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1970-03-03 第63回国会 衆議院 決算委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年三月三日(火曜日)    午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 濱野 清吾君    理事 高橋清一郎君 理事 丹羽 久章君    理事 森下 元晴君 理事 華山 親義君    理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君       阿部 文男君    塩崎  潤君       中村 弘海君    原 健三郎君       水野  清君    綿貫 民輔君       田中 武夫君    日野 吉夫君       西中  清君  出席政府委員         労働政務次官  大野  明君         労働大臣官房会         計課長     増田 一郎君         労働省労働基準         局長      和田 勝美君         労働省婦人少年         局長      高橋 展子君         労働省職業安定         局長      住  榮作君         労働省職業訓練         局長      石黒 拓爾君         自治政務次官  大石 八治君         自治大臣官房長 鎌田 要人君         自治大臣官房会         計課長     胡子 英幸君         消防庁次長   山本  弘君  委員外出席者         自治大臣官房参         事官     佐々木喜久治君         自治大臣官房参         事官      立田 清士君         自治大臣官房参         事官      首藤  堯君         自治省行政局行         政課長     遠藤 文夫君         自治省行政局公         務員部長    山本  明君         自治省財政局公         営企業第一課長 福島 直喜君         自治省財政局公         営企業第二課長 神崎治一郎君         会計検査院事務         総局第一局長  中込 良吉君         会計検査院事務         総局第三局長  藤田  勇君         公営企業金融公         庫総裁     荻田  保君         決算委員会調査         室長      池田 孝道君     ————————————— 委員の異動 三月二日  辞任         補欠選任   浅井 美幸君     西中  清君 同月三日  理事浅井美幸君三月二日委員辞任につき、その  補欠として鳥居一雄君が理事に当選した。     ————————————— 二月二十七日  昭和四十二年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その2)  昭和四十二年度特別会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書(その2)  昭和四十二年度特別会計予算総則  第十条に基づく使用調書及び使  用調書  昭和四十二年度特別会計予算総則  第十一条に基づく使用調書及び  各省庁所管使用調書(その2)  昭和四十三年度一般会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書  昭和四十三年度特別会計予備費使  用総調書及び各省庁所管使用調  書  昭和四十三年度特別会計予算総則  第十条に基づく使用調書及び使  用調書  昭和四十三年度特別会計予算総則  第十一条に基づく使用調書及び  各省庁所管使用調書      (承諾を求めるの件)  昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調  書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  参考人出頭要求に関する件  昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和四十二年度政府関係機関決算書  昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和四十二年度国有財産無償貸付状況計算書  (労働省所管自治省所管公営企業金融公庫)      ————◇—————
  2. 濱野清吾

    濱野委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  理事浅井美幸君が委員辞任されましたので、理事が一名欠員になりました。これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認めます。理事鳥居一雄君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  昭和四十二年度決算外二件中、建設省所管審査のため、日本道路公団より参考人として本委員会関係者出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 濱野清吾

    濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  7. 濱野清吾

    濱野委員長 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、労働省所管自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行ないます。  これより順次概要説明を求めます。  まず、労働省所管について概要説明を求めます。大野労働政務次官
  8. 大野明

    大野政府委員 労働省所管昭和四十二年度決算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計歳出決算について申し上げます。  歳出予算現額は九百九十二億四千六十三万円余で、その内訳は、歳出予算額九百九十二億三百六十三万円余、前年度繰り越し額五百万円、予備費使用額三千二百万円となっております。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額九百五十三億五千四百九十三万円余、不用額三十八億八千五百六十九万円余で決算を結了いたしました。  支出済み歳出額のおもなものについて申し上げますと、失業保険費負担金及び失業対策事業費等であります。  これらの経費は、失業保険法に基づく失業保険給付等に要する費用の一部負担及び緊急失業対策法に基づき実施した失業対策事業等に要したものでありますが、このうち、失業対策事業のおもな実績は、事業主体数一千百十四カ所、事業数三千六百二十一件、失業者吸収人員一日平均十五万六千十八人となっております。  なお、不用額のおもなものは、職業転換対策事業費であります。  次に、特別会計決算の大要について申し上げます。  まず、労働者災害補償保険特別会計について申し上げます。  歳入予算額一千三百十五億六千六百七十三万円余に対し、収納済み歳入額は一千三百十億七千四百五十二万円余で、差し引き四億九千二百二十万円余の減収となっております。これは、支払い準備金に引き当てるべき前年度剰余金の額が少なかったこと等によるものであります。  歳出予算現額は、歳出予算額一千三百十五億六千六百七十三万円余であって、このうち、予備費使用額は十五億六千八百万円で、これは保険金に要した経費であります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額八百三十一億一千六百十五万円余、翌年度繰り越し額三億五千五百十一万円余、不用額四百八十億九千五百四十六万円余で決算を結了いたしました。  支出済み歳出額のおもなものは、労働者災害補償保険法に基づく保険給付に必要な経費及び労働者災害補償保険事業業務取り扱いに必要な経費等であります。この事業実績概要は、適用事業場数九十六万三千件、適用労働者数二千二百十一万一千人で、保険給付支払い件数は四百三十四万一千件、支払い金額は七百三億一千七百六十九万円余となっております。  なお、不用額のおもなものは予備費であります。次に、失業保険特別会計について申し上げます。  歳入予算額一千九百五十億三千七百三万余円に対し、収納済み歳入額は一千九百三十六億四千二百九十三万円余であって、差し引き十三億九千四百十万円余の減収となっております。これは、失業保険給付費予定を下回ったため、一般会計よりの受け入れが少なかったこと等によるものであります。  歳出予算現額は、歳出予算額一千九百五十億三千七百三万円余であって、このうち、予備費使用額は一億七万円余で、これは業務取り扱い費に要した経費であります。  この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額一千五百八十二億二千二百四十一万円余、翌年度繰り越し額五千五百三十九万円余、不用額三百六十七億五千九百二十三万円余で決算を結了いたしました。  支出済み歳出額のおもなものは失業保険法に基づく保険給付に必要な経費及び失業保険事業業務取り扱いに必要な経費等であります。この事業実績概要は、適用事業所数六十二万件、一般失業保険保険者数一千九百二十七万六千人、日雇い失業保険保険者数三十四万八千人となっております。また、保険給付平均受給者人員は、一般失業保険五十四万九千人、日雇い失業保険二十万一千人で、支給金額は、一般失業保険一千二百四十五億七千六百六十四万円余、日雇い失業保険四十八億八千八百八十五万円余となっております。  なお、不用額のおもなものは保険給付費等であります。  最後に、石炭対策特別会計のうち、労働省所管炭鉱離職者援護対策費について申し上げます。  歳出予算現額は、歳出予算額五十億二千九百九十万円余であって、この歳出予算現額に対し、支出済み歳出額四十億四千九百三十五万円余、翌年度繰り越し額七億四百万円余、不用額二億七千六百五十五万円余で決算を結了いたしました。  炭鉱離職者援護事業のおもな実績は、移住資金支給五千六百五十三件、再就職奨励金支給五千二百八十四件であり、炭鉱離職者緊急就労対策事業実績は、事業主体数五十八カ所、事業数五百八十七件、吸収人員一日平均五千九十六人となっています。  以上が、労働省所管に属する昭和四十二年度一般会計及び特別会計決算概要であります。  なお、昭和四十二年度決算検査報告において掲記されております事項については、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じます。  これらの指摘事項については、鋭意改善につとめ、また、このような御指摘を受けることのないよう一そうの努力をいたしたいと思います。
  9. 濱野清吾

  10. 藤田勇

    藤田会計検査院説明員 昭和四十二年度労働省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が三件でございます。  二二四号及び二二五号の二件は、労働者災害補償保険及び失業保険保険料徴収に関するもので、いずれも保険料算定基礎となります賃金総額が事実と相違いたしていたため、保険料徴収が不足していたものでございます。  二二六号は、失業保険事業における保険給付に関するもので、保険金受給者が再就職しているのに、引き続き失業保険金支給していたものなど、給付の適正を欠いているというものでございます。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。     —————————————
  11. 濱野清吾

    濱野委員長 次に、自治省所管について概要説明を求めます。大石自治政務次官
  12. 大石八治

    大石政府委員 昭和四十二年度における自治省所管決算につきまして、概要を御説明申し上げます。  一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額九千二百八十二億二千六百五十八万円余、予算補正追加額七百四十九億四千五百八十万円余、予算補正修正減少額四億六千二百二十二万円余、総理府所管から移しかえを受けた額一千二百万円余、予備費使用額四億一千八百三万円、合計一兆三十一億四千二十万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆二十七億八千二十五万円余で、差額三億五千九百九十四万円余を生じますが、この差額のうち、翌年度繰り越し額は一億一千五百七十四万円余、不用額は二億四千四百二十万円余であります。  以下、支出済み歳出額のおもなものにつきまして御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は九千七百三十億一千八百二十四万円、支出済み歳出額は九千七百三十億一千八百二十四万円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、昭和四十二年度所得税法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額合算額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。  次に、臨時地方財政交付金でありますが、歳出予算現額は百二十億円、支出済み歳出額は百二十億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、地方財政の一そう健全な運営をはかるため、昭和四十一年度における地方財政問題の処理等に関連し、昭和四十二年度限りの特別措置として、第一種交付金九十五億円及び第二種交付金二十五億円の合算額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。  次に、奄美群島振興事業費でありますが、歳出予算現額は十五億一千三十二万円余、支出済み歳出額は十四億四百六十万円余、翌年度繰り越し額は一億五百七十二万円余となっております。この経費は、奄美群島の急速な復興及び民生の安定をはかるため、同島における主要産業振興公共土木施設整備等振興事業の実施に要する経費について補助するために要したものであります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は十七億円、支出済み歳出額は十七億円で、全額支出済みであります。この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対して交付したものであります。  次に、小災害地方債元利補給でありますが、歳出予算現額は十八億八千五百五十一万円余、支出済み歳出額は十八億一千四十二万円余、不用額は七千五百九万円余でありまして、この経費は、公共土木施設農地等の小災害にかかる地方債昭和四十二年度分の元利償還金の全部または一部に相当する額の元利補給金を、関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、元利償還金予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を要することが少なかったことによるものであります。  次に、市町村民税臨時減税補てん債元利補給でありますが、歳出予算現額は七十七億四百四十五万円余、支出済み歳出額は七十七億二百一万円余、不用額は二百四十四万円余でありまして、この経費は、市町村民税課税方式統一等に伴う市町村民税減収を補てんするために起こした地方債昭和四十二年度分の元利償還分の三分の二に相当する額の元利補給金を、関係市町村に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、元利償還金予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を要することが少なかったことによるものであります。  次に、地方公営企業再建債利子補給でありますが、歳出予算現額は十三億一千五百万円、支出済み歳出額は十二億一千三百三十三万円、不用額は一億百六十七万円でありまして、この経費は、地方公営企業財政再建を促進するために起こした地方債利子の一部に相当する額の利子補給金を、関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、利子支払い額予定より少なかったため、これに対応する利子補給金を要することが少なかったことによるものであります。  次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は十二億二千四百六十万円、支出済み歳出額は十二億一千四百二十六万円余、翌年度繰り越し額は九百七十五万円、不用額は五十八万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等整備に要する経費の一部を、関係地方公共団体に対し補助するために要したものであります。  不用額を生じましたのは、補助事業費の精算の結果、消防施設等整備費補助金等を要することが少なかったためであります。  以上が、一般会計歳出決算概要であります。  次に、交付税及び譲与税配付金特別会計決算につきましては、歳入予算額は、当初予算額一兆八十四億六千七百六十六万円余、予算補正追加額七百五十九億九千三百六十八万円、予算補正修正減少額二百億円、合計一兆六百四十四億六千百三十四万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は一兆六百五十三億七千五百九十一万円余となっております。  また、歳出予算現額は、当初予算額一兆八十四億六千七百六十六万円余、予算補正追加額五百五十九億九千三百六十八万円余、合計一兆六百四十四億六千百三十四万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆六百四十二億五千四百五十九万円余で、この差額二億六百七十四万円余は不用額であります。  支出済み歳出額のおもなものは、第一に、地方交付税交付金財源として一般会計から受け入れた金額から、この会計借り入れ金の一部の償還に要した金額を差し引いた金額を、地方交付税交付金として地方団体に交付したもの九千四百七十億一千八百五十四万円余、第二に、直接この会計歳入として受け入れた地方道路税石油ガス税及び特別とん税の収入額に相当する金額を、それぞれ地方道路譲与税譲与金石油ガス譲与税譲与金および特別とん譲与税譲与金として関係地方公共団体に譲与したもの六百九十一億五千八百九万円余、第三に、昭和四十二年度特別措置としての臨時地方財政交付金財源として、一般会計から受け入れた金額臨時地方財政交付金として地方公共団体に交付したもの百二十億円であります。  以上、昭和四十二年度自治省所管決算概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。
  13. 濱野清吾

  14. 中込良吉

    中込会計検査院説明員 昭和四十二年度自治省決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
  15. 濱野清吾

