部安全委員会というようなのを労使で常設いたしまして、事のある場合また事がなくても予防措置ということについて、十分相談をしてまいっております。
  21. 卜部政巳

    卜部委員 わかりました。  そこで、このブース横ワクですね、そういうものに対する対策というものは立てていらっしゃいませんか。
  22. 宮内潤一

    宮内参考人 先ほど申しましたように十何年の経験がございますし、いろいろなこともございました。人身事故には至らなくても、たとえばブースにぶつかるというようなことはなきにしもあらず、そういうことから経験を積み重ねるに従いまして、いろいろなわきとか前後とか、それぞれに安全対策を講じております。特に強度につきましては、新しい建築の要素も入れまして検討いたしておりますし、それから実は名神等におきましては、あのブースの先のほうに、アイランドと称しておりますけれども、舟型のあれができております。それとブースの間に防護柱を立てまして、車が当たってもブースそのものには当たらぬようにしようというようなことも逐次実行いたしておりまして、実はいまの御指摘西宮も、三月二十日ごろには完成する予定であったわけでございますが、ちょっと間に合わなかった。いまはもうできております。
  23. 卜部政巳

    卜部委員 それは鉄のポールというやつですか。その鉄のポールも間に合わなかったが、いまはできておるというお話ですけれども、宮内理事お話にもありましたように、何か酔っぱらいの七・五トン車、こういうことでございますが、大体六十キロぐらいのスピードで走ってきた、こういわれている。そうすると、もしそれがあっても、はたしてそういうポールで防ぎ得たであろうか、この問題でございますが、この点はどうでしょうか。
  24. 宮内潤一

    宮内参考人 そういうことができるという確信のもとに設置をいたしております。
  25. 卜部政巳

    卜部委員 宮内理事の御答弁によりますと、最初は何かガラスでもってけがをしたというような言い方をされていましたけれども、あの新聞等におきましては重傷だ、そしてまたあの内容を見てまいりますと、原田君ですか、これは頭部打撲顔面裂傷左肋骨骨折それから右わき打撲、こういうふうなことが書いてありましたが、こういうふうなかっこうになってまいりますと、それは単なるガラス破片等における負傷ではないと思うのです。こういう六十キロのスピードでもって七・五トン車が飛び込んでくるということになれば、私は率直に言って、そういう鉄のポールなんか問題にならぬと思うのです。私は非常識な、あくまでもしろうとみたいな考え方でありますが、あの先っぽのとんがったアイランドというのですか、いまお教えいただきましたが、そういうものが先っぽがとんがっておるから、舟型だからあるいはぽんと横にはねて、ブースのほうに入っていくのだろうと思うのです。むしろぺしゃんこにして、ぶつかってくるほうが悪いのでありますから、ぶつかったほうはとたんにそこでもって自動車がめちゃめちゃになるような、先っぽのほうを真四角にでもするような、そういうような措置というものが加えられていいんではないか、私はこう思うのです、それはあくまでも人命保護ですから。ぶつかってくる六十キロの七・五トン車のほうが悪いのですから、その人たちの命を守ることを中心に考えては私はまずいと思うのです。その点でこの安全対策というものについて、構造的にもひとつ御検討願ってはどうだろうか、こう思うのですが、その点はいかがでありましょう。
  26. 宮内潤一

    宮内参考人 先ほどガラスのほかに料金徴収の台が、倒れたときにこれがぶつかって、そこで肋骨を打つとかそういうけがになっておるわけでございます。ガラスだけではございません。その点は御了承を願います。  それからもう一つの点でございますが、真四角にするということはできないので、アイランドの先のほうに、ある程度のゆるやかなこういうのを設けたりいろいろくふうをしてきているわけであります。われわれの立場といたしますと、職員である従業員生命身体、これはもちろん大事ですが、同時にお客さまのほうに——あの場合は酔っぱらいでまことにあれでございますが、必ずしもそうばかりではありませんので、両方生命身体というものを防護する方法がなかろうか。こういうことで、先ほど申しました安全対策委員会等におきましても、われわれのほうの立場両方の安全、組合側は主として従業員の安全という立場からいろいろ検討しております。特に御指摘事故が起きましてからは、先日もその委員会を開いておりますので、ただいまありました御意見十分参考にいたしまして、新しいものを考えていきたいと思っております。
  27. 卜部政巳

    卜部委員 いまの御答弁でございますが、これは私も新聞記塩を見たときには、そんなことは考えられないことだなと思っていたのですが、ともかく自動車はあそこのアイランドの近くになれば徐行するのが常識です。七・五トン車であろうとも、徐行していればそんな事故もなかったわけですね。ブースの中に入っている人も事故はなかっただろうし、そういうことになれば、いま宮内さんがおっしゃったように、相手の命を尊重するなんと言っていますが、その他ということは常識的には考えられませんわね。酔っぱらうか居眠りという状態でなければ、六十キロくらいなスピードでもって走ってくることなどは、そしてまたアイランドに衝突するなんということは考えられないことですから、やはりだれの命が大事かといえば、常に仕事をしている人の命を防衛してやらなければいかぬというのが、ぼくは当然の措置だと思うのです。ですが、いろいろ公団側としては、こんなお客さまの命なんか知らぬなんということは言われませんから、その点はよくわかりますが、少なくとももう少しそういう措置をやはり考えてみてはどうだろうか。この点はひとつ将来の問題としても考えてみていただきたいものだ、こう思います。
  28. 宮内潤一

    宮内参考人 貴重な御意見を承りましたので、先ほど申しましたように安全委員会なり、また私のほうに土木あるいは建築技術者もたくさんおりますので、十分検討いたしたいと思います。ありがとうございました。
  29. 卜部政巳

    卜部委員 それともう一つ、私なんかが商売柄自動車を利用しておってよく感ずることなんですが、職員ブースの中に入るときに手をあげたり、ときによったら黄色い旗ですか、それを振りながらブースに入っておるのがあるのですね。ところが、たまたま私なんかもあれしたのですが、徐行していたからいいようなものですが、バンパーにぶつかったという事例もあるわけです。あれも私が二十キロぐらい出しておったら、あの人はおそらくやられていますよ。ですから、そういうことから考えて、あれにはただ手をあげて歩くという対策しかないのだろうか。しかしながら、名神なんかのほうを見ておりますと、地下から入ってくる人もあるわけですね。そうすれば地下から出てくる人もあるだろうと私は思うのです。そうすると、地下から入ってくるというようなブースは、全国に何カ所くらいあるのですか。
  30. 宮内潤一

    宮内参考人 お答えいたします。  高速道路関係はおおむねございます。ただ一般の道路、たとえば横浜新道とかございますが、そういうところは地下道はないわけでございます。
  31. 卜部政巳

    卜部委員 高速道路には全部あるわけですか。
  32. 宮内潤一

    宮内参考人 おおむねございます。
  33. 卜部政巳

    卜部委員 おおむねというのですが、現実には何カ所あるのですか。
  34. 宮内潤一

    宮内参考人 御承知のとおり、ゲートといいますのは、交通量の大小によってブースの数が違うわけであります。大体六車線以上必要とするブースのところには全部穴をあけておる、地下から出入りをする、こういうふうなことにしております。
  35. 卜部政巳

    卜部委員 そうすると、六車線以上のものは全部地下から入るようになっておるということですね。わかりました。  それで、そういうふうな地下から浮かび上がるように見えるわけですが、しかし、そうはいっても、五車線云々というような問題も出てくるわけです。これとても、そう安全じゃないと思うのですね。いまの問題にしても、二つブースがやられたわけですね。そういうふうな事例の中で五車線以下ということなんですが、四つは最低あるわけですね。そこに渡り歩いて行くということについて、六車線地下から、四車線、五車線は手をあげて黄色い旗を持って歩けという対策ではちょっと片手落ちではないだろうかと思うのですが、この点に対する対策はないものですか、また、将来直そうとするあれはありませんか。
  36. 宮内潤一

    宮内参考人 ブースの数が多くなるということは、結局渡る幅が広くなり、距離が長くなって、それだけ危険性が多かろうという配慮からそういうことをしたわけでございます。何ぶんにも、穴をあけるといってもただ穴をあけるわけではないわけでございまして、セメントでしっかり固めた地下道をつくるわけでございますので相当経費もかかります。それから従来の例で、職員が事務所からブースに行く、あるいはブースからブースに行くという途中において、車にぶつかってけがをしたというようなことはまだ聞いておりません。そういう点からも、現在の非常に距離が長くなるところの六車線くらいでよかろうという判断でございますが、せっかくの御意見でもございますので、検討してみたいと思います。
  37. 卜部政巳

    卜部委員 先ほど私の例を申し上げたように、たまたま徐行するというより、とまったような状態にあったからばっとよろけた程度であったのですが、あれが二十キロくらいでしたら事故になったということを申し上げました。そういうふうな問題で、間隔が広い云々ということは別として、地方道路に行ってもそのとおりなんですが、それはその問題として終わっても、何かそれには基準があるのですか。
  38. 宮内潤一

    宮内参考人 内部できめましたいろいろな通達とか、あるいは設計承認とかいろいろなことで、そういう六車線以上という措置を講じております。
  39. 卜部政巳

    卜部委員 ではひとつ建設省のほうにお伺いをいたしますが、この道路法によりまして、高速道路ないし有料道路の問題もそうでありますが、これをつくる場合には建設省許可を必要とする、さらに工事内容とか道路の幅員だとか、こういうものも申請が行なわれ、許可を与えるはずになっておりますが、その点については、将来の問題としてそうした五車線以下でも地下から上がってくるブース——そういうことになるとかなり高いのですが、地下からブースに入れるような、そういう基準というものをつくる考えがないかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  40. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 先ほど道路公団のほうから御説明がありましたように、料金を徴収しておるゲートの人命を守ること、これは必要なことだと思います。また、そういうような人命を守るための防護施設、これも必要だと思います。ただ、地下にするかしないか、いろいろ地形の関係、交通量の関係がございますので、その辺は私の考えでは、いまはっきり基準をつくるということよりは、おのおののゲートの位置、地形、交通量、それによってやはり技術者が十分考えて安全なものをつくるということにしておきたいというように考えております。
  41. 卜部政巳

    卜部委員 しかし、いま宮内理事のほうからお話があったように基準も何もないわけですが、六車線というのがいま行なわれているということですね。ただ五車線というものについては、六車線以上に間隔も広くないのだから、せめて手をあげて黄色い旗でも振って歩けばいいという御答弁なんです。それではあまり子供だましだと思うのです。実際はもう無防備ですから、またいつかそういうような酔っぱらいや居眠りが飛んでこないとも限らないのですから、そういう対策を立てていく場合においては、やはり将来の問題としては、いままでつくられたものについてはこれはやむを得ないとしても、これからの道路というものは考えていかなければいかぬのじゃないか。やはり基準というか、地下からはい上がってくるようなそういう措置というものも、五車線以下でも当然つくっていくべきじゃないだろうか、このことを明確にしてもらいたいと思うのです。
  42. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いま先生のおっしゃること、よくわかります。やはりゲートに従事する人の人命も大切でございますので、その趣旨から十分今後の設計に生かしてまいりたいと思います。
  43. 卜部政巳

    卜部委員 この問題につきましてはあとから締めくくりのときに申し上げますが、建設省のほうにもう一ぺんお伺いをいたしたいと思います。  たとえば、建設省のほうで、現場の職員がいまのように公務に携わっていたときに事故にあった、負傷した、こういう場合においての災害補償というものですか、こういうものはどうなされておりますか。この点は、ひとつ建設省のほうからお聞かせいただきたいと思います。
  44. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 この問題は官房で一括してやっております。ただ、私たち道路をやっておりますと、やはり現地で公務災害にあった場合には、公務災害の法に基づきまして、それに基づきます適当な補償をしておるような次第でございます。
  45. 卜部政巳

    卜部委員 災害補償はあるわけですね。
  46. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ございます。
  47. 卜部政巳

    卜部委員 では、公団のほうにお聞かせをいただきたいと思いますが、労災なんかは別でありますが、災害補償はどうなっておりますか。
  48. 宮内潤一

    宮内参考人 私のほうは、御承知のとおり労災保険の強制適用事業所になっておりますから、労災の適用をいたしております。先ほど冒頭に申し上げましたように、去年一人なくなったわけでございます。この場合には年金で四十万円ということになり、それからまた、先ほどからいろいろ例をお引きになるのが全部加害者がおりますので、加害者からその分を取るということで、先ほどの例の場合は四十万円の労災保険のほかに加害者から千三百五十万円、これで示談をいたしております。
  49. 卜部政巳

