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山中国務大臣 私が全部何でも答弁しちゃうので事務当局はときに答弁をしたいらしいということもちらっと聞きましたので、現在解雇された人たちに対して、米軍並びに
琉球政府等のとっておりまする措置、人数あるいはそれに対して応募した、希望表明をした人たち、私もわかっておりますがこれは
特連局長にその栄誉を譲ることにいたしまして、私としては全体的な展望から見て、全軍労の方たちの年齢等の大体の推定からいたしましても、やはり
現地に再雇用の場を求めるということは最も正しい。
本土産業がいろいろと求人に行っております。しかし新卒業者は別でありますが、なかなか思うような求人率が達成できないでいる。そういうことから見ますと、内地において同じような全駐労の整理が進んでおりますが、この方面の再就職が比較的順調なのに比べてなぜだろうという問題は、単に渡航が云々という問題等を越えた問題として、働き手の本人だけが
本土の産業に就職の場を得ればそれでいいというものでないのではないか。すなわち、かつて私
どもは、炭鉱労働者の再就職の場合に、集団炭労住宅の生活になれた人々がばらばらに行くのはたいへんだろうというので、受け入れ側に集団住宅をつくったりあるいは旅費のめんどうを見たりいろいろなことをしたことがありますが、要するに、家族ぐるみ再就職の場があり得るならという可能性もあるかと思いますが、そのようなことに着目して家族ぐるみ三百ないし四百くらいの規模で住宅を提供するからという
日本内地の企業の申し出も一、二ありました。ただそれに対してこれから乗ってこられるかどうかの問題がありましょうが、私としてはやはり島内産業の中に自然に入っていただくことが一番いいことだと思うのです。一方
復帰色といいますか、一九七二年
復帰がセットされることに伴って、先ほど来
経済上のいろいろな不安、動揺というものが伴って、
沖繩の現在の形態で存在をしておる企業の求人意欲、少し鈍っております。これはもうはっきり出ておりますから、これも
局長に答弁させますが、そのような背景はこれは肯定せざるを得ない
心配のあるところだろうと思います。したがって、一般のいままでの既存産業に現在までのような再就職なり求人率というものをすぐに期待することは、いまの現象からは無理じゃないかと存じます。
そこで、今回大臣に就任してすぐ予算の追加要求を大蔵省に何項目もいたしまして、何とかそれを決定できたのでありますけれ
ども、その
一つに御承知の主要五島循環道路というものがあります。これは相当規模の短期間の投資でありますから、これらのところに全軍労の従事者であった
方々が、ホワイトカラーであった人々まで全部筋肉労働ができようとは私も思いませんが、この場で私がいつか申しましたように、台湾で大量の職業軍人の失業が発生しかかったときに、横断道路というもので相当期間の退職金なり再就職雇用手当以外の就職の道を与えたということ等も
現実にいいことはまたいいとして見なければなりませんので、今回の五島循環道路が七二年をめどに大急ぎで突貫工事をやりますので、本島においては資材、人員ともに大体充足されることはだいじょうぶだと思っておりますけれ
ども、先島においては、ことに西表島も同じようなスピードで工事量を消化するためには、どうしても企業ぐるみということは——建設業ですね、あるいは資材ぐるみ、人間ぐるみ、業者ぐるみ、あるいはまたホワイトカラーの能力を持つ人はそういう人ぐるみやはりそれぞれの島にわたってもらいませんと、おそらく消化できないだろうと思っております。その
意味で、建設省に頼みまして、近く
琉球政府のそのような担当者との相談、それから業界の消化能力というようなものも指導助言をすることにさしておりますが、それらのものに少なくとも向こう三年くらいの間吸収されていくことがあり得るならば、それはたいへん私としては——そのために五島循環道路をつくるのではありませんけれ
ども、おそらく役に立つであろうことは、予算要求の際にも大蔵省に再三このことを
説明しておいた経緯もありますので、そういうことも何らかの助けになろうかと
考えます。