  16. 荻田保

    荻田説明員 公営金業金融公庫昭和四十二年度業務概況について御説明申し上げる次第でございますが、その前に、当公庫の設立以来昭和四十二年度までの業務運営状況について概略を御説明申し上げます。  当公庫は、特に低利かつ安定した資金を必要とする地方公共団体公営企業について、その資金を融通し、公営企業の健全な運営に資するため昭和三十二年六月一日に設立されたものであります。  昭和四十二年度をもって第十一事業年度を終わったことになるのでありますが、この間、事業規模は年を追って増大し、昭和四十二年度末においては、政府出資金三十一億円、公営企業債券額面三千百二十億円の発行による手取り金三千百五億七百四十万円及び貸し付け回収金等資金百九十八億九千三百四十九万円を原資として、総額三千三百三十五億八十九万円の貸し付けを実行いたしたのでございます。また、昭和四十二年度末の貸し付け残高は二千七百二十億六千六百八十六万円余でありまして、債券発行残高は二千八百四十二億二千七百五万円に達しております。  貸し付け残高事業別に見ますと、上水道事業が全体の四二%、次いで地域開発事業が一七%で、この二事業で全体の五九%を占め、以下電気事業が一二%、工業用水道事業が一二%、下水道事業が四%、その他港湾整備事業交通事業等が合わせて一三%となっております。また、当公庫においては、昭和三十五年度から農林漁業金融公庫からの委託により、地方公共団体の行なう公有林整備事業に対する資金貸し付けを行なっており、さらに四十二年度からは草地改良事業に対しても貸し付けを行なうこととなりましたが、昭和四十二年度末までにこれらに対し百二十四億三千九百二万円余の貸し付けを実行いたしております。  以上が、昭和四十二年度末までの当公庫業務概況でありますが、他の公庫に比しての著しい特徴といたしましては、三千三百三十五億八十九万円にのぼる貸し付け原資を三十一億円の政府出資金のほかはそのほとんどを債券発行によってまかなっており、資金運用部からの借り入れば行なっていないという点でございます。  次に、昭和四十二年度業務概況決算について御説明申し上げます。  昭和四十二年度における当公庫貸し付け計画額は七百三十億円でありましたが、本年度中途に至り、政府景気調整策の一環として当公庫においても五十億円の貸し付けを翌年度に繰り延べることとされましたため、年度末における貸し付け実行額は六百七十六億七千九万円余でございました。この貸し付け原資といたしましては、産業投資特別会計からの出資金三億円、債券発行により調達された資金六百二十九億九千六百五十五万円と貸し付け回収傘等資金四十三億七千三百五十四万円余を充てました。そのほかに短期の貸し付けといたしまして三百五十七億四千三百五十万円の貸し付けを実行いたしました。なお、元利金回収額合計三百七十三億九千二百七十三万円余でありまして、延滞となっているものは皆無でございます。  また、この年度におきましては、新たに駐車場事業貸し付け対象事業に加えるとともに、従来観光施設事業として貸し付け対象といたしておりました有料道路事業を独立した貸し付け対象事業といたしましたほか、地方公営企業財政再建に資するための貸し付け及び既往年度における高利の公営企業債の借りかえのための貸し付けを実行いたしました。  次に、公営企業債券発行額は七百四十一億円でありまして、このうち四百二十億円が公募債、三百二十一億円が直接募集債でありましたが、公募債四百二十億円のうち百八億円は三十五年度発行した債券満期償還に必要な資金に充てるため発行したものであります。なお、三百二十一億円の直接募集債のうち六十億七千万円は低利発行を行ないました。  以上のほか、昭和四十二年度においては、従来から農林漁業金融公庫委託を受けて行なっている市町村公有林整備事業に対する貸し付けのほか、新たに草地改良事業に対しても貸し付けを行なうものとされましたが、これらの貸し付け額は二十六億六千二百三十万円となっておりまして、期末の貸し付け残高は百二十四億三千九百二万円余となりました。  次に、損益の状況でありますが、貸し付け金利息等利益金勘定合計額百九十五億六千七百五十万円余に対し、債券利息及び事務費等損失金勘定合計額は百八十八億九千七百九十七万円余であり、差し引き六億六千九百五十二万円余をもって各種の償却に充当いたしましたため、利益金は生じませんでした。  以上、昭和四十二年度業務について概略説明申し上げましたが、昭和四十三年度以降の業務につきましても、御参考までにその概況について一言触れておきたいと存じます。  昭和四十三年度につきましては、貸し付け計画額は前年度からの貸し付け繰り延べ額五十億円を含め八百七十億円でありまして、その原資として、産業投資特別会計からの出資金二億円、債券発行等による収入金八百十八億円及び前年度からの繰り越し金五十億円を充てる予定といたしておりましたが、年度末における貸し付け実行額は七百六十七億八千百四十万円、債券発行額は借りかえ債を含め八百十億円となっております。  また、この年度から新たに下水道事業に対する貸し付け利率を従来の七分三厘から七分に引き下げ、上水道事業並みとしたほか、工業用水道事業に対する貸し付け償還期限を十八年から二十一年に延長いたしました。  次に、昭和四十四年度につきましては、貸し付け計画額は九百十一億円でありまして、その原資として産業投資特別会計からの出資金二億円、債券発行等による収入金九百九億円を充てる予定といたしております。  最後に、現在予算案として御審議を願っております昭和四十五年度についてでございますが、貸し付け計画額は九百六十九億円を予定いたしておりまして、その原資としては、産業投資特別会計からの出資金二億円、債券発行等による収入金九百六十七億円を充てる予定といたしております。  以上、当公庫業務概況について御説明申し上げましたが、公営企業の健全な発展をはかるためには、今後とも低利資金を長期に融通することが望ましいのでありまして、関係各省の御指導のもとに、公庫設立の趣旨に沿うよう一そうつとめてまいりたいと存じております。  以上でございます。
  17. 濱野清吾

    濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  18. 濱野清吾

    濱野委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。森下元晴君。
  19. 森下元晴

    ○森下(元)委員 初めに、労働省にお伺いしたいと思います。  歴史の移り変わりで、人間の知恵ではなかなかはかり知れない現象が起こってまいります。いろんなハプニングが起こったり、驚くべき事態が起こるわけでございますけれども、戦後二十五年間いろいろ変わった現象が、政治の世界また経済の世界にも起こってまいりました。  たとえば、三十年間足りなかったお米が、現在は余ってその調整に非常な苦労をしておる、これも一つの現象でございます。また、戦後は狭い島国に一億の人口が押し込められまして、人口過剰になるのじゃなかろうか、失業対策がたいへんな時代になるのじゃなかろうか、こういう心配が、現在では人手不足でございまして、中小企業等におきましては、若い労働者を雇用するために一人二十万も三十万も出して、鳴りもの入りで集めなければ労働力が確保できない、これも非常に変わった現象でございます。また、そういうような労働不足の現象の中でも、いま御説明の内容にもございましたように、失業保険支給率が非常に多くなっておる、一面人が足りないのに失業保険が数多く出されておる、これも非常にふしぎな現象でございます。そういう労働状況の中で、私は三点ばかり御質問をいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  初めに、私は若年労働者の離転職が非常に多いと聞いておりますけれども、その実情についてお答えを願いたいと思います。職業安定局長
  20. 住榮作

    ○住政府委員 お尋ねの若年労働者に離職、転職が多いのではないか、その実情はどうかという御質問でございますが、実は私どももそういう実態を把握するために、昨年の六月調査を行なったのでございます。  たとえば、四十一年の三月に中学なり高校を卒業して、その後どういうように離職していったかということを三年間にわたってフォローした調査がございますが、それによりますと、まず、中卒につきまして、一年後に離職した者が二三・四%、さらに二年後に離職していった者が一七・五%、三年後に離職していった者が一二・六%、つまり中学を卒業して就職した、そういう方々で三年間に離職した者の総数が五三・五%になった。高卒につきましては、同じく一年後に二五・七%、二年後に一五・八%、三年後に一一・五%、三年間を通じまして五三%の者が離職をしておる、これが実情でございます。
  21. 森下元晴

    ○森下(元)委員 非常に期待されております若年労働者が、いまの御説明をお聞きいたしますと、三年で約半数が離転職しておる。これはたいへんな傾向だろうと私は思います。片一方では、先ほど申し上げましたように鳴りもの入りで雇用のために努力しておりますけれども、そういう方々が就職してもわずか三年間で、いわゆる所を得せしめないと申しますか、その職業に魅力を感ぜずに他の職業に転じたり、またやめてしまっておる。次代を背負う青少年のこういう問題につきまして、まことに憂慮にたえないと思いますけれども、労働省のこれに対する対策いかがでございましょうか。
  22. 住榮作

    ○住政府委員 御指摘のように、次代をになう青少年の離職が非常に多い、しかもその離職というものは、転落につながったり非行につながったり、こういうようなことで、社会的にも私ども非常に憂慮すべき問題であろうかと考えておるわけでございます。  なぜそういうような離転職が行なわれるかということでございますが、一つは、やはり非常に雇用機会が多くなったということから、安易に職業の選択を行なうことも一つの原因になっておるのじゃなかろうかというようなことから、文部省とも連絡いたしまして、学校を卒業して就職しようとする者に対します職業指導、特に適職を選ぶための資料とか、求人に関する非常に幅の広い情報というものを提供して、まず正しい、自分の能力、適性に合った職業が選ばれるように、職業指導の強化をはかっておるわけでございます。  それからさらに、就職後、たとえば都会の生活になじめないとか、あるいは職場の生活になじめないというようなことも転職の原因になっておりますので、そういった意味での就職後のアフターケアについても力を入れておるわけでございます。特に明年度からは、中学を卒業して就職をする者全員について、高卒者については一部でございますが、適性検査を実施する、そうして適性に応じた職業につけるように職業紹介の充実をはかっていく、こういうことをやりたいと思っております。  それから、就職後のアフターケアの問題につきましては、本年度から年少就職者の相談員という制度を設けておりまして、年少者問題について経験のある方をお願いいたしまして、事業主なり就職者に対する援助、助言を行なう、こういうことをやっておるわけでございますが、明年度以降におきましても、そういう相談員をさらにふやしまして、アフターケアの充実をはかりたい、こういうように考えております。  さらにまた、青少年が気軽に相談に来れるとか、あるいは教養文化を高めていくとか、泊まりながらそういうことをやっていくというようなことをやるために、たとえば勤労青少年センターとか勤労青少年の体育施設とかあるいは勤労青少年ホームの建設、そういう面でも一そうの充実をはかって、離転職が少なくなるように対策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。
  23. 森下元晴

    ○森下(元)委員 政治の目的は民生安定にございます。民生安定の要諦は、国民一人一人がその志を遂げて、人心をしてうましめないことにあると思いますけれども、前途ある青少年が職業につきながら、いわゆる志を遂げ得ない、人心がうんでしまっておる。そこにいわゆる教育の問題とか社会問題までの大きな問題があると思います。いろいろな雑誌なんかにも書いてございますけれども、そういう若い、特に婦人の労働者が、傾向として、安定した職業から不安定な職業にかわる傾向がある。たとえば、大体十人に一人くらいはいわゆる水商売にかわっていく、いわゆる高賃金を安易に追って、そして転落の詩集をたどるという傾向もあるようでございます。そういう点も、政治を通じまして十二分の注意が肝要じゃなかろうかとも思っております。  次にお尋ねしたいのは、離転職が多い原因の一つとして、職業選択の準備が不十分である。いわゆる早い時期に選考する。幼い青少年、まだ知恵も十分でない青少年でございます場合には、特にいわゆる予備知識のないうちに就職問題に取り組んでいく、そこに、いいことばではございませんけれども、いわゆる青田買いというものの弊害、これが出ておると思うのですが、これに対する対策はどうなっておるか、お答え願いたいと思います。
  24. 住榮作

    ○住政府委員 学卒者に対する早期選考の問題でございますが、中学卒につきましては、積雪地帯におきましては十二月一日以降、それからその他の地域においては一月一日以降ということで、大体その時期が守られておりまして、特に問題はないと考えておるのでございますが、高校卒につきましては、御指摘のように、非常に早い時期に選考が行なわれる。たとえば、ことしの三月卒業する者に対して、去年の四月、五月にもう選考が行なわれて内定を見ておる、これはもう先生おっしゃいますように、学校教育の上から見ましても、あるいは、正しい職業選択の面から見ても非常に問題があるところでございます。私どももそういう早期選考の弊害を防止するために、たとえば文部省等とも十分連絡いたしまして、選考時期をおくらすようにやってきておるのでございますが、若年労働力の不足ということもございまして、必ずしも十分な成果をあげておりません。  そこで、四十六年三月卒業の高校卒の早期選考の防止につきましては、いろいろ学校教育に当たられます文部省とか、あるいは採用者である業界、それから高等学校の校長会というようなところと十分協議いたしまして、来年三月の卒業者については八月一日以降に選考を開始する、その八月一日を厳守するということ、それともう一点は、安定所の選考時期についての確認——八月一日以降であるという確認のない求人については、学校は生徒を紹介しない、こういうことを本年とにかく考えていきたい、こういうことでその対策を現在講じている最中でございます。、なお、八月一日でも早いのでございますが、まず八月一日を守ってから、逐次選考時期を繰り下げていく、こういうようなことで対処してまいりたいというように考えておる次第でございます。
  25. 森下元晴

    ○森下(元)委員 早期選考の問題につきましては、いま説明がありましたので了承いたしますけれども、この問題は、長期的に見れば、本人のためにも、国家のためにも非常なマイナスでございます。若年労働力を中心に労働力不足が非常に深刻化しておることでもございますし、ひとつ前向きで大いに検討願いたいと思います。  なお、労働力不足は今後ますます深刻化の傾向にございます。これに対する考え方、対策についてお伺いしたいと思います。
  26. 住榮作

