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1970-04-09 第63回国会 衆議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年四月九日(木曜日)    午後五時二十分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 小山 省二君 理事 白浜 仁吉君    理事 高橋清一郎君 理事 丹羽 久章君    理事 森下 元晴君 理事 華山 親義君    理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君       阿部 文男君   稻村左四郎君       海部 俊樹君    塩崎  潤君       竹下  登君    中村 弘海君       松永  光君    水野  清君       豊  永光君    綿貫 民輔君       田中 武夫君    坂井 弘一君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 福田 赳夫君  出席政府委員         大蔵省主計局長 鳩山威一郎君         大蔵省主計局次         長       竹内 道雄君         大蔵省理財局長 岩尾  一君         気象庁長官   吉武 素二君         消防庁長官   松島 五郎君  委員外出席者         食糧庁経理部長 齋藤 誠三君         食糧庁業務部長 中村健次郎君         会計検査院事務         総局第一局長  中込 良吉君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ————————————— 委員の異動 四月三日  辞任         補欠選任   勝澤 芳雄君     柳田 秀一君 同月七日  辞任         補欠選任   塩崎  潤君     中川 俊思君 同月九日  辞任         補欠選任   石田 博英君     塩崎  潤君   笠岡  喬君     豊  永光君   菅野和太郎君     竹下  登君   椎名悦三郎君     松永  光君   中山 利生君    稻村左四郎君   原 健三郎君     海部 俊樹君 同日  辞任         補欠選任  稻村左四郎君     中山 利生君   海部 俊樹君     原 健三郎君   塩崎  潤君     石田 博英君   竹下  登君     菅野和太郎君   松永  光君     椎名悦三郎君   豊  永光君     笠岡  喬君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十二年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その2)  昭和四十二年度特別会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その2)  昭和四十二年度特別会計予算総則  第十条に基づく使用調書及び使  用調書  昭和四十二年度特別会計予算総則  第十一条に基づく使用調書及び  各省庁所管使用調書(その2)  昭和四十三年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書  昭和四十三年度特別会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書  昭和四十三年度特別会計予算総則  第十条に基づく使用調書及び使  用調書  昭和四十三年度特別会計予算総則  第十一条に基づく使用調書及び  各省庁所管使用調書      (承諾を求                  めるの件)  昭和四十四年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その1)  昭和四十四年度特別会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その1)  昭和四十四年度特別会計予算総則  第十一条に基づく経費増額調書  及び各省庁所管経費増額調書  (その1)           (承諾を求                  めるの件)  昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調  書      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書及び使用調書昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十三年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書昭和四十三年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書昭和四十三年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書及び使用調書昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書及び各省庁所管使用調書、以上八件の承諾を求めるの件、及び昭和四十四年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和四十四年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件並びに昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
  3. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 長官にお尋ねします。時間がありませんので、あなたのほうもひとつ簡単に御答弁願います。私のほうもそういたしますから、どうぞお願いします。  きょうは予備費の審査でありまして、四十二年の予備費、四十三年にまたがる予備費であります。一般会計予備費は、御承知のとおり災害予備費が大部分でございます。そこで、災害予備費というのは、概して災害の救済、復旧事業というのがおもであります。消防庁は最も重要な関係にあるわけであります。  そこで伺いたいのでありまするが、ここ何年かのうちに関東南部地方におきまして大震災があるだろう、こういうような答申消防審議会のほうから消防庁長官にあてて先月二十三日された事実がございます。そこで、この点について二、三伺わねばならぬ。  これは、一口に申しますと、どのような——これを言い出すと長くなりますので取りやめて、この答申ですね。この答申消防審議会でありますが、これは相当の権威のある審議会でありますかどうか、この点……。
  4. 松島五郎

    松島政府委員 消防審議会は、消防庁長官諮問に応じて、消防行政に関して必要な意見を述べる機関でございます。私どもは、権威を持った機関であるというふうに考えております。
  5. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、この審議会答申なるものは、相当信憑性のあるものと、こういうふうに受け取っていいわけですか。
  6. 松島五郎

    松島政府委員 先ほど先生から、今後十年以内くらいに大地震があるという答申だというお話でございましたが、もちろん、この答申の中にも、地震発生予想時点として、一応、いわゆる六十九年周期説基礎といたしまして、関東地震から数えて、ここ数年、十年足らずの間に危険期に入るという前提のもとにこの答申はできておりますけれども、しかし、地震のことでございますから、必ずその日に、あるいはその年に地震があるということをいっているわけではございません。これについては、一応いろいろな対策を立てますためのめどとして、そういう前提を置いたものでございます。このこと自体が、絶対的権威があるということについては、あるいは学問的にいろいろ御議論のある方もあろうかと思います。
  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 しかし、いずれにいたしましても、答申はきわめて重大な関心を全国民に与えておるのであります。御承知のとおりに、大正十二年の関東大震災というものが空前の大惨害を起こしたのでありますので、この震災予知と申しまするか、そういったような、かなり正確な情報が出たようでありますので、あなたのほうとしては、消防庁としましては相当具体的な諮問をしたのでしょう。
  8. 松島五郎

    松島政府委員 諮問内容は、関東南部に、関東地震級地震が起こった場合にとるべき方策について意見を示されたい、こういう内容諮問でございます。
  9. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この答申によりますと、大体、昭和五十三年ころから前後十年間くらいが危険期である、昭和五十三年に危険期に入る、こういうことになっておるようでございまするが、それならば、この間に、もし——学術その他経験者等から構成された審議機関答申でありますので、万が一そのような事実がございましたら、これはたいへんなことであります。試みに、予想いたしました答申被害、つまり被害想定なるものは、大体一口に言えば、どういうようなものでございましょう。
  10. 松島五郎

    松島政府委員 一九七八年から十年間くらいというお話でございますけれども、実は六十九年周期説をとっておりますけれども、そのまん中の時点から前後に十三年間くらいの幅をとってございますので、結局、前後いたしますと二十六年間の幅になるわけでございまして、そういう意味からいえば、かなり幅が広いということにもなろうかと思います。  なお、この被害想定内容でございますが、地震が起きました場合発生するであろういろいろな被害のうち、まず火災につきまして、この火災もいろいろな態様のものがあろうと思いますが、この被害想定におきましては、主として木造住家被害を中心にして一応の推定をいたしておるものでございます。木造住家被害推定いたします場合には、地震の強さと倒壊家屋数というものを基礎にいたしまして、それによって、過去の関東地震において生じました火災発生件数から推定して、どの程度の火災が発生するかということを推定をいたしておるわけでございます。なお、その場合には、地震の発生する季節、時刻、また、地震の発生した時点におきます風速というようなものが火災と非常に密接な関係を持ってまいりますので、この想定におきましては、一応、冬の夕食時間に地震が発生したものとして、そのときの風速は、東京地方年間平均風速毎秒三・五メートルという想定で、いま申し上げましたような倒壊家屋数、この倒壊家屋から発生するであろう火災件数というものを、過去の統計等から見込みまして推定いたしておるわけでございます。
  11. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 たとえば、具体的にその被害想定内容火災ですね。火災は、東京都から神奈川県といったようなところはどのような想定が数字にあらわれておりますか。
  12. 松島五郎

    松島政府委員 この答申被害想定で一応推定をいたしております火災発生件数は、二十三区を含めまして東京都で八百六件、神奈川県で三百六件、千葉県で百八件、埼玉県で百五十九件という推定になっております。
  13. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 東京都で八百六件、神奈川県で三百六件、これは、八百の三百なんといいましたらたいへんなことでございますね。おそらく希代の大混乱が生じるんではないかと思われるのでございます。したがいまして、この具体的に発生するかもしれない被害実態というものはたいへんなものだろうと思いますが、そうなりますと、これは単に消防庁だけの問題ではないというように思うのですね。たとえば道路にいたしましても、いまでも道路の自動車のふくそうは、ときどき交通麻痺を生じておりますし、あるいはまた、人間の混乱というものは、目も当てられないくらい、ラッシュアワーに駅でやっておりますし、そういう点、家がない、そこで五階、八階という高層ビルに住む、マンションに入る、こういうことにもなってくるのでございますから、あなたのほうだけじゃなしに、建設省の関係もあろうし、これまた警察の関係もあろうし、あらゆる面、行政全体、政府全体が取り組まんならぬような大きな課題が投げ与えられたような感じがするんですが、こういうことに対しまして、自治省なり、あるいは内閣なり、そういった面が、そのとおりなら、具体的積極的な対策へのかまえ、政府としてのかまえ、行政としての、これにどう考えねばいかぬかというかまえを、あなたのほうで進言でもしておるのかどうか、その関与するところの省庁の範囲はどうか、この辺をひとつ明らかにしておいてもらいたい。
  14. 松島五郎

