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1969-02-22 第61回国会 参議院 本会議 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十四年二月二十二日(土曜日) 午後五時五十三分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第七号
昭和
四十四年二月二十二日 午後三時
開議
第一
東北開発審議会委員
の
選挙
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件 一、
請暇
の件 一、
日程
第一 一、
昭和
四十三
年度
一般会計補正予算
(第1号) 一、
昭和
四十三
年度
特別会計補正予算
(特第1 号) ———
—————
—————
重宗雄三
1
○
議長
(重
宗雄三
君)
諸般
の
報告
は、朗読を省略いたします。
—————
・
—————
重宗雄三
2
○
議長
(重
宗雄三
君) これより本日の
会議
を開きます。 この際、おはかりいたします。
奥村悦造
君から、病気のため三十日間
請暇
の申し出がございました。 これを許可することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
重宗雄三
3
○
議長
(重
宗雄三
君) 御
異議
ないと認めます。よって、許可することに決しました。
—————
・
—————
重宗雄三
4
○
議長
(重
宗雄三
君)
日程
第一、
東北開発審議会委員
の
選挙
。 これより、欠員中の
東北開発審議会委員
一名の
選挙
を行ないます。
船田譲
5
○
船田譲
君
東北開発審議会委員
の
選挙
は、その手続を省略し、
議長
において指名することの
動議
を提出いたします。
小柳勇
6
○
小柳勇
君 私は、ただいまの
船田
君の
動議
に
賛成
いたします。
重宗雄三
7
○
議長
(重
宗雄三
君)
船田
君の
動議
に御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
重宗雄三
8
○
議長
(重
宗雄三
君) 御
異議
ないと認めます。 よって、
議長
は、
東北開発審議会委員
に
津島文治
君を指名いたします。
—————
・
—————
重宗雄三
9
○
議長
(重
宗雄三
君) この際、
日程
に
追加
して、
昭和
四十三
年度
一般会計補正予算
(第1号)、
昭和
四十三
年度
特別会計補正予算
(特第1号)、 以上両案を一括して
議題
とすることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
重宗雄三
10
○
議長
(重
宗雄三
君) 御
異議
ないと認めます。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
予算委員長塩見俊二
君。 〔
塩見俊二
君
登壇
、
拍手
〕
塩見俊二
11
○
塩見俊二
君 ただいま
議題
となりました
昭和
四十三
年度
補正予算
二案につきまして、
委員会
における審査の経過並びに結果を御
報告
申し上げます。 今回の
補正予算
は、
国内米
の
政府買い入れ数量
の著しい
増加
に伴う
食糧管理特別会計
への
繰り入れ等
、当初
予算作成
後に生じた事由に基づき、特に緊急に
措置
を要するものに対し、
補正
の
措置
を講じようとするものであります。 すなわち、
一般会計
において、
食糧管理特別会計
の
調整勘定
に
追加繰り入れ
三百七十億円、
国民健康保険助成費
の不足を補うため必要な
経費
百七十四億円、
所得税収入等
の
追加計上
に伴う
地方交付税交付金
の
増加
七百三十五億円を
歳出
に
追加計上
するとともに、
公債金
を一千六百二十三億円
減額
しているのでありまして、その
財源
としては、
租税
及び
印紙収入
において二千四百五億円、
税外収入
二百四億円を
計上
するほか、
既定経費
二百九十二億円を
減額
しておるのであります。 この結果、
昭和
四十三
年度
の
一般会計予算
の規模は、
歳入歳出
とも九百八十七億円を
増加
し、五兆九千百七十三億円となるのであります。 また、
特別会計
は、
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
において七百三十五億円を
一般会計
から受け入れ、同額の
地方交付税交付金
を
