○松永忠二君 私は、いわゆる設備投資がなかなか
経済成長を左右して、いままで設備投資先行型でやってきた、かげりで少し供給過剰になりゃせぬかということから投資をゆるめよう、投資に対する金融的な引き締めをゆるめようとしているけれ
ども、そうではないというのがいまの、もっとやはり設備投資等についても抑制をしていかなきゃいかぬというのが月例報告であり、日銀等の見方なんで、そうなってくると、設備投資に非常に大きく
影響を及ぼしている法人税というものを抑制をしていかなきゃできないじゃないか。その法人税は、現実に非常に世界に比べてみても、他の所得税に比べてみても高い。したがって、しかも法人税はシャウプ勧告以来のほかの条件、総合完全課税というようなことを破っている。したがって、そういう条件を
整備をしていかなきゃいかぬというようなことで、時間がないので十分論議ができませんけれ
ども、いまの法人税というのは、シャウプ勧告以来景気が悪いごとに法人税の税率を下げて、それで上がったのは一回しか上がらぬで、あとは全部下げて、またシャウプ勧告のように三五%になっている。こういうふうなことを
考えてみたときに、やはりここで法人税については根本的な改革のしかたを答申に基づいてやっていかなきゃいけない。そうなってくると、そこで問題になってくるのは、法人税率をどうするのか。まあ二十五年に三五%で、だんだん移動をしていって、結果的にまた三五%になって、一時四二%、四〇%、三八%、三七%となって、また三五%に下がっている。景気の悪いごとに法人税の税率は下げるけれ
ども、ちっとも上げることはない。それだから、法人税は世界に比べて非常に安くなっている。低い。これは
国際企業と比べてみても、
日本の企業のいわゆる法人所得というのは非常に多い。これが結果的には資本を保留したり、蓄積することができて、それで設備投資にそれが転化をしていって、設備投資が非常に上がってくる。それが
経済を成長をさして、
経済成長の非常に速度を高くしているということが
考えられる。そういう
意味からいっても、法人税率を改めていかなきゃいけないじゃないか。また、そういう
意味からいって、シャウプ勧告の当時に三五%になっていたということは、ほかのほうで、結果的には個人段階で完全な総合所得課税をする、配当されない内部の留保の利益は、株価が
上昇する形で、株主段階で総合所得の一環として課税をするということになる。ところが法人税だけは低くして、完全な総合所得ということもやらなければ、その株価のむしろ段階で総合所得の一環として課税をすることをやらないで、実は利子所得の分離課税及び税率の軽減がされている。配当所得の課税の特例が実施をされている。したがって、勧告にもあるように、これは廃止をしたほうがいいのじゃないか。特に、これは今国会にも提案をされている
昭和四十五年三月三十一日まで延長するということに提案をされるようだけれ
ども、
昭和四十五年の三月三十一日で利子所得と配当所得のいわゆる期限が切れてしまう。だからこのときにやはりこの問題を十分に措置をしていくべきではないか。
それからまた同時に、準備金とか引き当て金が非常に大企業に集中的に行なわれて、これが内部的な資金の保留となっている。この保留された資金を活用していくということによって、つまり設備投資を非常に高くしている。だからこういうふうな内部保留の準備金、引き当て金について整理をする。
それからまた分離課税——完全総合所得税だといっていたのに、分離課税、配当課税をやるんだから、これも整理をしていく。法人税自身についても、だんだん下がっているのだから、法人税についても税率を改めていったらいい。そうしてまた、同時に広告費等についても、業種別、業態別に、実績を考慮しながら損金不算入というような制度化もやっていく必要があるのじゃないか。
で、基点として私が議論を言っているのは、いわゆる設備投資が先行して
経済成長をやってきた。しかしどうも設備投資が行き過ぎてきて、むしろ供給過剰になってくるという情勢が出てくるのではないかというところから、一部景気のかげりとして、まあ特に
産業担当の通産省等では、この際金融をもう少しゆるめて、設備投資等の資金にも回したらどうかというような
考え方があるけれ
ども、
経済企画庁等では、そういうことを
考えることはないのじゃないかというようなことも言われているわけなんです。まあ十分な時間がなくて、また
関係の方々にお聞きをする約束をしながら聞かない問題もあるわけですけれ
ども、また機会を見て財政金融の問題を取り上げることにして、以上申し上げたことについて答弁をいただいて、そうして質問を終わりたいと思います。