    卜部委員 宮内理事さん、労災保険なんというのは、これは最低常識です。これはあたりまえの話なんです。災害補償はどうなるのかということなんです。そうすると、いまの御答弁によりますと何か加害者にもらうのだ、こういうふうになりますね。加害者から一千三百五十万円もらったからいいということですが、しかし、御承知のように、たまたまそういう加害者に支払い能力があるからいいようなものですけれども、ない場合には、では公団のほうとしては知らぬふりで、公団の仕事をして公務に携わっておるときの災害補償というものは全然考えられないわけですか。
  50. 宮内潤一

    宮内参考人 従来起きた事故は全部加害者がおるわけでございます。加害者のない事故というのは、いままで生命事故はないわけです。ただ、組合のほうからは、先ほど申し上げました名神職員がなくなった事件に関連して、そういうときは考えてもらえぬかという意味の要求はございます。これに対して、とにかく加害者がおる場合には加害者からもらうのが筋ではなかろうか。というのは、私のほうがかりに幾らか払いますれば、加害者がその分を免れるわけです。たとえば、かりにわれわれのほうが百万円払ったといたしますならば、千三百五十万を向こうが千二百五十万しか払わないということになるので、これはおかしいのではないかということでございます。ただ、お話しのように、一般の理論の問題といたしましてはいろいろな場合があり得るであろう、そういう場合はケース・バイ・ケースでよく考えよう、こういうことでございまして、具体的には、暮れの団交では、国鉄あたりなんかいろいろ例があるかもしれぬ、そういうことを労使ともに研究をしよう、こういうことで妥結をいたしております。
  51. 卜部政巳

    卜部委員 いまの御答弁によりますと、やはり根底に流れているものは、加害者が当然支払うべきものだという思想であるわけです。しかし、実際問題として、先ほども申し上げたように加害者が払わない場合、払えない状況にある場合だってあり得るのですから、そうしたときに四十万くらい、それでもってパーであるということには私はならぬと思う。いつどこでやられるかもしれないブースの中、安全な箱の中に入っていてもそういう状態にあるというならば、少なくともやはり災害補償を十分に考えた措置というものを私はとらなければならぬと思うのですね。道路公団の問題と同じような問題がやはり道を預かる鉄道公団なんかにもありまして、ちょっと調べてみましたが、鉄道公団なんかにはりっぱな制度があるわけなんです。そういうふうなことから考えるならば、私は団交でどういうふうに妥結したのか知りませんが、団交なんかということは別問題として、私はそのくらいの制度化というものに対する誠意を示してもいいのではないか。この点について、これはひとつ総裁にそのお気持ちをお聞かせ願いたいと思います。制度をつくるという意思ありやどうかということです。
  52. 富樫凱一

    富樫参考人 路上作業に従事しておる公団職員の災害につきましては、私どもたいへん心を痛めておるわけであります。災害にあった場合の補償等につきましては、われわれは人情として十分の手当てをいたしたいと考えておるわけでありますが、いろいろの事情がありまして、先ほど来御説明したような処置を講じておるわけです。しかし、ただいま先生のお話もございますし、鉄道建設公団にそういう例があるというようなことでもございますので、よく検討いたしまして善処いたしたいと思います。
  53. 卜部政巳

    卜部委員 いま総裁の前向きのおことばがあったわけでありますが、ただそれが、十分に検討させていただきますということで私は終わってはならぬと思います。少なくとも総裁のことばの中にもありましたように、そうした鉄道公団等にもあるのだということがわかったのだから、その点について実行に移すということばに、私はこれをかえて確認をしたいと思います。  その点、政務次官もおいででございますので、いまお聞きのように、こうした人命というものが、予測されないような状態でそういう危険にさらされる状態にあります。そういうかっこうになってくると、どんなに安全対策をやってもどうしようもない状態が出てくるということも、いままでのお話の中で出てきたと思うのです。そういうふうなことからいたしましても、政務次官、こうした災害補償の制度化の問題ですね、建設省にもある、どこでもあるんですから、そういうものがただ公団だけにないという、そういう問題について、総裁のことばもさることながら、政務次官としてもそれを促進する意味においてひとつその決意のほどをお聞かせをいただきたい、こう思います。
  54. 田村良平

    田村政府委員 お答えします。  お話しのように、全く予測しないような交通ラッシュ、さらにそれから起こるいろいろな災害、それによってしかも関係従業員の命をあやめたり、予測しない事故が起こります。それに対しては、お話しのように、新しき現象に対していかに最善の行政をとるかということについては、制度化すべきだというふうに考えております。道路公団ともよく相談をいたしまして、こういう問題で不安感を抱きながら作業をするというようなことのないようにいたしたいと思います。
  55. 卜部政巳

    卜部委員 この制度化の問題は、やはり働く人人の精神的な安心感というものもありますので、今国会ということになりますと、若干あれかと思いますが、次期の国会までには成案をつくるように指導していただきたい、こう思います。ひとつ総裁にもその辺で御確認を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。——わかりました。そういうふうに確認をいたしましたので、次にまいりたいと思います。  そこでお伺いしたいと思いますが、これも同じ新聞に載っておりましたが、三月の十一日の朝日新聞の大阪版に、名神の豊中インター付近の混乱が大きく写真で報じられておりますが、これは一体どういう原因なのかを明らかにしていただきたい、こう思います。
  56. 高橋末吉

    高橋参考人 ただいまお話ございましたように、豊中インターチェンジ、三月上旬あたり相当渋滞をいたしまして、たいへん御迷惑をおかけいたしたわけでございます。現在は円滑な流れのほうにだんだんなってまいりまして、安定いたしております。このときのことを、私も現地に参りまして見たのでございますが、あそこの豊中の料金徴収所の施設でございますが、阪神の空港線と接続いたします関係で、従来道路公団名神の建設当時の料金所と、それから阪神公団のほうが新しくできたわけでございますが、そちらの料金徴収の場所と二カ所で徴収を別々にやっておったわけでございます。その間隔が三百メートル何がししか離れていないというようなところで、御利用になる方々が二回車をとめ、二回お金を出したり入れたりされなければいけないというふうなことで、いろいろ世論の御批判もございまして、私ども公団といたしましても、阪神公団のほうといろいろ御相談をいたしまして、これは一回停車していただいて、一回で料金をいただいて走っていただくというふうにすべきであるというふうなことから、その中間のところに、最もいいような場所に一カ所料金所を設置いたしまして、そうして合併徴収ということでやったわけでございます。これに対しては、機械の新しい開発が必要でございました。一回だけの場合よりも機械そのものに時間がよけいにかかるというふうなこともございます。また、いままで私どもだけがやっておりましたところよりも、阪神のほうに寄ったほうへ出てまいったわけでございますが、一般道路のほうへ出てしまわれる方は、従来でございますとずっと手前のところで私どものほうのゲート料金をお払いになれば、そのままもう出られるわけでございましたが、今度ずっと先まで行ってから初めてそこで——一般道路に出られる方も阪神のほうへ接続される方も、ずっと前へ進んで、そこで初めて分かれるというふうなことになりまして、上りと申しますか、西宮、尼崎方面から入って出られる方、それから吹田方面から下っていって出られる方、これが二つのランプウェーから出られまして、西宮のほうから来られた方が一般道路に出られますときに、一番左側のほうへ寄っていかなければなりません。それから吹田のほうから来られた方で阪神のほうへ行かれる方は、今度は逆に右のほうへ行く、そういったあやをなすような状態がずっと先まで行きますもので、よけいにそういったことも初期のときにございました。これらに対しまして、これの誘導標識とかいうふうなことも、私も現地に参りましたのですが、十分でなかった点いろいろございまして、私も現地でいろいろ指揮をし、そういったものをそういう地点にはっきり立てて、よく御利用になる方がわかるようにしなきゃいけないというふうなことをそのときも現地でも言ったのでございますが、そういうふうなこともいろいろその後やりまして、現在は円滑な流れの方向に変ってまいってございます。  なお、豊中を必ずしも御利用にならなくてもいいような方々でも、万博の開会に合わせて大阪周辺のいろいろな道路が突貫工事的に工事を進めておられまして、こういうふうなこともございまして、その関係の渋滞も一時あるいはあったんじゃなかろうかというふうに私には考えられます。その後十三へ四日以降、これらの道路が非常にりっぱにそれぞれ供用を開始されまして、豊中をほんとうに御利用になる車が正規の方向へだんだん返ってきたというふうなこともございまして、現在は順調な流れの方向になって、私どもたいへん喜んでおるわけでございます。
  57. 卜部政巳

    卜部委員 御説明のとおりです。ただ、スムーズに豊中のあそこのインターの付近が動いておるという、その断言のしかたには若干問題がありますが、その点はさておきまして、まずいま高橋理事のほうから御指摘がありましたように、三百メートルぐらいなところで料金所のブース二つある、こういうお話でございましたが、まさにそのとおりです。大体そういうようなことがなぜ起きるのか。実際問題としてそんなばかな、そんな近くに道路公団とそれから阪神公団料金所ができるような、そういう道路の設計のあり方というものは、これはおかしいんじゃないか、こう思いますね。この点については公団のほうはどういう見解でありますか、道路の構造上の問題ですがね。その点についてはどうお思いですか、あるいはいいと思っていますか。
  58. 高橋末吉

    高橋参考人 ただいま御指摘のとおり、いまから考えますれば、そういった段階でそれぞれ総合的な検討のもとに設計、構造されるのがしかるべき、また一番いい方法だと思います。
  59. 卜部政巳

    卜部委員 建設省のほうにお尋ねいたしますが、いま高橋理事も申されたように、道路公団道路ができた、そこへもってきて阪神高速道路ができて料金所が二つできた。これは明らかに道路の調査上におけるミスだ、施工上におけるミスだ、こう私は思うのです。だけれども、建設省自体としてはそういうことがわかるわけですから、初めからそういうものを許可せないという方針があってしかるべきだと思うのですが、その点はどうだったのですか。ただこれは阪神だけが問題ではありません。これからの首都高速との接点の問題もあるわけですが、そういう点はどういうお考えをお持ちですか。将来に向かっても、それから現時点の問題についてもちょっとお答えください。
  60. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いま先生の言われますように、道路公団料金徴収所がある、そのすぐ近くに阪神の料金徴収所がある。結果から見ると、はなはだおかしいと思います。ただ、おのおのの道路計画の時点が変わってまいりますと、阪神高速のほうがあとからできたわけですが、名神高速について、やはり名神高速の計画の中でインターチェンジを計画し、その料金ゲートをどこに置くか、そういうことで用地の買収その他きまるわけでございます。そういうときに、では阪神の接続をどう考えるかということまで一諸にやるべきだと思います。その辺が時間的に少しずれておりましたので、そういうことをきめかねておったのが事実ではないかという感じがいたします。確かに結果から見れば、いま弁解がましいことを言いましても、おかしいものはおかしいのです。そういうものは、今後いろいろ高速道路と都市高速の接点の問題が非常に出てくると思います。そういう地点の計画は十分事前にはっきりさして、こういう矛盾のないようにしていきたいというふうに考えております。
  61. 卜部政巳

    卜部委員 ただいま前向きの御答弁がありましたのでそれは了解をいたしますが、将来予想される問題といたしまして、やはり東名道路と、さらにいまの首都高速との接点の問題が問題になるだろうと思います。その点については、いまの御答弁のように十分考慮していただきたい。少なくともそういう料金所が三つ一諸に並ぶとか三百メートル近くに出てくるようなことのないように、ひとつ配慮を願いたいと思います。  そこで、高橋理事のほうからお話がありましたように、これは私は興味深く思って見ておったわけですが、あそこに料金所があったのが今度併合されたというのですか、公団法によりまして相手に委譲することもできませんから民営にしたわけですね。そのとき実際問題として地元でだいぶ反対がありましたね。それでこの三月十一日の新聞に書いてある内容をお読みになったらおわかりのように、従来の徴収方法のときはスムーズであったけれども、今度民間委託になってからはスムーズでなくなったことの指摘が書いてありますね。お読みになったでしょう。きのう私は新聞に書いてあるということも連絡しておいたのですから、お読みになったと思います。そういうことが書いてあるわけですね。そうしてみると、構造上の問題もありますけれども、民間委託によって生ずるところの弊害もまた出てきたと思うのです。その点で、先ほど高橋理事からいろいろ言われてきたのですが、新しい機械の問題が出てきたでしょう。そういうふうなこととからみ合わせて、実際問題として民間委託になりますと率直にいって安い賃金、それであそこは忙しい。だから、たいがいやめていくわけですね。いま労働力が不足しておるのです。ともかく若い青年というのは、少しでも高い、そしてまた楽なところに行きたいという希望を持っている。また、そういう人間性が今日の状態をなしておると思うのです。そういう状態の中でありますから、ちょっとことばに問題があるかもしれませんが、率直にいうと、そこに来る人は能率が悪いです。そうしたことから出てくる遅滞というものもあるのです。  そういうことから考えてみたとすれば、いま建設省政府委員のほうからの御答弁もありましたが、これからはそういう接点とからめて料金所が二つ併合されるようなかっこうのものはないという答弁をされましたけれども、今度からは、吹田なんかにも想像されますけれども、そういう民間委託ということはもちろん現象としては出てきませんが、現在ある吹田なんかの問題も民間委託にはしないという方針が必要である、こう思いますが、どうでしょうか。この点は明確にしていただきたいと思います。
  62. 高橋末吉