    松島政府委員 御指摘のとおり、この答申でも述べておりますように、地震によって発生します被害は、火災が非常に大きな比重を占めますけれども、単に火災のみにとどまらず、いろいろな被害が起こり得るわけでございます。それらに対する対策は、たとえば火災一つをとりましても、消防隊が活動いたしますためにも、道路交通の問題が解決されなければならない、あるいは、避難誘導をいたしますためにも、交通問題あるいは情報伝達体制というような問題が解決されなければならないというふうに、各方面行政にわたっております。  私どもといたしましては、この答申をいただきましたので、消防自体でなすべきことにつきましては従来からも努力してきたつもりでございますけれども、引き続き、消防の近代化なり、あるいは避難対策についての地域防災計画の確立なりというような問題について取り組んでまいりたいと思いますが、全般的な問題につきましては、ただいま中央防災会議におきましてもこの問題を取り上げて、関係各省連絡会議等をやって、これを具体化していく方途について検討している段階でございます。
  15. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 中央防災会議が積極的に取り組み、研究調査して、そして事前にこういった問題に対して対処するということは喫緊の重要なことであります。  そこで、気象庁長官に伺いますが、私は四十一年の予備費の際にも指摘したのでございますが、大体、災害予備費というものが一般会計で大きな割合を占めておるということと、それからもう一つは、全体といたしまして、気象関係自然現象というものが非常に大きな分野を占めております。もうアポロ時代に入ったのでありますし、科学の時代でありますので、気象庁役割りはずっと大きくなると思うのですが、気象庁といたしましては、予備費使用にかんがみまして、気象異変災害事前予知、防止といったようなことにつきまして、観測だとか研究だとか調査だとか、あるいはデータの集積だとかいったようなことを、かなり組織的に合理的にこれを進めていくという体制を用意せられなければならぬのじゃないかというふうに思うのです。  だから、気象庁独自のものではございませんけれども気象庁といたしまして、災害に対する施策の方向、あるいは予備費を使ったその結果にかんがみまして、今後どういう点を改めなければいかぬか、何をどう強化しなければいかぬかということをひとつ御答弁願いたい。ちょっと長官、時間がございませんので、要点だけ述べてもらいたいのです。
  16. 吉武素二

    吉武政府委員 私のところが受け持っております地震体制について、少しお話を申し上げておきたいと思います。  全国で百十カ所の気象観測所があり、そこには地震計を備えつけて、絶えず地震を監視しております。そしてこの記録を有線で集め、その震源地がどこか、規模はどのぐらいか、津波を起こさせるとすれば、どの地方があぶないかというような判定、あるいは判断業務的に実施いたしております。その場所は、気象庁本庁札幌管区気象台仙台大阪福岡の各管区気象台でございます。現在、本庁大阪管区気象台は、この業務に対してオールワッチ制をとっております。昭和四十五年度からは、仙台福岡管区気象台オールワッチ制をとることにしております。なお、札幌管区気象台昭和四十六年度からオールワッチ制をとる計画でございます。  それから、先ほどからもお話が出ている大地震があったときに一体どうするのだというようなこともちょっと申し上げてみたいと思いますが、大きな地震が発生した場合に、私たち気象庁としての役目は、適切な情報を逐次発表していくことではないかと思います。  一つ考えられることは、万が一にも東京にあります気象庁本庁機能が麻痺してしまって、地震観測資料の収集とか情報発表業務が行なえなくなるということも私は考えております。かような場合には、先ほど申し上げました仙台なり大阪なり、そういうような管区気象台において逐次地震情報が発表できるようにしたいと考えております。そのために必要な電信電話回線というものも、場合によると不通になることも懸念されますけれども、当庁所管無線通信計画もございますし、また、非常無線通信組織と申しまして、他官庁と共同してそういう緊急時の通信の措置に当たるということも考えております。
  17. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 気象観測の問題、それからまた、気象庁といたしまして他の官庁との連絡関係、こういったことを緊密にいたしまして、この機会に、災害国日本気象庁の今後のあり方について、積極的な体制をとる必要があるのではないか。単に国内地域日本近海だけでなしに、遠く世界と連絡をとりながら気象観測をやるくらいの規模気象庁機能の充実をはかっていかなければならぬのではないか。実は、一般会計予備費調書を見ますと、大部分自然現象災害予備費です。災害予備費におけるあなたのほうの立場はきわめて重大だと思う。でありますから、その辺について、具体的に四十五年度の予算において改めた点、さらに施設予算を要求したというようなことが何かあってしかるべきだと思いますが、年々繰り返しまして予備費がどうだこうだということは、今後は間尺に合わぬと思いますので、その辺についての改善あとはあるでありましょうか。
  18. 吉武素二

    吉武政府委員 気象について申し上げますと、いまの多くの気象関係している人々の考え方というのは、もうすでに先生もいまおっしゃったように、地球全体の気象状況を把握しなければできないということで、いま私たちは、各国、たとえばワシントンとかモスクワとかいうところと結んで、資料交換あるいは天気図交換というものを一日も早くやりたいということで、ある部分はもうすでになされつつあります。何といっても、日本の島の上だけの気象資料でものごとを考えるという時代はもう遠く過ぎ去ったように思います。そういうような見地に立ちまして予報なりをやっていく、しかし、日本国内で申しますと、やはりまだいろいろな問題がございます。レーダーサイトを現在十六カ所持っておりますが、さらに四十五年度には釧路を追加していただきたいと考えております。そうして、そのレーダー情報伝送網という組織によってその映像を必要なところに流す、それをいろいろな各地気象台とか、そういうところで気象サービスのための判断資料にしていく、そういうようなことで四十五年度は第一歩を踏み出していきたいというように考えております。
  19. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 だんだん時間がなくなってきましたので、あなたのほうはよろしいです。  次に、食糧庁に伺います。  四十二年も三年も、これは連年でありまするが、特別会計における予備費は大半が食管会計であります。その食管会計をどう改善するかということは、これは各方面から、あらゆる観点から論議されてきております。米の生産を百五十万トン減産するといったような生産面からも来ておりまするが、しかし、予備費使用の純財政的な見地から考えてみましても、幾多検討の余地があろうかと思いますので、食管会計全体の問題は、いろいろな各般にわたる諸問題を持っておりまするけれども、私は二、三のそういう点から伺ってみたいのであります。  そこで一つは、四十二年における食管赤字内容といたしまして、中間経費コスト方面が相当高くついたことがやはり目立ちます。四十二年の集荷費が百八十三億円で、それから四十三年が百八十九億円、こういうことになっておるようでありまするが、集荷費は、これを相当節約、合理化する余地はあるんでしょうか、それとも研究をしつつあるんでしょうか。その辺どうですか。
  20. 齋藤誠三

    齋藤説明員 お答えいたします。  集荷経費の大部分集荷手数料でございまして、一俵当たり定額できまっておりますので、集荷量累増に伴って増加しているわけで、あまりそういった節約余地はないと思います。
  21. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 運賃問題でございますが、運賃は、例の日通事件が起こりました当時もかなり当委員会においても議論がされたのでありますが、これは四十二年度におきまして百二十二億円、四十三年度におきまして百二十億円、こういうふうな赤字が計上されております。運賃はかなり改善されたやに聞いておるのでありまするが、運賃改善につきましては、やはり大部分日通独占になっておるのでしょうか。その辺についてはどのようでありますか。
  22. 中村健次郎

    中村説明員 運賃につきましては、現在われわれで契約をして使っておりますのは、日本通運全国通運と全購連三つ契約の相手方として使っておりまして、日通独占ということではございません。  なお、全国通運につきましては、これは四十三年の十月から、鉄道運送につきまして、発着一貫運送数量の三割を全国通運にやっていただいて、残りを日本通運にやっていただく、こういうことで現在まで至っております。それから、北海道から内地へ送ります海上運送につきましては、四十四年三月から全国通運に参加を願いまして、これは船運賃見積もりを出してもらいまして、見積もりの安いほうにやってもらうということでやっております。  それから、全購連は四十四年の七月から、終始、トラックと申しますか、鉄道を使わないでトラックだけで運送するものにつきまして、三十六県だったと思いますが、それぞれの県で二割なり三割なり、あるいは大きいところでは四割というふうに、力に応じて割合をきめて実行していただいております。
  23. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは主として米でありますが、米の輸送ということになりますと、鉄道輸送——私鉄はあるんですか。——私鉄はありませんね。
  24. 中村健次郎

