○曽祢
委員 そこで問題の中心は、何といっても核心はこれだと思うのですね。
台湾と朝鮮。そこで私は朝鮮についても、
武力攻撃があった場合に
云々。これは一応引用ですが、確かに
武力攻撃、一九五〇年型の本格的な
武力攻撃があれば、これは国連の問題にもなりますし、世界世論が――そういうことはちょっとあまり考えられないのですけれ
ども、現在の
国際情勢から見て北鮮側がそういう意思でまた単独にそれを遂行するということはちょっと考えられませんが、もしそういう場合には
日本の世論もやはり武力によって侵略戦争をやるというようなことに対してやはり防衛側に回るということにおおむね賛成すると思うのですね。しかし問題はそう簡単にすかっとした五〇年型の武力侵略が来たからやるのではなくて、いろいろゲリラがあるとか、さみだれ的に治安が乱れる、いろいろなことと、もう
一つはやはりEC121型偵察機の問題とかあるいはプエブロ号みたいな何というか一種の国境紛争的な偶発的な、それがかりに
アメリカの言うとおり北鮮側のヒット・アンド・ランで、公海、公空に出てきてそれをたたいてさっと引っ込んだ。それを行動がけしからぬと言う。けしからぬかどうかば別として、そういうことで直ちに報復するということから武力衝突が起こる。そういうのも全部
武力攻撃だというふうに
政府は考えておられるんじゃないと思うのですけれ
ども、
アメリカ側の期待があまりに今度ははっきりと、もうイエスと言うのも寸前のところまで来ているんだ。そこから先は何と言われても
議員さんに、
日本の
政府は必ずしもイエスと予約しているとはこれは当然言わないんですが、それと同然なくらいに、韓国に対する
武力攻撃、あるいは
台湾海峡において中共側が軍事的に――そういう能力がいまあるとも思わないし、海空軍をもって
台湾に攻撃を加えるなんていうことはあり得ないと思うけれ
ども、あった場合を想定すると、
アメリカが防戦に立てば何でも無条件にそれを直ちにイエスと言うんだ。そういうあやしい危険なことも出ているんですよ。たとえば
サイミントン議員が「国連の決定まで待っていればおくれる」――これは朝鮮の場合ですよ――「まず行動してから相談してよいか」。それに対してさすがに次官は「まず相談が必要だ。」ただし相談して、
事前協議は必要だということは認めているけれ
ども、その
事前協議に対する総理
大臣のかまえは、
武力攻撃だったらいつでもイエスと言わんばかりでは、私は
国民としてそこに危険を感ずる。
武力攻撃にしてもいろいろな形があり得る。いわゆる陸上戦闘を中心とする本格的な戦争という場合と国境紛争的な場合とはよほど違って、慎重なレスポンスをやらないと、とんでもない。私はそこに問題の中心があると思う。その点についての基本的な
態度が、従来ともあまり明確じゃないですよ。国連の決定があればいいというようなことで、国連の決定がない場合には、一体どの程度で
日本がイエスを言うか、ノーを言うか。あなたはケース・バイ・ケースと言うけれ
ども、理論的というか、基本的には軽々しくイエスと言うべきではないという基本の考えを貫いていただきたい。時間がないそうですから残念でたまらないのだけれ
ども、ぼくは非常にいいことをやっているつもりなんだ、
日本国民のために。だから関連して
お尋ねします。これは同僚
正木委員も触れられたところですが、ケース・バイ・ケースについてひとつ
お答え願いたい。つまり今度の
事前協議、朝鮮、
台湾等の
事前協議のところでやはり相当心配な点があります。戦闘作戦行動で、こういう場合には
事前協議ではないかというようなことについて一々このケースをあげていますから、これは必ずしもいままでの
解釈どおりではないと私は思うのです。艦艇が戦闘作戦に向かう途中または帰途に
日本基地を訪れる場合には
事前協議の要なし。艦艇である場合には戦闘作戦行動に直接出ていってもかまわない。そうして血にまみれたエンタープライズが
日本に帰ってくることをあたりまえだというセンスは、少し
日本人の常識に反するのじゃないか。従来
政府としては、
日本を出航してから作戦命令をあとで受け取るのだというような、艦艇の場合には、飛行機のように待ったなしじゃありませんからと言いのがれをしておったのですけれ
ども、艦艇が戦闘作戦に向かう途中に、または帰途に
日本の基地を訪れる場合には、戦闘作戦行動に行く場合にも、戦闘作戦から帰る場合にも、艦艇の場合にはいつでも
事前協議が必要ないという
解釈は、私はどうも納得できない。
第二は、米軍機が
日本から、または
日本を経由して外国の基地に移り、そこから戦闘行為に携わる場合、これは
事前協議の要なし。これは残念ながらいままでそういうことを言って、とにかく
沖繩とか韓国に寄った場合には、そこであれが続かなくなるから戦闘作戦行動じゃないという
解釈、これは非常に心配であるけれ
ども、これは従来のあれと変わらないかもしれませんが、その点も確認してほしい。航空機の場合には、
日本を経由してとにかく外国の基地に一たん移ってからの戦闘作戦行動ならちっともかまわないという
解釈、これははっきりしていますよ。これでいいんですか。
それから第三は、公海上で困難に遭遇している艦艇または航空機に対する救援または護衛のための出動、これも
事前協議の要なし。これは
正木委員も指摘されたが、向こうさんも六九年の四月二十四日の本院本
会議における総理の答弁を引用しているのですけれ
ども、しかし総理のほうは、権利は別として、あまりエスコートなんかついてくれるなというほうが強かったと思う。
事前協議の必要がないからと言っているうちに、救援に行ったものが実際に戦争への口火を切ってしまうということもあり得るので、そう簡単に護衛ならいいのだということを言うのは私は危険じゃないかと思う。そういう点で、いままでの
解釈でいいかどうか。
以上の点と、根本にいま申し上げた朝鮮の事態に対してそう簡単に、
武力攻撃をした場合にはすぐにオーケーだと言わんばかりのことは、もっと私はしぼって、はっきりした侵略の認定というようなことなしに、すぐイエスを言うということはいけない。いつでもノーだという
態度も私は正しくないと思う。やはり侵略という問題に対して、国連が防御というような場合があり得るのですから、いつも必ずノーだと言うことは私はないと思う。しかし朝鮮の事態だけは、何でも
武力攻撃があればイエスと言う
態度は非常に危険だと思うので、この点について
お答えを願いたいのです。
あとB52だとかあるいは
沖繩のあれが延びる場合、あるいは
核兵器の
持ち込み等がありますけれ
ども、これはいろいろもっと引用すると
政府の痛いような言い方をしているところもございますが、しかしそれはもう時間の
関係で私はできませんから、いまの朝鮮に対する
武力攻撃というものをどういうふうにわれわれは限定していくべきか。それからいま申し上げたような
事前協議の
対象になる場合、ならない非常に微妙な艦船及び航空機の出動について、向こう側の
解釈がぴったり合うかどうか、その点に対する
お答えを願いたいと思います。