    高橋参考人 豊中の合併徴収に伴います民間委託の件につきましては、先生のお話にございましたような事情もございます。また機械が新しいこと、ふなれな点、こういった点でいろいろ御迷惑をおかけしまして、これらに対する指導その他に私どももいろいろ全力をあげておるところでございます。今後のことにつきましては、合併徴収というところは私どものほうとしても具体的にいまちょっとございませんけれども、今回の豊中の新しい機械を入れてふなれな者が扱うような、こういったことにつきましては、今回のことをお手本といいますか経験といたしまして、十分検討していかなければならぬと考えておるわけでございます。そういったところがどこか近い機会にあるかということを考えてみますと、いまのところちょっと考えられません。
  63. 卜部政巳

    卜部委員 いま高橋理事お話によりまして、そういう想定されるべきブースはもうないという御答弁でございましたから、あえてそのことに触れようとはいたしません。ただ、ここで口すっぱいようでございますが、先ほど申し上げた労働力の不足と関連して若干能率が落ちてくるという、二度と言いませんから言わんとする趣旨はわかってください、ことばがあまり人を中傷したことになりますから。だから、そういうことを考えて民間委託にするほうがいいのか、それとも、あなたたちが持っている信頼する職員人たちに重点を置いて民間委託にせずに、増員要求にこたえてりっぱな公団の品位を守り続けるような料金所にして、そして流れをスムーズにさせていくという方向をやるべきだと私は思う。何でもかんでも安ければいいというかっこうで民間委託にするから、そういう問題があるという新聞の記事もありますように、やはり公団の品位があろうと思います。そしてプライドもあると思います。そうした面で、ひとつこれからは民間委託などということのないように、わずか四千何ぼの職員の方々だと思いますので、その人たちによってブースが完全に守られ、かつスムーズに運行していくという姿を私は希望してやまないところです。その点については高橋理事のほうからも確たる約束がなされましたので、これで省略をいたしたい、こういうふうに思います。  そこで、次にお伺いをいたしたいと思いますが、これは五十八国会じゃなく六十一国会でありましたか、社労の中で若干取り上げられた問題で、私も興味深く見ておるわけでありますが、今日裁判にかけられておる事件というものがあろうかと思いますが、その結果についてはどういうふうになっておるかをちょっとお知らせ願いたいと思います。
  64. 宮内潤一

    宮内参考人 裁判、いろいろあるわけでございますが、お尋ねのは職員の不正事件に関することでございましょうか。
  65. 卜部政巳

    卜部委員 そういうことです。
  66. 宮内潤一

    宮内参考人 それではお答えいたします。  昭和四十二年の夏ごろに、名神高速道路管理局の茨木に道路の維持事務所というのがございます。そこでガードレール等廃材が出まして、これを民間業者に売り払うということに関連いたしまして、職員二、三名が裏金を捻出した、こういう事件がございました。そこで、御承知のこととは思いますが、この四十二年の夏というのは、ちょうど阪神高速道路公団で五千万円の拐帯事件がございました。大騒ぎになりました。したがいまして、建設大臣から、これは建設省自身もですが、特別監察を行なえということで、非常に綱紀粛正に力を入れた時期でございました。そのときに残念なことにそういう不祥事ができましたので、懲罰委員会を開きましてやめてもらったわけです。そのうちの一名が大阪地裁に、身分を保持したいという身分保全の仮処分の申請をいたしまして、約二年近く審理が行なわれまして、去る四十四年の十月二十五日と思いましたが、職員として取り扱え、昭和四十四年十月以降毎月三万五千七百円を払え、そのほかの要求は却下する、こういう一部公団側が敗訴するというケースがございました。これは仮処分でございますので、目下本訴が行なわれるということになりまして、確か五月の八日に第一回の審尋が行なわれる、こういう運びになっております。
  67. 卜部政巳

    卜部委員 いまお伺いいたしておりますと、仮処分の結果は、復職をさせろ、そしてその給料の三万五千七百円払いなさい、こういう仮処分が出たわけですね。じゃ、なぜその身分を——いまの宮内理事のおっしゃるように不正であって、ほんとうに綱紀粛正に当たるような事件だとすれば、そんな仮処分が出ただろうか。この点は疑問です。なぜにそういう仮処分が出たんでしょう。それは、そういう事実がなかったからということではないでしょうか。
  68. 宮内潤一

    宮内参考人 仮処分の判決理由を見ますると、本人は、かりにN君と申し上げておきましょうか。N君がそういう裏金をつくることを防ぐ機会が三回あったということは、判決理由書が認めております。しかも道路公団の就業規則によるならばいろいろな処分ができる、たとえば停職三カ月なんという処分もできるではないか。したがいまして裁判所の見解は、N君が全く白という意味ではないので、ただ懲戒解雇ということが重過ぎるのではないか、こういう提案でございました。  そこで、復職の問題でございますが、私のほうといたしましては、とにかく先ほど申しましたような非常に綱紀粛正が叫ばれた時期に、そういうことは本人たちも大阪の事件でございますからよく知っておる、しかも裏金をつくったというようなことから、事務の職員が金銭上あるいは契約上のことについて疑いを持たれるような者を復職させることは不適当であると考えております。しかし、生活の問題がございますので、本人に裁判所の命令どおり三万五千七百円を払い、それから健康保険でありますとか、それから寮に入っておりますが、そういうものは職員と同様に取り扱っている、こういう段階でございます。
  69. 卜部政巳

    卜部委員 これは私たちの同僚議員の社会党の後藤さんのほうから私に伝えられたことなんでありますが、このN君というのは、現実にはそういう廃材等について、裏金をつくることについては猛烈に反対をする男である。事実反対をしてきた。ところが、自分が病院に入って出てきてみたら、だれか知らないけれどもその裏金をつくっていた。これはいま私、名前を申し上げませんが、宮内理事さん御承知のとおりの上役の人がやっておった。そういうような状態の中で、自分の部下がその問題について上役のおっしゃるように帳簿をつくってしまったということですね。その点について、部下をかばう意味合いにおいて自分が書いたのだということを言ったために、何というのですか、裏金をつくったのはN君であるというらく印を押されたけれども、事実彼はそういうことは一切しない男だ。公団に入って、そういう問題については、終始一貫そうした裏金等をつくることについては追及をし、かつまたその問題については、特に反対の急先鋒に立ってきたといういきさつがあるということを聞いているのです。ですから、同僚議員の言うには、いろいろ感情的な問題もある、何の問題もあるが、仮処分というものが出ておるのだから、その点についてはあまりメンツにこだわらずに、何とかやはり——現実にはいま宮内理事のほうからおっしゃっておるように、給料も出しておる、保険もみな払っておる、さらに寮にも入れておる、こういうあたたかい温情をしておきながら、ただ身分だけは帰さない。仮処分は、身分も復帰させなさい、こういっておるのに、それだけにこだわることもないじゃないかということを実は耳にしたところなんです。ですから、私はまだそのくらい程度しか知りませんから、理事のほうで率直にいっていろいろ言いたいこともあろうと思います。だけれども、そういうことはさておきまして、そういう本人の清廉潔白なものが明らかになったとするならば、メンツだとか感情の対立、いろいろあろうかと思いますが、その点はやはり配慮してやってしかるべきではないだろうか、私はこう思ったものですから、これはちょっと資料等は私はあまりございませんから、あまり詳しくは申し上げられませんが、同僚議員から聞いたことは間違いないと思います。その点によって私は発言をしておりますが、その点ひとつ十分な配慮をしてもらいたいと思いますが、いかがなものでございましょうか。
  70. 宮内潤一

    宮内参考人 この間、後藤先生にもお目にかかりまして、いろいろ御説明をいたしました。後藤先生も仮処分の決定書を十分お読みになっておられ、この点、いま先生は清廉潔白とおっしゃいましたけれども、あの理由書も清廉潔白とは書いてありません。
  71. 卜部政巳

    卜部委員 それはやはり自分が書いたから……。
  72. 宮内潤一

    宮内参考人 自分といいますのは——裁判官の仮処分決定理由書の中に、西村君はやはり三回反対するチャンスがあった、これをやっておったならばこの裏金はこの方法ではつくれなかったということは推測できる、こういうことがあるわけです。したがいまして、後藤先生も、清廉潔白というようなことはおっしゃってはおらないわけでございます。なおまた機会がございましたら、十分御説明いたしたいと思います。
  73. 金丸信

    金丸委員長 関連で松浦利尚君。
  74. 松浦利尚

    ○松浦(利)委員 まだもう少しあとでよかったのですが……。  それでは少しはしょりますが、関連で、せっかく総裁が来ておられますから、総裁質問いたしたいと存じます。なお、道路局長に、昨日大臣に対して質問をいたしましたが、大臣の答弁漏れがありますから、あらためてこの機会に御答弁をいただきたいと思います。  まず、総裁にお尋ねをするのですが、現在供用されている一般有料道路で本年度償還期限が満了するものがあるのかどうか。また、すでに償還が終わり、国もしくは地方公共団体に引き継がれているものの総延長はどれくらいあるのか。さらに、そのうち本年度中に無料開放される道路はどれぐらいあるのか。その点を、せっかく出席しておられますから、承っておきたいと思います。  それから道路局長には、きのう大臣が答弁になりました問題は、御承知のように、いまの有料道路というのは採算を念頭に置いて実は建設が行なわれておるわけであります。ところが、これから国土開発のための産業主要道路として採算を度外視した道路というものの建設、こういうことについて考えておられるのかどうか。と同時に、こうした問題と関連して、政策料金、要するに償還を前提としない政策料金体系というようなものについて、現在まで考えられたことがあるのかどうか。この点が昨日の大臣の答弁漏れになっておりますから、局長のほうから御答弁いただきたいと存じます。  以上です。
  75. 富樫凱一

    富樫参考人 一般有料道路でこれまで無料開放いたしましたのが十四路線ございます。ことし開放する予定の路線は二つあります。その二つは、掛塚橋と立山道路、この二つでございます。
  76. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 これからの高速道路の中で、非常に採算性の悪いというものがあろうかと思います。御承知のように、東名名神、こういうような交通量がすぐ期待できないというところは、やはり建設費も同じようにかかるということも考えられますと、東名名神より多少は必要になってくるということでございます。ただ、現在の七千六百キロにつきまして、いろいろ工事費の試算、交通量の試算をやっておりまして、それに基づきます償還の計画を立てておりまして、いまのところ東名名神を含めた七千六百キロ全部プール計算をするということになりますと、そういう地方の僻地を通ります交通量の少ない高速道路も、全部採算がとれるという計算になっておるわけでございます。また、今後の交通量の伸びも考えますと、全部プールすれば十分採算がとれるといまのところ考えております。  次に、採算を度外視した政策料金を考えないかということでございます。高速道路料金につきましては、これは建設費を償い得るものであるとともに、公正妥当なものでなければならないということにきめられております。いま、この高速道路料金のあり方につきましては、道路審議会に対しまして高速道路料金制度のあり方はいかにあるべきかを諮問しておりまして、その中間答申も出ております。その中間答申によりますと、交通量が著しく少ないとか、こういうものについては、低率の料金を設定することも考えられるではないかというような答申も出ております。そういう非常に交通量の少ない段階では、できるだけ交通量をふやすために、いまの東名名神料金体制より割り安な料金体制もこれから考えていきたいというふうに私たち考えております。
  77. 卜部政巳

    卜部委員 冒頭申し上げましたように、道路に関する問題はいろいろと多岐にわたり、また基本的な問題で論議しなければならぬ問題がたくさんあります。そうした問題を三法案の中に残すことにいたしまして、この道路整備特別措置法案の中に、日本道路公団は現に料金を徴収している二つ以上の道路であって——イとロとございますが、この条件に該当する場合、こういうふうになっているわけでありますが、どのようなものの条件でありますか。たとえば松江にあります玉造の有料道路と頓原の有料道路、こういうのがそういう条件に入っておるのか。同時にまた、道路管理者の現に徴収を行なっておりますところの日御碕有料道路、こういうものとが相関連をしておるのかどうか、この点ちょっとお尋ねしてみたいと思います。
  78. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 今度の特別措置法の改正で、二つ以上のもので交通上非常に密接な関係があるものにつきまして合併採算をとれるというふうにしたいという案でございますが、どういうものが交通上密接な関係になっておるかという問題でございます。二つあります有料道路の中で、相互の交通の中で相当共通した交通があるというもの、これがやはり密接な関係があるというように考えております。では、どのくらいのそういう共通した交通量があるかということになりますと、半分というような考えもありますが、やはりその地元だけの交通量が多い少ないでかなり違うと思いますので、その辺は絶対の交通量がどのくらいあるか、そういうことによって判定していきたいと思います。もう一つは、そういう合併採算をすることによって、料金の徴収とかそういう管理とかいうものが非常に便益をこうむるというような場合は、合併採算にしたいと思います。  いま先生のおっしゃいました、たとえば一例といたしまして松江と頓原ということになりますと、この辺はもう少し交通の実態を検討しなければいかぬと思います。まあ一番すぐはっきりするのは、観光的な道路ですぐ隣接してあるようなもの、これは非常に関係あると思いますが、いまの松江と頓原の問題は、もうちょっと過ぎてから検討しないとはっきりしたことは言えないと思いますが、感じとしては、ある程度これは合併採算も可能なものじゃないかという気がいまのところしておる次第でございます。
  79. 卜部政巳

