○
華山委員 私は、
日本社会党を代表いたしまして、ただいま
委員長から御提案のありました議決案につきまして、賛成いたしかねる旨を申し上げたいと存じます。
この議決案のうちで、
政府に今後の
あり方について要望をいたしました諸点につきましては、社会党も賛成であります。
政府は、これらにつきまして誠意をもって実現されるようお願いを申す次第であります。
ただ、第三におきまして、「
決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」この点についてのみ社会党は賛成をいたしかねます。
と申しますことは、明治憲法以来、
決算委員会の任務が、もっぱら会計検査院の報告の不当、不正等を中心として論議をいたしたわけであります。この文言は、その際に残っておる文言であって、私はこの点につきましても、今後
委員会においても慎重に研究をすべき問題だと思っております。それで、「
決算のうち、前記以外の事項については異議がない。」という点について賛成をいたしかねることにつきましては、今後四十二年度
決算につきましてどういうことが起きないとも限りません。その際に異論がないと言ったのではないかといわれては困ります。
それからもう一つは、防衛庁における武器等の輸入等の問題でございますけれども、アメリカ合衆国との有償援助協定による購入契約のうち、未確認額が現在二十八億でございまして、まだ納入されないものが十八億であります。予定の納期を経過してまだ到達してないものが十六億に及んでおります。これらは、全部の納入が済んだ後でなければ、われわれといたしましては同意するというわけにはいかないのであります。
それから、
政府に要望されました(一)の事項につきましては、各党が申し合わせをいたしまして、研究に研究をいたしまして、おのおのが譲り合い、またその中から生まれたものであります。それは、
政府に対しまして、各党意見の一致として出したほうがいいという
考えから出ているわけでありますけれども、わが党といたしましては、さらに意見がございます。
最近の軍備拡張と軍事産業は、できるだけ分離をしていくような方向にいかなければならないということ、また、自民党の中にもいわれるのでありますが、武器
輸出の問題については、社会党は絶対にこれには反対であります。この点について意見を申し述べたかったのであります。
また、
政府は地価に対してはほとんどなすところがない。このようなことは、
予算の効果を減殺するばかりでなく、これがインフレとつながるものではないのか。こういうふうなことから、地価に対する政策というものを確立してもらいたい、こういうことを申し述べたかったのでありますが、この点につきまして、各党の間でまだ十分な協調もできておりませんし、違う意見もありますのでこの中に入れることはできなかったのであります。
それから、高級官僚の、いやなことばでございますけれども、天下りの問題がございます。これは先ほど田中
委員が言われましたとおりのこともございますし、わが党といたしましては、あのような事実を生じまして、その人個人個人のことを問題にするよりも、
新聞等に事実が出て、官僚に対する国民の信頼を失うことを一番おそれるのであります。これは政治の不信にもつながるのであります。それで、先ほど田中
委員の言われた提言につけ加えて申しますが、私は、官僚の在職年数が年齢的に低過ぎるのではないかと思うのであります。人事院において許されたところの天下りというものの年齢を見ますと、
平均五十一歳から二歳の間であります。まだ働き盛りでありますとともに、多くの人たちは、これから養育するところの教育盛りの子供を持っている。そういうときにやめろといっても、これは無理なんだ。そこに、こういうふうな高級官僚の天下りの問題が起きるのではないか。それで、社会党といたしましては、この公務員の在職年数を延長すべきである、その方策をとってもらいたい。とにかく五十七、八歳あるいは六十歳まではいまの人は働けるはずだ。高級官僚にいたしましても、課長補佐になるまでに二年、課長補佐の時代を二年、課長の時代を三年程度延ばすことによって八年は延びる。そのためには、人事院の号俸の
関係、頭打ちというものを緩和しなければいけない等の諸般の方策があるかと思いますし、また、過渡的に公務員の採用人員を減らしていく、こういうことも必要でありましょうし、田中
委員のおっしゃったように、一括して採るということも必要かと思いますが、そういう点を申し上げたかったのでございますけれども、自民党のほうは、天下りについては非常に消極的なお
考えのようでございまして、いまここで一致のできなかったこと、たいへん残念であります。これらのことがございますので、この社会党のものの
考え方が完全にいれられているものではありません。
このようなことにつきまして、日につきましてわれわれは同意いたしかねるわけでありますので、全体といたしまして、残念ではございますが、
委員長の提案されました議決案には賛成いたしかねる次第であります。(拍手)