    ○住政府委員 御指摘のように、経済の成長に伴いまして労働力需要がふえるにかかわらず、学卒労働力を中心にいたしまして、むしろ供給が減少する、そういうところから深刻な労働力不足が起きてまいっておるわけでございます。いずれにしましても、供給に限りがあるわけでございまして、そういう限りがある労働力を、どのように労働力の質を高めていくか、労働力の開発向上ということがまず非常に大事な問題だと思います。  そういう意味で、公的機関による職業訓練とか、あるいは事業所における職業訓練、こういうものは非常に重要になってまいりますし、それを進めていかなければならないという一山うに考えておるわけでございますが、さらに、若年労働力は不足であっても、中高年なり家庭婦人等について考えてみますと、まだまだ働いてもらう余地があるのではないだろうか、そういう意味で、中高年齢の方々が新しい職場になれて十分能力が発揮できるようにいろんな施策を講じていく、あるいは婦人についても同様でございまして、そういう方々がフルに自分の能力を発揮できる体制をつくっていくことが必要かと思っております。さらにまた、御承知のように、農業等におきましても、今後他産業に就職を希望される方も多いと考えておりますので、そういう方々の他産業への再就職を円滑にはかってまいる、そのために、たとえば雇用促進住宅の建設をして貸与するとか、あるいは雇用促進のための融資を行なうとか、そういうような対策を積極的に講じまして、不足に対処していかなければならない、かように考えておる次第です。
  27. 森下元晴

    ○森下(元)委員 今後は新規学校卒業者の絶対数が減少する中で、わが国の経済成長に見合う労働力を確保するためには、ただいま御説明がございましたけれども、いわゆる中高年齢者並びに婦人の労働能力を十二分に開発すると申しますか、活用することを考えなければいけない、私もこのように思っております。決算書によりますれば、職業転換対策事業費、これに多額の不用額が生じております。そうして、その理由が「中高年齢失業者等の就職促進措置対象者が少なかった」、そして「職業転換訓練費補助金を要することが少なかったこと等のためである。」こういうふうに聞いております。今後の雇用対策、特に労働力の確保対策が適切に行なわれなければ、企業、特に地方の零細な中小企業は、労働力不足の面で事業継続の危機に直面することと思っております。  そこで、いま多少触れられましたけれども、これら中高年齢者並びに婦人の労働力の活用対策について特にお聞きしたいと思います。
  28. 住榮作

    ○住政府委員 御指摘のとおり、私ども、中高年の方々がまだ労働力不足の中でも再就職が必ずしも容易でない。そういう意味で、中高年齢の方々がその能力に合った職業にすみやかについていただくということが非常に大事なわけでございまして、そういう観点から、新しい職場に必要な知識なり技能を身につけるための訓練とか、あるいは職業指導というものを充実、強化していかなければならない。そういう場合に、いまも御指摘がございましたように、職業転換給付というものをさらに充実しまして、利用しやすいような観点で対策を講じていかなければならないというように考えておるわけでございます。  いろいろ中高年齢者の再就職のために、私ども一般の紹介と違いまして、たとえば人材銀行を設け、あるいは安定所等におきまして高齢者コーナー等を設けまして、中高年齢の方々の職業紹介について特に配慮をいたしておるわけでございます。  さらに、今後の問題といたしまして、中高年の方々の雇用率の設定等についても検討をしてまいりたいというように考えておるわけでございます。  それから、婦人労働力の問題につきましては、わが国の場合に、農業以外のいわゆる勤労者世帯の婦人の労働力率というものが、西欧諸国のように必ずしも高くございません。そういう意味で、婦人労働力の今後の職場進出というものを大いに期待しておるわけでございますが、そういう婦人労働力の職場進出ができるように、いろいろな環境条件の整備をはかっていかなければならない。そういう意味で、たとえば婦人の適職等に関する情報の提供とか、あるいは簡易な職業訓練、職業講習の実施とかを行なうことによりまして、職場進出のチャンスを多くしたい、と同時に、職業紹介の面につきましても、たとえばパートタイマー等につきましては、簡易な職業紹介によって迅速に求人側に紹介する、こういうようないろいろな対策をとりながら、先生御指摘のような問題に対処してまいりたい、かように考えておるわけであります。
  29. 森下元晴

    ○森下(元)委員 高橋局長さん、何か婦人の雇用について……。ございませんでしたらけっこうです。
  30. 高橋展子

    高橋(展)政府委員 ただいま職業安定局長から申し上げたところでございますが、なお、婦人少年局といたしましても、特に婦人が職場でその能力を十分に発揮できますために、婦人自身の心がまえ、また、婦人をお使いになる方々の取り扱い上の心がまえ等につきましての啓発活動なども常時実施いたしまして、婦人労働を、本格的な労働力として大いにその能力を発揮させるための社会一般の機運の醸成ということにも力を注いでいるわけでございます。  さらにまた、特に中高年婦人、家庭婦人等の職場進出を円滑にいたしますために、先ほどもちょっと触れてございましたが、二週間程度の短期の職業講習をいたしまして、中高年婦人が職業の技能並びに心がまえを持って職場に出られるようなことのための御援助を、ここ数年続けていたしております。それからまた、パートタイム雇用につきましても、その条件の整備等のための行政指導につとめております。  それとまた、婦人労働者の場合は、家庭責任を持っているということに大きな特徴がございますので、家庭生活における責任と職場における責任の両方を調和的に果たしていただくということが、たいへんに重要なことでございますので、働く婦人の家といった施設をたくさんつくりまして、そこでその両立をはかるためのサービスをいたしますとか、あるいは、関係機関に要望いたしまして、保育所等の増設をお願いする、あるいはまた、事業所内で保育所をつくります場合の御援助をする、そのような措置を講じまして、婦人が家庭責任を果たしながら、職場においても十分に力を発揮することができますための御援助もつとめているところでございまして、今後はさらにその面を強化いたしたいと考えております。
  31. 森下元晴

    ○森下(元)委員 ただいま御説明ございまして、中高年齢者並びに婦人の労働力の有効活用ということがございましたけれども、私はもう少し具体的にお聞きしたいわけでございますけれども、あとまだ質問事項が残っておりますので、また次の機会にでも、特にこの婦人の就職問題について、もう少し詳しくお聞きする機会をつくりたいと思います。  なお、その問題は非常に重要な問題でもございますので、特に、いま申し上げましたように、婦人の労働力の活用の問題に関連いたしまして一言申し上げておきたいのは、最近職安の窓口に若い女性の失業保険受給者が非常に多いということも聞いております。失業保険は、労働の意思と能力があり、かつ、就職の機会がない人に支給されるものと聞いておりますけれども、このような女子の受給者の就職促進も大いに進めてもらいたい。このことについて初めに申し上げたことと関連して、時間もございませんので、簡単にお答えを願いたいと思います。
  32. 住榮作

    ○住政府委員 非常に若い女子労働者が安定所の窓口に非常に大勢いるということも事実でございます。ただ、先ほども申し上げましたように、若年労働力の離転職もかなり多いわけでございます。そういう方々が、必ずしも同一人間が長く職業安定所の窓口におるということでもないわけでございまして、私ども、非常に求人が多いわけでございまして、そういう若年労働者の方々ができるだけ早く第二なり第三の職場につけるように、職業安定所の機能をあげて再就職の促進につとめてまいりたい、こういうように考えております。
  33. 森下元晴

    ○森下(元)委員 ただいまから失業保険の問題に入るわけでございますけれども、この失業保険制度のあり方ですね。  御承知のように、失業保険は、本来失業中に労働者の生活を維持するために設けられた制度でございます。そして、かつての労働力の過剰時代ならばともかく、今後労働力が非常に不足していく、そして、この制度として機能を十分に発揮するためには、失業中の生活の安定と、あわせて、いわゆる失業の予防及び失業者の早期再就職の促進のための給付などの措置をより強化すべきである、このように考えておりますけれども、いかがでありましょう。
  34. 住榮作

    ○住政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、今後は、失業保険制度のあり方といたしまして、失業者の失業中の生活の安定とあわせまして、失業の予防と同時に、失業した場合の再就職を早期にはかっていく、こういうことが肝要かと思っておるわけでございます。このために、さきの臨時国会におきまして御審議いただきました失業保険法の一部改正法におきまして、失業保険受給者の再就職を促進するという意味で、就職支度金なり移転費の増額を行なっております。また、明年度におきましても、通年雇用奨励制度の充実をはかることにいたしております。そういうような措置をとりながら、御指摘のように、失業の予防と早期再就職をはかる、こういう施策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  35. 森下元晴

    ○森下(元)委員 質問はこれで終わりますけれども、最後に要望をしておきたいと思います。  現在まで非常な経済成長率でございまして、国民総生産ももうすでに七十兆、そして、このままの経済成長率で発展していけば、五年を経ずして、この倍の国民総生産ができる、まことに驚くべき発展でございますけれども、やはりこれにはいろいろな隘路がございます。その隘路の一つが労働問題である。やはり人なくしては経済成長も成り立たないというところに、今後の労働行政は政治の中核として脚光を浴びてくる。幸い政務次官も非常に若い、意欲に満ちた政務次官でございますので、ひとつ、この労働行政を通じて、日本の経済発展のために大いにがんばってもらいたい。  以上申し上げまして、労働省に対する質疑を終わりたいと思います。  続いて、自治省に御質問をいたしたいと思います。  民主政治下の行政機構は、中央集権でなくして、地方分権、すなわち地方自治というものが、物心両面にわたって確立されることでございます。これが地方自治の精神でございますけれども、残念ながら、現状は七割自治であるとか八割自治といわれる自主性に乏しい現在の姿であると思います。特に最近におきます社会情勢の急激な変動に伴いまして、いわゆる過密、過疎の現象に対処するための地域開発事業、社会開発事業をはじめといたしまして、地方団体の果たすべき役割りは、ますます複雑かつ広範囲になっております。この昭和四十二年度決算にも見られるとおり、最近におきます地方団体の歳出は、社会資本を充実するための建設事業をはじめ、公害対策とか交通安全対策あるいは公営企業に対するいろいろな繰り出し等、新しい地方団体の財政需要の動向を反映して、その内容が多様化しております。  本日の私の質問は、地方自治体の中で、地域住民に密着して社会性、公共性を要求されながら、採算性と経済性との間で板ばさみになっております地方公営企業の問題に焦点をしぼってお尋ねをしたいと思います。  それで、まず最初に、地方公営企業の収支状況説明願いたいと思うわけでございます。
  36. 佐々木喜久治

    ○佐々木説明員 地方公営企業昭和四十二年度の経営状況は、依然として、全体的に見ますと赤字基調でございます。現在地方公営企業法を適用して経営しております企業の昭和四十二年度中の黒字が二百五十二億円、赤字が三百七十一億円ということになっておりまして、その結果、累積欠損金の総額は千四百四十一億円という状況でございます。  事業別に見ますと、事業数の最も多い水道事業は、全体的には大体収支の均衡を保っているといえるのでありますけれども、工業用水道事業、交通事業、病院事業というものの経営状況は非常に悪化しているということがいえると思います。
  37. 森下元晴

    ○森下(元)委員 ただいまの御説明では、昭和四十一年七月の地方公営企業法改正によって財政再建計画を実施している百五十五企業を含めまして、収支改善の徴候は依然としてあまり見られておらない、そういうような意味もございます。昭和四十二年度末の累積欠損金は、公営企業全体で千五百六十六億円にのぼり、前年度末に比較いたしますと二百三十八億円の増加であるとのことであります。ことにこの経営悪化の著しいものは交通事業でございまして、水道、病院等がこれに続いておる。私は交通事業公営企業経営悪化の典型的なものとして、この問題で一、二点をお尋ねしたい。  大都市、なかんずく六大都市の公営交通事業の累積欠損金は、四十二年度末で九百三億円に達しておるとのことでございます。これら公営交通は、昭和四十一年度以来財政再建計画を実施しながら、なおかつ経営収支は悪化の一途をたどりまして、累積欠損金が増加しております。そうして、その原因としては、財政的な面あるいは社会的な面にわたるものがあろうと思いますけれども、御当局はこれをいかにごらんになっておられるか、非常にばく然とした質問でございますけれども、この点お伺いをしたいと思います。
  38. 佐々木喜久治

    ○佐々木説明員 御指摘のとおり、公営企業の中で、交通事業の経営状況が最も悪化しておりまして、特に大都市の交通事業の経営状況は非常に悪くなっておるわけでございます。  この原因として考えられますものは、まず外部要因といたしましては、企業環境の悪化、たとえば大都市におきます自動車の激増に伴う路面電車、バス等の運行速度の低下によりまして、これらの交通機関の市民の足としての役割りが果たせなくなってきているというような事情、あるいは乗用車等への乗客の移行等に伴いまして、乗車料収入が減少しつつあるというようなこともございます。  さらに、内部要因といたしましては、人件費の増高をはじめといたしまして諸経費の増大があるわけでございまして、さらに地下鉄事業におきましては、その資本費の増高、特に支払い利息の増大が大きな経営圧迫の要因となっておるというふうに考えておる次第でございます。
  39. 森下元晴

    ○森下(元)委員 公営交通事業、なかんずく大都市の公営交通事業は、市街地域における自動車交通量の急増による交通渋滞、これが利用者の減少あるいは頭打ちを招いておる。また、公共料金の値上げ抑制策などによりまして、経営が窮迫の状態にあるとのことでもあります。  それでお伺いしたいのは、かような事態に対する方策をいかに考えておられるかということであります。自治省は、いかなる方策をお立てになって地方自治体をこの面で指導されるお考えであるか。また、国の手ででき得る助成対策は何であるか。たとえば建設費に対する国庫の補助ないし公営企業金融公庫の融資条件の緩和等につきましてどうお考えになっておられますか。また、自治省は、公営競馬、競輪などのいわゆるギャンブル、この売り上げ益金の一部を公営企業健全化基金納付金として公営企業金融公庫に納付させて、そして、これによりまして貸し付け金利の引き下げに使うという方針を出されておりますが、これを交通事業の融資条件の緩和にも適用されるお考えはないかどうか。これらの点についてお伺いしたいと思います。
  40. 大石八治

