○林
参考人 先ほど来、
公団の
火災につきましていろいろな御
質問がありました。また、当局から御答弁がありましたが、その点はとくと承りまして、御
指摘のように人命に関する問題でございまして、
消防につき、
避難につき、よく
消防当局とは
——日進月歩の資材の世の中で、いろいろとまた悪い煙を出したり、パニックを起こすような原因になる用具もたくさん各家具の中に使われるような時代になってきておりますし、よく
検討をいたしまして、
建設省それから自治省、
消防庁というところの相談には、実務者としてできるだけの
意見を具申いたしまして、今後一そう遺憾なきを期してまいりたいと存じております。
さて、お話しの水の点でありますが、私も写真を見ましたし、担当
理事は実際のところを見に参っておりますし、いろいろとこれについては、その下のほうをずっと一階から六階まで回ると、なかなかひどい影響があったということについては、当然でございますが、承知をいたして認識をしております。
予想していたかどうかというと、あんなにひどいとは実は思ってなかった。しかしながら、これは、もちろん私の責任でございますが、建築専門家の話によりますと、やはりどの建築につきましても、ふろ場とか洗面所とか、あるいは水を使います
ベランダとか、そういうところは防水の設備をいたします。しかしながら、それ以外のところはコンクリートを打って、できるだけ穴があかないように、あるいは管を通すためにあけたところはほかの資材で詰めるというようなことをいたしておるのでございます。そこでコンクリートというのは、やはりそういう点では水が漏れるものと、
技術者はみな申します。
そこで、あのところに
消防は十五トンの水を注いだということでございますが、あの狭い一区画に十五トンのタンクを上に置いて水を抜いたというような
状態になりますと、ひどい圧力でございまして、これはいろいろなすき間を通りましたりあるいは組織を抜けまして、お話しのようにやはり滝のようにといいますか、流れ落ちるということは、ああいう
状態になれば免れがたいということでございます。これは、大事なとき脱線して恐縮でございますが、あの
霞が関ビルだってやはり同じだ、こういうことでございます。幾ぶん上等でございますから
——あちらのほうも漏れがあるかもしれませんが、やはり同じような物理
状態のもとで、それだけの重いもので、上でせんを抜いてぐっと水の圧力をかけたら、それは抜けるものだ。しかし、それではその場合を予想してふだん全部に防水設備をするかといったら、これはたいへんな費用がかかって、家賃に換算いたしまして非常なものになってしまってどうにもならないということで、結局、配管の間の遊びのようなところをできるだけ詰めますとか、あるいはクラックができるだけ起こらないようにするとかいうことはいたしますが、
あとは必要十分なだけの水をかけていただいて、そこでとめていただく。これはまた
消防に、火を出しておいてお願いして、あまりかけるなと言うこともつらいことで、こちらとしてはむずかしいことでございますが、それで
あとは、ふすま、畳、みな
公団の収支の中でこれを補修する。ただ、たんすや夜具や個人の所有のものは個人で、これは災難と見ていただく、あるいはそれについて動産保険を個人でおかけになるという以外にはない、こういう
状態でございまして、右のようなことでもってひとつ御了承を得たいと思うのでございます。
それから
避難訓練のことでございます。
公団はやはり大事な、大ぜいの方がおいでになって、その方の人命と安全をおはかりしなければならないのでありまして、これはもう、先ほ
ども局長からお話がありましたが、まず入るときの
説明会、そういうときにも申しますし、それから「住いのしおり」というところでも、
火災の予防、入居者のとるべき措置というものの周知徹底をはかっておりますし、ときどき冬など
火災の多いときには、チラシを配るというようなことをいたしまして、いずれの営業所でも実施をいたしておるところでございます。また防火訓練につきましては、所轄の
消防署の指導のもとに適宜実施をしている。それから
公団の
団地管理主任というものが
消防法の規定によります防火
管理者に選任されまして、その指導に当たっているということでございまして、そういうことでつとめてまいっておりますが、今後も一そうこういうことについてつとめてまいりたい。やはり訓練をしてあるのとないのとでは、たいへんな違いがあると存じます。
ちなみに、こういうとき
一つ申しますと、昨年度は、三十一万戸持っておりますうち、
火災の発見は、ぼやまで入れまして二十五件ということで、幸い非常に少ない。万に
一つということばがまさに当てはまるという
状態ではございますが、しかし、事
一つでありましても大事な人の命のことでありまして、居住性と
経済性とをあわせ考えなければいけませんが、安全ということに特に今後も重点を置いてつとめてまいりたいと思います。