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1970-05-06 第63回国会 衆議院 運輸委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十五年五月六日(水曜日)    午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 福井  勇君    理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君    理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君    理事 村山 達雄君 理事 内藤 良平君    理事 和田 春生君       大橋 武夫君    河野 洋平君       菅波  茂君    中村庸一郎君       細田 吉藏君    増田甲子七君       井野 正揮君    斉藤 正男君       田中 昭二君    宮井 泰良君       渡辺 武三君    田代 文久君  出席国務大臣        運 輸 大 臣 橋本登美三郎君  出席政府委員         運輸政務次官  山村新治郎君         運輸大臣官房長 鈴木 珊吉君         運輸省航空局長 手塚 良成君         海上保安庁長官 河毛 一郎君  委員外出席者         運輸委員会調査         室長      鎌瀬 正己君     ――――――――――――― 四月二十八日  タクシー業務適正化臨時措置法案反対等に関す  る請願田代文久紹介)(第四二八六号)  鹿児島県の国鉄赤字ローカル線存続に関する請  願(宇田國榮紹介)(第四四一二号)  新鹿児島空港に日本航空の東南アジア定期航空  路線等導入に関する請願宇田國榮紹介)(第  四四一三号) 五月一日  信越本線新潟長岡間小駅の無人化等計画に  関する請願小沢辰男紹介)(第四五五一号)  東急地下鉄新玉川線駒沢設置に関する請願  (池田正之輔君紹介)(第四七四九号)  同(關谷勝利紹介)(第四九三〇号)  同(天野光晴紹介)(第五一六一号)  同(早稻田柳右エ門紹介)(第五一六二号)  同(小沢一郎紹介)(第五一六三号)  同(大坪保雄紹介)(第五一六四号)  同(金子一平紹介)(第五一六五号)  同(草野一郎平紹介)(第五一六六号)  同(佐々木義武紹介)(第五一六七号)  同(始関伊平紹介)(第五一六八号)  同外一件(竹下登紹介)(第五一六九号)  同(羽田孜紹介)(第五一七〇号)  同(福田一紹介)(第五一七一号)  同(古井喜實紹介)(第五一七二号)  同(吉田重延紹介)(第五一七三号)  東京外郭環状線等鉄道建設促進に関する請願外  一件(赤城宗徳紹介)(第四九三一号)  同(稲村利幸紹介)(第四九三二号)  同外一件(登坂重次郎紹介)(第四九三三号)  同外一件(中山利生紹介)(第四九三四号)  同外一件(野中英二紹介)(第四九三五号)  同外二件(葉梨信行紹介)(第四九三六号)  同(三ツ林弥太郎紹介)(第四九三七号)  同外一件(森下國雄紹介)(第四九三八号)  同外五件(北澤直吉紹介)(第五一七六号)  同外三件(丹羽喬四郎紹介)(第五一七七号)  同外一件(福永健司紹介)(第五一七八号) 同月二日  東急地下鉄新玉川線駒沢設置に関する請願  (菅波茂紹介)(第五四二〇号)  同外一件(塩谷一夫紹介)(第五四二一号)  同(足立篤郎紹介)(第五八〇四号)  同(櫻内義雄紹介)(第五八〇五号)  同(永田亮一紹介)(第五八〇六号)  東京外郭環状線等鉄道建設促進に関する請願  (渡辺美智雄紹介)(第五四二二号)  同外一件(二見伸明紹介)(第五五八五号)  同外三件(山口敏夫紹介)(第五五八六号)  国鉄田沢湖線神代駅の貨物取扱い存続に関する  請願川俣健二郎紹介)(第五五八四号) 同月四日  日本国有鉄道経営合理化対策の実施に関する  請願井出一太郎紹介)(第五九二三号)  同(小川平二紹介)(第五九二四号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第五九二五号)  同(倉石忠雄紹介)(第五九二六号)  同(小坂善太郎紹介)(第五九二七号)  同(下平正一紹介)(第五九二八号)  同(中澤茂一紹介)(第五九二九号)  同(羽田孜紹介)(第五九三〇号)  同(林百郎君紹介)(第五九一三号)  同(原茂紹介)(第五九三二号)  同(増田甲子七君紹介)(第五九三三号)  同(松平忠久紹介)(第五九三四号)  同(向山一人紹介)(第五九三五号)  北回り新幹線建設促進に関する請願井出一  太郎君紹介)(第五九三六号)  同(小川平二紹介)(第五九三七号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第五九三八号)  同(倉石忠雄紹介)(第五九三九号)  同(小坂善太郎紹介)(第五九四〇号)  同(下平正一紹介)(第五九四一号)  同(中澤茂一紹介)(第五九四二号)  同(羽田孜紹介)(第五九四三号)  同(原茂紹介)(第五九四四号)  同(増田甲子七君紹介)(第五九四五号)  同(松平忠久紹介)(第五九四六号)  同(向山一人紹介)(第五九四七号)  過疎地域におけるバス運行確保等に関する請  願(井出一太郎紹介)(第五九四八号)  同(小川平二紹介)(第五九四九号)  同(唐沢俊二郎紹介)(第五九五〇号)  同(倉石忠雄紹介)(第五九五一号)  同(小坂善太郎紹介)(第五九五二号)  同(下平正一紹介)(第五九五三号)  同(中澤茂一紹介)(第五九五四号)  同(羽田孜紹介)(第五九五五号)  同(原茂紹介)(第五九五六号)  同(増田甲子七君紹介)(第五九五七号)  同(松平忠久紹介)(第五九五八号)  同(向山一人紹介)(第五九五九号)  東京外郭環状線等鉄道建設促進に関する請願  (久保三郎紹介)(第六一六九号)  東急地下鉄新玉川線駒沢設置に関する請願  (白濱仁吉君外一名紹介)(第六四五二号)  同(高見三郎紹介)(第六四五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月四日  陸運行政に関する陳情書  (第三〇一号)  国鉄水郡線駅廃止反対等に関する陳情書  (第三〇  四号)  大阪、枚方間の地下鉄建設に関する陳情書  (第三〇五号)  豊中地区航空機騒音対策に関する陳情書  (第三〇六号)  国鉄鹿児島本線無人化等反対に関する陳情  書(第三〇七号)  国鉄足尾線無人化等反対に関する陳情書  (第三〇八号)  国鉄桜井線無人化等反対に関する陳情書  (第三〇九号)  国鉄駅の無人化等反対に関する陳情書外一件  (第三一〇号)  和歌山市北部に国際空港設置反対に関する陳情  書(第三一一号)  国鉄踏切幅員拡張に関する陳情書  (第三一二号)  国鉄赤字線撤去計画中止等に関する陳情書  (第三五六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  港則法の一部を改正する法律案内閣提出第二  八号)(参議院送付)  地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、海運局支局設置に関し承認を求めるの  件(内閣提出承認第一号)(参議院送付)  航空法の一部を改正する法律案内閣提出第一  〇九号)      ――――◇―――――
  2. 福井勇