    中村説明員 ほとんど国鉄でございますが、私鉄も若干ございます。
  25. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そこで、鉄道輸送、それから一定の倉庫から駅までトラック、また、別にトラックのみ、海上輸送、こういうふうに三つに分類されるわけですね。  そこで、これは俵なんかで輸送するんだろうが、これはずいぶんと膨大な量になりますね、米は。といって、米は生きものでありましょうし、呼吸もしておるし、えさにもなります。そういうことでありますので、圧縮してしまうわけにはいきませんが、何とかこれはもっと合理的な方法はないだろうか、バラ積みはできぬだろうかどうだろうかということが一点。それからもう一つは、コンテナがずいぶんと研究されてきておりますが、すでに海上におきましても七、八百のコンテナ輸送船が三菱でつくられております。それから、バラ積みコンテナ輸送と、こういうもので発送しまして、そして輸送費を軽減することが第二点。それからもう一つは、トラック業者鉄道それから海上輸送、それから空、いまのところはそこまで及ばぬでしょうけれども、空も一応は含めまして想定いたしまして、陸、海、空と三者一体となりまして輸送機関体制をとるというようなことを、ひとつ将来のプログラムとするなんということもできぬだろうかどうだろうか、こういうふうにも考えるのですが、まずバラ積みとかコンテナ輸送について、これは積極的に取り組んではどうか、こういうように思うのです。これはやはり運賃は四十二年が百二十二億円、四十三年が百二十億円で、二億円低くなっておりますけれども、これは百何十億円というようなたいへんなものでありますから、この点はどうでしょうね。
  26. 中村健次郎

    中村説明員 運賃は百二十二億と百二十億、二億減っておりますが、運送する数量にも関係してまいりますので、必ずしもこれが節約というふうになるかどうか問題でございますけれども、いずれにしましても、いま御指摘のございましたバラ輸送、これにつきましては、私のほうも、麦につきましては、船でバラで持ってまいりまして、サイロにかなり大量のものを入れております。したがって、山の工場に送るものにつきましては、バラ貨車バラで送るということをもう実行しております。  それから米につきましては、普通は麻袋なり紙袋、かます等に入れて持ってまいりますが、そういうものをさらにバラにして送るということは、かえって経費がつきます。そこで、いま各地に建っておりますカントリーエレベーターもみバラで収納して、バラで保管しておく、こういうものにつきましては、そこでもみずりをしたあとバラ輸送の試験を現在実行いたしております。パレットについても試験を実施いたしております。
  27. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 また残余は別の機会にしましょう。大臣が来なければしょうがない。わしだけ時間をとるわけにはいかぬ。時間がありませんから、そうしましょう。やむを得ません。一応質問を保留しておきます。
  28. 濱野清吾

    濱野委員長 まことに不手ぎわで恐縮ですが、いま大臣は参議院を出たそうですから、質問を続けてください。
  29. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 食管の問題ですが、いま食管会計の金利というのは相当いっているんですね。四十二年三百億円、四十三年には四百二十五億円、四十四年には約六百五十億円、四十五年には七百三十億円、を予定されておるようでございます。金利というものは、これは政府事業でありますから、申すまでもなく食糧証券の金利ですが、五分七厘八毛くらいの食糧証券です。これは、私は前の国会におきましても、大蔵大臣に、国庫余裕金をもっと積極的に活用したらどうかと言っていたんです。と申しますのは、これが公社、公団の事業ならそこまで申しません。農林省の事業なんです。重要な食糧関係を扱う食管会計なんです。でありまするから、国庫余裕金を積極的に活用するという方法をとってはどうか、こう思うのですね。したがいまして、私が従来の比率を見てみますと、食糧証券等に対する国庫余裕金の使い分は二〇%出ることはありません。大体一七%から一八%、一五%、四十四年度は十三・五%ですか、それくらいにしかなっていません。それほどでありますので、国庫余裕金をもっと積極的に活用するということに大蔵省は踏み切る。これはやはり食糧証券を使えば、金利は国が国民の税金で負担せねばならぬということになりますと、政府事業でありますから、私は、金利のかからないような方法をして、かくして食管赤字を少しでも少なくするという方向に積極的に姿勢を整える、こうしてはどうかと思うのですね。三百億円の七百億円のという金利を払う食管会計ですから、これは驚くべきであります。この点は、ひとつ大臣にきちんと聞きたいんですけれども、あなたのほうでそういうふうに協力するような姿勢になっていったらいいと思うのですが、いかがですか。
  30. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 お話しございましたように、毎年だんだん食管の資金が増大してまいりまして、その原因の一番大きなものは、やはり過剰米の発生ということにあるわけでございます。けれども、その問題は別といたしまして、ともかく過剰米解消のために糧券の発行が必要である、その糧券の金利がだんだん食管会計の負担になっておるというのは事実でございます。  その食管会計として必要といたしますお金につきまして、なるべく国庫余裕金を使いまして、食管会計の負担を少なくするということは、私ども常々努力してまいっておるところでございますが、試みに数字を申し上げますと、四十年は、平残といたしまして、大体七%程度が余裕金でまかなわれているかと思います。四十一年は四%程度でありますが、四十二年には約一八%程度、四十三年には、平残にいたしまして一九%程度が国庫余裕金でまかなわれておるというのが現状でございます。お話しのように、現在のところまだ二〇%を上回るというところまではいっておらないわけでございますが、今後とも、食管会計の負担をなるべく減らしていく意味で、国庫余裕金の繰り回しにつきましては一そう努力してまいりたいというふうに考えております。
  31. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それでは、この点につきましては、国庫余裕金の使い方というものにはずいぶん問題があると思いますけれども、いずれにしましても、食管会計赤字をもっと積極的に克服するという方法に取り組まなければ、私は食管制度自体が崩壊すると思うのです。これは好む好まぬにかかわらず、国論はそういうことにだんだんいきますよ。そういうことになりますから、そこまでほんとうに腹をきめておるならばまた別です。別ですけれども、いまの事情から考えまして、食管赤字につきましては、可能な範囲において積極的に節減し得る手を打つべきだと、どうしても考えざるを得ないのです。  そこで、ちょっともとへ戻るのでありますけれどもコンテナの問題ですね。コンテナのことにつきましては、どのようになりましたか……。
  32. 濱野清吾

    濱野委員長 速記をとめて。
  33. 濱野清吾

    濱野委員長 速記を始めて。
  34. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員 議事進行について。  恐縮ですが、理事会を開くために、暫時休憩していただきたいと思います。
  35. 濱野清吾

    濱野委員長 暫時休憩いたします。     午後六時十分休憩      ————◇—————     午後六時二十六分開議
  36. 濱野清吾

    濱野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田中武夫君。
  37. 田中武夫

    ○田中(武)委員 予備費支出について、若干お伺いをいたします。  時間の関係もございますので、ずばりとお伺いいたしますが、大蔵大臣、補助金とは一体どういうものなのか。法令用語辞典によりますと「特定の事業、研究等を行なう者に対し、その事業、研究等の遂行を育成、助成するために交付する金銭をいう。」こういうように定義を書いています。  そこで、昨年十一月に交付いたしました稲作転換特別対策事業補助金、例の二百二十五億、これによって育成しようとする、あるいは助長しょうとするところの事業は一体何か、その事業を必要とするということを政府が考えたのはいつか、その二点をお伺いいたします。  これは主計局長でよろしいが、まず、補助金とは、というぼくの定義についてはいかがですか。
  38. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 補助金とは、補助金対象となるべきものが行なう事業を助ける意味において政府が与える金銭である、かように思います。
  39. 田中武夫

    ○田中(武)委員 その補助金の対象となる事業というのは、一体どういうものです。具体的には、例の二百二十五億、これによって助長しようとする事業とは、一体どういうことですか。
  40. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これはそう言ってないですよ。補助を受ける対象者が行なう事業を助ける意味において政府が与える金銭である。
  41. 田中武夫