    大石政府委員 大都市交通事業のうち、電車、バス等の路面交通事業は、いずれも財政再建企業としてただいまその再建に努力をしておりまして、内部的合理化につとめておるわけであります。国も再建債の発行を認めまして、その利子補給を行なっております。また、外部的条件の緩和につきましては、路面電車、バス等の大量輸送機関の優先運行というようなことを関係当局とも相談をいたしまして、市民の足としての役割りを果たさせたいと思っているわけであります。  今後の大都市交通の主軸は地下鉄の建設促進にあるわけでありますが、今度の、昭和四十五年度予算案において、建設費の半額を国と公共団体において負担するというやり方を考えたわけであります。また、そのための利子補給の道もとろうということで法案を準備しているわけであります。  なお、ただいまのいわゆる収益事業、つまり競馬等からの公営企業金融公庫に対する納付の問題でありますが、公庫に基金を設けまして、一定の割合で売り上げからその公庫に納付させる、そして貸し出しの金利を下げるというやり方をとろうとしているわけでありますが、同時に、この対象の中に地下鉄事業を今度新しく含めさせたい。いままでは地下鉄がこの事業対象になっておりませんでしたけれども、これをひとつ今度の対象の中に入れようと準備をしているところであります。
  41. 森下元晴

    ○森下(元)委員 質問はこれで終わりましたけれども、最後に御要望を申し上げたいと思います。  私がただいまお伺いいたしました公営交通をめぐる問題は、水道、病院その他の公営企業に共通したいろいろな問題を含んでおるのであります。これら公営企業は地域住民の生活のささえとなっているものでございまして、企業とはいいましても、その事業の内容は実質的には自治行政の一部であります。いかに欠損が続きましょうとも、事業を取りやめるなど許されるものではございません。一部には独立採算制を放棄する等の声も聞かれますけれども、政府といたしましてはできる限りの措置を講ぜられてしかるべきだと存ずるわけでございます。  これで私の質問の全部を終わります。
  42. 濱野清吾

    濱野委員長 華山君。
  43. 華山親義

    ○華山委員 労働省に伺いますが、先ほどの決算説明の要旨の中で、三枚目でございますね、「なお、不用額のおもなものは、職業転換対策事業費であります。」と、こう書いてありますが、これをもう少し詳しく説明していただきたい。幾らの予算のうちで不用額が幾ら出たのか。
  44. 住榮作

    ○住政府委員 ただいまの御質問でございますが、四十二年度におきまして、予算額が六十六億三千六百四十一万円、これに対して決算額が二十八億二千八百四十万円、不用額といたしまして三十八億八百万円、それから四十三年度におきまして、予算額が四十八億四千百七万円、決算額が二十五億四千十万円、したがいまして、不用額が二十三億九十七万円、こういう状況でございます。
  45. 華山親義

    ○華山委員 これは予算の中では項でございますか。いま御説明になったのは、項として御説明になりましたか。
  46. 住榮作

    ○住政府委員 ただいま申し上げましたのが、項といたしましての職業転換対策事業費について申し上げたわけであります。
  47. 華山親義

    ○華山委員 いろいろな各省不用額が出ておりますけれども、一費目の中でこんなに割合が高く不用額が出るということは、まず——何か事件でも起きたという場合は別でございますけれども、これは毎年のように累年起きておる。何が原因でこういうふうに毎年不用額が多いのでございますか。
  48. 住榮作

    ○住政府委員 私ども、次年度の雇用失業情勢等も考慮いたしまして、この職業転換対策事業費対象人員を想定するわけでございますが、労働力雇用情勢等の見通しが必ずしも当を得ていないというようなこともございまして、この中高年齢等の失業者のうちで特別の措置を要しませんで就職する者が増加いたしまして、措置の対象者が見込みより少ないということが一つの原因であろうかと思います。  それからもう一つは、中高年齢等の離職者で、事業所に雇われておりまして、離職すると失業保険を受給するわけでございますが、失業保険の受給期間中に再就職される方が多くなってきた、したがいまして、失業保険の受給期間が終わっても、なおかつ就職できないという方々が少なくなってきておる、こういうようなことも加わって、先ほど申し上げましたような不用額を生じているような状況でございます。
  49. 華山親義

    ○華山委員 ことばじりをつかまえて恐縮でございますけれども、ただいま、多くなってきた、少なくなってきたというふうなことを言われましたが、この不用額はこの五、六年毎年同じような傾向で出る。最近の実態ではございませんね。私は、何かこのような不用額を出すというふうなことは、これは予算と決算の面から見て決していい現象じゃないと思う。しかし、私は、ただいまおっしゃいましたし、先ほども問題になりましたが、中高年齢者の就職のための非常に重要な経費でございますから、これが足りなくてできないというふうなことでも困るわけでありますけれども、もう少しこの額は不用額の少ないようにくふうをして、そして大蔵省とも交渉して、経費の足りないときには、客観的状態が変わってきたというふうなことのようですから、予備金支出の方法等によってでも、こういうあまりていさいのよくない決算はお出しにならないほうがいいのじゃないか、こう思うのでございますけれども、これはいかがでございましょう。
  50. 住榮作

    ○住政府委員 御指摘のとおり、例年こういう不用額を出しておるわけでございますが、まあいろいろ、たとえば石炭の場合は別な措置で実施しておりますけれども、私ども、離職状況の発生ということに対して万全の措置をとっていきたいというようなことも、一つは考えておるわけでございます。しかし、過去の実績は、御指摘のとおり不用額が非常に多額にのぼっておるのでございまして、御指摘の点をも十分含みまして、大蔵省その他と協議いたしまして適切な措置をとりたいというように考えます。
  51. 華山親義

    ○華山委員 きょうは大蔵省の方、お見えになっておりませんですね。会計検査院はおいでになっておりますね。大蔵省にお聞きするところでございますけれども、会計検査院がおわかりでしたらひとつ伺いたいのですが、この種のものにつきまして、あらかじめ大蔵省と協議した結果、予備費支出ということはできない性質のものでしょうか、できるでしょうか。おわかりでしたら、ひとつお答えを願います。
  52. 藤田勇

    藤田会計検査院説明員 お答えいたします。  不測の事態があれば、できると思います。
  53. 華山親義

    ○華山委員 不測の事態ということでなしに、たとえば、ある種のことで予算よりも数量が多かった、そういう場合には、不測と必ずしも言わなくとも、初めの測定と違ったということで件数が違ってきたのだから、予備金を出すということが一般に行なわれているのであるが、この場合には、そういうふうに、あらかじめ予算の査定の際の件数よりも多くなったという事実を生じたときには、予備費というもので出せるかどうかということを伺っておる。何も災害とかなんとかいう大げさな不測のことを言っているわけではありません。予算の基礎になった数字、件数と、実際に起きた件数との間に違いができた場合、たとえば法務省関係でいうならば、収容者の予算と実際の収容者の数に差が起きた場合には当然予備費の支出ということがあり得るわけであります。それから、たとえば警察につきましても検察につきましても、件数によって予備費の支出ということは出しておりますから、この際はできないかどうかということを伺っているわけであります。わからなかったら大蔵省にお聞きいたします。
  54. 藤田勇

    藤田会計検査院説明員 お答えいたします。  この具体的なケースの場合にできますかどうか、これはなお検討させていただきたいと思います。
  55. 華山親義

    ○華山委員 あまり形のいい結果じゃございませんから、ひとつ大蔵省と御協議になって、もう少し予算は減らして、足りないという場合には予備費支出ということにして、決算と予算を合わせられたほうがいいのじゃないか。こういうようにたくさん残りますことは、私はよくないと思う。
  56. 濱野清吾

    濱野委員長 ちょっと華山さん……。  私からちょっと注意したいのだが、非常に長くなるし、君たちのほうの見込み違いなんだから、労働力の激動で。だから、そういうふうにはっきりしたらいいじゃないか。あのせいじゃないか、このせいじゃないかと言っているから、長くなってしょうがない。正直に——君たちの予算の編成のときの見込み違いに違いないんだ。年々こういうことをやっている。しかし、理由があるでしょう。非常に経済の状況、労働力その他が激動しているものだから、そういうことを申し上げれば、いつまでも同じことに長い時間かからなくてもいいから、君たちは率直に言いなさいよ、かまわないから。
  57. 大野明

    大野政府委員 ただいま華山先生御指摘の点につきましては、今後大蔵当局とも検討いたすということはもちろんでありまするが、要するに、職業転換対策事業費というものは、社会情勢あるいは雇用情勢の変化、この点について、労働当局において多少の見込み違いのあったという点は御指摘のとおりでありますので、非常に遺憾だと存じます。しかしながら、これは常に、失業者が発生した場合、これらの者の生活の安定をはかる、または就職活動を援助し、早期に再就職をはかろうとするものであって、緊急に対処しなければなりませんので、ある程度のそういうものを、万全を期して予算を今日まで講じてきたということであります。
  58. 華山親義

    ○華山委員 これは予算と決算の違いがあまりに多過ぎる。不用額が絶対額として多いというばかりじゃございません。予算額決算との間の違いが非常に多い。予算の大体半分も使ってない年もある。そういう実態だから私は申し上げる。そして、これは大体において労働省は受け身の立場でございましょう。職業安定所の窓口に来て、これは訓練を受けたほうがよろしいというふうに認定をして、これを長期あるいは短期、あるいは委託のところに回されるわけだ。だから、あなたのほうは受け身の立場にあるわけだ。先ほどあなたがおっしゃったとおり、現在こういう訓練を受けなくても、中高年齢者は、職業安定所の窓口を通じないで就職しているのでいま少なくなってきている、こういうふうな現実もとらえていかなければいけないと思う。  それで、万一に備えてと言われるけれども、万一に備えるのはいいんですけれども、万一に備えるということであるならば、いかなる予算にだって言えるわけだ。これが去年だけできたというなら、私は何もやかましいことを言いませんけれども、毎年同じようなパーセンテージで五〇%程度、ある年にはもっと多い程度の不用額が出ているから、私は、何らかの方法を講じて、あまり毎年同じような結果を出さないようにということを御注意申し上げているわけなんです。しかし、これは使おうと思ったって使える経費でもない、不用額が出たからひとつ使っちゃえなんという性格のものではないから、私は決して悪質な不用額じゃないと思う。ですから、大蔵省とよく相談されまして、全然余裕のないようなことでもいかぬでしょうけれども、不用額が予算から見てあまりにも割合が多過ぎるから、私は、そういう点を御注意なすったらどうかということを申し上げているわけです。件数から見ましても、いまここで詳しくは申し上げませんけれども、予定された件数よりずっと少ないのですね。予算の基礎になった件数よりも、手当てをした件数というものは少ないわけです。そういうふうなことで、ひとつ再検討をお願いしたいと思っております。  それから、もう一つ伺いますが、こういうふうにして職業転換対策事業で訓練をして、その結果就職をした人というものは、一体何割を占めておりますか。
  59. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 転職訓練を受講した中高年齢者の就職率につきましては、大体九五%が就職いたしております。
  60. 華山親義

    ○華山委員 九五%……
  61. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 転職訓練を正規に受けました者につきましては、九五%程度の就職をしております。
  62. 華山親義

    ○華山委員 いま私のお聞きするのは、中高年齢者の職業転換のこの施策によって訓練を受けた人は、何%再就職しているかということです。
  63. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 職業訓練の転換訓練を終了した者の就職率は九五%程度でございます。ただ、中高年措置は訓練以外にもいろいろなものがございますので、訓練を受けなくても、ほかの措置を受けました者についてはそれほど高率ではないと思いますが、訓練終了者についてはかなりの高率でございます。
  64. 華山親義

    ○華山委員 そうですが。私の持っている資料と違うようだな。  ちょっと、私言います。これをごらんになってくだすってもいいんですけれども、昭和四十二年度で申しますと、認定申請の受理が二万五千三十二、そのうち再訓練を受けろといって認定したものが二万八百二十六、そして指示件数が二万一千八百三十七、その中で就職をした者が一万三千五百五十七、こういうふうに出ております。ちょっと見てください。これは間違えておりますか。
  65. 住榮作

    ○住政府委員 ただいまの数字、先生の御指摘のとおりでございまして、指示件数が二万一千八百三十七、その中で長期の職業訓練、これは六カ月ないし一年、これが三千五百八十一、それから短期の職業訓練五千九百八十五、それから職場適応訓練が五千五百六十、職業講習が百五十二、就職指導措置によりますものが六千五百五十九、こういうのが指示の内容による対策別の数でございます。それで、子、の当該年度である四十二年度に就職いたしました者が一万三千五百七十七、こういうことになりまして、この一万三千五百七十七というのが、たとえば訓練が六カ月ないし一年にわたるとか、あるいは就職促進指導の講習が六カ月にわたるとかということで、四十二年度に就職した者が一万三千五百七十七でございますが、それは四十一年度からのズレ込み等もございまして、必ずしも二万一千八百三十七に対する就職が一万三千五百七十七ということにはならないわけでございますけれども、訓練につきましては、いま職業訓練局長から申し上げましたように、九五%程度の者が訓練終了後再就職しているということであるかと思います。
  66. 華山親義

