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渡辺説明員 生産調整補助金が
予算で八百十四億だ、こいつが相当オーバーをしておるようだが、その不足分はどうするのかという御
質問でございますが、これにつきましては、先般の国会で再三
政府側からも答弁をいたしておりますように、何らかの処置をする、予備費からでも何でも出して、要するに、申し込みのあった方には
生産調整の補助金を
支出するということを約束をいたしておりますので、そのように
措置するつもりであります。
第二番目は、工場用地、
工業用地あるいは公共用地等の先行取得の問題でありますが、これは各省間にまたがる問題であり、非常に分散をいたしておって、その集計がなかなかいまだに完全にできないという実情であります。しかしながら、しょせんは、何といっても米の
生産調整ということは、一時的な休耕ということは、言うならばこう薬ばりみたいなものであって、これは緊急非常時の
対策であって、永久にやるべき筋合いのものではありません。したがって、市街化区域の中におけるところの水田を壊廃をするとか、あるいは道路用、工場用に適する
地域の水田等は優先的に壊廃をして提供するということが抜本的な
生産調整になる道でありますから、休耕補助金によって一応の
目的を果たしたからといって、それはやらぬでいいという筋合いのものではありません。したがって、これはどこまでもこの基本的な農用地の、特に水田のいま言ったような
目的への壊廃というものは進めております。これは予定の数量は達成できないかもわかりませんけれ
ども、ある程度、まあ半分くらいは何とかなるのではないかというように考えております。したがって、買い上げはもうよしたらいいんじゃないかということでありますが、これはそういうふうに変更する気持ちはございません。できるだけ水田の壊廃によって、しかもそれが農業振興
地域等でなくて、先ほど言ったような市街化区域やあるいは工場の適地というようなものについての壊廃は進めるという
方針であります。
第三番目は、
生産調整の休耕または転作の補助金、これは来年以降も続けてやるのかどうかということでありますが、
結論を先に申し上げますと、現在のような米過剰というような問題を一挙に解決するということはなかなか至難であります。極端なことをいえば、
価格をうんと下げるとか、あるいは何か改革的なことをやって
生産を一ぺんに押えるということは、それは技術的、経済学的には考えられることでありますが、政治をやる者としては、農村の所得の補償という問題がございますから、そういう過激な手段をとるということはなかなかできない。したがって、徐々に
生産調整がいろいろな仕組みの中で行なわれるためには、ある程度の年月を要することはやむを得ない、こういうことを考えると、やはり
生産調整は続けざるを得ないのではないか、そう長期間でなくとも、できるだけ短い間に済ませたいんだが、続けなければならないのではないかと私は考えておるわけです。しかしながら、ことしと同じような
生産調整の
方法がいいのかどうかということになってまいりますと、これは非常に疑問のあるところであります。これはできてみなければわからない。北海道や青森のように部落ごと全部休んでしまったという
地域があったり、あるいは自分の保有面積の半分以上も休耕または転作したという人については、私は面積どおりの減産効果というものが出てくると思います。しかしながら一律七、八%の
生産調整をやらせるということで、みんなお義理で、たんぼの水口だけひとつ休もうかというようなことでは、先ほど
華山先生でしたか
お話がありましたように、一割
減反二割
増収というようなことも結果的にはなりかねないという憂えも私はあろうかと思います。しかし、これも結果を見てみないと断定的なことは申し上げるわけにまいりませんけれ
ども、そういうようなおそれのあることも私は十分に考えられると思うのであります。
いずれにいたしましても、結果を見て、あまり効果のないような
生産調整というものを継続することは絶対にできない、まして数千億の金を使ってやるわけでありますから、それが国家
目的に合わないむだ金に終わった、極端なことを言えば、
生産調整のお金をもらって、そのほかに一割よけい増産されたというようなことは、とうてい認められるものではありませんので、やり方についてば、ことしの結果を見て、適切な、必要に応じては抜本的な改革を考えなければならないことも考慮される、こう思うわけであります。