    ○田中(武)委員 定義はわかりました。定義はそういたしまして、そこで具体的に、昨年十一月交付いたしました稲作転換特別事業補助金、例の二百二十五億です。それによって対象とした事業は一体何なのか。それから、その事業を必要と考えた時期はいつなのか、そういうことを伺いたい。
  42. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 補助を受けた対象者は都道府県であります。その都道府県が市町村を通じて農業者を助けよう、こういう企画を持ち、その企画に対しまして政府が補助する、そういうことであります。その考えた時期は六月ころであります。
  43. 田中武夫

    ○田中(武)委員 何か予防線を張って、あまり前に出られないようですが、私の言っているのは、二百二十五億円で育成、助長しようとしたところの事業、これは直接個人でなくて、府県に渡したが、じゃ府県が行なおうとしたのは、どういう事業ですか。
  44. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 府県は、農業者の農業経営の安定、そういうことであります。それを市町村を通じてひとつ助けようという都道府県の企画に対しまして政府が援助をした、これが二百二十五億円の本質であります。
  45. 田中武夫

    ○田中(武)委員 時間の関係がありますからこちらで申しますが、言わんとするところは、それを必要とする、こういうことがわかったというか、やらねばならぬということは、六月でなくて、四十四年度の予算成立以前にもうわかっておったんじゃないか、こういうことなんです。
  46. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 それは違います。六月の時点で初めて構想したものであります。
  47. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これは、六月の時点というと、いわゆる米価の生産者価格の問題に関連してですね。そうでないと予備費支出の名目がつきませんからね。  次へいきましょう。それでは、補助金を出す場合の一つのルールといいますか、根拠が必要だと思うのですが、そういう基礎はどういうものなんですか。
  48. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 義務として支出する場合におきましては、法律の根拠を必要とします。しかし、義務としてではなく、政府の一方的な見解で支出する場合には、法律は要しません。
  49. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そこが私の論点なんですがね。いま現実に法律補助と予算補助ということばを使っておられる。それでは、四十四年度でも、あるいは近い年度でけっこうですが、いわゆる法律補助金と予算補助金との金額あるいは件数、項目でもよろしいですが、比率はどうなっておりますか。
  50. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは調べればすぐわかることでありますが、ここに手元には資料を持っておりません。
  51. 田中武夫

    ○田中(武)委員 それはあとで要求します。私はここに、古いですが、三十七年のを持っております。これを見る限りにおいては、なるほど法律補助のほうが予算補助に比べて金額等はうんと高いわけです。しかし、大蔵省というか政府というか、あるいは役人というかの頭では、法律補助と予算補助のどちらを補助金の本命と考えておられるかということになると、どうも、法律補助よりか予算補助のほうが本命のように考えておられるんではなかろうかという感じを受けるところがあるのですが、これはどうです。補助金というものに対して、法律補助と予算補助のどちらが本命だ、どちらが中心であるのがいいのかという点、いかがですか。
  52. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 現在各種の補助金がございますけれども、単に補助金を支出すれば、それによって行政効果が果たせるというものにつきましては、今後はそういった法律は出さないで、予算補助でやっていくべきではないか、こういうような趣旨で、政府といたしまして、いろいろ法律が毎年非常にたくさん出るものですから、それを整理する意味におきまして、そういった申し合わせを政府部内でもいたしております。  ですから、一つの制度をやる場合に、政府の補助金を出すということのほかに、いろいろな制度の維持のために、国民対国民の関係、あるいは対地方関係等におきましてその権利義務等の規定をしなければならない、こういった場合には、やはりそちらのほうで法律を必要とするわけでありますから、それで一つの制度ができ上がる、今回のような、単に一回だけ補助金を交付すれば、それですべて完結してしまう、ほかに何ら権利義務の関係を生じないという場合におきましては、これは予算措置で十分にやれる、こういうふうに考えておるわけでありまして、どちらが本命であるとかいうようなことは考えてないわけでございます。
  53. 田中武夫

    ○田中(武)委員 いまの御答弁によると、たとえば一回きりのようなものは、そのつど法律をつくるのもどうかと思うので、予算補助で出す、それから、継続するとかいうものは法律を要する、このように受け取ってよろしいか。
  54. 鳩山威一郎

    ○鳩山政府委員 必ずしも一回だからということではないと思います。その一つの目的を達成いたしますために、何らほかの権利義務関係を縛る必要がないという場合には法律が要らないのじゃないかという意味でありますから、ただ一回だけでも、そのために権利義務関係を起こさせるような場合にはやはり法律が必要であろう、こう考えております。
  55. 田中武夫

    ○田中(武)委員 予算の締めくくり総括質問で、大臣も局長もおられたが、私は、行政は法によって規制せられる、したがって、行政府のかって気ままは許されない、また、行政の恩恵は国民すべてに平等でなければならぬ、行政は信義誠実の原則に従わねばならない等々の要件をあげて確認をいたしました。したがって私は、補助金行政行政一つである限りこの原則の上に立たねばならない、だからといって、私は絶対にというようなことは言っておりませんが、原則として、相なるべくは、補助金はその基礎を法律に置くべきである、法律の基礎の上に立って行なうべきである、そういうように考えております。  大臣、小首をかしげておられますが、大臣はお忙しいからそこまで目が通らぬかと思いますけれども、秀才局長はよく勉強しておられるので、これをお読みになったかどうか、国家学会雑誌の第七十八巻の三号から六号まで、すなわち、年度で言うと、三十九年十一月号から十二月号、「資金交付行政の法律問題」、副題が「資金交付行政と法律の根拠」、こういうことで、東大の塩野先生が長い論文を四号にわたって書いておられますが、大蔵省でお読みになった方はありますか。——私はここに、私が言わんとするところに必要な部分だけをいまコピーして持ってきておるのです。ならば、一ぺんお読みになったらいかがでしょうか。  これは西ドイツの学者の学説等まであげて、結論的には、補助金交付というか、大きな意味において、資金交付行政は、法律に基づくべきが原則である——ただし、この塩野先生も、以上の原則は絶対に例外を許さぬものとは考えない、こういうようには言っておりますが、これは絶対に例外は許さない。それは、私はすべてのものには原則があり、例外もあると思うのですが、考え方がそうではない面もあるようだが、やはり補助金の交付は、法に根拠を置くということが本命である、主体である、そういう考え方の上に立って考えてもらいたい。だからといって、私は絶対に例外を許さぬというのではないけれども、先ほどおっしゃったような、一回きりだとかなんだとかいうようなもの、こういうようなものについては、これはわざわざ法律をつくる必要もなかろう。が、しかし考え方の基礎は、あくまでもこれは一般の国民の金である、それを特定の団体または特定の個人にやるのですから、対価を要求せずしてやるのですから、したがって、行政の原則からいって、法に基づくべきである、国民の間に平等でなくてはならない、そういう点からいって、当然法律を補助金は本命とする、たてまえとする、こういう考え方を持っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  56. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 それは非常に重大な問題ですから、よく考えさせていただきます。行政は、国会の意思のもとにおける行為なんです。その国会の意思の表現の方式は、予算もあります。もちろん法律もあります。その他決議だとか、いろいろな形式があるわけです。国会の意思のもとにおける行政ですから、ですから、予算という形を通しての意思、これが、さらに重ねて法律を要しなければならないということになるのかならないのか、これは非常にむずかしい憲法上のといいますか、そういうところまでもつながってくる議論になってくるのではないか、そういうふうに思いますが、なおよくこれは考えさせていただきたいと思います。
  57. 田中武夫

