○林(百)
委員 愛知・マイヤー
交換公文に基づいてただいまわれわれが
法律案を国会で審議するのですから、その基本である
愛知・マイヤー
交換公文、これは明らかに条約でありますし、それからどういう
性格の条約かということは後に申しますけれども、これは民主的
考え方からいえば当然国会の承認を要するものだと思うわけなんです。
その
理由は、実は昭和三十九年三月十八日の当院の外務
委員会で藤崎元条約
局長は、条約
——これは
交換公文を含めての条約、要するに
交換公文の場合であっても、「
法律事項を含む条約」「予算または
法律で認められている以上に国の
財政負担をもたらすような条項を含む条約」、「
法律事項または
財政条項を含んでおらなくても、政治的な重要性があると認められるもの」は、これは
行政権の範囲内で
処理し得ないものだ、こういう
意味のことを、これは
佐藤前条約
局長、藤崎元条約
局長、いずれもそう言っているわけですね。ここにおいでですか。−この限りではあなたはいいことを言っていると思うのです。
そこで、この
愛知・マイヤー
交換公文を見ますと、これは第一に、
佐藤・ニクソン
共同声明に基づいて取りかわされているものであって、政治的に非常に重要性を持っている。しかもこの
共同声明自体が国会の承認を得ておらない。これは
日本の国の安全保障にとって、将来非常に重要な影響を及ぼすものですけれども、これ自体が承認を経ておりませんけれども、この重要な
共同声明から端を発しておる。第二は、
日米協議委員会の
設置及び一九六五年の
日米協議委員会の
権限についての拡大が、
愛知・マイヤー
交換公文には明らかに
規定されておるわけなんですね。「
日米協議委員会の機能は、同
協議委員会が
復帰準備に対する全般的責任を負うものとしてここに拡大される。」これは言うまでもなく、この
交換公文の中にあるわけなんです。それから第三には、この「
協議委員会が策定する原則及び指針に従って」
現地で
日米両
政府間の
協議、
調整を行なう
準備委員会の
設置とその任務をきめている。これは、いずれを見ましても、
佐藤前条約
局長あるいは藤崎元条約
局長の解釈から申しましても、こういうものは当然国会の承認を経るべきものである。そうでありませんと、こうやって
協議委員会の
権限が拡大して、そして
日米共同声明も国会にかけられない。
愛知・マイヤー
交換公文も国会にかけられない。それに基づいてつくられた、拡大された
協議委員会も、何をするか、これも国会にかけられない。それを補佐する
準備委員会も国会にかけられないということになると、
沖繩の
復帰問題は、全然国会の承認を経ずしてどんどん進行することができる。こういうことから私は、当然、
愛知・マイヤー
交換公文は国会の承認を要するべきものだ。しかもいま審議している
臨時措置法案が成立しない以前でも、
政府は、この二十四日にもう
準備委員会を開こうとしているわけですね。そうすると、ますます
愛知さんともあろう方が、国会を軽視するもはなはだしいといわざるを得ないわけなんです。すなわちこの重要な内容を持つ
交換公文を国会にかけないということは、
沖繩の
復帰準備に関する一切のことが国会の承認を経ることなくして、
国民の十分目の届かないところで進められることを
意味しておる。政治的にはですよ。したがって、あらためて
愛知・マイヤー
交換公文は当然国会にかけるべきものだというように私たち考えるのですけれども、あなたともあろう人が、どうしてもっとちゃんとこれを国会にかけて承認を経るという手続をとらないのですか。