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加藤(清)
委員 お説のとおりでございます。あなたのおっしゃるフランクという
意味が、長いか短いか私は知りません。フランクということばはわかりませんが、私は、最も平和的に友好裏に
アメリカの方々と資料を交換し合いました。その資料を持ってまいりました。この資料は、私がでっち上げたものではございません。
アメリカの権威のある
調査団の発表でございます。
日本の
調査団の
調査ではございません。ごらんください。これは大きいですから、そっちの事務の方、ここへ来て持ってください。速記の方がわかるようにあれしなければならないので、もう一人来て、つってくださらぬか。
これは
米国繊維産業雇用者の推移でございます。私がつくったデータではありません。これによりますと、一九六〇年の十二月以降の
アメリカの繊維雇用者、これを示しておりまするが、二百四十二万人、この数を突破しておりまするけれ
ども、これは
アメリカの開聞以来の繊維の雇用者の数であります。ここで輸入のおかげで
——日本からいえば輸出のおかげで、黒人の雇用が減ったの何のという声がございますけれ
ども、それは部分的にはあったでございましょう。しかしそれは黒人が職場へ就職しますと、その周辺にいた白人がかわっていっちゃうのです。白人があるポジションを押えますと、今度は黒人が逃げる、そういうものであって、不況による退職ではないのです。すなわち責任は、
日本の繊維製品にはないということなんです。これはもう
大臣、釈迦に説法の感でございますけれ
ども、インジュリー、インジュリーというのはあいまいもことしておりまするから、私は、申し上げるわけであります。
これは
米国繊維産業の生産指数でございます。たいへんな伸び率でございます、一九六八年から。この十一月には、これも
アメリカ建ち始まって以来最高でございます。
年数はずっと一九六一年から出ております。これを確かめるために、私は去年のものは出しておりません。
これは
米国繊維産業の利益水準
——利益でございます。これもこんな伸び方でございます。一時下がったことがありまするけれ
ども、これはごく手近なデータによればどんどん伸びておる。これはケネディさんの繊維産業界に対する施策のよかったことを示す一例にも使われております。非常な伸び率でございます。
次は、化合繊の国内消費量、輸出入量の対比であります。これもよく見ていただきたい。これを制限しようとしておるわけです。これにインジュリーがあるというのです。これで見ますと、これは国内消費の伸び率でございますが、
アメリカもずいぶんこの繊維の消費は伸びておる。ところがここを見てください。
アメリカの繊維製品の輸出があります、
アメリカの繊維製品の輸入が出ております。この輸入のほんの一部が
日本の占めるシェアでございます。この全部じゃありませんよ、一部ですよ。この伸び率を見てください。一九六一年において、
日本の化合繊の
アメリカへの輸出量は、全体で二%ないのですが、そのうちの三〇%ですから、〇・六%しかないわけです。〇・六%ということは、日数にいたしまして三百六十五日の二日分ないということです。どこにインジュリーがあるか。伸びた、伸びたといわれます。一九六七年、なるほど伸びてきている。確かに二%であったものが四%に伸びているから、この伸び率は倍ということがいえます。しかし倍に伸びたとしても全体で五%以下でございます。この中に占める
日本の量は、この年においてわずか三五、六%でございます。しまするというと、全体の四%のうちのかりに四〇%とすれば、一・六%ということになるわけです。一・六%は日にちの
使用量にして一週間ないということであります。三百六十五日のうちの一週間分を出していない、ワイシャツにしてもブラウスにしても。それがどうして相手方にインジュリーを与えるでございましょう。この結果、
アメリカの紡織産業の売れ行き、繊維産業の売れ行きはどんどん伸びておる。私はこういうデータをたくさん持っております。いまあちらの私の部屋へ行けば、どんと積んであります。どこに
日本の繊維輸出の被害が発見できるでございましょうか。どうやったらインジュリーが発見できるでございましょう。どこにもございません。しかるがゆえに、
現地に行かれました高橋ミッションも私のデータと同じ報告をしていらっしゃるわけでございます。あえて私はこの際、このデータを提供してくれた
アメリカの友人の名前をここで売ろうとは思いません。しかしあなたのおっしゃるとおり、私は、それこそあなたのことばを借りていえばフランクに、きわめて平和裏に、きわめて友好裏に実態を把握しているのでございます。しかもこのデータの基礎は、学者の研究だけではございません。実質にかの地においてその業を営んでいらっしゃる
人たちがデータづくりに参加してでき上がったデータでございます。こう
考えてみまするというと、インジュリーはどこにもないと私は断定せざるを得ませんし、そう断定した高橋ミッションの報告は正しいと私は認めているわけでございます。
関係業界の専門家の方々もこれまた一致した意見でございます。これをあなたは否定なさいますか、それとも肯定なさいますか。