増額
いたしておるのであります。 これら
補正予算
二案は、二月十八日
国会
に提出せられ、
委員会
におきましては、二十一日
福田大蔵大臣
から
提案理由
の
説明
を聴取し、引き続き本日まで、
佐藤内閣総理大臣
並びに関係各
大臣
に対しまして
質疑
を行なってまいったのであります。 以下、その
質疑
のうち、
補正予算
に直接関係するものにつきまして御
報告
を申し上げたいと存じます。 まず、
総合予算
につきまして、「
政府
は昨年の
財政演説
において、従来の
補正予算
の
要因
である
食管
への
繰り入れ
、
人事院勧告
について、十分
措置
しているから、
補正
なし
総合予算主義
でいくと言明をしたが、今回の
補正
の
要因
には
国内米買い入れ数量
の
見込み違い
のための
食管繰り入れ
があり、
総合予算主義
は全くくずれたのではないか。また、
人事院勧告
を完全
実施
していないなど、幾つかの欠陥があるのをそのままにして
補正
を組まないとすることは、
総合予算
ではないのではないか。」との
質疑
があったのであります。 これに対し、
大蔵大臣
並びに
農林大臣
から、「四十三
年度
予算編成
にあたっては、
予備費
の充実、
義務的経費
の適正な
計上
及び
食管特別会計
の
糧券発行限度額
の引き上げ、
弾力条項
の
改正等
の
措置
を講じたのでありまするが、四十三年が
史上最高
の四十二年の大
豊作
に次ぐ
史上
二番目の
豊作
で、
政府買い入れ量
が一千万トンをこえる異例な
事態
になり、
食管会計
に約六百億円の
赤字増加
が予想されるに至ったのであります。
政府
は極力
会計内操作
並びに
成立予算
の
ワク
内で処理する
努力
を払ったのでありまするが、結果的に三百七十億円の
追加補正
が必要となったのであります。
総合予算主義
は、従来の
補正予算
を予定した
予算編成
とは基本的に異なり、
年度
当初に
年度
間を通じる
必要経費
を見積もり、もろもろの
政策
のバランスをとった
予算
を
編成
するという点で、一歩前進した
財政運営
だと確信しており、今後ともこの
基本方針
は堅持したい」との
答弁
があったのであります。 また、
補正予算
の
財源
となった
年度内自然増収
二千四百億円に
関連
をいたしまして、「
政府
は当初
予算
の
税収
を故意に
過少
に見積もって、
減税財源
がないとして、
実質減税
ゼロの
政策
を
国民
に押しつけたのではないか、また、
年度内自然増収
が明らかになった
段階
において
年度内減税
を
実施
すべきではなかったか」などの
質疑
があったのであります。これに対し、
内閣総理大臣
並びに
大蔵大臣
より「
税収見積もり
は四十三
年度
に限らず、科学的、合理的に適正に見積もっているが、四十三
年度
の
わが国内外
の
経済
が、
大かた
の予測をこえる高い
成長
をした結果生じた
自然増収
で、決して
過少見積もり
をしたということではない、
年度内減税
は技術的にも時期的にも困難であって、四十四
年度
は四十三
年度
の二千四百億円の
自然増収
を織り込んで
大幅減税
を行なったものであると御理解を願いたい」旨の
答弁
があったのであります。
最後
に、本
補正
に
計上
の
地方交付税
七百三十五億円に
関連
をいたしまして、「これは四十四
年度
予算
で国が
地方
から借りることになっている六百九十億円を引き当てにして組まれたものではないか、また、
地方自治体
の
財政状況
が表面的に
改善
を見たといっても、必ずしも豊かではなく、これは
地方住民
の福祉や
行政水準
の向上を
犠牲
にして行なわれたものであって、国に貸せるほどの
ゆとり
はないはずではないか。四十四
年度
の
交付税減額
の
特例措置
を四十五
年度
以降も続ける
考え
であるのか」との
質疑
がありました。 これに対し、
大蔵大臣
並びに
自治大臣
から「六百九十億円は、四十三
年度
の三税の
増収
の
限度
内で貸したのであって、
補正予算提出
を
前提
としたものではない。ただ、
食管
を中心とした
補正
が行なわれることになったので、
計上
されたものである。
地方自治体
の
財政需要
は非常に強く、いまだ
財源
に
ゆとり
がある
段階
とはいえない。ただ中央、
地方
の
財政
は別個のものと見るべきではなく、相互に助け合って円滑な
運営
をはかる必要があり、
交付税
の
年度間調整
など、今後検討すべき事項も多い。なお、今回のような借り入れの
特例方式
は好ましくないので四十五
年度
以降はやらない。」旨の
