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内藤委員 それじゃこの米軍の車も特別扱いはしないということですね。
そこで聞きたい問題は、ちょっとお話ししましたように、立川なり横田なり府中にありまするBXのガレージが、五月一ぱいでこれをやめて、そして今度は民間の業者にかわってやらせる、こういうことで、いま従業員の問題が出て、これはトラブルになっております。雇用主は
日本政府のようであります。それはさておいて、この三カ所のガレージでやっておりましたのが、いわゆる私有車が一万台くらいあるそうです。この三カ所で約八十名の方々が働いておった。そしてその設備といいますのは、一級の整備工場のような程度のあれで整備をやっておったわけですね。ところが、それをやめて今度どういうぐあいにするかといいますと、ある方、これは外人であるそうであるけれども、外人は整備事業ができないということで、おめかけさんか奥さんかわからぬが、
日本人の女性の名前で整備工場というものをつくって、その方が米軍と契約をされた、こういうことなんであります。ところが、その一万台あるいは八十人という人数で整備しておりましたいままでのあれから見ますと、今度契約された整備工場というものは、
陸運事務所、
陸運当局の認証を経たわけでありましょうが、従業員は四人くらいの、しかも中古自動車の仲買いというかそういう方で、いままで整備工場の経験がない方だ。ところが、その方が
陸運局なり
陸運事務所の認証を得て、整備工場ということで、一万台、八十人のいままでの整備の仕事にかわって請け負ってやるというわけです。
〔
委員長退席、加藤(六)
委員長代理着席〕
だから、はたから見ると、いままでのガレージの施設から見ると、全然できないような整備工場の内容が今度契約をされて、そして米軍の家族の自家用車を整備して安全を保っていこう、こういうことになるわけでありますが、どうもいままでの風評も、これは風評というぐあいに私言っておきますが、米国人の私有者の車検は、
日本人の車検よりも非常に簡単にやってしまう、こういう話があるわけです。たとえば、これはものの例ですから当たらぬかもしれぬけれども、一般の車検の場合は一万八千円くらいかかるそうですね。ところが、このBX関係の米軍のいわゆる私有車の登録の場合は五十セントくらいだ。だから百八十円くらいですね。非常に費用がかからない。百分の一程度のそういう経費である。片方国内の
日本人は一万八千円、米人の私有車は百八十円くらいだ。百分の一程度の経費であるせいか、この種の車両の車検はきわめてどんどんやってしまう、厳格な検査をしないという話があるわけです。だから、そういう話がある中で、いまのような切りかえによって、そして一万台からある車を八十人からの方で、しかも一級の資格を持っている方とか、あるいはそれ相当の機械を持ってやっておった、そういう検査の機構から、今度自動車の中古車の売買業者で、従業員は四人程度よりおらない、しかも施設的なものは何もない、ただ整備法で認証される程度の設備の内容、そういうところに契約して、そうして整備してそれを車検を受けさす、こういうかっこうになります。そこで、やはり問題になるのは、それではたして車の安全というものが、いわゆる車体の整備からくる安全というものが保たれるかどうか、客観的に見て。だから私は、きのう課長さんにも聞いたけれども、課長さんは、整備の工場というものは、免許とか認可とかいう厳格なものではなくて、ある一定の施設があると認証されるんだ、だからきわめて簡単なものだということを言っておるわけであります。だから、契約をした業者の方が、その整備関係の認証を受けるような条件は持っておったかもしれません。四人しかおらなくても、あるいは幾らかの機械を持って、あるスペースを持っておれば、これは認証に該当したかもしれません。そこでそれは合法でございましょう。ところが、実際その方が契約をされておる。米軍の車両関係といいますと、私有車が約一万台ある。いままで約八十人の方々がその整備をやってきておる。それを代行するものとして、いまのように全然経験のない、わずか四人程度の従業員を持っておる方が、どういうチェックのしかたで認証されたかわからぬけれども、この大きな仕事をうまく完全に整備して、そうして厳格な車検を通って安全な車として、いわゆる一般の交通に用いることができるかどうか、こういうことが私は
一つの問題点になるんじゃないかと思っているわけです。これはいままでどおりの八十人くらいのBXのガレージの設備を持つということになりますと、一級の整備工場ということで、一級の整備工場は三人の主任の検査員がおって、最低二十名の国家検定の有資格者がおって、そのほかに五十名くらいの一般の修理工がおって、それで初めていままでの仕事をやっていけるような状態になるんじゃないか、こういわれているわけです。だから、これはちょっと法律的にはなかなか——この工場整備の関係は一応認証になる、該当すべきものと思います。ただ、いままでそういう状態でやっておったものを今度その方に契約を切りかえする。ところが、切りかえされた相手が、一応整備関係の認証は受けているけれども、しかし、実際の需要と供給の関係から見ると、なかなかマッチできないような状態になっているのではないか。そういう中で契約をするということはどういうことか。これは牽強付会ということばがあるけれども、そういう程度の整備工場と契約して一万台の車を整備して、二年に一ぺんの厳格な車検を受けていくというぐあいになることはちょっとなかなか考えられないわけだ。だから私の言いたいのは、そういうことから、くどいようだが、米軍関係の私有車の車検は、さっきの話じゃないけれども、
日本人は一万八千円取られるけれども、米人は百八十円程度でおさまっている、そういう関係から、どうも車検をやるという名目のもとに実際はあまりやらぬのではないか、こういううわさのような話も当たるのではないかなというぐあいに私は心配するわけです。
〔加藤(六)
委員長代理退席、
委員長着席〕
いまのような経過で、その場合に整備が不完全で、もうほとんど車検らしい車検をしないで、その車が街頭に出た場合に、この米人の運転する車が、国内の交通安全という面から見ますと、どういう結果を来たすか、これはやはり大きな問題点にもなるのではないかと思うわけであります。
一つこういう声があります。立川市の交通相談所の意見でありますが、「米軍
当局が従業員が四人しかいない整備工場と、府中、立川、横田の三つの一級整備工場の委託
経営の契約をしたなどということは全く信じられないようなことです。もし事実ならそれはたいへんな暴挙で、きっと
陸運局は認可しないでしょう。米兵の交通事故の補償問題はたいへんめんどうなことで、通勤途上での事故、公務中ということで交渉が軍
当局となり、また平常飲酒の癖がある者は酒酔い運転と認めず等々と全くめんどうなものです。もしこういうことが事実となってあらわれてくるとするならば、全く驚くべきことで困った問題と思います」こういう
一つの意見があるわけです。だから私の言いたいのは、整備工場は、あるいはこれはきわめて簡単な条件をチェックされて認証されれば、これは合法でございましょう。ただ、いま出ておる問題の中で、どうもうわさのように、車検がきわめて簡単にやられて、そして四人くらいの非常に弱い内容の整備工場で整備した車がどんどん市内に出て歩いた場合に、交通事故という面から見ると、たいへんな問題になるのではないか。そういう問題については、一種の行政指導といいますか、そういう事実があるわけでありますから、ほっておかないで、行政指導的な面で、国会でこういう発言があった、これは真相を
調査させるとか、あるいはそういう市民の声があるとするならば、これらを未然に防止するために行政指導的なものがあってしかるべきじゃないか、私はそう思うわけでありますが、局長、私の言うことわかるでしょう。だから、答えは簡単でいいですから、ひとつお願いします。