    ○華山委員 全部の職業訓練で九五%程度ということであって、中高年齢者についてこの職業転換の指示については、そういう成績はあがっておらない。私は、それで三十九、四十、四十一、四十二、四十三と、いまおっしゃったとおり年度のズレがございますから、一カ年だけでは比較にならないでしょうけれども、この一、二、三、四、五と五カ年間の計数を見ましても、指示件数が十万二千四百二十三、その中で就職件数は六万四千九百四十、大体七割弱が就職をしておる、こういう状況でございますね。中高年齢者というものは、訓練をしてもなおかつ三割の人は就職ができないということ、それから、相当の金額を訓練のために使って、この五カ年間に再訓練を受けて就職した人がわずかに六万四千人しかいない、こういう実態を考えますと、私はこういうことはしなくてもいいのだとは毛頭思いませんけれども、何か国費の使い方にむだな点があるのじゃないのか、そういうふうな気持ちもしておりまして、この就職促進措置のための予算というものはあまり効果をあげておらぬのじゃないか。一年間に中高年齢者を訓練して就職さしたのが一万人、こういうふうな予算の効果になるわけです。しかし、私はいまここで、それだからこの経費は要らないとか言うわけじゃございませんけれども、内容を分析いたしてみますと、そういう形が出てきます。要するに、中高年齢者の再就職のためには非常に高価な経費だと言えると思う。その意味からも、私は、先ほど申しましたような措置によって形の悪い決算が出ないように御注意を申し上げたわけでありますが、それにつきまして何か改善の考えはございますか。もっと再訓練をした人の就職がよくなるような、そういうふうなくふうはございませんか。
  67. 住榮作

    ○住政府委員 恐縮でございますが、数字についてちょっと申し上げておきます。  まず、この制度は三十八年の後半から実施いたしております。それで、昨年の十二月末までの指示の総件数が約十一万五千件でございます。その中で、すでに就職した者、訓練だとか指導措置を経て就職した者が十万でございます。それで、現在措置している者、訓練なり就職促進の措置をしている者が十二月末当時で五千三百、そこでその他の者といたしまして六千五百ほどの方々がおられるわけでございますが、この内訳といたしまして、措置終了後、自己就職したとか、あるいは措置終了後、病気とか高齢等のために求職活動を行なわなくなった、こういうような方々が含まれておるわけでございます。そういう意味で、その限りにおいては効果をあげている制度だというように私ども考えているわけでございますが、ただ、先ほど来御指摘のように、非常に見込み違い等もございまして多額の不用額を生じているわけでございますが、今後中高年齢者の再就職問題は非常に大きな問題になってくると思うわけでございます。  そういう際にあたりまして、この制度が実情に即しているかどうか、そういう中高年齢者の再就職ということに対して、はたして今後の問題として実情に即した制度であるかどうか、こういうことにつきましては従来からも検討いたしておるのでございますが、今後の問題等も考えまして、そういった中高年齢者の再就職に役立つような点につきましてさらに改善を加えていきたい、こういうようにも考えておる次第でございます。
  68. 華山親義

    ○華山委員 私の取り上げたこの数字というものがおっしゃることと相当違っておりますが、これを間違えて考えておるといけませんから、ちょっと見てくださいませんか。——いまこの数字につきまして伺いましたが、おっしゃった九割幾らが就職しているということの中には、失対事業の中に入ったのも入れた、失対事業に入るということでは、これは中高年齢層の就職の促進にはならないわけです。それで、そういうものは全然その失対事業に入らなかったものということを考えますと、先ほど申し上げたようなのと大差はない、七〇%弱の者しか再就職はできなかった、こういうふうな計数になるようであります。これは間違いはないと思いますけれども、そういうことだとすれば、先ほど私の申し上げたようなことは間違っておらない。失対に入っておったのでは意味がないのです。  そういうふうなことでございますので、一人一人についていえば非常に高い国費でもございますし、今後この改善について、もっと効果のあがるようなやり方についてお考えを願いたいと思っておりますが、いかがでしょう。先ほど質問された方に対するお答えでも、中高年齢者の就職ということは非常に重要な問題だとおっしゃったわけでございますから、この制度の運営にはさらに一段の御努力を願いたい、このことを申し上げたいために言ったわけであります。
  69. 住榮作

    ○住政府委員 先生御承知のように、現在失業対策制度がございますが、それは、いろんな措置を講じてもなお民間の常用雇用につけないという場合に、やむを得ず失業対策事業に働いていただく、こういうようなことでございまして、遺憾ではございますが、就職促進の措置を講じましてもなお再就職させることはできなかったという方々が、制度創設以来昨年末までに一万六千くらいおられるわけでございます。これは非常に残念なことでございます。  それから、そういうようなことをやらないで、中高年齢者の方々を民間の常用雇用に再就職させる、これはもう先生御指摘のとおりでございまして、私ども、御指摘いただきましたように、この制度が本来のそういう目的に役立つように改善すべきものは改善して十分対処してまいりたい、かように考えております。
  70. 華山親義

    ○華山委員 私の質疑は終わります。
  71. 濱野清吾

    濱野委員長 吉田君。     〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕
  72. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 先に自治省関係に伺いたいので、労働省、すみませんが、しばらくお待ちくださるようお願いいたします。  一昨年七月、自治省が中心となりまして、全国の知事会あるいは全国の都道府県議長会、全国の市長会、その他多数の関係方面と協力一致いたしまして、百二にわたる自治省管内の行政簡素化を目標にいたしましたアンケート調査をおやりになっております。これは自治省といたしまして画期的な一つの行政改革の積極姿勢でございましたので、各方面から相当注目されたのでございます。そこで、これは約三百七十にわたる書面回答を求め、あるいは、ずいぶんたくさんな実地調査などもいたしまして、集約いたしまして結論づけて、それぞれ意見を付し、あるいはまた改革意見となし、検討を要するとなし等々、分類したのでございます。この成果と今後の見通しとを中心に伺ってみたいのであります。  自治省は、このアンケート調査をどういうふうに処理したのであるか、何がねらいなのであったのか、まずこの二点を伺っておきます。
  73. 大石八治

    大石政府委員 自治省では、御承知のとおり、いま御指摘の全国の地方公共団体の協力を得て、地方行政の合理化に関するアンケートを行なって、その結果に基づいて行政改革意見を内閣に提出したわけでございます。その後、この問題は行政改革本部あるいは行政監理委員会でも取り上げてもらいまして、そのうちの幾つかはすでに国の行政改革計画にも取り入れられておりますけれども、何ぶん国の行政体制の全般的な問題にわたり、あるいは基本的な面にも関係するものでありますから、まだまだ検討中というものが少なくないわけでありまして、その点は吉田委員の御指摘の点で、私どもも、あの一つの考え方がなるべくすみやかに結論づけられたいというふうに考えて、今後も自治省としては行政管理庁はじめ関係省庁とよく協議をして、地方公共団体の意見を国の行政改革の上に反映していくように引き続き努力をいたしたい、こう考えているわけでございます。
  74. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 行政の合理化ということは、これは国も地方公共団体も、この新しい七〇年代に対処するかまえといたしましては、相当積極的に姿勢を整備しなければならぬということは、大体世論は一致いたしております。佐藤内閣におきましても、施政方針演説を通じて見ても、この姿勢はくずさない方向に進んでいかれるらしい。といたしまするならば、このうちで検討を要するというのはごくわずかなんです。大部分は改革意見を、自治省としては、簡単でありますが、付しております。したがって、この改革意見も、何も自治省が独断というのじゃなくして、大部分、五〇%以上そのような意見があれば、それを集約し、もしくはそれを骨子といたしました意見にこれはなっております。そういうことでありますので、合理化合理化というけれども、合理化をうたい文句にいたしまして何年も日がたっていくということになると、時勢の激しい流れにまた間に合わなくなってしまう。もうすでに第三年を迎えようとするのです。来年になり、さ来年になるというと、またこれは条件が変わってきます。このうちで百二のこの問題は、いろいろな角度でいろいろな動きに影響されます。たとえば五十二に公害行政というのがございます。公害行政にいたしましても、これは単に厚生省に集中して、厚生省で全体を総合して公害行政を推進したらよかろう、これが簡素化なり、こういうような一つの結論づけた改革案が出ておるわけなんです。公害問題というのは、はしなくも、あらゆる角度から根本的、科学的な調査研究を要するものが次から次に続出してくる、これが現状であります。こういうような状態でありますので、一例を公害問題、公害行政という、その一項をとらえてみましてもこの調査では不十分であった。それならば、さらに再調査が要るとかいうように、一たん、こういうものを自治省といたしまして、かりにも大臣を中心にいたしまして全国に呼びかけて、ずいぶんと大ぜいの手をわずらわして、そしてこれだけの案をつくって、反対も出、賛成も出、それぞれの意見も出ておるわけなんですから、これはあなたのほうでさらにノーかイエスか検討を要することにしなければいかぬということは、やはり積極的にこれに対する第二のかまえをもって臨むようにしなければいくまい、こうも私は考えるのですが、そういうふうに思いますと、行政合理化を目的にしたこのアンケート調査、いまそれは行くえがはっきりしないという現状ではないだろうか。幾つかは取り上げて三年計画に入っているものが若干ありますよ。若干ありますけれども、その三年計画といいましても、これまた一次、二次で実施しているのがまだごく一部なんです。とかく行政改革というものは阻害要因が多いのですから、この中をあえて百二のアンケート調査をおやりになったのだから、少々の阻害があってもやる。阻害があったら引っ込めて、知らぬ顔して見ているというのか。もっとそこらはほんとうにしゃんとした姿勢でいくのでなければ、行政合理化なんというものはできやしませんよ。できやしなかったら、決算委員会といたしましては、国民の血税はむだに使ってもらいたくないという立場もあるわけなんです。どうぞその辺は、こんな仕事をする以上は、やはりほんとうの仕事自体も効率的に合理的にやってもらいたいのです。  そこで、その後の手直しはいかん、その後さらに調査を要するかどうか、現在どうなっておるか、自治省が直接手をつけておらぬでも、一体どないしておるのかどうか、ここらについて、はっきりした御説明を願っておきたい。当然、自治省は現在みずからの手にないといたしましても、その行くえは厳重に見守っておらなければいかぬという立場にあるのが行政の責任だと私は思う。行政府というのは風船玉を上げるのではありませんわ、国民の福祉のためになっておるのですから。その辺はどうですか。
  75. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 お答え申し上げます。  実はその調査アンケート百二件につき調査いたしまして、九十一件について書いた意見を提出いたして、その実現をお願いしたわけでございますが、その後、昨年の五月に、御承知のように行政監理委員会におきまして、そのうちの十九件は自治省の意見が適当であろう、二十一件は臨調の答申の意見に従ったらどうだ、実施困難、修正を適当と認めるものが十二件、その他検討を要するものが二十二件というような御意見をいただいておりますが、そのような御意見をもとにいたしまして、現在行政管理庁におきまして関係省庁と相談の上推進をはかっておる状況でございます。  私どもも、たとえば関係法律の段階における協議その他いろんな機会を利用いたしまして、その実現に努力いたしておるわけでございますけれども、現在までのところ、私どものほうで確認しております行政改革計画にはっきり乗って実現したもの、その他計画にはありませんでも改革の趣旨に従って実施されたものが八件ばかりございます。そのほかに、いま御指摘ありましたように約十件ばかりは行政改革計画において検討中ということになっておりまして、さらに現在、その他相当のものにつきまして、実はいろいろな事情で関係省庁と意見が合わないというようなことで、実現されてないものがあるわけでございますけれども、その点につきまして現在行政管理庁が中心になりまして関係省庁と協議を始めているという点もございますので、先生御指摘のとおりに、私どもの立場といたしましても、現在そういう形でもって昨年よりいろいろ協議をいたして進んでいる点もございますし、現在いろいろ動いている点もございますので、その点、状況を見まして今後調査を要するものは調査をするというようなことで、今後の推進の方法について、その状況を見ながら検討してまいりたい、かように考えております。
  76. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 お答えはわかったようでわからぬのでありますね。行政管理庁が適当と思いますというのは十九ある。これは、それならば法律の改正問題もありましょう。行政改革について所管行政庁と横の連絡をとらなければならぬ問題もありましょう。その他、農林にしても、開拓にしても、生活にしても、あるいは地代、家賃とか、港湾、地域開発とか、種々ございまするが、こういう面についても、横の連絡をすることなくして、現在の日本の行政府の機構におきましては、行政改革の第三次ですか、何でもよろしゅうございますが、ずばっと行政改革の案に乗るのであろうかどうだろうか。第二次行政改革案にいたしましても、御承知のとおりなかなか難航しつつあるわけなんです。そこへもってきて、行政管理庁が適当と認めておるというだけで、じっとしておるという手はない。そんなことをしたら実現しませんですね。さらに、いまおっしゃいました検討することが適当と思われるものというのは二十二、これが出ておりますね。検討することが適当であるというのならば、こういうものは自治省として直接しなくても、あるいは地方公共団体との横の連絡をとりながら、監理委員会はこういう意見だから、これはもう一度検討するか、こちらで検討してあるからこの資料を出すというか、あなたの結論は改革意見、行政管理庁は検討を要するというようなことになっておるのだが、どちらが間違っておるのだろうか、さらに検討を要するというようなことで、あなたのほうといたしましても第二の手を打たねばならぬのではないだろうか。あるいは実施困難、修正をしてできる限り実現してはどうか。例をあげれば、農業構造改善事業ということになりますと、これは日本の食糧政策にも重大な関係を生じてまいりまして、農業改善事業というものの方法、規模、予算関係、それからまた、それは構造改善事業の技術面の開発、機械化等々、いろんなことになってくるのですから、やはりこういう問題につきましてもまた第二の手を打つべきではないだろうか。  つまり私、根本的にこんなことを追及しようとするのは、ほんとうに熱意があるのかどうかということなんです。これは政務次官御承知と思いますけれども、一応世論もあるから出してみた。出してみたのだが、賛否があった、賛成が多かった、改革意見を出した、しかしそれは適当にほかでやってくれるだろうというのでは、これは行政府の態度といたしましては、この重大な問題に一たん取り組む以上はまことに私はけしからぬと思います。これは重大な問題であります。国民がみんなそれぞれと利害関係を持っております。地方団体も持っておるし、これは即一般会計に入るかどうかは別といたしまして、ある雑誌等によりますと、ほんとうにこれを改革いたしたならば相当巨額な経費の節減の面も生じてくる、そうすると、交付税交付というものにもよい影響を与えるだろうという意見さえ出ております。こういうこともありますので、私は、やはり責任ある立場でアンケートの調査をやった以上は、この行くえを追及していくというかまえはどうしても必要だと思うのです。ですから、いまのそれでは、ちょっとこれはあやふやになってきました。あと半年後になると、なおそうなります。来年になるとだいぶん条件が変わってきます。三年前はそうだったかもしれないけれども、三年後になって、経済その他の諸条件に相当変化を生じたということになってきますと、また意見が変わる。結局、何年か前に百二もの事項について調査したけれども、あれもうやむやになってしまったが、というようなことで、いたずらにそういうそしりを招くような結論になりはしないかと私は思うのですが、きょうは大臣がおられませんので、政務次官、ひとつあなたからこの辺は大臣と御相談になって、ともかくこの問題はやっぱり自治省の省といたしまして、国務大臣、行政庁長官の立場は、私ははっきりしておかねばいかぬと思うのです。これはいいかげんなことをやっていい問題とは違いますので、反対なら反対で——相当みんな利害関係を持っておりますので、反対意見を出しておりますよ。切実な反対意見も出ております、最初のアンケートの調査を見ますと。ですから、これも大臣と十分御相談になって、自治省としての基本姿勢を明確化し、積極化してもらいたいと思うのです。ですから、この際、もっと突っ込んだ具体的な御答弁をなさる方法はありませんか。政務次官、ひとつあなたから答弁をしてもらいたい。
  77. 大石八治