答弁
があったのであります。
質疑
は、このほか、
沖繩
返還問題、米国の対日輸入規制問題、防衛問題、
消費者物価
の
見通し
、公共料金問題、
消費者保護
の問題、
国債
の
減額
、
人事院勧告
の
不完全実施
、大学問題、
婦人少年労働行政
の
機構改革
などにつきまして熱心に行なわれたのでございまするが、その詳細は
会議録
によって御
承知
願いたいと存じます。 かくて本日をもちまして
質疑
を終了し、
討論
に入りましたところ、
日本社会党
を代表して
竹田委員
が
反対
、
自由民主党
を代表して
内田委員
が
賛成
、公明党を代表して
鈴木委員
が
反対
、
民主社会党
を代表して
片山委員
が
反対
、
日本共産党
を代表して
岩間委員
が
反対
の旨、それぞれ
意見
を述べられました。
討論
を終局し、採決の結果、
昭和
四十三
年度
補正予算
二案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。 以上御
報告
申し上げます。(
拍手
)
重宗雄三
12
○
議長
(重
宗雄三
君) 両案に対し、
討論
の通告がございます。順次発言を許します。
竹田
現照君。 〔
竹田
現照君
登壇
、
拍手
〕
竹田現照
13
○
竹田
現照君 私は、
日本社会党
を代表して、ただいま
議題
となりました
昭和
四十三
年度
補正予算
二案に対し、
反対
の
態度
を表明するものであります。
反対
の
理由
を申し述べるにあたって、私は、まず
政府
のいわゆる
総合予算主義
なるものが完全に破綻したという事実を指摘しなければならないのであります。いわゆる
補正
なし
総合予算主義
というものは、今日のように
経済変動
が激しく、
物価上昇
の著しい時期において、
政府
の
経済見通し
すら大幅に狂うという
状況
の中で、国の
財政
を当初
予算
でしばりつけようとすること自体、全くナンセンスなものであるというほかありません。今日の
財政法
の
原則
が、もともと必要な場合は
補正予算
を
組むというたてまえであって
、正しい意味での
総合予算主義
をとっており、
財政政策
の
根本的理念
であって、
総合予算主義そのもの
は、こと新しいものではなかったのであります。そもそも、一国の
財政政策
は、その
予算
をもって裏づけられるものであり、当然のことながら、
予算案
の
作成いかん
によっては、国の
繁栄
か、もしくは衰退かが背負わされるものであります。
繁栄
への道をになおうとすることは、しごく当然のことでありまして、そのためには
財政
の
経済性
並びに
効率性
から
経費
の
優先順位
を論ずべきものと思われます。 しかるに
政府
は、
財政硬直化
を打開するという視点のみを重視し、本来あるべき姿の
財政
の
経済性
、
効率性
を軽視した
予算編成
の
姿勢そのもの
からして、すでに
総合予算主義
なる
財政
の根本的な
理念
は失われていたといってもよいと思うのであります。また、
政府
の
総合予算主義
の真のねらいは、一方において生産者
米価
据え置き、
公務員給与
の抑制、
医療費
、
国鉄運賃
、酒、たばこの値上がりを許すなど、
国民負担
のしわ寄せにより、他方、
防衛力増強
、
海外経済協力
の名による
アメリカ
の
東南アジア経済援助
の
肩がわり
などの
財源
を確保する点にあったのではないかと思うのであります。私は、今回の
補正予算
に象徴された、不合理な
総合予算主義
の破綻と、そのねらいを指摘し、正しい
財政法
の
原則
に立ち返ることこそ、いま
政府
のとるべき
態度
であることを強調し、以下具体的に
反対
の
理由
を申し述べます。 その第一は、今回の
補正
において、
国民大衆
に対する
重税
の
実態
が、一そうはっきりしたことであります。
政府
は本
年度
千五十億円の
減税
を行なうにあたり、あたかもたいへんな善政を行なうかのごとく宣伝したのでありますが、
経済成長
を続ける限りにおいて、税の
自然増収
は当然のことであり、必要以上に取り過ぎている税を修正するのはあたりまえのことであります。二千四百億円以上の税の
自然増収追加
によって、四十三
年度
当初における六千五百七十六億円にあわせて約九千億円もの巨額な
自然増収
があったにもかかわらず、これに対し
実質減税
ゼロとされたことは、
租税政策そのもの
が不法不当と言わなければなりませんし、元来、
国民
に返すべき
税金
の返還を怠っているものと言えましょう。真に
均衡
ある
予算
とは、資源の
適正配分
をもとにして、
政府
の財貨・