    ○田中(武)委員 大臣が考えるということですから——いま私があげました塩野先生の論文には、憲法から、世界の学説をあげて、その結論として、法律に根拠を置くべきが原則であるとしているのですから、大臣はお忙しいから、鳩山さんは一ぺんお読みなさいよ。お読みになってから、読んだとおっしゃったところで、もう一ぺん論議いたしましょう。わかっておられるでしょう、そういう雑誌があることは。そういうことで、私は、なるほど予算も国会の議決を経る、そのことによって、成立をすれば、行政府予算支出権、予算の執行権が与えられるという点で、私は大臣のおっしゃることは間違いだとは思っておりません。しかし、個々具体的な問題については、私は、できるだけ法によるべきではないか、そういう考え方がありますので、きょうはこの程度にいたしまして、鳩山さんが御勉強になってから、あらためて勝負をいたしたいと思います。  その次にお伺いいたしたいことは、予備費の支弁、予備費をもってまかなうための必要要件、これは時間の都合がありますので、私のほうで申し上げます。  まず第一点が、予見しがたいものであったこと、そして、予算に不足を生じた場合であること、それから予算補正を必要とする程度までいかない金額、まあ、わずかであるというか、補正予算を組むまでに至らないような程度の金額、これが財政法二十四条のいわゆる「相当と認める金額」、こういうところの関係もあるのじゃないかと思うのですが、ともかく憲法八十七条と財政法第二十四条からきているこの三点、さらにもう一つは、ある種の緊急性を要する、すなわち、翌年度の予算編成を待つことができない、あるいはまた補正予算をつくるいとまがない、こういったある程度の緊急性が必要である、まあこういうことが予備費支出の必要要件だと思うのですが、どうなんでしょうか。
  58. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これもなかなかむずかしいお話ですが、大体そういうふうに心得ております。
  59. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そこで、この二百二十五億円が、いまのあげました四点なり五点の予備費支出の原則といいますか、要件から見てどうであるかということ、私は、米価の問題と関連があった、そういうことで必要としたのは六月だと、こうおっしゃれば、それはそうだと思います。もしあのときに、政府としては、生産者米価を値上げしないのだ、こういうことであったが、値上げをしておれば、それではこの二百二十五億円は必要でなかったのかどうか。いずれにしても、昨年の予算成立以後に必要な理由が発生したということでなくてはならぬと思うのです。その点につきましては、私はいささか問題があると思うのです。ということは、稲作の問題についてこのままではいけないということは、それは前からわかっておった事実なんですね。そういう点が一点あると思います。  それから、予算額に不足という点についてはどうか。これは私のほうではよくわかりませんが、その点、補正予算との関係、それから来年度——もう本年度ですが、四十五年度の予算の編成、成立を待つことのできない緊急性があるのかどうかということ。この二百二十五億円の支出に対しまして、いまあげましたような要件からいって、合致しておるかどうか、いかがでしょうか。
  60. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 第一は、予見し得なかった、こういうことですが、これは六月になって初めてそういうふうに考えるに至ったのです。予算を編成するときには両米価とも据え置きと、こういうかたい考えであったが、どうもこの考え方が農民の間に浸透しない、どうもこれでは農家経営に動揺を生ずるというふうに考えるに至ったわけです。  それから第二の要件は、予算に不足を生ずるということ、これはつまり、そういう予算は持ってないわけですから、不足も何もない、もとからないのですから。これは一〇〇%以上該当する。  それから多額のものでないこと、補正を必要としないことというお話ですが、これは予備費が九百億円ある、それとの相対的問題で、私どもはこれは予備費支出の要件に当たると、こういうふうに考えたわけです。  それから第四の緊急性ですね。これは御承知のように、私、実はこれは補正に組んでいいと思ったのです。それで補正に組む準備をしておった、秋の臨時国会におきまして補正予算の御審議をお願いしたい、こういうふうに考えたのですが、はからずも国会は解散となり、そういういとまもないような状態というふうに考えましたので、その補正に組むという考え方をやめたわけです。はたせるかな、国会は解散になりました。そこでやむを得ず予備費をもって支出する、また、これを四十五年度まで持ち越すということは許されない状態であった、こういうふうな考えでやったわけです。
  61. 田中武夫

    ○田中(武)委員 福田大臣はいまそういうふうにおっしゃったけれども、私はいささか見方が違うのです。やむを得ずではなしに、必然的にそうしたのだと見ている。と申し上げますと、四十三年、すなわち、大臣が幹事長のとき参議院議員選挙——この前の衆議院議員選挙の前、いわゆる米価闘争の時期とでもいいますか、あの時期においてあなたは、だれよりもだれよりも農民を愛す、こういうことで参議院選挙において農民票をかっさらったのです。そして昨年、ちょうど都会議員選挙の前、根本政調会長は、いわゆる酷税といいますか、サラリーマンに酷な税金であるということでやかましく言っておるし、またサラリーマンユニオン等々もできておる。このときは根本さんはずばり、農民はこれこれしか税金を納めていない、米価を値上げするだけが農政ではない、こう言って、東京都のサラリーマン、勤労者から拍手をあびた。現に、名前を言ってもよろしいが、某副幹事長は、これで都会議員選挙はいただきだと言った。その当時、六十一国会の会期末で、解散、総選挙をやるのだ、あるいは総選挙に追い込むのだと言って、社会党の幹部の一部も言っておりましたが、私は、そんなばかなことはできない、やれない、こう見ておりました。一応都会議員選挙が終わってから、今度は何らかの手によって農村を地ならししなければだめだ、地ならしのあとで、その直後解散、総選挙をやる。それはたまたま佐藤さんの沖繩交渉のあとということにはなりますが、私はこの二百二十五億円をそのように見ておる。そして、その一キロ当たり二円四十銭は、実質的には生産者米価の値上げに匹敵するものである、そういうことで、選挙の結果が三百議席を獲得せられて、われわれは惨敗した。まことにうまい選挙戦術である、このように見ますが、いかがでしょう。そうだとは言えないと思いますが、こういう見方もあるということです。
  62. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 さような見方もあるということを、つつしんで拝聴しました。
  63. 田中武夫

    ○田中(武)委員 そこで、時間もございませんし、いまさらあまり頭にきてやってみてもしようがないですから、財政法の三十五条の二項ですか、各省庁の長は、予備費でまかなう場合は、積算の基礎を明らかにして、大蔵大臣に対し云々、こういう規定がありますね。これは農林省のほうが出してくるということでしょうが、この二百二十五億円の積算の基礎、これをどういうように農林省は大蔵大臣に提出してまいりましたか。
  64. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 前三カ年の供出農家、この農家に対しまして一キロ当たり二円四十銭を交付したい、こういう要求であります。
  65. 田中武夫

    ○田中(武)委員 その二円四十銭が妥当であるかどうかということについてはどうなんですか。
  66. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 それは諸般の状況を総合的に判断いたしまして、農林省のさような要求は妥当なものである、かように考えたのであります。
  67. 田中武夫

    ○田中(武)委員 これはむしろ農林省に尋ねるべき事柄だと思うのですが、諸般の状況、こういうことですが、このぐらいにしておきましょうか。これはやはり私の見る選挙対策費だ。いまさら言ってみても始まらぬと思うのですが、これは野党の私のひがみかもわかりません。しかし、いま私が言ったようなことで、そう考えられてもやむを得ないんじゃないか、こう思われませんか。参議院選挙では、だれよりもだれよりも農民を愛す、都会議員選挙の前になれば、しばらく農民はおこらしてもいいが、都市の勤労者のごきげんをとるために、農民はこれこれしか税金を納めていないし、生産者米価を上げるだけが農政ではない。これは東京都民というか、ことに月給取りは歓迎したでありましょう。そのときに、解散は絶対にないとかけをした人もおる。うちの幹部の中には、絶対そんなことはないといって、太鼓をたたいたばかもおる。それは農村を一度手入れしなければやれない。はたせるかな、二百二十五億円が出て手直しをして、解散、総選挙となった。これは野党の私のひがんだ見方かもしれませんが、そう受け取れます。したがいまして、私が申しました、つかみ金的な補助金あるいは便宜的な予備費の支出は、原則として厳に慎むべきである、原則として法によるべきである、そういうように私は考えております。これはひとつ大臣、十分御検討をいただきたい。決して野党のひがみで言っておるだけではございません。  最後に、もう一点だけお伺いいたしますが、やはり予備費で支出した中に、佐藤総理の訪米経費として五千七百八十八万九千円あがっております。この金額を云々するのではございません。しかしこれとても、もう昨年の予算審議のときに、秋にアメリカへ沖繩の問題等々で行くということはわかっていた事実なんです。ならば、予備費支出という方法でなくて、一般通常経費として、総理府のところかどこかにあげておくべきじゃなかったか、そういう点はいかがでしょう。
  68. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 総理の訪米は、うわさとか、さようなことでは前からあったわけですが、予算を編成する時点におきまして、訪米が必ずあるんだという見通しは立たなかった、そういうことで予算にはこれを見積もらなかった。それが決定しておりますれば、当然予算に計上すべきものだったと思います。
  69. 田中武夫