    卜部委員 局長、松江と頓原と行かれたことがございますか。距離はものすごく離れていますね。これはともかく、ここにある「相当程度共通である」からなんという問題じゃありませんわね。それと同時に、また日御碕の有料道路を考えてみてもそのとおりではないと思いますね。しかしながら、二つの問題といたしましては、前項と同様の条件が存する場合には、建設大臣の許可を受けてこれらを一つ道路として合併採算をして料金を徴収することができるものだという道路管理者との、そしてまた、ただ日本道路公団だけの問題に限らずに、そうした道路管理者が徴収し得るところの問題について、この道路特別措置法によるところの有料道路であってそれが合併できるのだという、そういう印象がいたしますので、この点をちょっと聞いておきたい、こう思ったわけです。
  80. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 この問題は、やはり地元の利害と相当関係しておると思います。また、当初有料道路をつくったときに、地元の人といろいろな約束といいますか了解事項があると思います。そういうこともやはり無視できないと思います。やはり合併採算するということになりますと地元の利害も関係いたしますので、その辺は十分理解なり、そういうところでとにかく十分練っていただきまして、妥当だというものでなければこれは無理だと思います。この法律は、そういうことができるということでございまして、むやみに、当然無料になるものを有料にするという趣旨の法律ではございませんので、やはり地元の意向を聞いて、妥当なものが合併採算できるということにしたいと思っております。
  81. 卜部政巳

    卜部委員 調査室の資料等によりますと、島根の場合に頓原、そしてまた日御碕のあれが資料として出ていますね。そういう点等を勘案しながら、私、先ほど民間委託の問題を申し上げましたけれども、民間委託は問題があるわけでして、そのことを一つの目標としながらかりにこういう合併採算ができるということになったときに、これは私、問題があるんじゃないかなという感じがしたわけです。その点でちょっと質問しておりますが、これは資料であって、必ずしもこの条件というものを大幅解釈するとか云々とかいうことではないということですね。どうですか。
  82. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 先ほど言いましたように、この問題はやはり地元との了解がなければできないことでございまして、一例をあげますと、これは去年も説明いたしましたけれども、阿蘇へ行くとたくさんの道路が、道路公団もやっておる、県営もやらておるというようなものもございます。これは同じ阿蘇の山へ行くのでも、行くところは多少違いますが、やはり観光という点からいえば、ほとんど同じであります。それが、先にできたものはただになってしまう、あとからのものは、もうだれも金を出して行かなくなってしまうという、そういう非常に矛盾したものをまず救うというのが本来の目的でございまして、ただ、一つ有料道路ができておりまして、そのときにそれがもう償還になってくる、しかし、いまの公共の金ではそれに続くような道路がなかなかできないから、その有料道路の中でそれに続く道路も合併採算でやろうというようなことが、この法律でできるようになるわけでございます。やはり道路は本来無料にするのが当然でございますので、有料というのは、道路整備を補足するというような性質のものでございます。また、もう一つの考えはやっぱり金を払うということは、払っただけの利用価値があるということが前提でございますので、そうむやみにいまの有料の償還期限を延ばして、合併採算するということは適当ではないと思います。ことに、いまの道路投資状態なら、当然無料でやっておるというような有料道路につきまして、そういう単独の有料道路につきまして、これはやはり早く無料開放するのが妥当ではないかというふうに考えております。
  83. 卜部政巳

    卜部委員 冒頭に申し上げましたように、三法案の中で、道路その他の重要な問題については審議いたすことにいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
  84. 金丸信

    金丸委員長 小濱新次君。
  85. 小濱新次

    ○小濱委員 法案審議に先立ちまして、いろいろと御答弁いただく方の御都合もあるようでございますから、そういう問題を先に取り上げながら御質問を続けていきたい、こう思います。  私が最初にお尋ねしたいことは、本州四国連絡橋公団についてであります。昭和四十六年度より本州四国連絡橋公団の新設を認めることになっております。架橋の順序等についていろいろの報道機関よりニュースが流れ、地元関係者はもとより、全国民も夢のかけ橋として注目している問題でございます。この際、的確なる計画を国民の前に示す要があるのではないか。特に、きょうは大臣は欠席でありますが、政務次官がおいでになっておられます。次官は四国のお生まれだそうでありまして、一番関心がおありにならなければならないお立場であると思いますので、ひとつ明確なる御答弁お願いしたいと思います。
  86. 田村良平

    田村政府委員 そのものずばりでお話がありましたが、最も関係の深い立場におるものでございますが、私もきのうまでは実は一つの橋の急先鋒でやっておったものでございます。しかしながら、国民の前に、建設省として公団の新設につきまして、四国と本州を結ぶという世紀の夢を達成するにあたりましては、てまえがってな見解を申し上げるわけにはまいりませんので、御答弁申し上げます。  実は三つの路線につきまして、御案内のとおりいろいろと過去においては運動もし、またそれぞれの立場の見解も発表されておりますが、これらを集大成いたしまして、日本列島できて何万年か知りませんが、ともかく四国と本州に橋がございません。このようなことを考えますと、これだけの科学技術が飛躍的に発展いたしております。東海道新幹線、山陽新幹線ということを考えてみますと、なぜ四国と本州に橋がないのかということは、四国全島民の非願でもございまして、夢のかけ橋として今日まで四国の人々が、本州と一日も早く結びたいという非願であります、それらの問題も実は優先着工ということはどの県もお願いをしておるのでありますが、政府がここに新しくこれらの四国本州のかけ橋に責任がある作業センターを設けて、建設、運輸、国鉄というものがいろいろな意味で技術的なあるいは経済協力をして、そしてすみやかにこの期待にこたえるべき性格のものを一つ新しく生み出すということが、本州と四国の架橋公団の御審議お願いし、また今後その実現を急いでおるところであります。したがいまして、これからは困難な技術もたくさん残されておりますので、これらの実施調査あるいは総合的に技術の開発等を行ないまして、すみやかに四国と本州の橋を実現したい、こういう趣旨をもって御審議お願いいたしておるわけでございます。  以上御答弁申し上げます。
  87. 小濱新次

    ○小濱委員 着工順位のいかんによっては、本州四国架橋公団の着手を待たず、地方道路公社方式によってでもその完成を進めようという構想も、一部の地元関係者の間にそういう声があるようにわれわれは仄聞しておりますが、これに対していかなる御見解をお持ちになっておりましょうか。
  88. 田村良平

    田村政府委員 お答えします。  たいへんな事業でございますので、地方と国と、あるいは新しく設立されます公団等が協力一致いたしまして何とかきわめて早い時期に実現をしたい、こういうことで、そういう時期を検討しつつ、問題点が解消するならば受けて立たなければならぬ時期も来ると存じます。
  89. 小濱新次

    ○小濱委員 いろいろと現地の声を聞きますと、一番西のほうに非常にその効果があらわれるような声を聞いておりますが、三本同時着工とは、調査についてでありますが、実際に架橋公団が工事を始めるルートはどこなのか。この点はわが党の小川委員が総括質問でお伺いはしておりますが、この際明確にこの点もお答えいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
  90. 田村良平

    田村政府委員 どの橋が一番先かということになりますと、それはどういう技術を開発し、どういう経済資本の体制が整った場合にどれが一番早くいくであろうかということを決定するためには、申し上げましたこの公団によりまして全体的な調査をやる。それから、たとえば技術が非常にむずかしくてお金がたくさんかかるということになれば、あるいは同時着工いたしましても落成式は一年くらいあとになるかもしれませんが、問題は、これらの優先ルートの争いに対して政府が特定な橋を取り上げるというのではなくして、最も妥当に四国と本州を結ぶのにはどういう体制をしくべきかということの内容を厳密に調査するために公団をつくるのでありまして、ただいまどうもあれが早くいきそうだというようなことは私から御答弁する限りでもありませんので、御了承をいただきたいと思います。
  91. 小濱新次

    ○小濱委員 地方公共団体の出資金については、その該当公共団体の財政事情を勘案して当然考えるべきではないか、こういうふうに思うわけですが、この点はいかがでございましょう。
  92. 田村良平

    田村政府委員 地方公共団体のそれぞれの財政力に応じて御負担を願う、あるいは御出資を願ういうことになると思いますが、ただいま具体的にどういう府県が入り、またどういう府県にどれだけの出資をお願いするというような具体的な線まではまだ出ておりませんので、この点も御了承願います。
  93. 小濱新次

