○
野上元君 私はあなたが
発言され、あるいは
官房長があなたの命を受けて公式に
発表される、これが
防衛庁の
正式見解であるということはわかります。しかし、あなたも実際には
軍事専門家じゃないわけですね。純然たる軍人ではないわけです。したがって、
防衛ということになると、これはやはり
専門家が
相当強い
発言力を持つと思うのです。したがって、あなたが
公式見解を
発表される前には、この
専門家たちが集まって
一つの
構想をまとめて、それをあなたの口を通じて
防衛庁の
正式見解として
発表する、こういう
段取りになると思うのですね。そのあなたの
発表する前の
段取りをいまこの
新聞が書いているわけですよ。それによると、こういうふうに書いてあるんですがね。「
返還後の
沖繩の
局地防衛を
自衛隊が引受けることは当然だ」。第二として、「しかし
米軍がこれまで
沖繩で果してきた
役割について、いわゆる「
抑止力」を過小に見るのは誤っている」。第三として、「したがって、
米軍の果している「
抑止力」としての
役割を十分に評価したうえで、
基地態様などについての「対案」を
考えるべきだ」。そしてさらにつけ加えて、
沖繩基地研の
報告は非常に甘いということで、
防衛庁としては首をかしげておるんだ。したがって、この
基地研の
報告に基づいて
沖繩の
態様を
考えるということは若干危惧がある、こういう趣旨のものが出ておるわけなんです。これを読んでいきますと大体わかりますね。要するに、
防衛庁が何を
考えているかということはよくわかるのですが、私はこういうことをやることは当然だと思うのですよ。こういう研究をされることはあなた方の任務だと思うのです、いい悪いは別として。それをあなた方、打ち消すからね。いや、そんなものは私は知らないと言われるからこの問題がこんがらかるんであって、愛知さんが、
先ほど竹田君が質問しておるように、訪米してロジャーズ国務長官と会われて、そして
沖繩の問題をやられるわけでしょう。その場合に、何らかの
構想が
日本になければ、
沖繩の
基地の
態様について
向こうだって決定のしようがないですね。これはニクソンが何回も言っておるように、いまや
日本は世界の大国なんだから、
自主防衛についてもう少し積極的でなきゃならぬということを盛んに演説をしておるわけですが、そういう背景を見ていけば、当然外相は何らかの
構想を持って行かなきゃならぬ。その
構想を固めるのは私は
防衛庁だと思うのです。特に
自主防衛ということが強調される
段階において、いままでのように、
アメリカの援護のもとにということではなくして、
防衛庁が正面に出るということになれば、
防衛庁の
見解というのは、今後は非常に重要な国策決定の、
防衛政策決定のウエートを持つということは当然だと思う。その
防衛庁が、愛知外相の訪問までに何もしないというようなことは
考えられない。そんなことは
考えられない、常識で。したがって、私は何か
構想があるんだろうということを言っておるんです。と同時に、この際、時間がないから聞いておきますが、これも朝日の三月二十八日の
新聞によりますと、いわゆる大蔵省は
防衛庁の第四次
計画というものについての内容を
検討して、今後第四次
計画だとかいうような、五年間を区切っての
防衛計画ではとてもこの
国際情勢には間に合わない、あるいは科学技術進歩のテンポから見て間に合わないから、いわゆるローリング・システムでいくんだ、毎年毎年こう巻いていくんだ、そして毎年の
防衛計画を時代の進展に合わしてやっていくことが望ましい、こういう申し入れを大蔵省があなたのほうにするんだ、こういうふうに言っておるわけです。したがって、一連のものが出ておるんですね、
構想が。それはわれわれが
新聞を通じてもわかるわけなんだから、それをあなたが、いや、何もない、何もない、そんなことは固まっておらないと言われるから、どうもぼくらとしては突っ込みたくなる。当然のことじゃないですか。その点もう少し明らかにしてもらいたい。