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曽祢委員 わが国の
漁業が非常に能率がいいという
関係で必ずしも沿岸諸国等から歓迎されないところがありますが、合理的な基礎において
資源保存等のために協力する、既存の
国際条約なりあるいは新たにFAO、国連食糧農業機関等のあっせんによる
条約に加盟することも私は一がい
に反対というわけじゃむろんないわけです。ただ、あまり安易に規制
条約に入ることはいかがかという
感じもしないでもない。たとえば今度の
三つの
地域につきましても、それぞれ歴史的条件も
わが国漁業の現在における発展の状況も、これからのことは私
どもしろうとうではなかなかわかりませんが、ずいぶん違うのじゃないか。いろいろ
条約の
提案理由の
説明になると、型のごとく結局は「
わが国といたしましても、今般この
条約に
加入することによりまして、
漁業における国際協調に貢献することのみならず、将来における
わが国の
漁業の安定した発展をはかることができると
考える」全部これで結ばれているわけなんで、まさにそうかもしれないが、たとえば
南東大西洋の場合には、たしか近年
わが国がぐんぐん押していったところだし、
沿岸国がいわば新興国とでもいうべきところだし、またトロール
漁業の急速な発展によって確かに同
漁業の
生物資源に及ぼす
影響が懸念されるということは事実だろうというような
関係から、
わが国も積極的に入る
意味があるように思うけれ
ども、たとえばあと
二つの
北西大西洋の漁場のごときは、これは何といっても北ヨーロッパ諸国あるいはアメリカ、カナダ等の北大西洋沿岸諸国とでも申しますか、伝統的な
漁業国の漁場であって、はたして
日本がそこに今後どれだけの
見通しがあるのかないのか。ここに言っておられるように、従来は小規模であった、だから加盟しておらなかった、今後は相当数の漁船の出漁が予想される云々、それで結局国際協調で入るのだ。それから
全米熱帯まぐろ類のあれにつきましても、まだ実際上は非常に限られた出漁の程度であったわけですね。したがって従来この
条約に加盟しておらなかったのですけれ
ども、「今後は、この
水域での
わが国漁船による規制
対象魚種の本格的
漁獲活動が予想されます」私が漁船労協や全
日本海員組合等から聞いたところによると、アメリカのマグロ
漁業には
日本式の
漁業じゃかなわないんだということも聞いております。一がいに私はいけないと言うのじゃないが、あまりに通り一ぺんで、国際協調だから何でも既存の
条約に入るんだ。具体的な必要と今後の発展に対する
見通し上あるいはこれに入らなければ
日本が非常に規制されるからやむを得ず
——これは
日本の各方面においてそういうことがありますね。北太平洋においても日米加
漁業三国
条約もあるし、
ソ連との間のやっかいな、魚種を限ってのいろいろの
漁業協定、これはせざるを得ない。またその他の
地域においても、先ほど例が出たニュージーランドやメキシコ、方々にそういう例がある。今度の
条約について何だか緊切性が足りないような
——その中で
南東大西洋の西アフリカの南と西沿岸のところだけは確かに必要だな、また入ったほうが利益だというふうに
考えますが、これはどうなんですか。具体的には農林省だと思いますけれ
ども、外務大臣、必要がないと言ってはあれですけれ
ども、入ったらほんとうに得なんだというのがあるのでしょうか、ちょっとその点を御
説明願いたい。