○大野説明員 大野でございます。ただいまから申し上げますことは、これは私は
委員会で打ち合わせてきておりませんので、
委員の一人として個人的な見解を述べるというふうにお聞き取りを願いたいのであります。
まず
宇宙開発委員会が従来の三条
委員会と違って能動的な権能を与えられているというか、相当進んだ
委員会であるということについては、先ほど来御発言がございましたとおりでございますが、ただそれでいいのかどうかという問題になりますと、これは率直に申し上げまして問題があります。たとえば、
宇宙開発委員会は
宇宙開発に関する重要な
事項を自分で
企画し調査し
審議し決定すると、こうありますが、この決定というのはあくまでも
委員会の内部の決定なんですね。決定したことが即執行力を持ついわゆる
行政機関の決定とは全然違います。決定して、必要あれば
内閣総理大臣に
意見を具申するわけです。決定の線に沿って
内閣総理大臣は
意見を尊重すべしという
法律の規定がありますが、尊重すべしということばは非常にニュアンスがあります。それは
内閣総理大臣は一国の国政を総覧されて重い責任を持っておられるのでありますから、
予算の面ばかりでなく、いろいろな面を総合勘案されて取り上げるべきものと取り上げるべからざるものとの判断をなさるのは当然でありますから、そこで
宇宙開発委員会が決定したから何もかも全部そのとおりに取り上げて、このとおりにやれと命令を下される立場にはないし、そういうことはまた期待してはいけないんだと思います。ですから、私はそういう
意味でならば、現在の
宇宙委員会の作用といいますか、それは非常にもっともなところに落ちついていると思います。ですから、現在の日本全体の国政の仕組み、そういうことから考えますと、かつてありましたような電波監理
委員会、あれのように、それ自体が
一つの
委員会ではあるけれ
ども、
行政機関で決定したことは即直ちに
行政的
効果を発揮して、そしてそれが実施されるというようなものでなかったことは、今日の国政の全体の機構、仕組みから見まして、これは常識的に納得のできる線だと思います。しかし、
委員会はみずから
企画し、
審議し、決定する、何でもできるというふうにお考えになったら、これは大きな間違いであります。限界があります。ですから、そういうことではいかぬじゃないかというお考えが出るのは当然であります。しかし、それは出るとすればそういう
一つの
意見である。しかし私は、全体の国政の仕組みとの調和ということを考えれば現在の仕組みはまず望み得る一番いい機構ではないか、かように考えております。
以上は個人的な
意見でございます。