    ○小濱委員 いよいよ公団設置が行なわれるわけでありますが、その事務所は東京都に置くとしておりますけれども、事業主体が関西以西であるということは、これは当然関西あたり、大阪あたりにその事務所を置くべきではないか、こういうふうに考えられますが、この点いかがでございましょう。
  94. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 この点は私もいろいろ検討いたしましたが、いま当分の間はやはり技術開発が主体になります。単に公団だけでなくて、民間の学識経験者も相当集めなければならぬ、また民間の有力会社の技術屋さんにも御協力を願う、そういうことになりますと、やはりどうも東京のほうが非常にそういうものを開きやすいということもございまして、東京と現地との連絡というのは、通信も発達しておりますので、不便を感ずることもないし、また実際に現地で建設が始まれば当然現地に相当なスタッフを置くということになりますので、やはり技術開発、総合的な技術の情報収集のためには、現在の時点では東京のほうが便利ではないかということで東京にしたわけでございます。
  95. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 関連でお願いしたいのですが、ただいま四国出身の政務次官からお答えがあったのですけれども、私はまことに不満足です。なぜかと申しますと、この事業公団法案についてはこうやってもう出ている。それをいまだに、同時着工ということを新聞は書き立てておるにもかかわらず——大体基本計画というものがあるはずです。建設省にも運輸省にも基本計画というものがなくてこの公団というものを設立するわけがないのであって、その辺のところははっきりしておるにもかかわらず、同時着工というのは一体どこをさして同時着工というのか、また、基本計画というのは一体どの程度まであるのか、この点について運輸省と建設省とは、この基本計画についてはどう煮詰めておるか、この三点についてお尋ねいたします。
  96. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 まずこの公団を発足いたしまして、現地の実施計画をつくるための調査をするということでございます。これについては、やはり三本非常に似たような橋がございまして、もちろん橋は数多くの橋をかけるのでありますが、一つの調査をいたします場合、地質その他は変わってまいりますが、設計上の耐震設計、耐風設計となりますと、三本切り離していろいろ計画をするのではなくて、三本を同時に、小さなスパンの橋から長いスパンの橋まで計算するほうが非常に効率的だということもございまして、いずれにしても、三本のルートは昭和六十年までにかけるということで全国総合開発計画のほうでも計画されておりまして、私たちも、いまの経済調査から見ればやはり昭和六十年までには三本が必要だという前提から考えますと、この際、そういう関連のある三本のルートの実施の調査をまず新公団で始めたいという趣旨でこの法律をつくりまして、また、大臣もそういう趣旨で答弁しておる次第でございます。  それから基本計画につきましては、私たちいま考えておりますのは、この公団法にありますように、基本計画は国が指示をするようになっております。その基本計画につきましては、これは工事と調査という段階に分けるべきではないか。まず発足いたしましたら、こういう技術開発、実施調査、こういう基本の方針のもとにやりなさいという基本計画を指示したい、その基本計画の中で実施の調査、技術開発を進めてまいりたいという考えでございます。それが大体煮詰まってまいりまして、今度は地元の受け入れ体制、資金的なめどもつけまして、それから工事の基本計画を出すというような順序になろうかと思います。
  97. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 政務次官、ただいまのお話では、同時着工というのは調査の同時着工である、こういうふうに理解したのですが、それについては、いよいよ公団法が通過して成立すれば公団が当然いろいろな仕事をするのですが、まだ経済調査の発表が行なわれてないということが一つあります。そして、ここでどうしてもお聞きしたいことは、そうすると基本計画はできている、公団もでき上がる、調査も行なわれてくる。では、一体いつに優先順位とか、そういうものがはっきりわかるのですか。
  98. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実は昨年、経済調査を建設省、鉄道建設公団あわせて行なってまいったわけでございます。これから考えますと、やはり相当な資金が必要になります。私たち、いま単に経済調査でここが経済的に非常に効果があるということで、じゃここからやるといっても技術的な問題がございますし、また資金的な問題があろうかと思います。そうなりますと、やはり地元の受け入れ体制が非常に大きな問題になると思います。先ほどおっしゃった、あるルートについては地方道路公社というような考えも一部にあることは、私も聞いております。どっちにしても、やはりこれは地方でどのくらいの金が集められるか、また地方だけの金ではとてもこういう大事業はできないということになると、国の財政投融資が何年間にどのくらい期待できるかということもあると思います。実は国の財政投融資については、この本州四国の連絡架橋のほかに、道路関係といたしましては幹線自動車道の七千六百キロを昭和六十年までに完成させたいということで、これも相当膨大な、約五兆から六兆くらいの建設資金が今後要るというようなことを考えますと、やはり相当な程度の部分を民間の資金に依存せざるを得ないのではないかという、いまの財政投融資の状況から見ます見通しとしては、やはり民間資金も相当入れなければならぬ、借り入れ金もふやさなければならぬということになりますと、一体どのルートでそういうものがどのくらい動員できるか、これがきまらないと、単に私のほうだけでここは先にやるというようなことを言っても、はたしてそれがうまくできるかできないか、そういう実行ができるかできないかわからないようなものを、いまのところはっきりした計画として出すわけにはいかぬ。そうなりますと、はっきりした計画として出せるのは、ものの考え方しかない。ものの考え方とすれば、技術的な問題を解決して非常に経済効果のあるところからやる、また財政が許せば三本同時にやるということも、あるいは不可能ではないかもしれません。その辺を考えますと、やはりものの考え方だけを出しても——ものの考え方といいますのは、これは大臣もしばしば言明しておる、これが一つのいまのものの考え方でございまして、それから技術開発をして、そのあとで、その途中で資金の目安をつけて、それでいまの工事の基本計画をつくるというようなことになるというふうに考えております。
  99. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 同じようなところをぐるぐる回っておりますが、大体財政の仕組みももうできておるわけですね。たとえて言えば国の出資金が一に対しては地方公共団体の出資金が一、財政投融資の金が四、民間資金が四の割合を予定しているんですけれども、資金コストというものは一体どれくらいの年利率でとるかということだって基本計画の中におそらく組み込まれている。そんなものができてなかったら公団を設立するあれが出ないからね。ところが、地方の受け入れ体制はどうかとおっしゃいますが、たいへんなお祭り騒ぎで、どこだっておれのところへ来い、おれのところへ来いということで、有力大臣また有力議員、きょうここにおられる政務次官だって、いままでは一つの橋にこだわっていたとおっしゃっていますね。ところが、政務次官になったら、おれはだめだ、今度は三本同時にかけるのだというような広義的な解釈に気が変わった。それを財政がどうのこうのなんていうことは、この何年間の陳情誘致合戦の中に十分計画が織り込まれていると思うのですけれども、それがいまだに局長サイドとしては、なかなかそこまでタイムリミットとして言えないんじゃないか。私は同情いたしますよ。大臣でさえも言えないんですからそれは無理ではあると思いますが、こういう点を明確にしないことには、公団のそういった法案を出すことは非常に無責任である。私はいつもそう考えている。この点はひとつ政務次官どうなんですか。その点がまず一点。その次に、この道路は一般国道として通すわけですか、高速道路としては将来通すのか通さないのか、それが第二点。第三点はプール制にするのか独立採算制にするのか、この三点です。私は関連質問ですから、一つ一つ聞いていくのは小濱さんに失礼でございますので、まとめてそういうふうに聞いていきますが、いま言った三点についてはどうですか。
  100. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいま、資金の問題につきましては、いまさら各三ルートともおれのところ、おれのところと言っておるから問題がないのではないかというお説ですが、なるほどことしの国の出資金二億、地方の出資金二億、これもこれからの相談でございます財投七億、そのほかに民間の借り入れ金を二億五千万、総額十三億五千万円、ことしの地方の出資金と民間の借り入れ四億五千万円、この程度はみな一つの県でも出そうというくらいのものだと思います。しかし、これがほんとうに建設を始めてまいりますと一年に七百億ぐらいの金が要るが、これに対して、いまどの県でも七百億出しますという県はないと思います。その辺が、これから実施調査の段階と建設の段階になってくれば、財政規模は非常に違ってまいります。そこまで各ルートとも、各県の財政状況、地方の経済状況からいって、そう大きなものをいま約束することはできないと思います。その辺はやはりどれぐらいのものが集まるか、これを検討してこないと何とも言えないのではないかと考えております。  次に第二点は、高速道路でやらないのかということですが、実は七千六百キロの国道開発の幹線自動車道には海峡を横断する分は入っておりません。実はこの三ルートもいま国道になっておりまして、そういう関係もございまして今度は一般国道として、もちろん有料道路でございます。一般国道として実施したいが、しかし、少なくともいまの三ルートのうち二ルートぐらいは高速道路の企画でやっていきたい。規格は高速道路ですが、道路の戸籍は一般国道というように考えております。  次に、プールの問題でございますが、これは非常に大きな問題だと思います。御承知のように、この三ルートを見ますと、一番東の明石——鳴門ルートは、非常に建設費も高いし、技術的に一番むずかしゅうございますが、これが一番交通量が多いことは事実だと思います。交通量が多いことになると、建設費が相当高くても採算性は非常にいいわけでございます。逆に一番西は、建設費は非常に安いけれども交通量はそう多くないということもございます。これはやはり三つのルートで本州から四国に渡るということになりますと、その料金をどうきめるか、対岸の四国の経済発展、経済の開発というものに料金は非常に影響してくると思います。いま早くものをつくるためには、どんな料金でもいいということが一部でいわれていますけれども、橋ができれば三十年、五十年使えるものですから、この料金がいかがかということは相当長く地方に響く問題でございまして、そういう意味からいうと、これは私の個人的な考えでございますが、やはり三ルートについて妥当な料金を設けるべきではないか、そういうことで三本のものがプール採算ということが望ましいのではないかというように考えますが、いまの情勢は、必ずしもそれがそういうような情勢になっていない点もあろうと思います。これは今後関係地方公共団体と協議してきめる問題かと思います。
  101. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 政務次官、ただいま局長から財源問題が出たのですが、こんなことを言っては失礼ですが、お許しをいただいて言わしてもらいます。政務次官にならない前は、そのルートの一ルートに対して、非常に御熱心にお約束なさったことは私もよく知っております。その場合、政務次官、そういう七百億とか六百億とかいう膨大な地方公共団体の出資を見込んで——もちろん政務次官になられるような方ですから、ただ単なる陳情だけに建設省に行ったのではないと思いますが、わが県においてほぼこれだけの出資ができるという見通しに立って、私のルートは優先的にどうか——これは私はいいと思う。県民を代表して賛成をなさった政務次官は、当然そのくらいのことは計算されて、蓑輪局長あたりと詰め、また、官房長官または大臣と詰めを行なったと思う。確かにいま局長がおっしゃったことは理解できます。理解できても、どこの県でもこれほど真剣になってお騒ぎするからには、それぐらいの財源の確信がなくてあとは野となれ山となれ、誘致だけはした、計画だけはつくった、あとはできない、国におんぶだ、こんなばかげたことをやることはないと思うのですが、政務次官はその面で直接御苦労なさっておりますから、政務次官の出身県の何とかルート——私ちょっと忘れましたが〇〇ルート、政務次官が最もメリットのあるその〇〇ルートの財源等についてお聞かせ願いたい。
  102. 田村良平

    田村政府委員 お答えいたします。  地方公共団体からの出資ないしは財源等につきましては、それぞれこの公団設立の暁に関係府県とは協議して、また、それぞれの地方議会にもはかりまして関係府県できめてくると思います。この点については、先ほど申しましたように、膨大なお金を一府県で負担することは不可能であります。したがって、相寄りまして、最初申しましたような世紀の事業として、夢のかけ橋として四国島民が希望しておりますこれを、国において何とか善処願いたいというのがその趣旨でございます。  そこで、たびたび御質問にあいまして歯切れのいい答弁ができないのは恐縮でございますが、一つなら実は文句はなかったのでありますが、三つあるものでありますから、それを国としては一つだけつけたらいいじゃないかというようなことではなくして、全四国島民の要請に国がどうこたえたらよろしいか、それには建設省がかってな理屈を言ってみたり、国のほうでレールさえつけたらいい、あるいはおれのほうは鉄橋だけでいいのだというようなことではなくして、もう少し前進した、四国と本州を結ぶ大きな政治的な視野に立っての局面転回をはかりたい、こういうことで実はこの公団の設置をお願いいたしております。したがいまして、いま御指摘のように、財源等も検討しておるじゃろうが、あるいは地質の調査も大体できておるじゃろうが、それならどれからかけるかわかっておるじゃろうがという御質問を受けると、これは一本なら文句はないのでありますが、この問題を円満に処理するためには、どういうような着工ないしはどういうような方法が妥当であるか、当公団によって衆知を集めてすみやかに結論を出したい、こういうのがねらいでございますので、御了承を願います。
  103. 小川新一郎

    ○小川(新)委員 関連質問ですから、これ以上時間をとっては申しわけないので、もう一間でやめますが、それは政務次官、確かに政務次官だけあって御答弁がじょうずなのですが、私、そういうふうにいなされてしまうとほんとうに情けないのです。それでは公団に出資する「政令で定める地方公共団体」とは、具体的にはどこが予定されておるのですか。この一問をお聞きして、またあとで私お聞きしたいと思います。
  104. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 実はこの三ルートについてはいろいろ四国四県、中国全県からいままで要望が出ております。やはりこれに出資する団体を、どこが代表して出資団体にするかというのは、いままでの経緯もございますので、関係の団体、地方公共団体と十分協議した上できめたいと思います。私たち、少なくとも当然、いまの、橋のかかります四国側、それから本州側、中国側の六県及び神戸市、これは指定市でございますが、こういうものは当然入るかと思います。そのほかにどういうものがこの中に入るか、これはいまの地方公共団体、関係の公共団体と十分協議の末きめてまいりたいと思っております。
  105. 小濱新次

    ○小濱委員 引き続いてお尋ねいたします。  本州四国連絡橋、すなわち横断橋ができれば——まあ日本で一番道路行政のおくれているところといわれれば、四国が出てくるわけです。で、私は、その四国の中の道路整備されていかなければ、交通渋滞は当然起こることが予想されるわけですね。この点については、この連絡橋とともに、中の道路ももっと大事に対策を講じられていかなければならぬと思うわけですけれども、今度の第六次の道路整備計画の中にはどういう計画が立てられておりますか。
  106. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 ただいま先生の言われましたように、この橋ができれば四国の中の道路、いまのままではどうにもならぬと思います。それにはやはり——この橋から渡ってまいります多量な交通というものは、四国縦貫自動車道、四国横断自動車道、こういうもので四国の各地域に分散するということになろうかと思いますので、少なくとも昭和六十年までに、三本のルートがかかるまでには、四国の縦貫自動車道、それから四国の横断自動車道、これの完成ははかりたいと考えております。また、その幹線自動車道からさらに枝線に入ります一般国道、県道、こういうものの整備をもちろん進めてまいる所存でございます。この中で、新しい第六次の五カ年計画で何が入るかということでございます。実はその幹線自動車道について何を入れるか、この五カ年でどういうものから着工していくか、これは実に相当金のかかる問題でございますので、いま検討しておる次第でございます。これはやはり財源との関係もございますので、ある程度財源の見通しをつけないと、いつごろから着工するというようなこともなかなか言えないような状態でございます。少なくともこの五カ年の中では、四国の幹線自動車道の一部について着工したいというように考えております。またそのほかの、幹線自動車以外の一般国道につきましては、これは四国の南のほうを一周しております国道五十五号、五十六号、これにつきましてはこの二年ぐらいで、四十五、四十六年ぐらいにはほぼ概成をすると思います。縦貫をいたしますそのほかの国道、県道、こういうものをいま相当整備する予定でございます。また、その数量がどのくらいのキロ数になるか、これについてはこれからの作業になるというように考えております。
  107. 小濱新次