    福井委員長 これより会議を開きます。  港則法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局設置に関し承認を求めるの件を一括議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。内藤良平君。
  3. 内藤良平

    内藤委員 港則法の一部改正につきまして、簡単に御質問したいと思います。  いま港則法適用の港は四百幾らですか。ちょっとはっきりしないのですが……。
  4. 河毛一郎

    河毛政府委員 現在、港則法適用港は四百九十四港でございます。
  5. 内藤良平

    内藤委員 それから、全国の港は数千あるわけでしょうけれども、まずあなたのほうの海上保安庁から見て、漁港も入るわけでしょうが、全国のいわゆる港湾法適用のある港、これは何千くらいございますか。
  6. 河毛一郎

    河毛政府委員 全国の港の数でございますが、一応いろいろな意味の港がございますが、代表的なものといたしまして、港湾法適用を受けております港が千五十五ございます。それからお話のございました漁港法適用を受けておるものが二千七百七十一港ございます。
  7. 内藤良平

    内藤委員 千五十五の中で四百幾つですね。すると、ほかの港は適用の必要がないのですか。いわゆる港則法によるところの趣旨によって必要なもの、ボーダーライン層のようなものがあるのかどうか。
  8. 河毛一郎

    河毛政府委員 いまお話しのございましたように、全国に非常に多くの港があるわけでございますが、港則法は、元来目的といたしまして、港の中におきます船舶交通の安全と港内整とんをはかるということを目的にいたしております。したがいまして、この目的から見まして、やはり船舶交通がふくそうし、あるいは港内交通の安全と整とんをはかる必要があるという港を選びまして、そこを適用港とするという趣旨でございます。したがいまして、港湾法上千以上の港がございますが、特にこのような趣旨から四百九十四港を選んでおる。そこに私どものほうの必要な部署船等を置いて交通整理をやっておる、こういうことでございます。
  9. 内藤良平