    大石政府委員 これはたしか赤澤さんが自治大臣のときに発案されてスタートを切った問題だと思います。まあアンケートの結果というのは、かなりいまの行政のやり方についての批判を含めて、簡素化の意見が出ているわけであります。私どもは、自治省としましては、この方向をさらに推進いたしたいということで、今後も努力を続けたいと思いますが、御質問及び御意見の点は大臣に私からよくお伝えしまして、今後の推進をはかりたい、こう思います。
  78. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 さっき御答弁があったのはだれですか。行政局長の宮澤さんですか。
  79. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員長代理 遠藤行政課長です。
  80. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 宮澤さんはどうしました。
  81. 大石八治

    大石政府委員 いま参議院のほうへ……。
  82. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員長代理 鎌田官房長は来ております。
  83. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 だれかもっと具体的に、責任ある答弁をしなさい。
  84. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 一件一件の問題でございますので、たとえば、御指摘のありました農業構造改善事業につきましては、農業構造改善事業のセットの組み方は、都道府県が市町村の申請に基づき自主的に決定するというような形の意見を申し上げているわけでございますけれども、その点につきましては、御存じの、昨年の第二次の改善事業の際に農林省とよく相談いたしまして、農林省も私どものほうの制度の趣旨というものもよくわかったということで、運用として——もちろんこれは法律でございますので、運用の方法といたしましてそのような運用をするというように話が、まあ努力するということで話がととのっておる。そのような形で、たとえば、いろんなものがあるたびに私どものほうとしても、直接お話をするということで努力をしてまいっておる。ただ、全体といたしまして、国の制度の改革の問題に関係いたしますものでございますから、現在、単に私どもと関係省との話し合いということだけではものごとが進まない。そこで、行政管理庁におきまして、現在行政改革計画に入って検討事項とされているものも含めまして、それ以外のものにつきましても相当の件数のものを取り上げて、現在関係機関とも協議するというような形で推進をはかっておるというような状況でございますので、なかなか御指摘のように——  この問題は関係行政機関との話し合いの問題でもありますものですから、御指摘のように、思うように進まないという点もあるわけでございますけれども、現在このような形で進めておるところでございますので、もう若干時間をかしていただきまして、私どもといたしましても、その状況によりまして、また御趣旨に従いまして、たとえば、あらためて調査が要るのか、その辺のところは、進め方につきましては検討してまいりたい、現在の段階で直ちにどのようにするというようなことまで申し上げられませんけれども、そのような形で進めてまいりたい、かように考えておるわけであります。
  85. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたは国家行政組織法やら設置法やら、官制はよく御承知だと思うのだが、行政府というものは、あなたのほうと主管行政府との間の横の連絡をとることによって、基本的な行政の姿勢が決定するわけです。行政管理庁は主管庁でも何でもありません。行政管理庁は、行政改革本部におきまして、いわゆる行政改革に関する諸般の事務はとるけれども、これは、要するに内閣のもとにある一つの行政改革本部にすぎないわけです。管理庁の長官が委員会委員長であって、そのような仕組みになっておることは御承知のとおりです。だから、あくまでも、自治省といたしまして、自治省と主管行政庁との間に話がまとまるものならば、それが行政の基本方針となって、内閣はそれを取り上げていくという順序になる。その上に、内閣で閣僚協議会なりあるいは総理大臣なりが同意をするということになりましたならば、それによって佐藤内閣のこれこれの行政方針がきまる。何も行政管理庁が最終決定をする権限のある官庁でないことはあなたは百も御承知のはずなのだ。だから、行政管理庁にまかせてしまって、そこが隠れみののようになるということ、そういうことが行政の一つの分裂なんですよ。だから改革なんてできやしないのです。横やりが入ったり何かしてできやしないのです。反対があったらまた引っ込めてしまうということになるのです。  そういうことでありますので、どうも、あなたの答弁を聞いておっても、これは自治省としてのお答えではないわけなのだ。これは大石さん、しっかり考えてもらいたいですね。こんなたよりない問答を国会で繰り返すなんて、とんでもないことなのです、この重大な問題にあたりまして。だから、いまの課長のお話はお話として伺っておきますけれども、あなたのほうの一生懸命やりおるという誠意は認めますけれども、ともかく大きな問題に取り組んでいるという認識に立って、この問題は処理していくという姿勢をしゃんとしていかなければいかぬのです。そういうことなんですね。だから、これ以上これを進めてもしようがないような気さえするのです。これは大石政務次官、どうお考えになりますか。
  86. 大石八治

    大石政府委員 われわれのほうの意見もあるわけでありますけれども、関連の各省との間になかなか意見の調整ができないというようなことで、行政管理庁のほうにもこの問題を預けておる部分がかなりあるわけであります。そこらがまだまだ煮詰まらないということで、御指摘のような点が出ていると思うのですけれども、自治省としては、いままでに調査をとって出ている関係もありますから、今後とも熱意を持ってこの問題の推進に当たるというつもりでございます。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 しからば、いまの時点におきまして、自治省において調べられる範囲の現在における進捗の状況各省の意見、そういうものを全部調べて、当委員会に資料としてお出し願いたい。それをもって私の質問に対する回答にしていただいてもよろしゅうございます。委員長、そういうふうにお計らいをいただきまして、そしていまの御答弁に対する補足的な説明という趣旨に私のほうはとっていきたいと思いますから、また資料として補充、補足をするということにもなると思いますから、そのようにひとつ御要請申し上げておきます。よろしゅうございますか。
  88. 丹羽久章

    ○丹羽(久)委員長代理 それでは、政務次官お願いいたします。
  89. 大石八治

    大石政府委員 よろしゅうございます。
  90. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 では、至急にひとつお願いいたします。  それから、地方公共団体の行財政の、これも改革につながる問題でありますが、公共団体自身、自治体自身がみずから新たに企画して、そうして行政改革をやり、財政改革をする、そういうような面が相当あると思うのです。先年甲府市等におきましても、一種の新しい組み立てをやりまして一つの模範を示したような実例もありますが、その後、そういった方向に相当進んでおるような面があるのでしょうか。これをちょっと明らかにしておいてもらいたい。なければないで、よろしゅうございます。
  91. 遠藤文夫

    ○遠藤説明員 最近地方団体側におきましては、たとえば窓口事務の問題あたりを市町村が特に制度改正を中心にして進めるとか、あるいは、最近特に問題になっておりますのは、御存じの電子計算機の導入の問題を中心にしましていろいろ研究をするというような形で、地方団体なりにいろいろ研究いたしていると思いますけれども、さしあたり現在のところ、その状況の資料がございません。
  92. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 これも政務次官に聞いておかぬとしようがないのですが、実は根本的重要なことなんですが、ひとつ大臣とも相談されまして、別の機会に明らかにしておいてもらいたい。  私は、地方の財政の合理化あるいは行政の合理化というもののうち、中央への手数をできるだけ省略するという、そういう一種の合理化を企画して大胆に進めていかねばなるまい、こう思うのです。ともかく、年じゅう地方団体が中央省庁へ陳情せなければ行政が運用されていかぬということは実に悲しむべき現象であります。ですから、電子計算機を用いて手数を省き、そして、一瞬にして、ある数字もちゃんとつかんで回答もするというような、そういう新しい科学技術を応用していこうという段階まで踏み込んでいこうとしておるならば、人間がたくさん列車に乗って、年じゅう陳情せにゃならぬということを何とかもっとくふうする手はないか。私は寡聞にして、世界で日本ほど陳情の多い国はないような感じがするのでございます。民主政治ですから、陳情は必ずしも悪いとは言いません。国民の意思を国会なり中央に反映さすということは悪いとは申しません。申しませんが、一から十までそれでなければならぬ、参観交代でもせにゃならぬということになりましたらおしまいです。そういうことを思うのです。そこに堆積するむだ、堆積する一つの老廃現象、そういうものがあって、そこに政治の停滞がある。行政改革の根本はそこですよ。ですから、もろもろの問題にいたしましても、やはり全部同じ基盤です。つまり、病気のある基盤は同じことです。だから、その一つとしまして、私は陳情をかくも煩瑣にせなければならぬということを、少し肩を軽くする手はないか。その点について、あなたも政党人で政治家だから、こんなことは言いにくいことですけれども、何かもっと方法はないのか、それこそほんとうの行政の簡素化、合理化につながってくるものである。     〔丹羽(久)委員長代理退席、委員長着席〕 同時に、それは国民の血税を最も合理的に効率的に使う道につながるのではないか、こう考えるのですが、どうでしょう。
  93. 大石八治

    大石政府委員 御指摘の点は私どもも同様に実は感じているわけです。先ほどお話の前段に御質問のありました問題も、実はそういうところにつながっていると思うのです。いまの行政の仕組みも全体的に変えていくというふうにならなければ、いま御指摘の問題がなかなか解決できない。地方の団体だけが行政の簡素化なりそういうものをやろうとしても、行政が国とつながっておるわけでありますから、なかなか単独に自分自身の体制を直してしまうということができない現状であろうと思うのです。そういう意味で、国、地方を通じてやっていく、それがいま地方制度調査会なりあるいは臨調なりでやっている作業の結論であろうと思うのです。そういうことの結論になるべく沿うようにわれわれも今後努力いたしたい。地方団体の立場から見て特にそう感ずるわけであります。
  94. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 特に農村地帯の過疎化現象につきましては、これはすでに多年問題になっておるし、与党におきましてもずいぶん御熱心なんでございますが、過疎現象につきましては、これはあらゆる角度から力強く推進するのでないと、なかなか解決しない問題が多いのではないだろうか、こう私は心配いたしております。  そこで、過疎地帯に対しまして、問題は一つじゃございませんで、これは財政的にも経済的にも、あるいは社会福祉、農業にも、いろいろなことでつながってまいりますが、いま自治省といたしましては、財政につながらして一番強力に推進したいと思っていなさる柱は何ですか。
  95. 大石八治

    大石政府委員 自治省自体は、いままで交付税の算定なり辺地債ということで見てきたわけでありますが、今度議員の皆さまで立法されるという過疎対策の特別措置法というものが、おそらくこの国会でできるんだろうと思うのであります。それに対応して普通交付税の問題もさらに強化をし、補助制度も高める。同時に、過疎債百三十億というものを用意していこう、従来の辺地債七十億にプラス百三十億という数字で過疎問題等に対処するというかまえをいま持っているわけであります。
  96. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 過疎問題については若干持っておりますが、また別の機会に留保させていただきたいと思うのであります。  労働省に移ります。自治省はしかるべくどうぞ。  労働省の、この新しい時代に処する労働政策は相当重大なウエートを持っておるととは申すまでもございません。  そこで、労働の需給状況につきましてですが、いろいろと論議する上におきまして、現在における需給状況もしくは二、三年来の需給状況を、ごく簡単でよろしゅうございますから、一、二分で説明しておいてもらいたい。
  97. 住榮作