    ○小濱委員 六十年度を目途にして幹線道をという一応力強い御答弁をいただいたわけでありますが、特定財源制度に基づく道路整備も、昭和二十九年に発足してからもう十五年経過しておるわけです。非常に道路の進捗がおくれているように思われるわけですが、四国の幹線道路、この完成を六十年を目途にして、あとはその後の計画だ、こういうことですが、この問題についてもすでに今度の第六次の中に織り込むような計画で進んでいかなければ、とうてい六十年を目途にする幹線道路の完成はあり得ない、こういうふうに私には考えられますが、政務次官、いかがでございましょうか。——これは局長ですか。
  108. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 幹線自動車道につきましては、これはできるだけ早く、昭和六十年というようなことではなく、財源さえ許せばもっと早くやりたいと考えております。いまはやはり、幹線自動車道の建設については、基本計画を出し、整備計画を出し、道路公団に施工命令を出す、こういう手続になっておりますので、整備計画を出し、道路公団に施工命令を出しましてから大体でき上がるまでが七年ないし八年というように考えておりますが、四国については非常に山岳地帯がございますので、山岳地帯というと調査には時間がかかりますが、用地の買収その他については比較的平地の都会付近よりは早くできますので、財源さえあればいまは七年ぐらいで、整備計画を出せば、できるような順序になろうかと思います。そういう意味で昭和六十年を完成のめどにいたしますと、この四十九年までに着手しなくともできるというような計算になるわけでございますが、やはり四国のいまの幹線自動車道の場合でも、相当国道の込んでおる区間もございますので、そういうものから早く整備計画を出して道路公団に施工命令を出していきたいということで、財源等についても、四十九年までの第六次五カ年計画までには特別の長期計画を出したいということで、ただいま調査をいたしております。  基本計画につきましては、問題のないものについてはできるだけ早く基本計画を出してまいりたいというように考えております。
  109. 小濱新次

    ○小濱委員 財源さえあれば七、八年かければできる、こういうことでした。財源さえあればと、政務次官、これは非常に責任あることばだと思うのですね。さあ、これからの決意をひとつお示しいただきたいと思います。
  110. 田村良平

    田村政府委員 一番問題の点でございまして、結局財源がなければ計画も実施できません。また特に、御指摘をいただきましたように四国はまことにおくれております。これを一気かせいに取り返すのは困難であろうとしても、お話のように新しき公団によって新しき四国と本州を結ぶ橋が実現する、その方向に向かって、四国の島内の道路網の整備その他の輸送体系網の整備、これを急ぐ。それには金でございます。やはりわれわれはこれから懸命な努力をいたしまして、何とかこの架橋が実際に表裏一体、内容も整えて、新しき世紀の事業としての成果を国民の前に示し、喜んでいただくようにしたい。それがためには、いま申されました財源獲得には全精力を傾けてがんばっていかなければならぬというように考えます。
  111. 小濱新次

    ○小濱委員 いま政務次官から、懸命の努力を払っていくという力強い御答弁をいただいたわけですが、懸命な努力ということを、ひとつもう少し具体的にお答えいただきたいと思います。
  112. 田村良平

    田村政府委員 いまここで具体的に何千何億と出しますと、これはまたたいへんな問題でありますが、とにかく一日も早く実現するのに要る、計画から打ち出されました資金に対しまして、それを一日も早く打ち出し、同時に、出された金をすみやかに実現に移すという方向で努力する、これが申し上げました資金確保の私の決意であります。
  113. 小濱新次

    ○小濱委員 次に私は、東京湾開発についてちょっとお尋ねしたいのですが、本州四国連絡橋が技術的に可能ならば、できるということになれば、当然東京湾連絡橋も今日の高度の技術からすれば可能ではないか、こういうふうに思うわけです。前回は大臣からも、時間が少なかった関係で深い御答弁をいただくことができませんでしたけれども、このことについては長い間計画が進められてきておりますので、相当の御計画をお持ちになっているのではないか、こう思われるわけですが、この点いかがでございましょう。
  114. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 東京湾と一口でいいますと——湾口に橋をかける、また川崎——木更津に締め切り堤のような形で、橋と堤防とを一緒にしたような横断道路をつくる、東京湾の湾津に環状の道路をつくるということが東京湾開発の中の道路計画の中で、地元から要望されている一つの大きな点でございます。この中で、数年前から建設省直轄で調査をしておりまして、東京湾の湾口架橋、締め切り横断道路につきましても地質の調査をしております。また、四十五年も調査する予定にしております。  東京湾の湾口の架橋という問題は、いまの明石の架橋よりはかなり地質が悪いというような点もございまして、当初予定しておりました第三海堡を通っていくような線をもう少し払大いたしまして、地質のいいところを選ぶような調査をしておるわけでございます。また、こういう橋をかけるための調査のほかに、私の考えとしては、さらに船の問題をどうするか、船舶の航行をどうするか、とにかくこの辺をはっきりきめないと、単に橋だけかけて船のじゃまになってもそれは知らないのだというわけにもいきませんので、やはり本州四国の連絡架橋で行なったと同じような船舶航行についての調査というものを、いまのところあまり実施されておりませんので、もう少しこれを実施していきたいというふうに考えております。また、昭和六十年以降の道路問題としては、必ずこの問題が出てくると思いますが、その時点の技術の開発から考えまして、私の考えでは橋ばかり対象にすることもないのではないか、トンネルとかそういうものもやはり研究すべきじゃないかというような考えを持っております。   〔委員長退席、服部委員長代理着席〕
  115. 小濱新次

    ○小濱委員 もう一つ関連してお尋ねしたいのですが、東京湾の湾岸道路の将来計画です。これも相当長い間懸案になっている問題でありますが、相当御研究が進んでいるのではないか、こう思われるわけですが、この計画についておあかしいただきたいと思います。
  116. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 湾岸道路につきましては、これは現在の羽田へ行く首都高速の混雑もございます。また、成田空港に行きますいまの京葉道路の混雑も相当考えられますので、まず、重点をいまの千葉から川崎間、さらに埋め立てができております千葉から木更津間、こういうものを先行してやるべきではないかということで、その一部として、いま東京港の入り口の海底に沈埋トンネルを首都高速道路公団が実施しております。これもこの第六次五カ年計画では完成できると思います。いまの羽田の空港に行く湾岸の道路及び千葉の成田へ行くための湾岸の道路、こういうのを四十九年までには何とか仕上げたいというように考えております。ただ、この湾岸道路というのはかなり高規格の道路でございまして、まずその中で道路の中央部に有料の高速道路を入れまして、その外に一般の無料の道路を抱いているような形の構造を考えています。いま考えておりますのは、やはり無料の道路を先につくりまして、その交通が一ぱいになったら、首都高と同じような高架の有料道路を中に持っていくというようなことを考えておりまして、まず四十九年までの第六次ではそのサイドの無料の道路の完成を目ざしておる次第でございます。
  117. 小濱新次

    ○小濱委員 政務次官にお尋ねしたいのですが、先ほどの小川委員の御質問によりますと、現在は政務次官という立場だから、その立場の上に立って連絡橋の竣工計画を進めていきたい、こういうような話のように私聞いておりました。東京湾の計画もそういうお立場に立って——四国の連絡橋も、相当先の見越しで今度の公団を設置された。東京湾の計画がこれから進んでいくということになると、これまた相当長い日数をかけなければならぬという思うわけですけれども、東京湾開発計画については積極的な政府の努力をわれわれは要望するわけでありますけれども、この点についてのお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
  118. 田村良平

    田村政府委員 お答えします。  首都圏の重大な問題でありまして、御熱心な御質疑を伺っておりますが、お話のとおり相当重大な事業でございますから、建設省としてはいままでの調査なり、あるいはいままでやられております結果をすみやかに実現の方向にいくように、お互いの今日までの成果を実現する方向で真剣に取り上げていきたい、このように考えております。
  119. 小濱新次

    ○小濱委員 次に、日本道路公団総裁がおいでになっておりますので、私は御質問をしていきたいと思います。  真鶴新道と私どもは呼んでおりますが、この測量が住民には無断でもうすでにくい打ちが行なわれ、だいぶ問題を起こしながらも何か一方的にやるような御方針のように思えるわけですが、地元住民はものすごい反対運動を展開しているようです。現在は話し合いがつかないで、何か休戦状態のような模様になっておるようでありますが、だいぶ長過ぎると思うのです。そこでいろいろと御計画はおありになるでしょう。第一、第二、第三というふうに案もお持ちになっているのではないかと思いますが、住民は決してすべて反対という立場ではないようです。そういう立場から今後の処理方針についてどういうお考えをお持ちになっておられましょうか、お答えいただきたいと思います。
  120. 富樫凱一

    富樫参考人 ただいま真鶴新道のお尋ねがございました。真鶴町の付近の線形が地形の関係で非常にむずかしいのでございます。一部付近の人家にかかる、この部分の沿線の方々に反対を受けておりますが、その他の部分につきましては、大体話がついてきております。御承知のように、いまの真鶴道路が二車線でございますので、さらに二車線の分をふやすわけでございますが、昨年の十月に県議会の同意も得まして、またルート等につきましては、地元町にも御相談いたしまして発表いたしたもので、どこにも行きょうのないようなところに道路がつくことになりまして、たいへん御迷惑はかけておると思いますけれども、事情を御了承いただきまして、ただ設計の段階におきましては、地元の方々の御意見をよく聞きまして御納得のいくようにいたしたいと思いますので、御了承いただきたいと存じます。
  121. 小濱新次

    ○小濱委員 総裁はこまかい内容についてお聞きになっているかどうかわかりませんけれども、十二月に県会の承認を得て町で決定をしたそのときには、すでにもうくい打ちがぽんぽん始まっておって、住民は何にも知らなかったわけですね。そこで聞いてみるというと、住民は何ら一ぺんの話し合いも持たれないままに、自分の家はそのくいの中に入ってしまったという家がたくさんあるわけです。その後計画を聞いてみるというと、その別荘地帯という静かなところにインターチェンジができる、県道もつながる、町全体の発展から考えると非常にいい御構想のように私ども見えるのですけれども、そこに千五百名の反対署名をした方々の意見は、ここでインターをつくられては困る、第一の計画をなぜやってくれないのか、第一の計画をさっと中止して第二計画に持ってきだ、そんなに簡単に計画を変えられるものであろうか、それならなぜ話し合いができなかったのか、こういうことで、たいへん感情をもつれさせているように私ども見受けるわけです。私も言われましたので、一ぺん現地へは行ってまいりました。いろいろと調査してまいりました。その後は私のところによく電話がかかってまいりますが、それ以後、どうも地元の所長さんの意見あるいはまた公団側意見等も、何回か交渉が進められたようですけれども、それ以上は進んでいない、こういう状態なんですね。そこで私は、話し合えば必ず道は開ける、誠意の問題だ、こう思っておりますけれども、長い間話し合いが行なわれていないわけです。こういう誠実のないような姿では、地元では、一方的にやる方針なんだろう、やるならやれ、われわれはしようがない、もう自殺をする以外にはないのだ、こういう声も実際にございました。これは公の場所でそういう声が出てまいりました。そういうことですから、今後の処理方針というのは非常に大事になると思うのですね。そういう立場から、ぜひこれは一考していただきたいと思うのです。  もう一つは、湯河原町に福浦港というのがあるのですが、ここにトンネルが抜けていくようですけれども、その交渉も何か進んでいないように聞いております。この点についてはどういうふうになっておりましょうか。
  122. 富樫凱一

    富樫参考人 湯河原寄りのところのトンネルの問題でございますが、これは私もよく聞いておらなかったので、そこに問題があることは承知いたしておりません。帰りましてよくしさいに聞きまして、事態を改善するように命じて善処いたしたいと存じますので、御了承いただきたいと存じます。
  123. 小濱新次

    ○小濱委員 総予算は何か百七十億くらいと聞いております。そういう大きな事業を起こそうというとき、すでにくい打ちも行なわれておる、そういうときに住民には地元の所長さんが一ぺん話し合いしただけ、こういう経過で、しかも向こうの福浦港のほうには反対が起こっておるようですけれども、話が進んでいない。こちらのトンネルの前側になるほうでも、千五百の署名をとって反対を起こしている、こういう状態なんですね。これはやはり誠意の問題だと思いますが、このことについては公団側として早く進める御意思はないのですか、どうでしょうか。このまま延び延びになっておってもいいのかどうか、ひとつ御意見を聞かしてください。
  124. 富樫凱一

    富樫参考人 ただいまの真鶴の交通状況からいたしまして、一日も早く完成いたしたいと思います。お話しのとおり、誠意をもって話をすれば必ず事は通ずると私も考えておりますので、お話しの点、反省いたしまして、督励いたしまして解決いたしたいと存じます。
  125. 小濱新次