    ○田中(武)委員 もうこれで終わりますが、あのときに、秋に行くということは予算審議の中で何回も言ったわけです。ただ、白紙であるということで徹頭徹尾総理は逃げを打ってきたことは事実ですが、行くことについては白紙とは言わなかった。それはよろしい。  ともかく、補助金とかあるいは予備費の支出、こういう点につきましては、私は福田大臣になってから特にそうだとは申しませんが、少し便宜主義的な点が多いんじゃないか、こういうように感じますので、これは十分今後、大蔵大臣あるいは大蔵省の秀才の人たちは考えていただきたい。これだけを申し上げまして、時間の都合がありますので、びっしり三十分で終わります。
  70. 濱野清吾

    濱野委員長 鳥居一雄君。
  71. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 大臣にお伺いしたいと思います。  非常に基本的な問題をお伺いしたいと思うわけでありますが、最初に、日本航空の株式が昭和三十三年度、昭和三十四年度、二年にわたって売り払いが行なわれております。そうして、予備費におきましてこの手数料の支払いをしておるわけであります。手数料の支払いの内容は、数字はきわめて小さいものでありますが、この株式の売り払い収入は五十五億九千万円にのぼる、そういう内容のものです。これを考えてみますと、私は政府の持っている株、持ち株の売り払いについていろいろ考えるわけでありますが、この日本航空の持ち株につきまして、単年度ではなく、二年にわたって売り払われております。そうして、非常に高額にのぼる収入があるわけですが、こうしたものは、手数料その他を予備費から支払って、そうしてこの売り払いをやる、このこと自体が悪いとかいいとかいう問題ではありませんけれども、当初予算にきちんと組んで、売り払いの予定、いつ、どのくらいの株を売るか、これをはっきりきめてやるべきじゃないか、こう考えるわけですが、この点、いかがでしょうか。
  72. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 一つの御見解かと思うのです。思うのでありますが、この政府所有の株式を売り払う場合の方法でありまするが、政府がじきじきやるとか、あるいはどなたか、たとえば証券業者に一括して売り払いを引き受けてもらうとか、いろいろな方法があるわけなんです。その方法を予算編成時にきめかねるという問題があります。  もう一つは、かりに証券業者の引き受けによって売るという場合を考えましても、その証券業者とのいろいろの交渉があるのです。これは手数料を幾らにするかという問題です。これが非常にデリケートな問題ですから、それを初めから予算に幾らだ、こういうふうにやっていくわけにもいかぬ、そういう事情も第二にあるわけなんです。それらの状況を勘案いたしまして、予算には手数料は見ておかぬ。まず第一に、話が引き受け方式だというふうにきまりまして、また、その引き受けの場合の条件として、手数料でどうだとか、そういうことがきまった場合、その瞬間において予備費使用して支出をする、こういうふうなたてまえをとっておるものであります。
  73. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 本来の予備費のあり方から見まして、この辺は歳入予算を編成するときに、いつ、何株売るか、こういうことをきめてできそうな感じがするわけであります。日本航空の株は、政府の持ち株数も全株数のうちの半分ぐらいまで現在あるわけでありますし、これは当初歳入の額からいっても、これをきめて、そうして当初予算に計上した上でやるべきだと私は考えているわけであります。  それから、この問題は、出資のときには当初予算に組んで出資をしておりますし、出資をした株を売り払う、それを予備費の扱いでやるということ、そこに疑問を持つわけであります。そうして、現在、そのほか東北開発あるいは電源開発、日本航空機製造あるいは電力用炭販売、これらの株が相当にあります。売り払いの時期、会社の経営状態、これはどういうときに売り払うのか。大体の考え方、これはどういうふうになっておりますか。
  74. 岩尾一

    ○岩尾政府委員 ただいま御質問のありました政府所有の株式の処分収入、あるいは処分のしかたとその手数料の問題でございますが、日本航空の場合には、増資のための財源が必要である、それは政府が持っておる株を処分することによって財源を得ようということで、最初に、まず幾らの財源が要るかということをきめたわけでございます。したがいまして、四十三年度の際の予算におきましては、三十一億の財源が必要であるということで、一応二百六十五万株、それを千四百円に八五%をかけた額ということで積算をしたわけでございまして、そうして予算に計上したわけでございます。四十四年度におきましては二十六億というふうに財源を考えまして、その株といたしましては二百十五万株ということを考えたわけでございます。  しかし、先ほど大臣のおっしゃいましたように、実際上処分していく場合には、このとおりの処分ができるか、あるいは方法も、株券も国有財産でございますから、本来からいいますと、一般競争入札をもって処分しなければならない、しかし、一挙に大量のこういった株が市場に流れれば、非常に値段が動いていくということもございますので、そのやり方は、買い取り引き受けとか、委託するとか、あるいは指名競争でやるとか、いろいろなやり方があるわけでございます。それは、いま申しましたように、やってみなければわからないということでございますので、財源としてはこれだけ必要だということで予算に計上いたしますけれども、その財源を得るために必要な経費、これは幾らになるか、どういうものかということはわからないわけでございます。したがってその分は計上しない、そうしてきまりました際に、実際には、株の数字も、先ほど申しましたけれども、四十三年の際には二百五十万株しか処分できませんでした。四十四年度には二百十五万株処分いたしております。収入額は若干違っております。そういうことになるわけでございます。  それから、それ以外の政府の所有しております株につきましては、現在のところは、私らはこれを処分するということは特に考えておりません。ただ、日本合成ゴムのように、法律上、経理状況がよくなれば処分しなければいかぬというような規定がありますようなものは、これは処分いたしますけれども、それ以外のものは、特に現在考えておりません。
  75. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 次に、事務当局の見解は伺いましたけれども、大蔵省所管の特別会計四十三年の中を見てみますと、印刷会計、造幣特別会計、また外国為替資金特別会計、これらは数億円の予備費を持っておりますけれども、一銭も使わずにそのまま不用額になっておるわけであります。特別会計の性質上、これは翌年使えるわけでありますけれども、これが単年度でなく、数年にわたっている、こういう現状を見てみますと、使わないものだったならば減額していいんじゃないか、こう思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
  76. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 これは、どういう事態があって事業量をふやさなければならないということになるかもしれません。こういうことで事業会計に予備費を置く、これはおそらく私企業でもそういう形になると思いますけれども、それじゃこれを置いて支障がありますかというと、別に支障はないのです。これは予備費支出に見合うものは予備収入ということになるわけですから、何の支障もない。ないですが、非常識な額を計上したとかそういうようなことであれば、これはまた考える余地もあるかと思いますが、なおそういう意味においてよくまた見直してみますが、予備費が全然ないということでありますると、何か非常の場合に対処できない、そういう場合があり得ると思います。
  77. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 各省の職員俸給、特別手当、これを見てみますと、予備費使用しましてこれを流用している、そうして不用額を大体三割程度残している、こういう状況であります。大蔵本省を例にとりますと、これは予備費使用約七千万、他の目に流用したもの九千九百万、不用額が三千五百万、こういうふうに出ているわけであります。それからまた、職員の特別手当、これを見てみましても、予備費使用が約二千六百万、流用が四千万、不用額が一千二百万、こういう経過で予備費使用して、そしてその額が、三割以上も不用額が出ている。こう考えてみますと、予備費の金額以上のものを他の目へ流用、減額している以上、この予備費の使い方自体不必要なものじゃないか、こう思いますけれども、いかがでしょう。
  78. 竹内道雄