    内藤委員 そうしますと、この港則法適用する基準というものは何ですか。
  10. 河毛一郎

    河毛政府委員 これにつきましては、法律で具体的な基準はないわけでございますが、私どもは、港内交通の安全という点から、具体的な適用かどうかをきめる場合の一応の目安を持っております。  それを一応申し上げますと、まず、大体港湾法上の重要港湾以上の港である。それから年間出入港船舶の数でございますが、これは五トン以上にいたしまして大体九千隻以上、あるいはトン数年間百二十五万トン以上であること、それから特に大きな船、百トン以上の船が千隻以上入るか、あるいはそのトン数が五十五万トン以上になるかどうか、さらに、現在はそういう基準に達しておりませんが、将来開発によりましてそのような港になり得る十分な条件を備えておる、それから最後に、開港、検疫港、出入港、いろいろな法律によりましてそういう港の資格がございますが、そういったものに指定される予定の港であるかどうか、このようなものをいろいろしんしゃくいたしまして、具体的に決定いたしておる次第でございます。
  11. 内藤良平

    内藤委員 そこで、いまのあなたのお話しになりましたものは、何か内部的に規定があるわけですか。
  12. 河毛一郎

    河毛政府委員 これは私ども部内で審議いたします場合の目安でございます。
  13. 内藤良平

    内藤委員 それは施行規則とか細則とか、そういうぐあいに省内では法律規定になっていないのですか。
  14. 河毛一郎

    河毛政府委員 ただいまお話がございました施行規則とか告示とか、そういう性質のものではございませんで、純然たる内規でございます。
  15. 内藤良平

    内藤委員 そういう規則を設ける必要はないというわけですか。
  16. 河毛一郎

    河毛政府委員 これにつきましては、一応法律上は船舶交通の安全と港内整とんをはかるということが明記してございますので、その抽象的な基準を一応内規として目安化しておるということでございます。具体的な数字を省令その他であげることによりまして完全なものができれば、そのほうがよろしいと思いますが、経験上から申し上げますと、一応内部基準を持っておりまして、具体的な港についてはそれぞれの特殊事情も勘案して適用港をきめていく。特にこれは地元関係といろいろ御協議を申し上げることが多いわけでございますので、現在のやり方のほうがより実際的ではなかろうか、このように考えております。
  17. 内藤良平

    内藤委員 港は大体地方自治体管理者になっていますね。地方自治体港則法適用を受ける場合の発動者になるのかどうか。いまの話を聞きますと、部内基準規定規則のようなものはない。そうしますと、保安庁のほうのどこかの課、係がそれらをいろいろ勘案してやられる。ところが、港の管理地方自治体の首長が多いですね。そちらとの関係は、そういう適用法律的に受けるために発動する段階では、管理者意見というものはそこにあらわれてこないわけですか。
  18. 河毛一郎

    河毛政府委員 この点につきましては、ただいま申し上げましたように、また先生からもお話がございましたように、大部分の港は地方自治団体港湾管理者になっております。港湾管理者仕事と私ども仕事は、ある意味では非常にうらはらの関係にございまして、無関係には成り立ち得ないものでございますので、実際具体的にこの適用をいたします場合には、その具体的な管理者意見を十分聞きまして、管理者と完全な意見の一致を見たところで適用港にするということでございます。
  19. 内藤良平

    内藤委員 私の心配するのは安全問題ですね。最近いろいろ安全問題が重視されております。港の航路の問題あるいは船の構造の問題、施設の問題もあると思うのです。あるいはまたガソリンのような問題、油ですね、そういう危険物爆発物、いろいろあるわけです。大体内航海運のそういう船が出入りする港はほとんど適用になっているでしょうけれども管理者の側から見て、地方自治体から見て、やはり港則法適用を受けて——いろいろ法律上の規則ですね、それからこれが適用を受けますと、安全の問題、これに関連して海難問題等もあると思いますが、保安庁としても、適用した港としない港では、行政上もいろいろウエートが違うでしょう。そういう意味で、私の心配するのは、やはり何らかの部内基準を持って、そして港湾管理者、その実際の管理をする方が、安全のために、危険防止のために、整とんのためにということで発動する、それを受けてあなたのほうでこれをやっていく、またそれに伴ういろいろな施設なり措置をしていく、こういうぐあいになるのがいいのじゃないのかと思ったものですから、いまのような質問をしているわけですが、いまの私の考えに対して長官はどうですか。
  20. 河毛一郎