    ○小濱委員 地元ではすべて反対ではないようでして、可能な海岸側の計画ならこれはもうやむを得ない、こういうことで一部納得もしているようでございますので、ぜひともひとつ、いま総裁からお話がありましたように率直な御意見をかわされて、この問題の解決を急がれるように特に要望して、この問題に対する質問を終わります。  次に、私はもう一つお尋ねしたいのですが、バイパスとか主要幹線道路、特に首都圏、いわゆる神奈川、埼玉、千葉県のような通過道路に多くの問題が起こっておるわけです。そこで、緊急を要する道路がたくさんあるわけです。それから荒川とか多摩川あるいは相模川、こういう大橋の交通渋滞にはまた非常に問題が起こっておりますけれども、この問題に対する御構想はお持ちになっているかどうか。今回の第六次道路計画においては、どのような長期計画がこういう問題について含まれているのか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  126. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 東京都周辺の主要な交通の状況を見ますと、いま先生のおっしゃいましたように、非常に渋滞している個所がたくさんございます。橋の問題ももちろんでございます。   〔服部委員長代理退席、委員長着席〕 こういう放射線につきましては、これは東京から出ております東名高速、中央高速、いま施工中の東北縦貫自動車道、新潟に行きます関越自動車道、また、まだ整備計画は出ておりませんが、筑波学園都市に行きます常磐自動車道、さらに成田に行きます東関東自動車道、こういうふうな幹線自動車道を骨格として、それで主交通をそこに集めまして、それを補足するような放射線の国道、これは一号線、二十号線、四号線、六号線とございます。こういうもののバイパス、こういうものをやっていきたいというふうに考えております。こういう中で、やはりバイパスの中でもかなり大規模なもの、かつこれが交通量的にいって自動車の専用道路にしなきゃならぬようなもの、また、その場所が有料道路になじむようなものについては、この際、有料道路としても早く整備していきたいというような構想で、いま新しい五カ年計画の中身を検討しておる次第でございます。ただ、五カ年計画の中で新しい計画もあると思いますが、いま手をつけておるもの、こういうものの早期完成をはかるということが、まず第一に必要になってくると思います。  ただ、いま手をつけておるもの以外に、これは先ほど先生もおっしゃいました橋の問題がございます。橋の部分がネックだという問題がございまして、橋はまた、私たち道路の容量をふやすための拡幅というものは、非常に技術的にむずかしい問題がございます。また、現在のそういう橋については、かなり昔かけた橋で老朽しておるものがありまして、今後のコンテナ化、コンテナみたいな重量物輸送に耐えられないもの、たとえば私たちいま一番困っておりますのは、第一京浜の六郷橋でございます。あれなんか非常に昔の橋でございまして、あれを補強するということになりますと、一時交通をとめることもいまのところできません。やはり別の橋をかけなければ、いまの橋が全然直せないというような交通の状態になっております。別の橋をかけるとなりましても、じゃ大きなバイパスということになっても、これはああいう人家密集しているところでは非常に困難を感じている次第でございます。ただこの点も、よくどうやってやるかを検討していま調査しておるわけでございます。具体的のこのバイパスについてはそれぞれ計画がございます。首都圏の東京周辺の道路交通対策としてはそういうもの、それと都内の首都高速街路計画というものをあわせて処理してまいりたいというような考えでございます。
  127. 小濱新次

    ○小濱委員 緊急を要する道路道路局長にお尋ねしたいのですが、神奈川県における十六号線の整備計画はどういうふうになっておりますか。この問題については、この間も防衛庁で卒業式があったそうですが、横浜のあの神奈川口まではここから三十分くらいで走ったようでありますが、あと向こうが三時間くらいかかった。十六号線は全然もう満ぱいもいいところ、日量五万台くらい通っているような状態です。これが横須賀から横浜を抜けてそれから保土ケ谷、相模原を抜けて東京へ入っているわけですけれども、この十六号線の整備計画が最も急がれるのじゃないか、こう私は思っております。一部計画があるように聞いておりますが、その計画の部分とその計画外の将来計画はどういうふうになっておりますか。
  128. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 十六号の神奈川県内については、いま先生御指摘のように非常に混雑をしております。  まず、東京都と神奈川の県境からまいりますと、ここに鉄道との平面交差が二カ所ございます。さらに相模原市、これは昨年、大体いま道路用地のあるところだけは全部広げたわけでございます。その前後、相模原市から大和市の、現在東名高速のインターチェンジがありますところの大和バイパスというようなもので用地の買収、工事にかかっておる次第でございます。この辺は、昭和四十九年までには少なくとも平面交差を立体にして、四車線にしたいというふうに考えております。  それからもう一つは、やはりかなりこの辺は交通混雑がございますので、交通混雑しているような交差点の立体化ということも必要になってくるというように考えております。  さらにその先でございますが、これは大和バイパスから先は現在保土ケ谷バイパスということで、横浜市の上川井町まで、これは一般公共道路として計画しておりまして、これも全体計画で百五十億くらいの膨大な計画でございます。  さらに、この先は道路公団の南横浜バイパスというものを計画しておりまして、これもまだ用地の買収に入るためのいろいろな折衝に入っておるわけでございますので、南横浜バイパスが横浜市の金沢区から保土ケ谷区まで約十四・七キロ、これも二百十三億という膨大な計画になっております。  さらに、これが保土ケ谷区から先、横須賀へ行くようなもの、これをいまの五カ年計画の中で着工できるかどうかをいま検討しておる次第でございます。
  129. 小濱新次

    ○小濱委員 横須賀方面の十六号線については、今度の五カ年計画の中に入るかどうか検討中である、こういうことですが、一番あそこが問題なんですね。これから夏場になったらまず三時間、五時間というのが普通でしょう。そして江の島から藤沢に車が逃げるわけです。向こうがまたすごい。一号線から西湘バイパスといわれる遊歩道が非常に混雑をします。これもまた五万台といわれる。それで、神奈川県の道路という道路自動車で埋まってしまう。私なんかは藤沢に住んでおりますけれども、歩いたほうが早い。車がずっと並んでいます、運転手だけ起きています、あとの人はみな寝ています、こういう状態なんですね。レジャーの車が非常に多いのはけっこうでありますけれども、こういう状態になっているところが、やはり緊急を要する道路として、一日も早く計画をもっともっと進めてもらわなくちゃならぬだろうと私は思う。この計画ができなければやむを得ない。これはもう湾岸道路をつくって、東京湾開発を考えていくしか道はないわけですよ。  特に御存じのように、相模原市内を通っている十六号線、これは戦時中には軍が計画を立てられて、住民から四〇%無償で提供さした道路です。四十メートル道路です。まだ十メートルくらいなところがありますよ。四十メートル道路計画が二十五年も放置してある。まだ十メートルくらいしか舗装していない道路がある。四〇%を提供した住民の方々は、どういう気持ちでこの道路を見ておられるか。また、神奈川県では四十一の警察管区がありますけれども、交通事故死の内容の一、二、三というのは小田原、相模原、大和、ここが三本の指に入る地域、ここでひき殺される。もうひき逃げが非常に多い。こういう状態になっているのですから、そういう経過からも十六号線に対する道路整備の進捗は、もっと力を入れてやらなくちゃならぬと思うのですが、私も何年か前にこの問題について質問したことがありますけれども、その後あまり進んでいないようでございますが、この点についてひとつ力強い努力を払っていただきたいと思います。もう一ぺん道路局長からお答えいただきたいと思います。
  130. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いま御指摘の横須賀に行く道路、夏の海水浴の時期にはそういうことだと思います。そのために、いま南横浜バイパスというのを計画しております。これは現在の道路公団横浜新道から分かれまして、横須賀のほうに向かっていくわけでございます。これも非常に急いでおるわけでございますが、何ぶんにもあすこは、神奈川県の三浦半島というところは非常に住宅がたくさんできまして、用地の買収がそう簡単にいかないようなところでございます。  先ほどの先生からお話しございました横須賀への問題も、実は一月くらい前に地元の各町村の方、市の方も見えまして、早くやってくれという要望がございました。やはりこの問題は、私のほうも当然道路が込んでおるのですから、早くやらなければならないと思います。問題は、用地の買収でつくづく感ずるのですが、やはり道路にかかる人は、こんな道路をつくってもらわないほうがいいというような感じも非常にありますので、そういう人をどこに移転させるかということになりますと、市なり町なりが中に入って、これは当然施行者もやらなければならぬことでございますが、やはりスムーズに立ちのきのできるような環境をつくっていかないとへ道路の場合、一方的にここに道路ができるのだということで買収できるものでもございませんので、そういうような道路のできるような情勢を逐次つくっていきたいというふうに考えております。  もう一つは、いまの相模原でございますが、これは実は昨年先生が予算委員会の分科会で指摘されたことで、昨年四億の金を入れまして、いま道路の用地のあるところについては、ほとんど拡幅工事を終わったというふうに理解しております。ただ、いまの先生のお話では、まだやられていないところがあるならば、道路の用地があって、拡幅されていないところがございますれば、できるだけことしの予算で処理していきたいというふうに考えております。
  131. 小濱新次

    ○小濱委員 政務次官、実は神奈川県の道路行政もだいぶ努力していただいてよくなってまいりました。まだ問題点はたくさんございますが、横須賀から横浜を突っ切って八王子に行く十六号線だけはどうしようもありません。しかも横須賀方面がどうしようもない。こういうことで、いまの新しいバイパス計画はそのぐっと横浜寄りのほうの一部の計画お話しになっただけで、それができたとしても、この追浜、金沢から横須賀方面を通る十六号線の整備はできないわけです。どんなに広げても、向こうに行けばぐっと行き詰まってしまう、こういう状態になっているわけです。これは大きな問題でございますので、ひとつ大いに関心を持っていただきながら、これからの努力を特に御要請申し上げたいと思いますので、よろしくお願いします。  次に、高規格バイパスの有料道路による整備についてお尋ねいたしますが、一般国道の二次改築を推進するにあたりまして、高規格のバイパス等は極力有料道路事業として整備を促進する方針のようでございますけれども、一般道路事業として沿道の住民を納得せしめ、そして事業を開始したにもかかわらず、途中から突如これを有料道路事業に変更して事業を続行し、そして沿道住民の非難を浴びておるという例がございます。このようなことは、住民感情の上からも今後公共事業の用地取得に障害を与えるものでございますけれども、今後バイパスの有料道路による整備を進めるにあたって十分に注意すべきであると私は思うわけですけれども、この点についてはどういうお考えをお持ちになっておりましょうか、局長から御答弁いただきたいと思います。
  132. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いま御指摘の問題は、二宮から小田原に行く西湘バイパスのことだと思います。私もやはり、途中で無料から有料に切りかえるということはよくないことだと思います。ただ、どうしてもあの道路を早く完成しないといまの一号線が非常に混雑しておりますので、そういうこともございまして、地元のある一部の方かもしれませんが、有料でもとにかく早く四車線完成してくれというようなことがございまして、この際、四車線として早く完成するということで有料にしたわけでございます。これからの都市周辺の有料道路の問題になりますと、いま私たちの方針としております高規格バイパスを有料にしたいということも、四車線以上の自動車専用道路というもの、そこを通ることによって相当通行の便益を受けるというような場所、かつその地区が有料になじむような場所を有料にしていきたいというように考えております。実は無料でやることのほうがいいんでしょうが、いまの道路整備の状況、交通のふえ方から見ると、できるだけ道路整備を促進する一つの手段として、いまの時点では私たちは、有料道路にするのもやむを得ないというように考えております。ただ、これは財源も相当ふえまして十分公共でできるようになれば、いまの有料区間を早く無料にして開放するということもあるいは将来の問題として考えられるかもしれませんが、そういう地元の人に迷惑をかけないような形、また利用者についてはできるだけその道路整備に協力していただくというような趣旨で、大規模なものについては、しばらくは有料でやっていきたいというような考えでございます。
  133. 小濱新次

    ○小濱委員 いまお話のありました西湘国道建設でありますが、おかげさまで一部開通の運びとなりました。地元住民はたいへん喜んでおりますが、この工事については、御存じのように四十七年完成予定で進められてきたわけですが、二カ年間この完成を早めるために現在は建設省が施行しておりますけれども、完成するとそのまま道路公団有料道路として管理されることになるわけです。そのことについて、かつて小田原市内に堤防がございまして、堤防の海の外のほうに私有地があったわけです。そして菖蒲橋付近に人々が住んでおったわけです。いろいろ問題もあったようです。悪い人も中には住んでおったようで、非常に交渉ごとに手間取ったような話を私は聞いておりますが、誠意をもってわずかな補償をもらって、そして国道建設に協力するといって立ちのいていった、そういう経緯の人もだいぶいるわけですね。こういう人たちは国道ができるならばということで協力をした、こういまは言うわけです。ところがその後、どういう事情があったにしろ計画変更をして有料にするとはひどいではないか、こういう声もありますが、まあ二カ年早める計画のようでありますからやむを得ませんが、ぜひひとつこういうことは聞いてもらいたい、こういうことで建設省のほうにもその陳情書が出ているようでありますが、その内容は、西湘国道の通行料をきわめて低額にし、国道一号線の交通緩和をはかられたい、こうなっております。それから、西湘国道の地元利用者の通行料を何とか御配慮していただきたい、いろいろ言っているようでありますが、こういう内容が出ております。このことについて地元からは、事情御賢察の上特別の御高配を賜わりたい、こういうことになっておりますが、すでに一部開通しております。もう間もなく全行程が通れるようになるわけですけれども、この西湘バイパスの料金のことについては、こういう地元からの陳情がございますが、どのようにお考えになっておられるか、その内容についてお示しをいただきたいと思います。
  134. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 この西湘国道につきましては、最初公共でやったいきさつもございまして、その費用というものも、初めから有料にするというものほどの建設費は要らなかったわけでございます。そういうわけで、一般の有料に比べればかなり安い金額になっております。全線約十四キロ、大磯の東から計算いたしますと小田原まで二十キロございますが、そこの通行料金として、いまのところ小型自動車百円を考えております。これはいろいろ料金徴収の問題がございまして、百円程度ならば御協力願えるのじゃないかというように考えた次第でございます。ただ、料金徴収所がございまして、これはいま二宮と国府津の間に置く予定でございますが、たとえば国府津から乗りまして小田原に行くというものは料金徴収所を通らないわけでございまして、こういうものはやはり地元の交通だと思いますので、そういういまの料金徴収所を通らないような人はもちろん無料で行けるわけでございます。そういうこともよく説明いたしまして、いろいろ地元の御納得をこれから得るようにしたいというふうに考えております。
  135. 小濱新次