    ○竹内(道)政府委員 お話しのように、給与改善費のために予備費使用いたしまして、その後その一部が不用に立って、その不用に立ちましたものを他の目にさらに流用いたしておるということは事実でございますが、一定の時点におきまして、給与改善費が年度末までに幾らぐらい要るかということは必ずしもわからない場合が、複雑な機構をかかえておりますし、あるいは途中で退職をする人というようなものもございますので、そこで不用が立ってくるというようなこともあるわけでございます。  その場合に、その立ちました不用につきまして、その役所として、年度内にどうしても支出する必要があるという支出項目があります場合には、そのものを、不用に立ちましたものをまた流用するというようなこともあったわけでございます。これは財政法のたてまえから申しましても、やはり財政の弾力性を保つという意味から流用という制度があるわけでございまして、これがみだりに行なわれることは適当でないと存じまするけれども、その場合、ケース、ケースによりまして、そういう必要のある場合は、その流用もやむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  79. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 予備費使用につきまして、財政法の三十三条二項、これで目間の流用につきましては——予算の項の移用、これは国会の承認を受けるようになっておりますが、目間の流用につきましては、相当これが見受けられるわけであります。これが安易な流用がかなりあるんじゃないか、こういう気持ちでありますが、この大蔵大臣の権限になっている流用について、もう少ししっかりとチェックをする。とかく目以下の予算を動かす、これがそういう傾向にありますと、そしてまた、不用額を残しているわけでありますし、決して好ましい姿ではないと思うわけですけれども、この点について、あなたはどういうふうにお考えでしょうか。
  80. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 目間の流用につきましては、大蔵大臣の承認で足りるということになっておりますが、予算の目間の流用といえども予算と違う結果になって、これが承認につきましては、大蔵省としては、各省から、うるさ過ぎるといわれるくらい厳重に審査をした上承認を与える、こういうことにいたしておりますが、なおこの上とも慎重を期してまいります。
  81. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 非常に総括的な、また大ざっぱな質問でありますが、以上で終わります。
  82. 濱野清吾

  83. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 五分間で終わりたいので、そのつもりで。  実は、食管会計赤字の問題につきまして、かつてあなたに質問申し上げたこともあるわけなのですが、これは食糧管理制度にも関連して非常に重要でございますので、どうしてもっと赤字を合理的に少なくし得るか、二の点なんです。それにつきまして、大蔵省としまして最も大きな関心を持っていただきたいと思いますのは、例の金利の問題なんです。  金利問題がどうも、四十二年三百億、四十三年四百三十五億、四十四年六百五十億、四十五年が七百三十億というようなことが予定されます。そこで、これは食糧証券が大部分を占めておりますので、これは国庫余裕金をもっと活用するということに、ひとつ特段とお考えを積極的になさってはどうだろうか。従来の実例を見てみますと、大体一三%ないし一八%くらいが食糧証券に対する国庫余裕金の比率になっております。このぐらいお出しになっております。なっておりますけれども、しかし、これは同じく農林省の事業でございますから、農林省の事業で金利のかかる金を使うといったような場合に、国庫余裕金が、もし可能であるならば、これに繰り回して、そうして大蔵省自身にしても、食糧証券の五分七厘というものもこれをなくしていく、これが全体としましても、食管問題、食管会計食管制度全体にプラスになる方向ではないか、こう思いますので、一段とこの点はくふうされまして、予備費についても改善をしていきたい。食管赤字食管会計特別会計における予備費の大部分——部分というと少し語弊がありますが、それが最大の比率を占めているというようなことも背景として考えられますから、その点は積極的にお考えあってしかるべきではないか、こう思いますので、この機会に、ひとつ十分御意見を伺っておきたい。  これだけで終わります。
  84. 福田赳夫

    ○福田国務大臣 食管会計の資金繰りにつきまして、食糧証券を出すのが通例でありますが、それじゃ、お話しのように米のコストに関係してきますから、そこでお話しのように国庫金の活用ということを考えてきております。現に四十五年度の予算でも、農林省が当初要求しました食管会計への繰り入れの額をかなり減らしている部分があるのであります。それも、その減らした穴埋めはどうするのかということにつきましては、国庫金を活用する、そして利子負担を軽減する、こういうような処置をとったわけでございます。  ごもっともなお話でありますので、できる限りさような方向でやっていきたいと思います。
  85. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 食糧庁長官に、一つだけ答弁が残っておったわけです。  あなたのほうで、いまの例の食管赤字の問題ですが、これをできるだけ合理化し、少なくするという面におきまして、運賃の問題、運賃が四十二年百二十二億、四十三年百二十億、これを合理化するためにコンテナ研究されたらどうか、この点を質問したのですが、答弁がなかった。これは空も海もトラックも含んでの問題です。  それだけの答弁をいただいて終わります。
  86. 中村健次郎

    中村説明員 コンテナ輸送につきましてもいろいろ検討はいたしておりますが、現在のところ、コンテナで米を輸送することはかえって経費が高くつきますので、現在はまだ実施する段階に至っておりません。
  87. 濱野清吾

    濱野委員長 これにて昭和四十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)外三件一昭和四十三年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書外三件、昭和四十四年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外二件、及び昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書、以上各件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  88. 濱野清吾

    濱野委員長 これより昭和四十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十三年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書外三件、及び昭和四十四年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)外二件について討論に入ります。  討論の通告がありますので、順次これを許します。高橋清一郎君。
  89. 高橋清一郎

    ○高橋(清)委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)以下、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)に至る十一件の承諾を求める件について、私は、自由民主党を代表し、賛成の討論をいたしたいと存じます。  御承知のとおり、昭和四十二年度(その2)以下四十三年度までの分は、すでにさきの第六十一国会に提案され、当委員会承諾を求められたのでありますが、たまたまその提出方法が財政法第三十六条第三項の「予備費を以て支弁した総調書及び各省各庁の調書を次の常会において国会に提出して、その承諾を求めなければならない。」という条項に反しているのではないかという疑義が生じ、ついに同会期内に承諾を与えることができず、内閣は再び第六十三特別国会に、その形式を改めて、昭和四十四年度分の(その1)とともにこれを再提出し、承諾を求めてきたのであります。  かようにいたしまして、今回、従来から行なわれてきた提出の方法を改め、長い間参考として出されてきた各省各庁の調書が一本の形で、財政法の趣旨にのっとって当委員会に提出されるようになりましたことは、まことに意義深い、歴史的な事柄でありまして、一そう審議の内容が明確にされたものと思われます。  右予備費に対し、当委員会において慎重に審議いたしました結果、その使用に反対の意思を表明する個所はございません。  ただ、とこで注意しておきたいことは、予備費使用は、どこまでも憲法第八十七条にいう「豫見し難い豫算の不足に充てるため、」「内閣の責任でこれを支出することができる。」という大方針を貫いていただくこと、ただし、この予見しがたい事由ということは、実はなかなかその判定がむずかしく、常に論議の的になってきたものでありまして、そう簡単に結論を下し得ないものでありますが、しかし、理由のいかんにかかわらず、いずれの場合におきましても、予備費使用は、やはり「政府の意志によらない他動的原因によって生じた不足経費、法令等による義務費、災害等の緊急費、その他、比較的軽微な経費」について支出すべきものであるという原則だけは十分に守っていただきたいと存じます。  以上、所見の一端を述べ、本案に対する賛成の意見を表明するものであります。
  90. 濱野清吾

    濱野委員長 華山親義君。
  91. 華山親義

    ○華山委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました予備費使用について、次の諸点については、承諾をいたしかねますので、全体として承諾をいたしかねる次第であります。  本年二月二十七日政府提出にかかるもののうちでは、消防団員の死亡による賞じゅつに必要な経費につきましては、危険を顧みずに職務遂行中に死傷した者に対する賞じゅつは、各省庁間に統一を欠いております。そして、本件の賞じゅつは少額に過ぎたものと思われます。  沖繩災害援助に必要な経費につきましては、この地に施政権を持つアメリカは、単なる応急的な救急なことをやったにすぎません。日本政府は、アメリカに対し何らの要請もせずに、その計画を聞きただすこともせずに、本格的復旧は、日本において漫然と負担したのであります。このことは、日本政府の対米態度について私は批判せざるを得ません。  次に、本年三月十七日提出にかかるもののうち、稲作対策特別事業費については、二百二十六億円余の巨額なものでありますが、事業ということになれば、一応の常識的な概念があるわけであります。しかし、その事業としての具体的な計画もなく、大蔵大臣は米価据え置きしたためにおける激動緩和のためのものであるとも言われました。そうであるならば、従来しばしば批判されました政治の上積みにすぎません。しかもこの支出は、政府の主観的政策に基づくものであって、憲法第八十七条に規定する予備費の要件を欠くものと思われますし、国会の予算審議権を奪ったものとも言えると思います。  なお、この予備費支出のために、政府が総合予算主義の柱とした公務員給与の改善予備費で行なうことができなくなって、補正予算で支弁せざるを得なくなったのであります。このことは、国会の予算審議の過程における政府とわれわれとの間におけるところの答弁を裏切ったものであります。このようなことは、国会等における政府の言うことについて信頼を失わしめるものであります。  以上、もろもろの理由によって、本件の承諾には反対であります。
  92. 濱野清吾