    河毛政府委員 いまの先生のようなお考えは、私のほうといたしましても全く異存はございません。いままでもそのようにいたしてまいったわけでございます。今後も安全上の問題からそのようにやってまいりたいと思います。
  21. 内藤良平

    内藤委員 くどいようですが、港湾管理者港則法の安全、整とん、こういう趣旨から、ある一定の基準をもって発動して、あなたのほうでそれを受けて、この港則法適用を行なう、そういうような内部的な省内あるいは部内規則のようなものをつくる御意思はないのですか。
  22. 河毛一郎

    河毛政府委員 この港則法適用関係につきましては、実は港湾管理者が一番大事な協議の相手でございますが、港湾管理者だけではございませんで、たとえば、そこにいろいろ他の役所も、御承知のとおり港関係では多くの出先機関を持っております。それからまた、その港湾内で実はいろいろな生業を営んでおる方もおられるわけでございます。この辺が、安全上の問題と営業上の問題を十分に調整しなければならない、こういうことでございますので、私どもはいままで港湾管理者も含めまして関係方面十分検討の上、地元として港則法適用を受けることが適当であると考え、またわれわれも、先ほど申し上げましたような基準から見て妥当であると考えたものを適用港として法律に入れていくという方針をとっておりますが、そういった従来の経験を今後続けていくことが一番現実的ではなかろうか、このように考えております。
  23. 内藤良平

    内藤委員 ぼくの疑問は、千幾つもある港が、その中で四百幾つ適用になっている。適用になった場合に、私は、安全問題から見てプラスがあるのではないかと思っている。ただ、そういうたくさんの港の中で五百足らずでしょう。あなたのほうとしても、この法を施行する場合に、安全と整とん考えるならば、もっと適用してもいいのではないかという気持ちがあるのですが、だけれども、まだわりあいに少ない。そうしますと、全国幾つの港があるけれども、どういう関係で五百足らず適用港になっているのかどうか。いや、そういう必要がないのだ、この法律適用になっても港のいろいろな面にたいした関係ないのだからやらないのだというぐあいになっているのか。それとも、やりたいのだけれども、率直に言いまして、いろいろ金がかかる、保安庁のほうの予算のいろいろな面で、どうも適用はしたいけれども、金の面で押えられるんだ、こういうぐあいになっているのかどうか。そこら辺のところをネックのようなものがあったらひとつ伺いたい。
  24. 河毛一郎

    河毛政府委員 具体的な問題といたしまして、具体的な港に港則法適用するかどうかという問題は、一応先ほどから申し上げましたような協議あるいは私ども自身目安がございますけれども、一番具体的な問題といたしましては、先ほどから先生もおっしゃいましたように、やはり港湾管理者はじめその関係地元官民港則法適用を受けることのほうがきわめて望ましいということが、実際は一番大きな問題でございます。港則法適用を受けますと、やはり交通安全上の問題から水路をつくりまして、そこに船を優先的に通行させるというような問題もございますので、そういった地元事情その他もクリアにした上で適用をしていく。それから私ども役所予算関係事情でございますが、これは地元なりあるいは私どものほうで適用がしかるべきであるということになれば、ほかのものを差しおいても予算をいただきまして、部署設置し、あるいは船を回すということでございますので、そういった点から、具体的に毎年全国の港を洗いまして、港則法適用をしかるべく考え、また地元関係もそれについてそうしてほしいというものを選んで追加していく、こういう実情でございます。
  25. 内藤良平

    内藤委員 今度は海難問題になりますけれども、小さい船が、港の近辺といいますか、沿岸といいますか、そういうところで海難にあう場合が相当多いですね。遠洋に出なくても、港の周辺で荒れた場合ですね。そういうのは、やはりこの港則法適用あるいは不適用ということで——小さい船の港の近辺における海難を防止するということは、この法律適用、不適用には関係ございませんか。
  26. 河毛一郎