    ○小濱委員 もう少し、道路局長、いま小型車だけ発表になりましたけれども、全部あるわけですね。その全部について、バスから、遊覧バス、トラック等の計画がおありなら、この際お聞かせいただきたいと思います。
  136. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 現在計画しております料金につきましては、小型の乗用、貨物等百円、普通の乗用、貨物、これが百五十円、乗り合い路線バスが二百五十円、その他の乗り合いバスが四百円ということを予定しております。
  137. 小濱新次

    ○小濱委員 いろいろお聞きしたいんですが、それでけっこうであります。この問題については終わりますが、もう少しお願いしたいと思います。すぐ終わります。  次は、現在日本じゅう至るところにおいて道路に大型トラック等産業自動車がはんらんいたしまして、そして非常な交通死傷者を出しているわけですが、言うならば、歩行者は道路の片すみに追いやられている、こういう現状ではないかと思うわけですが、かかる現状を、道路管理者の立場からやはり基本的な理念はお伺いしておかなくちゃならぬと思います。これはどなたが御答弁いただけましょうか。
  138. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 いまの道路の状況を見ますと、大型車が闊歩しておって歩行者が道路の端に押し寄せられておるというような感じを持つ道路が非常に多いと思います。これが交通事故の原因をなしていることも事実だと思います。そういう意味で、昨年四十四年から四十六年までの交通安全施設の三カ年計画ということで、交通安全施設を整備していく、特にその中で歩行者の交通安全を重点に考えまして、歩道の整備を重点にやっていきたいという考えでございます。ただ、歩道といいますと、これはやはり私たち道路整備の中で交通安全施設の改良をやっておりますが、一つの例をとりますと、幹線が込むから裏通りを車が走る、裏通りにいま歩道をつけると車が通れないようになってしまうということで、地元の反対があって歩道もできないというようなこともございます。そういうときには、やはり幹線自動車道の交通に合ったような一つの新しい街路なりバイパスをつくるというような道路改良をやっていかなければ、いつまでも交通の需要に応ぜられるような道路にならないと思います。そういう意味もございまして、やはり交通をいかに円滑に処理するかということで道路整備を早急に拡大していくということと、やはり現在ある道路で歩道のできるようなものについては、できるだけ交通安全施設の中で歩道を整備して、歩行者の安全を考えていくというふうな考えで道路整備を進めてまいりたいという考えでございます。
  139. 小濱新次

    ○小濱委員 警察庁の井口交通規制課長さんがおいでになっておられるようですが、ひとつお知らせいただきたいと思います。四十四年ですね、昨年一年間、十二月の末までの一年間の死者と負傷者、それから二十一年から去年一ぱいまでの死者と負傷者、それからここ十年間の死者と負傷者、おわかりだと思いますが、お答えいただきたいと思います。
  140. 井口孝文

    ○井口説明員 お尋ねのございました交通事故死者、負傷者の数でございます。昨年、昭和四十四年中の死者数は一万六千二百五十七名、負傷者が九十六万七千名ということになっております。昭和二十一年から昨年までの合計でございますが、死者数は二十一万三千三百八十五名、負傷者数が六百八万三千八百三十七人、こういうことになっております。最近十年間の死者数は十三万二千五百三名、負傷者数が五百六万五千七百六十一名、こういうことになっております。
  141. 小濱新次

    ○小濱委員 交通事故対策がちまたでも非常にいま叫ばれております。それからまた自治省でも、今度は一部改正の法案を出すようであります。あるいはまた安全対策本部長、総理府のほうでもいろいろと計画をお持ちになっておられるようであります。国道ができる、ところがそこに安全施設の取りつけが非常におくれている。それがためにこういう事故内容が多くなっている。いままでの統計から見ると、この安全施設がないために事件が起こっているというパーセンテージは、この中からどのくらい見ておられますか、おわかりになっていましょうか。
  142. 井口孝文

    ○井口説明員 交通事故の発生の態様というものはたいへん複雑でございますので、どういう安全施設があったらば防げたであろうという見方をすれば、もうかなり多くのものがそういったことになろうかと思います。たとえば具体的に歩行者の事故というようなものだけを見ましても、現実には横断中の事故ということになります。これがほとんど六〇%を占めている。その六〇%というものは何がしか安全施設——歩道橋であるとか信号機があるとか、そういったことがあれば防げたであろう、こういうことが言えるかと思います。したがいまして、正確に計算することはむずかしいかと思いますが、少なくとも七割か八割は、そういう意味では安全施設の不足ということになろうかと思います。
  143. 小濱新次

    ○小濱委員 非常に大事な発言だと思います。安全施設が施されていけば死傷者はもう相当少なくすることができる、こういうことですが、この安全施設に対する建設省の基本的な考え方——私は、七号幹線ですか、一ぺん伺ったことがありますが、非常に道路整備はできたけれども、安全施設がおくれたために一番事故多発の地点である、こういうふうにいわれたことを覚えている。それから、先ほど話の出た十六号線の相模原一帯のあの安全施設を見ても、非常におくれている。まっ暗です、雨の降った日なんかは。歩道は歩けません、歩道がないのですから。車道へ出ます。それではね飛ばされるわけです。そういう悲惨な条件をわれわれは聞いておりますが、安全施設をつくったために、どのくらい交通事故が減るかという事例もたくさん出ているわけですね。信号機をつくった場合、たとえば信号機設置後の効果、三十カ所対象を見ると、その百メートル区間で設置前七十三件であった事故が四十件に減った。五十メートル区間では六十九件から三十四件になり、五一%も減ったことが明らかになっている。これは信号機です。それから横断歩道橋三十一カ所を対象にした調査結果を見ると、歩道橋の設置前とあとでは交通事故が著しく減っている。この内容は、歩道橋の前後百メートル区間における交通事故を見ると、設置前の六十七件が設置後は十件となっている。実に八五%も減少している。また、歩道橋の前後五十メートルの区間でも五十六件から五件に減少し、九一%も減少していることが判明した。あるいはまた街路灯、「夜間の運転を安全に」と立てられた街路灯の効果、三十八カ所対象を見ると、交通事故は百六十六件から百三十一件に減少している。第二京浜国道水銀灯の設置ということで、これは一つの例でありますが、三十七年に二百七十基の水銀灯が取りつけられたのがその初めである。その結果、一キロ当たりの交通事故は設置前に比べて五分の一に減少した。ガードレールの効果の調査、十八カ所対象を見ると、四十六件から三十七件に交通事故は減少している事実が明らかになっている。それからまた歩道。白線で歩車道を区別した場合も、二十二件から十三件に事故が減少した。特に人対車の事故件数は二十二件から十三件に減り、四一%も減少している。年齢別の事故件数を見ても、十五歳までは二六・七%、十六歳から五十九歳で二二・二%、六十歳以上で五七・一%も減少していた。これは、歩車道を分離することが歩行者保護への最短距離であることを如実に物語っている、こういうことの内容であります。  こういうふうにいろいろとデータが出ておりますが、この安全施設の効果というものは著しいものがあると私は思うのです。財源の問題で金がないというならば、百メートル道路を延ばす計画があるならば九十五メートルにしても、あと五メートルは安全施設にかけるべきである、人命尊重の立場からそうなくちゃならぬ、こう思うわけですけれども、この安全施設に対する基本的な考え方を、これはひとつ政務次官からお答えいただきたいと思う。
  144. 田村良平

    田村政府委員 いま御指摘のありましたように、もしも、もう少し照明があったら、ここにガードレールがあったらこんな事故もなかったんじゃないかということで、現実の道路それ自体が安全施設に対しまして非常に不完全だと思います。したがいまして、今後は、道路輸送網の整備体制を充実する上におきましても、ただ幅の広い道路をつくればいい、完成したらそれでいいというものじゃなくて、むしろ安全性をいかに保って道路網、輸送網の整備体制をはかるかということを考え合わせて、道路網の積極的整備を打ち出していくべきだと考えますので、御指摘の点十二分に、今後は安全性を強める方向で道路網の整備をはかりたい、このように思います。
  145. 小濱新次

    ○小濱委員 積極的な対策を講じていくという力強い答弁をいただきました。  道路標識の整備のことですが、この標識を増置する、ふやすということは当然ですが、まぎらわしい広告やネオンを制限する考え方、こういう考え方はどういうふうにお持ちになっておりましょう。これは道路局長ですか。
  146. 蓑輪健二郎

    ○蓑輪政府委員 道路上にありますいろいろ電柱などに添加する広告、こういうものにつきましては、実はできるだけ制限しようということで、いろいろ建設省の各地方建設局も努力しております。まあしかし、こういうことがなかなかできない状態でございます。といいますのは、やはり広告については広告の業界がございまして、それじゃわれわれのめしの食い上げだということがございまして非常に強い反対を受けておりますが、いろいろ話をいたしまして、たとえば交差点の付近にそういうまぎらわしい標識を立てないで、新しいバイパスをつくったときにはもうそういう広告を認めないということで、逐次電柱の広告、路上の広告を少なくしていく方針でいまやっておる次第でございます。
  147. 小濱新次

    ○小濱委員 たいへん長くなりまして、これで終わりますが、交通事故防止のための対策、この措置については、やはり私は何をさておいても、これはもっともっと力強い対策を講じていかなくてはならないと思います。私の住んでいる藤沢市は、約二十二万の人口であります。戦後死者数は二十一万三千三百八十五人となっておる。藤沢のあの中都市がもう全部自動車にひき殺されていった、こういう結果になるわけです。しかも負傷者数は六百八万三千八百三十七名、六百万人の負傷者が出ているわけです。後遺症があって、そしていろいろ不自由な生活をしている人もあるかと思います。また死者数も、これは二十四時間の結果でありますが、それ以後になくなった方の数字は出ておりませんので相当ふえるのではないか、こう見ております。ここ十年間に十三万二千五百三名が死んでいる。負傷者は何と五百六万五千七百六十一名。こういう数字を見るとりつ然とするわけですけれども、これはやはり積極的な総合対策を講じて、そしてとにかく安全施設ができれば効果はあるという、これは事例が出ているわけです。また道路を拡幅することも、整備することも当然でしょう。あるいはまた歩車道を整備することも、これも当然です。あらゆる面で努力をしていかなければ、この交通事故対策は講じられないと思います。これは行政上、総理府あるいは運輸省、建設省、自治省あるいは警察庁、こういうふうに分かれておりまして、何か一貫してないために、いろいろな問題がまた起こっていることも考えられるわけですが、こういう問題では一元化ということが大事であろうと思います。この問題については総合的計画を立てて、国の施策の上に立ってこれが万全の対策を講じられていくようになっていかなければ、事故の絶滅をはかることはできないと思います。基本的な理念になるかと思いますが、最後にひとつ政務次官からこの問題に対するお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  148. 田村良平

    田村政府委員 たびたび御質疑、御意見等がありましたように、人命の尊重、これ以上大事なことはありませんが、交通ラッシュと行政との食い違いが非常に大きな事件を起こしております。ただいま御指摘いただきました数字を承りましても、ほんとうにりつ然とするような重大な問題であります。お話にありましたように、国として人命を尊重し、安全な交通にどう積極的に取り組むかということについて、各省庁別にそれぞれの要綱等を考えまして、まちまちな施策になりますと一貫したものが出てこぬと思います。これからますます激しくなるでありましょう輸送網の整備あるいは交通ラッシュに対しましても、申されましたような人命を尊重し、安全な交通網の整備をはかるということに、国として何か新しい線を打ち出すべきだ、このように私も考えますので、この点は十二分に研究させてもらいたいと思います。      ————◇—————
  149. 金丸信

    金丸委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、内閣提出道路整備特別措置法の一部を改正する法律案審査のため、来たる四月一日、日本道路公団より、総裁富樫凱一君理事宮内潤一君及び理事高橋末吉君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  150. 金丸信

    金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は来たる四月一日委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十一分散会