    ○住政府委員 それでは需給状況について申し上げてみたいと思います。  まず、一般の求人、求職の関係でございますけれども、四十二年度におきましては求職者一人当たり求人が大体一・一倍ある、四十三年度も大体そういう傾向が続いております。学卒につきましては、御承知のように求人難でございまして、たとえば四十三年三月卒につきまして、求人倍率が、中卒、高卒ともに四・四倍、それから四十四年の三月卒業につきましては、中卒四・八倍、高卒五・七倍、ことしの三月予定者につきましては、これが五倍ないし六倍になる、こういうような状況になっております。
  98. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 次第に求人難あるいは需給面において労働力逼迫の状況に密度が高まってきたというのは、これは政策がおくれておるためにそうなっていっておるのか、あるいは、経済の成長発展等の影響下におきまして必然的にそうならざるを得ない状況なのか、一体、なぜこんなに需給逼迫の状況がさらに深刻化しようとしておるのか、一番大きな原因は何ですか。
  99. 住榮作

    ○住政府委員 一つは、供給側の問題といたしまして、御承知のように中学、高校を出て就職を希望する者の数というものは、一つは、非常に進学率が高まったこと等もございまして、年々減少の一途をたどっております。たとえば四十一年の四月に中学、高校、大学を出て就職を希望した者は百四十万でございましたが、本年におきましては百二十万をわずかこえる、こういうような状況でございます。一方、需要側の要因といたしまして、経済成長が続く、それに伴いまして、やはり人手の需要もふえるわけでございまして、需要側の増の要素と供給側の減の要素、二つ重なりまして、労働力需給の逼迫がきておる、こういうように考えております。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本における労働力の国内分布、配分の実情ですが、意外に社会的に必要とする面に乏しく、そして、必要にあらざると思われる面に相当な余りあり、こういうような傾向は顕著ではないでしょうか。私は第三次産業につきましてみなそうだという意味で言うておるのではないのでございますが、いま少し、労働力を国民福祉のためにともに協力し、またみずからも有益な労働に邁進してほしいなと思う面が相当あるのではないか。そういう面についてのだぶつき、あるいは枯渇、逼迫、したがって、需給はそんな面から配分適切にあらずということの影響、こういうことはないでしょうか。この点は日本と外国と比へたらどうなんだろうか。ことに西ドイツあたりと比較をしてどうなんだろう。こんな辺はどういうふうにつかんでおられるか。
  101. 住榮作

    ○住政府委員 先生御承知のように、まず、現在働いている者の総数、一億人口の中で五千万の就業者がおります。そういった就業者がどういう産業分野で働いているかということでございますが、御承知のように、第一次産業で二〇%足らず、第二次産業で四〇%強、第三次産業でも約四〇%、こういうような就業構成になっております。それからもう一つは、従業上の地位別で申し上げますと、たとえば自営業種だとか、そういった自営業種とともに働いている家族従業者の割合が諸外国と比べてみて高い。それともう一つは、規模別に見ますと、たとえば中小企業といわれるようなところに働いている方々の割合が高い、こういうようなことでございます。  そこで、西独等と比べてみますと、第一次産業に就業している者の割合は、西独等では一〇%程度でございますが、日本の場合はなおかつ二〇%、こういうようなことでございます。それから、第三次産業の就業者の割合が西独より少し高いというような事情がございます。それから、従業上の地位別では、西独に比べまして、やはり中小企業の従業員が、日本の場合は割合としては高い、同時に自営業種、家族従業者等の割合も西独等と比べてみますと、かなり高い、こういうような事情になっております。
  102. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 日本人が労働に従事する、働くということについて、自己本位ではなくして、みずからの享楽、利益がある場合にはどんな面でもおくめんもなく働くというのではなしに、それは恥ずかしい、やはりなるべく社会的にも、道義的にも、経済的にも、いろいろな意味におきましてプラスになる、そういうような面に働くという、そういうことを欲する傾向は幾らか低下しつつあるのだろうか。これは私の少し片寄った見方かもわかりませんけれども、パチンコ屋には屈強なエネルギッシュな青年が群がっておる。しかし、一方において汗水かいて働く大切な作業場では、実に人がなくて困っておる。何か調整がとれぬものだろうか、こう思うのですが、そういう面について日本人の国民的な労働観というものに若干ゆがめられた面が生じておるのかどうか。これは私のひがみなら取り消しますけれども、どうでしょうか。
  103. 住榮作

    ○住政府委員 たとえば中学、高校を卒業して就職する者の産業別の割合を見てみますと、一次産業に働く者が四%、二次産業に働く者が四六%、三次産業に働く者は五〇%、こういうような割合になっておりまして、三次産業に就職する者の数がかなり高い、こういうことは事実でございます。先ほど申しましたように、非常に人手不足の状況でございますので、雇用のチャンスが非常に多い。したがいまして、安易に職業を選ぶ、一たん離職しても再就職先がいろいろあるというようなことから、安易に職業を選択する、こういう傾向があるということは、われわれも考えておるわけでございます。  それから、先生も御指摘のように、高卒、中卒通じまして一般的に言えますことは、やはりホワイトカラーの職業を選ぶ者がかなり多い、ブルーカラーになり手がない、こういうような傾向も指摘できると思います。今後、経済社会の情勢がいろいろ変わっていくと思いますが、そういう場合に、ホワイトカラー、ブルーカラーの差も変わってくると思いますけれども、いわばかっこいい職業を選びたがる、こういうような傾向もあるのではないかというふうにも考えておるわけでございます。
  104. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 労働力不足の問題は、中小企業におきましてはかなり深刻らしいのでございます  が、中小企業の労働力不足に対する基本的な対策、これはやはり日本の経済基盤と目される中小企業と認識するならば、相当重大な課題であろうと思います。労働省におきましては、この問題に積極的な施策が行なわれつつあるのでしょうか。
  105. 住榮作

    ○住政府委員 一般的な人手不足の中にありまし  て、中小企業の人手不足が非常に深刻なものがあるわけでございます。私ども根本的には、中小企業のそういった労働力問題に対処するためには、基本的には協業化とか、あるいは設備近代化等を通じまして、中小企業が高い生産性を有する近代的な企業、こういうことに脱皮をする必要があるのではなかろうかというように考えておるわけでございますが、同時に、労働力対策の面におきましても、たとえば労働条件なり、労務管理の面で大企業との間にかなり格差がある、あるいは福祉施設の点においても格差がある。こういうような面は否定できませんので、そういう点にひとつ力を入れまして、中小企業の職場が魅力あるものでなければならない、労働者が進んで中小企業に働くような環境を整備することが必要であるというように考えておるわけでございます。そういう意味で、いろいろ中小企業に対する近代化のための融資等につきましては、中小企業庁等においても非常に力を入れておられるわけでございますが、労働省としましても、たとえば中小企業のそういった福祉施設なり、住宅なり、社宅の整備等のための融資をやっております。あるいはまた、中小企業集団につきましては共同福祉施設をつくりましたり、あるいは集団的に中小企業の労務管理の改善、指導をするための援助を行なっております。そういうような施策を通じまして、その対策につとめておる次第でございます。
  106. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 結局、中小企業の労働力不足対策というものは、単に、集まらぬから何か集める一方法を考えるというような単純な見方よりも、もっと掘り下げていうならば、企業自体の体質を改善して、構造も改善し、近代化し合理化する、福祉施設も十分にし得るようにするということになるならば、これはかなりあなたのほう、つまり労働省と、それからまた通産省あるいは各地域における公共団体等が手を組んで、総合してこの対策に当たっていくという必要がやはりあると思うのです。現状におきましては、一般論としてはいまお述べになりましたようなことでございましょうけれども、しかし、たとえば兵庫県におきまして、千四百もいわゆる機屋というのが、小さなものがございますが、こんな中小企業なんかに聞いてみますと、一人当たり三万円から六、七万円の求人開拓の経費を使っておるらしい。そして、一体定着率はどのくらいだというと、もう恥ずかしくて言えませんということになりましたならば、これは一体どうしたものだろうということにもなるわけですね。ですから、施設するなら金を貸すことをひとつ努力しましょう、また、訓練することも、ともに協力しましょう——これもわかるんですけれども、よほどこれは手の行き届く、密度の高い手を打っていきませんと、なかなかこの辺の呼吸はむずかしいんじゃないかと思います。  そこで私は、労働省といたしましては、職安にまかすにあらず、資金が要れば選別して適当に貸してあげましょうというにあらずして、やはりその地域地域、その業種業種における労働不足の実態と、これに補充していく方法をどういうふうにすればいいかということを、やはり具体的におつかみになる必要があるんじゃないか。一般論としてはまあわかっておるとしましても、現状はなかなかそうじゃないです。私はいつも言うんですけれども、職安を通じてくるというのはもう限られた階層だけなんです、職安以外の手で来るんですから。つてで来る、足を運んで来る。ときにはその自治体の長が沖繩まで出かけていく、鹿児島の山の中に出かけていく、秋田県まで出かけていくというようなことが、兵庫や大阪あたりにはずいぶんあるわけです。というようなことを思いますと、中小企業の労働不足対策なんというものは、それ自体、ともかく深刻ですわ。ですから、あなたのほうの統計でしたか何かにも出ておりましたように、中小企業の倒産が人手不足倒産、労務倒産というものもかなりある。転廃業をなぜするかといったら、こんなに労働者に困るなら、もう転廃しますというのもかなりあるということにも通じていくわけです。ですから、その辺は具体的にどういうふうにすればいいのであろうか。  結局労働省は、他省、地域公共団体との総合協力、こういうのできめのこまかい労働施策を実施していく、そしてそれは、具体的に地域地域で方針を立てるというところまでいかねばいかぬじゃないか、こう思うのですがね。こういうことについての考え方と、それを実施していくのかどうか。でなければ私は解決しないと思います。容易に解決いたしません。労務者不足対策というものは、中小企業それ自体もそれぞれやっておりますよ。しかし容易に解決しません。これだけははっきり申し上げまして、やはりこれらについてひとつ態度を明確にして、方針を出しておいてもらいたいと思います。
  107. 大野明

    大野政府委員 ただいま吉田先生の御指摘はまことにけっこうでございますので、私どものほうも、その線に沿って十分留意してやっていきたいと考えております。
  108. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 中小企業対策その他一般の雇用対策につながっていきますが、職業訓練のことを少し伺いたいと思うのです。  職業訓練は非常に重要でございますが、職業訓練自身は、いまのところ技術者を養成するとか、あるいは能力を再開発するとか、技術を身につけるとかいうようなことが主なんですが、一体、職業訓練の一番大きなねらい、具体的な目標は何ですか。
  109. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 職業訓練を現実にやっておりますことは、御指摘のごとく技能者の養成でございますが、その目的は、一つは、急速な経済の発展に対応するということ、もう一つは、この経済の発展とうらはらをなします技術革新に労働者が適切に対応できるようにということを目的といたしております。
  110. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 職業訓練の場合に、現在就業しておる人の時間をさいて、そして適当に訓練するという制度は一般にございますか。
  111. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 職業訓練は、従来はフルタイムの養成訓練は転職訓練に主力を注いでまいりましたが、昨年の法律改正をいたしまして以来、現役の労働者につきましても、夜間あるいは短時間の講習等を行なうという、現役労働者の訓練にも今後一そう力を注ぎたいと考えております。
  112. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 その場合に、たとえば交通費であるとか、あるいは機械その他の設備であるとか施設、つまり人的、物的の施設、及びその職場から通っていき得るようなそういう経済的支援、この辺についても、これは国といたしまして、職業訓練の重要性にかんがみて適当に保護、補助すべきでないかと私は思うのですが……。
  113. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、従来ややその点の力が足りない点があったと存じますが、四十五年度予算におきましては、共同訓練のための施設を拡充いたしますほかに、共同で訓練を行なうというための機械の補助金も新設をいたしまして、それからさらに、一般の公共訓練施設がパートタイム的に民間の再訓練等に利用できるように、サービスセンターとしての性格を強化するという方針で指導いたしております。
  114. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 中高年齢層のすでに持っておる能力の再開発とか、あるいはまた新しい技術を身につけるとか等々の場合に受講中の手当の制度があるようでございますが、これは規定によりますと、最高で五、六百円ですか、最低は三百円か四百円で、なお家族についてはわずか百円足らずということになっている。炭鉱離職者とかあるいは失対の手当を受ける条件のある人、これは別としまして、そうでない人はちょっと食えないような手当しか出ないようですが、短期間にまた新しい職場活動ができるような技術訓練をするということにするならば、これはしかるべき手当を渡すということにしてやれば相当成果があがると思うのです。これは少し足りないのじゃないだろうか。この辺についてはもっと改善することが必要でないか。その意思があるかどうか。
  115. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 ただいま先生の御指摘になりました五、六百円とかいう額は、基本手当の額であろうと存じますが、そのほかに扶養手当、通所手当、それから技能習得手当、特定職種受講奨励金というようなものが積み上がりますので、四十五年度におきましては、大体平均して月額で二万五千円程度の手当をいたしております。なお、これは今後改善いたしたいと思っております。
  116. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それから、いまの製造工場などの技術者養成、あるいは技術を身につけるということ、それ以外の面で新しい技術を身につけるというようなこと、たとえばサービス業、たとえば客に説明をするとか、あるいは食物を扱うような場合に、食物に対する知識を持つとか、あるいは最近チクロ騒動なんかから問題になりましたように、そういった科学的な知識を広く持つとかいうような、単に技術を身につける以外の経済活動のそういうことを、職業訓練の場で与えるということに新しく分野を開発して施設していくことが適当でないだろうか、こう思うのですが、いかがですか。
  117. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 ただいまの御指摘の点は、実は非常に痛いところでございまして、日本の職業訓練は、従来二次産業中心でやってまいりました。しかし、三次産業というものも世の中に大切なものでございまして、三次産業の生産性を上げますためには、三次産業関係の職業訓練というものをいたさなきゃならぬと思いまして、実はこれから開拓しようということで、目下努力中でございます。
  118. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 三次産業、たとえば交通、運輸も三次産業と考えるのでありますが、交通、運輸にいたしましても、たとえば定年退職程度の人でも、あるいはバスガールにかわる一つのサービス業をなし得る資格を持ち得ると思います。そういう人には、やはりそれはそれなりで交通事業における一種の技術——それを職場と考えるなら、それぞれのなすべき面があると私は考えます。  こういうふうに考えていきますというと、若い人だけにあらず、中高年齢層にいたしましても、職域にいたしましても、広い意味において福祉におよそ役立たない、経済的にプラスにならぬというような面は、これは一応切り捨てまして、そして三次産業のうちにおきましても、高い労働施策の観点から必要と認められるものに対しましては、積極的に広範に職業訓練の場を持つというのが適当でないか。  たとえば東名道路あたりにおきましても、一体東名道路というものについての地理、環境、気候等々について相当知識を持っておらなければ、この案内もできないだろう。案内がどういう職業になるか、これは一応別といたしまして、運輸、交通の問題にいたしましてもやはり相当にあると私は思う。たとえば、海にいたしましてもそうなんです。海運業にいたしましても、海運に対する知識がなければならぬというように、これは言うなれば例示ですけれども、広範な範囲で職業訓練をするということをやっていけば、職業訓練というものはぼつ然として日本の現在と将来のために大きな役割りを果たすのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。いま職業訓練しているところは一体どこにあるのだろうな、そんな、あるかないかわからぬような存在ではいかぬほどに大事な場ではないか、こう私は考えるのです。これはひとつ希望を申し上げておきますから、広範に、新しい積極的な姿勢で取り組むように、ひとつ施設を新たに企画してもらいたいと思います。御希望申し上げておきます。  それから、きょうは婦人少年局長も見えておりますね。——女性に対する問題でありますが、職業訓練の場合に女性の訓練の場は相当あるのでしょうか。あるいは、それに対する施設なんかはどうしておるのだろうか。実際成績があがって、実情として、進みつつあるのだろうか。どちらからでもよろしゅうございます。
  119. 高橋展子