    河毛政府委員 港の中につきましては、港則法区域であれば港則法適用されます。それからその区域外であれば、かりに港の近辺でございましても、これは港則法適用がなくて、一般的な規律がそこに適用されるわけでございますが、いま先生おっしゃいました沿岸小型船海難の問題でございますが、これは海難原因にはいろいろございまして、いわゆる交通が非常に混雑しておるということに基づくものがございます。しかし、沿岸における海難の大部分のものは、やはり気象、海象が非常に悪い、あるいは運航上の過誤があったということでございますので、必ずしも港則法と同じような法規制沿岸適用することによって海難が全部なくなるということには相ならないと思います。しかし、少なくとも沿岸付近海上交通について——一般沿岸その他広い海でも同じでございますが、現在は海上衝突予防法という法律だけがありますが、それだけではなしに、新しい交通ルールをつくれば、それだけの効果があり、したがって、交通上の原因基づ海難は減少するということは間違いがない、このように思います。
  27. 内藤良平

    内藤委員 そうしますと、これは港の内部、港の中の問題でしょうから、沿岸のところまではこの法律によっては影響がないという御見解だと思います。  そこで、ちょっと海難問題に触れてみたいと思いまするが、いま申し上げましたように、小さな港でおもに漁船が入っているが、この沿岸でいろいろ海難がある。その場合には、海上保安庁のほうで海難対策救助対策をやるわけです。これは航空機なり救助艇といいますか、巡視艇というものでやっているわけですね。ただ、その場合でも、現状では予算関係上ちょっと手が届かないと思います。ところが、海難も、人命に関しては被害の大きい深刻なものもあるようですが、その場合に、陸上からの救援——巡視艇なり保安庁の船が岩礁まで行けないので、陸上から救うという場合には、警備用自動車のようなものがあるわけでしょう。ことしは予算関係でも機動力の強化ということで七百万円ぐらいでございますか、出ていますね。これはやはり各海上保安部なりに海難救助常設自動車でも置いて、陸上からの救援を強化する、予算に出ておりますのはこういう趣旨でしょう。大きい船の場合は飛行機あるいは救助艇で比較的やれますが、ただ沿岸岩礁の多いような場所では、なかなか船の救助がむずかしいので陸上から行なうのですが、その場合に、いま申し上げたようないろいろな救助施設といいますか、用具がありますね。そういうものを常備して、消防でいいますと常設消防のように、いつでもさっと出れるような体制というものは、現地海上保安部全国的にこれがほとんどできておるものですか。そういう状態になっておるのかどうか。ぼくの聞いた範囲では、案外それができてないじゃないかということがいわれておりますが、担当される長官として、そういう面はもう十分万全な備えをしておるのだというぐらいに言えるかどうか、その点をひとつ聞きたいと思います。
  28. 河毛一郎

    河毛政府委員 いま先生の御指摘になりましたのは、非常に岸に近いところで海難が起こりまして、私どもの船でも岩礁その他があって近づけないというところでございますが、これにつきましては、ただいまお話がございましたように、私ども全国に百以上の出先機関を持っておりますので、そのおのおのに自動車あるいはもやい銃、縄を投げて人を助ける、あるいはそういった救難器具を持たせまして、具体的な海難の場合には陸上救難班というものをすぐ編成いたします。それで、私ども救助は、このような場合には全部二十四時間待機体制になっておりますので、真夜中でありましょうとも出動いたしまして、救助の手段を尽くすという体制は一応とっております。ただ、全国的に見ますと、わが国の海岸線は非常に長いわけでございますので、まだまだ不十分な点が多いと思いますが、今後これにつきましては逐次充実をはかってまいりたい、このように考えております。
  29. 内藤良平

    内藤委員 いまお話しのこの警備用自動車は、四十五年度六百万何がしですね。そういう自動車は、あなたのおっしゃる現地百カ所くらいありますか、その場所にほとんど設備があるのですか。普通の車ではなくて、海難の場合にはさっと行ってさっとやれるような装備をしたそういうものがあるかどうか、あるいはなければどのくらいの率を持っておるのか、何%くらいか、聞かせてください。
  30. 河毛一郎

    河毛政府委員 陸上救難に使用いたします車でございますが、これは巡視艇のような特に海難救助専門自動車ではございませんで、私どもが使っておりますのは大体ライトバンでございます。ライトバンに必要な救命道具を積み込みまして現地へ行くというのが実情でございます。
  31. 内藤良平

    内藤委員 そうしますと、常設のそれはないのですね。臨時のあれですね。
  32. 河毛一郎

    河毛政府委員 常にライトバンにそういったものが積み込んである、つまり、陸上における消防車のようなものはございませんが、積み込みの必要のあるものは、たとえば消防車の場合は自動車のエンジンを使いまして放水するとかいうことでございますが、私どもの場合は必要な道具ライトバンに積んでいくということだけでございますので、現在のところ、そのような種類のもので十分であろうかと存じております。
  33. 内藤良平