サービス等購入
に対する正当なる税の見返りを期待するものでありまして、
国民
総生産の対前
年度
伸び率
が一五%以上になれば、
税収
は階段的に上昇することは明らかであります。私の計算によれば、この三年間に
税金
の取り過ぎ分ともいうべき税の
自然増収
の
累計額
は、実に五兆八千億円をこえているのであります。しかるに、
鳴りもの入り
で宣伝された
減税額
は、わずかにその九%程度にすぎず、まさに苛斂誅求の
実態
を具体的に示しています。四十四
年度
においても一兆二千億円の
自然増収見込み
に対し、千五百億円の
減税
であります。世間ではいざなぎ
景気
とうたわれているにもかかわらず、このような
重税政策
と
物価
高の中で、
一般勤労者
の
生活
は楽になるどころか、むしろ苦しくなっております。これは最近の
労働組合
に対する
アンケート調査
で、
賃金
、
物価
に次いで、
減税要求
が第三位を占めていることは、これを明らかに物語っていると言えましょう。
反対
の第二は、今回の
補正
にありますところの
公債
一千六百二十三億円の
減額
であります。これは当然
国民
に返すべき巨額の税の
自然増収
にささえられて
公債削減
ができたというよりは、むしろ直接的には
金融界
、
産業界
の根強い
資金需要圧力
によって、
削減分
を
民間設備投資
に振り向けようとする
要求
にこたえるものとなっているのであります。さらに重視しなければならないのは、四十三
年度
発行
の
国債実質
四千七百九十億円も、この一年間に約四千億円の
日銀
の買いオペによる引き取りという、
たらい回し
が行なわれたということを
考え
ると、
日銀引き受け
による
国債発行
はしないという
原則
も完全にしり抜けとなり、事実上、
日銀引き受け
の
国債発行
となっていることであります。これは単に四十三
年度
分についてのみ言えることではなく、四十四
年度
に
発行
するという四千九百億円の
公債
も、実はまさに
財政法
に禁止している
日銀引き受け
による
国債発行
となるのであり、
形式論理
をこえた重大な
財政法侵犯
の問題と言わなくてはなりません。
反対
の第三の
理由
は、税の
自然増収
二千四百億円という
財源
が生まれた以上、
公務員給与
については、
人事院勧告
を尊重し、これを完全に
実施
するための
措置
を講ずべきにもかかわらず、それがなされていないことであります。さらに、また、
生活保護費
、失対
賃金
についても、最近の
物価上昇
と
格差是正
のための
予算計上
を行なうべきであり、
国民健康保険事務費
の
完全補償
と、
累積赤字
の
清算分
、さらに
公害対策等
、
国民
の
緊急課題
に対する
予算
の
増額
を行なうべきであります。また、
沖繩
の
財政事情
が悪化している現状に対する
財政援助
も緊急に
配慮
すべきと
考え
るのでありますが、本
補正予算
はこれらを全く無視しておるのであります。 第四に、
地方交付税
について七百三十五億円の
補正
が行なわれていることでありますが、いわゆる
地方財政
の
好転論
を振り回し、
地方自主財源
である
交付税
を国の
景気政策
に組み込んで、その使い方をも制約しようとしていることは、
地方自治
の
本旨
に反し、
地方自治体
を国の
下請機関
に組み込もうとする暴挙であると言わなければなりません。
地方財政
の
好転
は単なる表面上のものにすぎず、高い
住民負担
と低い
行政水準
を
前提
として、なお借金でやりくりしているのが
実態
であります。
政府
はこの
現実
を見ることなく、一面的な解釈による
住民
への
犠牲強要
はとうてい納得し得ないところであります。
最後
に、今回の
補正
の
最大要因
でありますところの
食管会計
への
繰り入れ
でありますが、
政府側
の一貫した
説明
または
答弁
の中では、米の
買い入れ量
の異常な増大ということであります。確かに前
年度
に引き続き米は
豊作
でありましたが、このことは
年度
当初
予算
において十分考慮されるべきであり、当初
政府買い入れ量
の八百五万トンに対しては、わが
党委員
が
審議
の過程ですでに疑問を呈したところであります。しかるに、
政府
は八百五万トンに固執し、今日の
事態
を招いたものでありますが、このことはもとより、
昭和
四十三年九月二十日前後において、すでに九百三十三万トンという数字が
新聞紙上
に報ぜられておりました。このときすでに
補正
なかりせばとうてい解決されるものとは思われない
事態
にもかかわらず、まだ
補正
の
意思