    高橋(展)政府委員 婦人に対する職業訓練といたしましては、一般の公共職業訓練所が婦人にも平等に門戸を開いておりますので、そちらで多くの婦人が訓練を受けております。また事業内の訓練にも婦人がその機会を得ている場合も少なくないのでございます。そのほかに、特に女子を対象といたしました訓練施設といたしまして、従来から八つの府県に家事サービス訓練所を設置しております。これは中高年婦人あるいは失対事業に従事しておられた方たち、一般的にいって、あまり職業の技能の高べない人を対象といたしまして、家庭において経験してきたところの家事的な知識を職業的なものにまで高めて学働市場に適応させよう、そのような趣旨で設けられた施設でございます。  それからまた、特に近年は、中高年婦人の再就職を促進するための訓練といたしまして、短期の職業講習をいたしております。これは職種といたしましては、医療保険の計算事務であるとか、あるいは会社等で厚生関係のやはり保険の計算事務であるとか、それから販売店、デパート等で繊維品等の販売に従事するための知識を与えるところの種目であるとか、あるいは経理事務、そのようなものを特に設定いたしまして、中高年婦人を対象に二週間程度の講習をいたしております。
  120. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 前に御説明になりました八つの地方団体において家事訓練をやっておる、これは兵庫県の実例を若干存じておるのですが、私がさきにお尋ねしつつありますのは、やはりもっと高度な組織的な計画性を持った合理的なものを必要とする、こういうことでございます。いまの家事訓練などは、これは言うならば一種の社会のアフターサービスみたいな仕事でありまして、積極的に取り組んでいこうというのには、まだほど遠いのじゃないか、こう考えます。  そこで、やはり職種的に考えますと、第二次産業においては一体どういう計画を持っているのか、三次産業においてはどういう計画を持っておるのか。あまりむだな方面に訓練なんかすることは、厳として一線を画しておらなければならぬ、こういうように思いますので、その辺、これはあなたのほうの所管かあるいは他の所管か存じませんけれども、省といたしまして、第二次、第三次にも女性の天分、女性の独特な持ち前を活用していける場が相当広いんじゃないか、私はこう思うのです。さっき申した計算事務ですが、計算事務なんかのあのすばらしい手ぎわを見たら、とても荒くれた男ではまねができません。それほど女性の天下、そんなことを思いますと、これはすごいコンピューター時代に入ってくるのでありますから、かなり広いものがあるだろうと私は思うのです。これはやはり相当組織的に計画的にこの方面は充実さしていく必要があるんじゃないか、こう思うのですが、ことしの予算にどう組んでおるか知らぬけれども、特に日本はだんだんと労働が深刻化していくおりからだから、可能な範囲におきましてこの方面の開発を積極的にせられんことを私はひとつ御希望申し上げておきたいのです。これは訓練担当の局とも一緒におなりになりまして、省としての大きな基本線として打ち出されることを御希望申し上げておきます。ことし頭でも出しておりますかどうか、そのほうにいかれるかどうか、そこらをひとつはっきりしておきましょう。
  121. 石黒拓爾

    ○石黒政府委員 女子の訓練につきましては、従来は洋裁その他に片寄っておりましたが、最近は機械製図であるとか溶接といったような一般工業職種にも進出してきております。これはさらに推進いたしたいと存じます。ただし、これ自体といたしましてはさほどの予算を要しませんので、予算上には女子のための施設というものが特にあらわれておりません。
  122. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 なるべく溶接のようなあぶないところで手を切ったりやけどをしてしまったりするようなことのないような、女性独特の天下はあるんですから、そういうふうに御配慮されることを希望しておきたい。  それから、パートタイムの問題でございます。特に女性のです。これは非常に新しい労働補給源と  いたしましても大事でございますし、また、家庭と職場と両立させる上におきましても、経済をより豊かにするという意味におきましても、またむだに時間を費やさないという、一つの正しい生活のあり方から考えてみましても非常に大事なことだ、こう考えるのであります。そこで、パートタイムにつきまして、これは一般の普通の雇用なんかと違いますから、かなり自主的に女性なら女性が進んで行かれると思いますので、この面につきましても、もっと国があたたかくこれを推進するという面が相当残っておるんじゃないか。さりとて、パートタイムの世界にまで激しい労使対立みたいなそれを持ち込みましたら、別の新しい波紋が起こってまいりますが、さにあらずして、もっと人間性豊かな明るい職場というものがパートタイムのあの雇用の場でできるんじゃないだろうか。それは雇用の問題としても考えられるし、生活の問題としても考えられるし、これは相当充実したものを進めておられるかどうか。その辺について、ひとつ現状と計画等々説明してもらいたい。
  123. 高橋展子

    高橋(展)政府委員 女子のパートタイマーにつきましては、年々増加する傾向がございまして、また、今後の見通しといたしましても、ますますふえていくのではないか、まずそのように考えております。現状といたしましては、これらのパートタイマーの就業しております姿というものは、必ずしも先生おっしゃいましたように、明るく十分に能力を発揮して働いているという場合ばかりでもございませんで、労働条件の面その他でかなり不安定な要素も少なくないようでございます。  それで、私どもといたしましては、ここ数年パートタイマーの実態につきましての調査を続けまして、また、専門家の先生方に御委嘱いたしまして、これからのパートタイマー対策をどのように考えるべきかという専門的な御研究もお願いいたしましたところでございます。それらの調査研究の結果を参考にいたしまして、過般、婦人少年問題審議会の御審議をわずらわしまして、婦人少年問題審議会から今後における「女子パートタイム雇用の対策に関する建議」という建議を昨年の八月に、労働大臣並びに厚生大臣あての建議でございますが、ちょうだいいたしたところでございます。それで、この建議の趣旨に沿いまして、また省内でいろいろと検討いたしました結果、本年一月に女子パートタイムの対策に関する当面の方針を取りまとめまして、通達として第一線の婦人少年室に流したところでございます。その内容といたしますところは、女子のパートタイマーが、従来のように、いわばはんぱの労働力というふうな形で働くということでなくて、時間は短くとも、責任のある職業人として、その能力も十分に発揮して楽しく働ける、そのようなあり方を進めてまいりますために各般の行政指導を行なう、このような趣旨の建議でございまして、第一線の婦人少年室が、同じく第一線機関である職業安定所あるいは労働基準監督署等と連絡を密に保ちながらもろもろの行政指導をやっていく、このような趣旨の通達が出たところでございまして、そのような線で施策を進めております。
  124. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 パートタイムの雇用制度の場合に、たとえば子供を持った、赤ちゃんを持った女性に対しましては、保育事業が伴わなければなりません。それを個々の雇用者あるいは職場の経営者が負担するということではたいへんでございます。これらについて一種の公共性を持った保育施設をすべきではないだろうか。これが一点と、もう一点は、やっぱり家庭の主婦が大半でありますから、主婦となる以上は、家庭と両立し得るということを条件にしなければいけません。したがいまして、それについては相当別な配慮が必要ではないだろうか。経営営利主義、それはもう全然両立しませんというほどにまで、女性のパートタイムにつきましては、いまのような二面だけでも相当深い配慮が要る問題ではないだろうか。でなければ家庭をつぶしてしまうおそれもあります。子供もまた非行へ追いやってしまう危険もあります。そんなことも考える。この二点についてはどうですか。
  125. 高橋展子

    高橋(展)政府委員 第一の保育施設等の点でございます。  一般的に申しまして、パートタイムで就労する場合は、フルタイムで就労する場合よりは労働時間が短いということから、育児との両立はしやすいわけでございますが、しかし、もちろんパートタイマーといえども数時間にわたって家をあけるわけでございますので、幼児がいる場合には問題が多いわけでございます。それで、御指摘のように、これらのパートタイマーに幼児がおります場合、その子供たちの福祉がそこなわれないためには、保育施設が必要であることは当然でございまして、私どもといたしましても、保育所を所管なさいますところの厚生省に対しまして、その増設、また、その地域の実情に応じた個所に設置していただくような点につきましての要望を重ねておりますとともに、労働省といたしましても、働く婦人の家を増設いたしまして、その中で子供さんのお世話もできるようなそういう方向に持っていくことも検討しているところでございます。
  126. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 新しい方向にすでに着手しておられるかもわかりませんが、事業主体本位にあらずして、働く婦人それ自身を本位としまして一つの職場をつくる。ここに五十人のパートタイマーがおる。午前働く人、午後働く人、三時間の人、五時間の人、それぞれありますと、それ自体が一つの経営体となる、こういうような施設をもしするならば、これはやはりしかるべく資金を供給するとか、建物について低利もしくは無利息の金を貸しましょう、何かこういうものを積極的に援助するという必要はないだろうか。この意味は、経営陣がパートタイマーを雇い入れをするということにあらずして、パートタイマーの婦人たちを主にした、社団ではないけれども、組合みたいなものをつくろうというようなものに対しましては、積極的な新しい援助施設があってしかるべきではないかと思うのですが、それをやっているかまだか知りませんけれども、まだなら、大事な問題ですから——この点は、現に私が若干関係いたしましたものも一つあるので、こんなことを言うのです。実情を知っておりますからそう言うのですが、こういう辺についてはいかがなものでしょうか。
  127. 高橋展子

    高橋(展)政府委員 現在のところ、そのような形のものについて私ども直接指導しているということはございませんのですが、今後の課題として研究させていただきたいと思います。
  128. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 終わりまするので、ひとつ資料として出してもらいたいのです。  婦人、特に家庭婦人のパートタイマーというものは、労働給源の面としても大事ですけれども、新しい生活要素、新しい生活を建設するという、新しい家庭の建設の一つのあり方としましてとらえてみたい。たとえば、最近の団地生活がどんどんとふえていきまする住宅街の団地の奥さん方が、もし明るい、感じのよい、いろいろな意味において清潔な場で一日に何時間か働いて、社会的にも経済的にも貢献するし、みずからの生活も豊かにするということができる、そんなことがあちらこちらに続出しましたら、これは一種の経済体としても、またそういう生活のあり方としても大事ですから、いまの女性のパートタイマーについての実情について、何かあちらこちらに資料がございましたらひとつ届けてもらいたいと思うのです。いまのところなければかまいませんですが、お願いしておきます。  それから、これもひとつ、時間がなくなりましたので資料としてお出し願っておきたい、こう思うのですが、身体障害者の問題ですね。身体障害者のリハビリテーションは非常に重要なことであることは申すまでもありません。交通禍がだんだん激増の日本の現状でございますので、身障者がどんどんとふえていきつつあります。これの職業訓練は相当にまた苦労も要りますけれども、こまやかな配慮のもとに指導をしなければいかぬと私見ておりますので、この身障者の職業訓練につきましては、しばしば身体障害者雇用審議会からも数回にわたって答申も出ておるようなことでございますから、政府は積極的に手をつけておることは存じております。存じておりまするが、ひとつ資料といたしまして、これ専門の施設、それからこの対象人員、施設内容の状況運営の実態というものはつかんでおられると思うのですけれども、労働省としておまとめになっていなければ、まとめていただきまして、これも委員会参考にすべきだと思いますので、当委員会にお出し願いたいと思います。ひとつよろしくこれは御要請申し上げておきます。  いろいろと伺ってみたいのですが、時間がございませんから省略いたしておきます。出ましたら、委員長、お取り計らいをしかるべくお願いいたします。  私の質疑はこれで終わります。
  129. 濱野清吾

    濱野委員長 次回は公報をもってお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十五分散会