    濱野委員長 鳥居一雄君。
  93. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 私は、公明党を代表しまして、ただいま討論に付せられました予備費使用等の承諾を求める件に関しまして、いずれも不承諾の意を表明し、その理由を述べたいと思います。  まず第一に、予備費は、歳出予算の不足を補うために認められた制度で、予算の効率的運用をはかるため、憲法第八十七条で「豫見し難い豫算の不足に充てる」ものとしております。そして、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出し、国会の事後承諾を必要とするものであります。  しかるに、今回の予備費の支出に関しましては、あいまいな点があり、質疑の際指摘いたしましたが、政府所有の株券の売り払いが四十三年度、四十四年度と続き、巨額の株式売り払い収入がありましたが、これらは計画的に年度予算に組むべき性質のものであります。予見しがたいものとは言えないものがかなり指摘できることであります。  また、各省の職員俸給、特別手当に見るように、当初予算に加えて予備費使用し、流用、減額してなお多額の不用額を出しております。このような支出の状況では、予備費使用は不必要ということになります。  財政法、会計法の規定で、項間の移用は国会の承認を経なければなりませんが、目間の流用は大蔵大臣の権限で可能となっております。このため、かなりの数にのぼる流用が行なわれております。予備費を使い、他の目に流用し、しかも不用額がかなりある予算執行の現状は、決して明朗なものとはいえないと思うのであります。  第二は、毎年予備費支出は、災害復旧に対するものがその中心をなしておりますが、会計検査院の報告を見て驚いたことでありますが、災害復旧事業費に対する不当事項があまりにも多いことであります。たとえば、昭和四十二年度の決算で会計検査院の検査報告を見ますと、指摘された不当事項件数は、農林省関係で六十八件もあり、そのうち予備費支出によるものが十八件にものぼっており、また、建設省関係においては二十七件、そのうち予備費支出による分が六件も不当として指摘されているのであります。さらに、四十三年度検査報告の中においては、農林省関係で六十九件、そのうち予備費の支出によるものが四件、また、建設省関係では四十二件のうち六件不当として指摘されているのであります。災害復旧工事にあたり予備費がこのように不当に使用されているということは、ゆゆしき問題であり、通り一ぺんのこととして看過できないものであります。  以上申し上げました理由によりまして、ただいま提案されました案件に対しまして、不承諾の意を表明するものであります。
  94. 濱野清吾

  95. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま御提案になりました十一の案件に対しまして、次のような種々の理由、また政府に対して強く要請をつけまして、これに承諾を与えることにするのが至当と考えます。以下、数点につきまして申し上げてみたいと思います。  第一点は、これは予備費につきまして国会の承諾を求める手続上の問題でございまして、やはり相当重要なことでありますので、一言触れておきたいと思います。  それは、例の財政法三十六条の三項には、これは次の常会に提出して承諾を求めなければならぬ、これは内閣の責任でございます。しかるに、現実におきましては、次の常会にあらずして、第六十三国会におきまして承諾を求め、ようやく結論を得る段階になりました。このような延び延びいたしましたことには、これはやはり相当大蔵省の事務的な反省すべき点があったことに基因いたします。しかし、これは今日改められておるのですが、予備費につきましては、取り扱い上、常に一そう慎重な態度をもって臨まれんことを、また財政法の運用につきましても今後十分に御留意願いたいことを特に申し上げておきたいと思います。  第二点は、案件にあがりました各予備費を通覧いたしまして、特別会計のうちには断然巨額の比率を占めておりますもの、これが食管会計でございます。食管会計は、食管制度という重大な国民食糧につながる食糧財政等の関連もありますので、これは幾多の要素を含んでおりますことから、簡単に論議はできません。論議はできませんが、いずれにいたしましても、昭和三十四年から四十四年まで目の子算で一兆二千億円の累積赤字になる、こういう大蔵省の御説明もあるわけであります。このようなことをいたしますと、食管制度、食管会計いずれも、国民財政、農民、食糧、あらゆる観点に重大な関連のある問題のこの一つの眼目は赤字克服にあるのではないだろうか、こうも考えられます。終局、制度の運命はどうなるかということは一応別にいたしましても、今日、赤字につきまして合理的な態度をもって臨まなければならぬ。この点については特に一そう御留意を願いたいと思います。  とりわけ、運賃問題とそれから金利問題、これが相当なかさになっておるのであります。運賃問題につきましては、これは食糧庁の責任かと思いますけれども、しかし運輸の問題は、運輸省もあり、それから海、陸もあり空もあることであるし、また業界におきましても、国鉄あり私鉄あり、その他のトラックなどの運輸業者もありいたしますので、総合的見地に立ちまして、このような膨大な、いずれにしても、生きものの米を運ばなければならぬ、圧縮してしまうわけにいかぬ、こういう物でありますから、これを運ぶことはたいへんなものでありますので、運輸問題については今後特段に努力せられんことを強く御要請申し上げたいことと、先ほどもだんだん申し上げたごとくに、金利につきましては、どうかさらに積極的に、食糧証券に片寄ることなしに、国全体の財政のしかるべきあんばいをいたしまして、国庫余裕金を充てることの比重、一そう大ならんことを強く御要請したい。そうして運賃関係、金利の関係から、大きな比重を占めておる赤字内容改善することが当面の重要なことではないだろうか。そうして、いずれも予備費につながる大きな課題でありますので、食糧管理特別会計を通じましてこれらの点を強く御要請申し上げたいのであります。  第三点は、一般会計におきましては、これは災害予備費が、これまた断然大きな額を占めておることは申すまでもございません。したがいまして、災害予備費につきましては、これはもういろんな角度から、もっと積極的に災害自体事前の観察、あるいは資料の合理的な収集、あるいは具体的な予防対策、予知対策、また、一たん発生いたしました災害に対して、間髪を入れず、即座に全体としてこれを終局せしめる、そうして、回復につきましては、それは原状回復でやるのか、あるいはもっと改善すべきであるかということにつきましても、できるだけ合理的に短期に解決し得るような制度的な補完をする必要があるのではないか。今朝の新聞等によりましても、大阪においてガス爆発の思わざる大災害が発生いたしまして、おそらく大阪の数百万の市民のみならず、全国驚倒した一事実ではないか、まことに不幸といわねばなりません。こういったことも、われわれは目の前の生きた教訓といたしまして災害対策を立てていきたい。おりから、先月二十三日に、消防会議におきまして答申せられましたところの消防長官に対する答申がございますが、こういったことも、これも五十三年から十数年間が大きな期間となりまして、関東の第二の大震災の一種の不幸な予測的な情報が、合理的な立場の人々から言われておるわけでありますので、こういったこともございますから、災害につきましては、国内的に国際的に実態的に、あらゆる角度からできるだけ合理的な予防対策等の制度を完備すべきではないであろうか。これは例のPPBSの導入ということが積極的に考えらるべき場ではないかと思われますので、大蔵省はせっかくこれも推進せられんことを強く御要請を申し上げたいのであります。  こういうようなことが数点指摘されるのでありますけれども、いずれにい止しましても、国会で審議された予算ではなしに、単に数字が並べられて、使用権、管理一切が主として大蔵大臣にあるわけでありますし、したがいまして、またこれの関心ということも、とかくおろそかになっていく危険もございますから、十分その点につきましては御留意願いまして、われわれはただいまの御提案に対しましては承諾を与えますけれども、どうぞ、いま述べましたような種々の点につきましては、格段の御配慮をなさるように強く政府に御要請をしておきたい、こう思います。  以上であります。
  96. 濱野清吾

    濱野委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、昭和四十二年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書及び使用調書昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書及び各省庁所管使用調書(その2)、昭和四十三年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書昭和四十三年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書昭和四十三年度特別会計予算総則第十条に基づく使用調書及び使用調書昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書及び各省庁所管使用調書、以上八件について採決いたします。  各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  97. 濱野清吾

    濱野委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和四十四年度一般会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和四十四年度特別会計予備費使用調書及び各省庁所管使用調書(その1)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額調書及び各省庁所管経費増額調書(その1)、以上三件について採決いたします。  各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  98. 濱野清吾

    濱野委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決しました。  次に、昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書について討論に入るのが順序でありますが、討論の通告がありませんので、直ちに採決を行ないます。  本件につきましては、異議がないと決するに御異議ありませんか。
  99. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、異議がないものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各件についての委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  100. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  101. 濱野清吾

    濱野委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後七時四十二分散会