なしとがんばってこられたのは、当時
公務員給与
の改定が問題となっていた時期であり、
人事院勧告
を踏みにじるための不当の
手段
としか
考え
られないのであります。さらに重大な問題は、すでに衆議院及び本院の
審議
においてもわが党が強く指摘してまいりましたとおり、
食管会計
への
繰り入れ
に伴う
補正予算
が提出されていない点であります。すなわち、
政府
は、
一般会計
の
歳出
の中で
食管会計
への
繰り入れ
三百七十億円の
増額補正
をしているのでありますが、これを受け入れる
食管会計
の
補正
は何ら行なわれておらないのであります。
政府
は、これに対し、
予算総則
による
食管会計
の
予備費
、
弾力条項
の
運営
によって処理できるとの
見解
を示しておりますが、これは明らかに
財政法
の精神を逸脱した
行政権
の乱用であり、
国会軽視
、
国民無視
の誤った
考え
方であるといわなければなりません。 わが党は、すでに、
予算制度
及び
予算審議
の
改革
に関する具体的な
提案
を行ない、憲法、
財政法
の定める
財政民主主義
の
原則
に立って、
予算
の
内容
、
税財政
の
実態
が
国会
を通じて
国民
の前に公開され、その執行が民主的に行なわれるよう、根本的な
改善
を主張してまいりましたが、今回の
補正予算
にあらわれたように、
政府
の
姿勢
はこれに全く逆行するものであり、
民主的議会政治
にそむくもので、断じて容認できないのであります。 以上申し述べましたように、今回の
補正予算
は、
政府
のいう
総合予算主義
は完全にくずれ去り、同時に、そのねらいが明らかに
国民
の前に暴露されたものであるといわなければなりません。しかも、このことによって、
昭和
四十三
年度
予算
が、完全に、増税による
大衆収奪
と、インフレによる
国民生活圧迫
の
予算
であることが決定的になったことを証明するものであります。 私は、このような
見解
から、本
補正予算
に対し
反対
の
意思
を表明し、
討論
を終わります。(
拍手
) ———
—————
—————
重宗雄三
14
○
議長
(重
宗雄三
君)
米田正文
君。 〔
米田正文
君
登壇
、
拍手
〕
米田正文
15
○
米田正文
君 私は、
自由民主党
を代表いたしまして、ただいま
議題
となっております
昭和
四十三
年度
一般会計補正予算
及び
特別会計補正予算
の二案に対し、
賛成
の意を表明するものであります。 さて、本二案につきましては、さきに
福田大蔵大臣
より
説明
がありましたように、
一般会計
における
追加
の
要因
は、
食糧管理特別会計
への
繰り入れ
、
国民健康保険助成費
及び
地方交付税交付金
の三項目であり、また、
特別会計
においては、
一般会計
の
予算補正
に伴い、
交付税
及び
譲与税配付金特別会計
について所要の
補正
をしようとするものであります。 以下、二、三の点について簡単に所見を申し述べたいと存じます。 御
承知
のとおり、
昭和
四十三
年度
の
予算
は、初めて
総合予算主義
の
原則
のもとに
編成
され、恒例的な
予算補正
の
慣行
を排するという
方針
に基づいて
運営
されてまいりました。これは全く硬直化した
財政運営
の
慣行
を打開しようとする
政府
の
努力
によるものでありまして、私はこれを高く評価するものであります。すなわち、四十二
年度
予算
以前におきましては、
公務員給与費
、
食糧管理特別会計繰り入れ
などにつきまして相当多額の
補正要因
を残したまま当初
予算
を
編成
するのが恒例となっておりましたが、このような
編成
の
態度
は、適正な
経費
の
配分
を妨げるきわめて不健全なものであることは、論をまたないところであります。幸い、従来におきましては、順調な
経済成長
を
背景
に、
年度
の途中において大きな
自然増収
に恵まれることも多かったのでありますが、今後常に、このような
自然増収
を当てにすることができないことは言うまでもないところであります。
わが国
の
経済
は、
国民
の勤勉とわが党の
政策
を
背景
とした
政府
の
経済政策
のよろしきを得まして、まことに順調な発展を遂げつつあります。御
承知
のごとく、すでに四十一
年度
以降連続三ヵ年の
好況
を見ておりますが、さらに、四十四
年度
も順調な拡大を遂げるものと見込まれております。このような四年続きの
好況
は、戦後われわれが初めて経験するところでありまして、
わが国経済
はまことに力強い次第であると申さなければなりません。 しかしならば、世界の
経済情勢
