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井野委員 実は、そうあるべきものでありますが、この
再建計画案にしろ、この特別措置法にしろ、ある日突然できたのではなくして、衆知を集めて論議をされて出た結果であり、これを策定される過程の中に、
大臣もまたその
責任なしとはしないわけです。この中でも述べておられますように、国
会議員としてそれは知らなかったということにはならぬわけですが、
大臣になられてくるとあっさりと否定をされたので、少々驚いたというのは、こういう
意味なんです。
それにも増して、磯崎
総裁のほうはそうはまいらないわけです。私、実は先ほど時間の都合で当局の方にはいろいろお尋ねはしましたけれ
ども、私は、あの
委員会を終わって北海道に帰って遊説をしておるときに、北海道で
新聞を開いてみますと、定例記者会見で、これは
総裁が言われたのか言われないのかは別として、
新聞にはこう載ったわけです。
国鉄再建については、
高架下敷地の利用とか、あるいは不用用地等の利用によって、ターミナルあるいは倉庫等をやって
財政再建に寄与したい。あたかもこれで
財政再建ができるような印象の記事になっておったのですよ。おっしゃったかどうか、それは別
問題です。
そこで私は、それだけ
総裁が言われるのだったら、
高架下敷地の
内容は
一体どうなっておるのだろうか、この不用用地の利用はどうなっているのだろうといろいろお尋ねをしてみたところが、さっぱりそんな大きな
数字になるような
内容にはなっていない。それのみならず、実は先ほ
ども確かめてみましたところが、東京の有楽町、新橋の付近ですら、平米が年間たった六百十五円という安い金で貸されておって、会社自体は五年間の間にものすごい資本蓄積になっておるが、
国鉄にははね返ってくるような組織になっていない。それのみならず
国鉄は貸しっぱなしであって、
管理についても、法律的にこれができるような仕組みになってはいない。
こういうような現況を踏まえながら、かりに
総裁がそういうことを言われたとしたら、思いつきもいいところだ。この計画も思いつきなら、この次に言われることも、
大臣の
発言を踏まえて言われたことも、また思いつきもいいところだ。そこへもってきて、佐藤さんの四選のお祝いに持っていく、それが安産のお祝いだなんて出てくると、
総裁は、
大臣がおやめになっても続けられるつもりだろうかなという心配が出てきますが、
橋本大臣はやめてしまっても方針は継がれるだろうと思うし、またぞろこの亡霊が出てくるんじゃないか、こういう気がいたします。ここでは笑い話でございますけれ
ども、地方では笑い話ではないんですよ。
私は、
大臣のことばを信頼して、赤字線でも、今日生活が依拠している鉄道は、どうやら残してもらえるんじゃないだろうか、あるいは国の負担とか
地方公共団体の負担とかいろんなことを言っても、これは地方財政の赤字で困っている団体なんですから、そこのところは、これらも含めて何らかの措置があるんじゃないだろうかと期待をしておる。橋本さんは
大臣をやめて磯崎さんだけ残った、首切りが第一だということは
新聞に出ているわけです。これは磯崎さんが言ったんじゃなくて、自民党内部の二段方式が出ておる。こういうようなことで、
国鉄再建案をめぐって国民は非常な不安になっているのですよ。
だから、
大臣が言われるように、おまえたちも力を貸せと言われるんだったら、この
運輸委員会の中に特別の
委員会でも設けて
——私が
資料要求しても、ろくすっぽな
資料しか出てきません。たとえば
高架下敷地のところの決算書を出せと言えば、貸借対照表だけではその明細がなかったらわかるもんじゃないのです。そういうものは
一つも出してこない。聞いたら
一つ一つぽつぽつ教える
程度です。こういうようなことで、ほんとうに国民の合意を得た、そして
国鉄の使命を問い直したところの
再建計画はできると思うかできないと思うか、この点ひとつ
大臣、たとえ
大臣をやめられても、自民党内の構成員で与党の大ものなんですから、その辺はどういうふうに処理されるおつもりか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。