    内藤委員 沿岸でいろいろ事故がある場合は、大体暴風雨のとき、あるいは深夜であるとか、そういう平常でない場合が多いのですね。その場合に、いまの機動力のようなもの、各個所にあるライトバンにいろいろな救助装備をして、それから出かける、そこで時間的に機を逸してしまうということが私はあるんじゃないかと思うのですけれども、そのために、せっかく目の前におって、岩礁につかまっておる船乗りの皆さんをとうとう見殺しにするような場合——暴風雨の場合、夜間の場合ですから、その際、急速にあなたのほうの船も出るでしょうけれども陸上からすっと機動力を持った、しかも装備を持った車が行った場合は、あるいは助かったかもしれない、こういうことがあると思うのです。やはり人命尊重の立場から論じますと、臨時ライトバンにその場になってとりあえず乗ってだれかが運転していくということではなく、ふだんからそういう設備を持っていて、乗られる方もおって、担当する方もはっきりしておって、そうして機を逸せず行なう、こういうような体制は現在十二分にできておるわけですか。
  34. 河毛一郎

    河毛政府委員 いまも申し上げましたように、車そのものはライトバンを使ってやるわけでございますが、そのような場合に直ちに私どもが出動できる体制は整っております。ただ、実際問題といたしまして、私ども部署から距離が非常に遠いという場合、あるいはまたそういう場所でございますので、道が非常に悪くて、断崖の場合がある。つまり、ライトバンといえどもなかなか近寄れないという場合がございまして、そういうことで、目の前に見ながら非常に残念な結果になるということはしばしばございますが、これにつきましては、いまの自動車のような問題も含めまして、どうやってこれにアプローチしていくかということは、私どもがもっともっと研究しなければならない問題であろう、こう存じております。
  35. 内藤良平

    内藤委員 その点を、金の問題もあるでしょうけれども、もう少しく積極的に御検討願いたいものだと思うのであります。  それから、港則法にまた戻りますけれども法律上のプラスマイナスはぼくもあまりよくわかりませんけれども、やはり安全あるいは港内整とんという面から見ますると、いろいろ港内の事故の問題も最近はぐっと変わってきておりますから、できるならば、私は、保安庁のほうであまりネックがなければ、ボーダーライン的な港もまだあると思うので、今回は四カ所ですか、そういう面をもっと積極的に適用されて、安全なり整とんなりを強化する、こういうふうにやられることを望んで、私の質問を終わりたいと思います。
  36. 福井勇

    福井委員長 ほかに質疑はありませんか。——なければ、両案件に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  37. 福井勇

    福井委員長 次に、港則法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局設置に関し承認を求めるの件を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、港則法の一部を改正する法律案について採択いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  38. 福井勇

    福井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、海運局支局設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  39. 福井勇

    福井委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました両案件に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  41. 福井勇

    福井委員長 次に、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は去る四月二十八日に終了いたしております。  これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  航空法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  42. 福井勇

    福井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  43. 福井勇

    福井委員長 この際、箕輪登君、内藤良平君、宮井泰良君、和田春生君から、四派共同提出をもって、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。箕輪登君。
  44. 箕輪登

    ○箕輪委員 ただいま議題となりました航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     航空法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び航空運送事業者は、航空機内にある者が当該航空機の安全を害し又は害しようとしている場合においては、機長に対し適切な指示又は情報の提供を行なう等、当該航空機の安全を確保するための万全の措置を講ずるよう努めること。   右決議する。 以上であります。  本案の趣旨につきましては、すでに質疑の段階において各委員より論議され、明らかになっておりますので、省略させていただきます。  各位の御賛同をいただきますようお願いいたします。
  45. 福井勇

    福井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  46. 福井勇

    福井委員長 起立総員。よって、本案は箕輪登君外三名提出にかかる動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。
  47. 橋本登美三郎

    ○橋本国務大臣 ただいまは慎重御審議の結果御採決をいただき、まことにありがとうございました。  また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意をもって実施に当たる所存でございます。  ありがとうございました。     —————————————
  48. 福井勇

    福井委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 福井勇

    福井委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  50. 福井勇

    福井委員長 次回は公報をもって、お知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時十五分散会