はなお楽観を許さないものがあるのであります。
アメリカ
の
景気後退
は一時よりやや回復に向かったかにも見えるのでありますが、なお予断を許さないものがあります。
ヨーロッパ諸国
の通貨不安もいまだ根本的な解決を見たわけではありません。ひるがえって、
わが国
内におきましても、
消費者物価
の
上昇傾向
は依然として根強い上、最近においては、一部におきまして、いわゆる
景気
のかげりも懸念されているところであります。もちろん、これらは
政策
のよろしきを得て
持続的成長
が確保されるものと存ずるのでありますが、それにしても、今後の
わが国経済
の前途を冷静に展望するならば、
国際経済
の不安定、
国内
における
物価
問題、労働問題など
幾多
の
課題
が山積いたしておりまして、決して安易な
態度
をとるべきではないのであります。この際にあたり、
政府
が
総合予算主義
の
原則
をとり、
財政運営
の筋目を正されたことは、まことに時宜を得た意義深きものであると
考え
ます。 従来、
補正
のおもな
要因
であった
給与改善費
や
食管繰り入れ
を、限られた当初
予算
の
ワク
内に組み入れるについては、一段ときびしい
重点主義
に立って
既定経費
を見直すことも必要となるのでありまして、あえてこれを実行されたことは
政府
の勇断であると言うべきであります。 さて、
わが国
のような生成発展していく
経済
におきまして、
総合予算主義
を堅持しようとする場合、
幾多
の問題が生じてくることもまた事実であります。四十三
年度
におきましても、
わが国経済
の
成長
が予想以上のものとなったために、二千四百億円にのぼる税の
自然増収
が見込まれるに至ったのであります。今回の
補正
におきましては、これを安易に
歳出
の
追加
に回すことなく、千六百二十三億円に及ぶ大幅な
公債発行額
の縮減に充てております。これは、税の大幅な
自然増収
が見込まれるような
景気
の
上昇期
には、
公債
を削減して
財政面
からする
景気調整
の実をあげるというフィスカルポリシーの
本旨
に沿うものでありまして、きわめて適切な
措置
であると
考え
るものであります。
野党
の一部には、この
自然増収
は
減税
として
国民
に還元すべきであるという
意見
がありますが、これはわずか一年の間に
税制
の改変をすることになり、
税制
の混乱を起こすおそれもあり、
現実
の問題として実行困難であり、わが党のとらざるところであります。
減税
は、別途根本的な見地より総合的に
改善
を進めるべきであります。 次に、
野党
の諸君の一部には、
総合予算主義
は、
米価
を抑制し、
公務員給与
の
改善
を抑制するための
手段
ではないかと主張する者がありますが、まことに適当ならざる
考え
と申さなければなりません。すでに、
昭和
四十三
年度
におきましても、
米価
は、
諸般
の要素を慎重に検討の上、適正に定められたものであり、また、
公務員給与
につきましても、
民間
との
格差
を十分考慮し、諸
施策
との
均衡
を勘案の上、
財源事情
の許す限り
最大
限の
配慮
を行なったところであり、現に四十三
年度
においても、
人事院勧告
の
実施
時期を一ヵ月繰り上げたのであります。したがいまして、
総合予算主義
は、決して
米価
や
公務員給与
を抑制するものではなく、これらについては、諸
施策
との
斉合性
ないし
均衡
のもとに、
財政
の許す限り
最大
の
配慮
を払うべきことは当然であります。 次に、
補正
のおもな
内容
について申し述べてみたいと思います。 第一は、
食糧管理特別会計
への
繰り入れ
であります。これは、四十三
年産国内米
の
政府買い入れ数量
が著しく増大する
見込み
であること等によって、
食糧管理特別会計
の
食糧管理勘定
における
損失額
が、当初
予算
において予定した額より大幅に
増加
する
見込み
となってまいりましたので、同
特別会計
の
経理運営
の
改善
をはかるため、
一般会計
から同
特別会計
の
調整勘定
へ三百七十億円の
追加繰り入れ
をするものであります。これにつきましては、これが
総合予算主義
の崩壊を意味するものであるという
意見
もあるのでありますが、これまた、大いなる誤解であると言わなければなりません。そもそも
総合予算主義
は、恒例的な
予算補正
の
慣行
を排除して、
財政運営
の節度を回復しようとするものでありまして、たとえば、異常の大災害などの場合におきまして、とうてい
予備費
をもってしては対処し得ないような
事態
が発生いたしました場合にも、
補正
をしないという趣旨のものではございません。今回のように、
国内米
の
政府買い入れ数量
が一千万トンにも及ぶというような異常な
事態
におきまして必要最小
限度
の
補正
を組むことは、まことにやむを得ないものであります。もし、本
年度
当初、
総合予算主義
をとらなかったならば、おそらくその
補正
額は相当大きなものとなったでございましょう。したがって本
補正
を行なうことによって、
総合予算主義
をくずしたという議論は、大局を見ざるの言であって、われわれのとらざるところであります。しかしながら、
食糧管理特別会計
の
内容
については多くの問題があります。
政府
はその
改善
方策を具体的に確立するよう一そうの
努力
を切望します。 第二に、
国民健康保険助成費
の
昭和
四十三
年度
不足
見込み
額として百七十四億円を
計上
しておりますが、これにつきましては、他方において、二百九十三億円の
既定経費
の不用額を捻出しておりますので、実質的には、組みかえによって
措置
したものと見られるのであります。
総合予算主義
のもとにおきましても、事情の変化に対処して
既定経費
の
配分
を見直すという、いわゆる組みかえ
補正
は当然認められるものであります。なお、医療保険制度におきましては、膨大なる赤字の累積など、多くの問題をかかえておりますので、
政府
は、一日も早く抜本的
改善
策を樹立され、実行に移されるよう希望するものであります。 第三は、
地方交付税交付金
であります。これはさきに申し述べましたとおり、この
補正
の機会に、
公債発行額
の大幅な縮減を行なうこととしておりますので、税の
自然増収
の
見込み
を歳入に
計上
して
財源事情
を明らかにすることとし、それに見合う
交付税
額七百三十六億を
計上
したものであります。なお、これにつきましては、現下の
地方財政
の
状況
並びに
経済情勢
を勘案し、
地方財政
の健全化を促進し、かつ
景気
動向に刺激を与えざるよう、適切な
措置
を講ずることとなっております。 なお、今回の
補正予算
は、第一に、
歳出
に
追加
される規模が千億円未満であること、第二に、
食管繰り入れ
と
国民健康保険助成費
にあっては、実体的な
経済
行為はすでに行なわれており、新たに
国民
経済
上の実需をつくり出すものではないこと、第三に、
地方交付税
については、前述のようにたな上げの
措置
がとられること、さらに第四に、大幅な
公債発行額
の縮減を行なっていること等によりまして、全体として
景気
に対し刺激を与えるものではないと
考え
られます。 以上、今回の
補正
は、当面、
国民
生活
と
財政
健全化に欠くべからざる当然の
措置
をとらんとするむのでありまして、本
補正予算
は、きわめて適切なものであると思います。健全なる
財政
なくして、
均衡
のとれた
経済
の発展はありません。
最後
にあたり、
政府
が今後とも
総合予算主義
を堅持され、将来
補正要因
となるおそれのあるものについては、十分なる対策と
見通し
とをもって対処され、健全なる
財政運営
の確保に
努力
されんことを切望して、私の
賛成
討論
を終わります。(
拍手
) ———
—————
—————
重宗雄三
16
○
議長
(重
宗雄三
君) 二宮文造君。 〔二宮文造君
登壇
、
拍手
〕
二宮文造
17
○二宮文造君 私は、公明党を代表して、ただいま
議題
となっております
補正予算
二案について、
反対
の
討論
を行なうものであります。
政府
は、
昭和
四十三
年度
の
予算編成
にあたり、
財政
の硬直化を打開し、あわせて
財政
の体質を
改善
するという
理由
から、いわゆる
総合予算主義
の立場をとり、従来、例年の
補正要因
でありました
食管
対策費と
公務員給与
改善
費を当初
予算
に
計上
し、よほどの
事態
が起こらない限り、
追加補正
はしないと表明したのであります。
予算編成
にあたっては、予見できるすべての
財政
要因
を当初
予算
に
計上
すべきことはけだし、当然であります。にもかかわらず、
政府
は、毎年の
財政
規模を、
経済見通し
に合わせて過小に見積もり、その反面では、膨大な
自然増収
を当てにして、主要な
財政需要
を
補正予算
に組み込むなど、安易な
予算編成
に終始してきたのであります。したがって、今日の
財政硬直化
はなるべくして起こった当然の帰結であり、
物価
高、
国民
福祉の脅威を引き起こすなど明らかに
政府
の
財政
運用の誤りとして指摘せざるを得ないのであります。
反対
の第一点は、
税収
の自然増が二千四百五億円、
税外収入
が二百五億円もありながら、
減税
もせず、
国債
減額
に千六百二十三億円を引き当てていることであります。今回の
補正
によれば、
租税
の
自然増収
二千四百五億円のうち、所得税の
増収
は千五百五十六億であり、実に
税収
の六五%を占めているのであります。反面、四十三
年度
の所得税
減税
は、酒、タバコの値上げにより
実質減税
ゼロとなっており、加えて四十四
年度
の
税制
改正では、自然増一兆二千億円といわれる中で、所得
減税
はわずかに千五百億円にとどまっているのであります。したがって、四十三
年度
の
実質減税
ゼロを補なう意味においても、今回の
補正
において、所得税の
減税
をはかるべきであったと主張するものであります。
反対
の第二点は、
公務員給与
について考慮が払われてない点であります。当初
予算
における
政府
の
説明
によれば、
人事院勧告
を忠実に
実施
するためにこそ
総合予算主義
をとり、
予備費
を充実したとのことでありました。ところが、実情はどうか。
人事院勧告
の完全
実施
は行なわれなかったばかりでなく、
政府
の
提案
は、
実施
時期を昨年並みの八月としたのであります。
国会
の修正により七月
実施
とは変更されたものの、これは明らかに
政府
の怠慢であり、憲法に保障された労働基本権を奪うものと言わざるを得ないのであります。
政府
は
人事院勧告
を忠実に実行する、すなわち完全
実施
に踏み切るべきであります。しかもそれらの
配慮
が、今回の
補正
には全くなされていないのであります。 第三点は、
地方交付税交付金
についてであります。去る一月六日における
大蔵大臣
、
自治大臣
の間にかわされた覚え書きについて、疑問が残るのであります。自治省としては、今
年度
の
自然増収
分を
補正
に
計上
すれば、国税三税の三二%分として、七百三十六億円が
追加
配分
されることとなり、四十四
年度
に六百九十億円を国に貸したとしても、
地方
財源
には実質的に大差がないとの判断に立ったと思われるのであります。また大蔵省当局としては、これを
補正
に
計上
することによって、四十五
年度
予算編成
にあたり、
財政
規模の膨張、肥満型のそしりを免れることになるのであります。ここに両者の合意が覚え書きとなった根拠がうかがえるのでありますが、
地方
においても、当然増
経費
の
増加
に伴う
財政硬直化
の問題は深刻な様相を呈しているのであります。しかも、
住民
福祉に直結する重要な
施策
が
財源
難に逢着していることもまた事実であります。まさしく、
予算編成
のテクニックから、
住民
福祉が侵害され、かつまた、将来における
交付税
率三二%を
減額
するおそれさえ出てくるのであります。 第四点は、
食管
対策費についてであります。
政府
は、今回の
補正要因
として異常な
豊作
をあげ、
政府
米買い入れ数量の
増加
をあげているのであります。しかし、作付面積、被害予想、あるいは逐年
増加
を遂げている収穫量等々から、これらは当然予見でき得るものであり、いわゆる
総合予算主義
が単なる
歳入歳出
のつじつま合わせに終始していることを明瞭に物語るものであります。さらに、
国内
産米の売り払い量が
予算
見積もりに達しないことは、最近の傾向としてわかっていたはずであります。にもかかわらず、単に
予算
面の上だけで、毎年の売り払い
見込み
量や、収入金を
増加
させ、いわゆる粉飾し、操作された
食管会計
予算
が作成提出されているのであります。したがって、
政府
のいうように、
食管会計
が異常な増産に基づく、いわゆる
財政法
第二十九条による、
予算作成
後に生じた事由とはいえないのであり、ここにも
政府
のいう
総合予算主義
の根拠が崩壊するのであります。 以上の点により、
補正予算
案に対し
反対
を表明し、
討論
を終わります。(
拍手
) ———
—————
—————
重宗雄三
18
○
議長
(重
宗雄三
君) 萩原幽香子君。 〔萩原幽香子君
登壇
、
拍手
〕
萩原幽香子
19
○萩原幽香子君 私は、
民主社会党
を代表いたしまして、このたび
政府
より
提案
されました
昭和
四十三
年度
一般会計
並びに
特別会計補正予算
案に対し、
反対
の
討論
を行なわせていただきます。 私がこのたびの
補正予算
案に対して
反対
をいたします
理由
は三点ございます。 その第一は
政府
の
財政政策
に対する
姿勢
、第二は本
補正予算
案の
内容
、第三は
補正予算
案提出の時期の問題でございます。以上の三点について、順を追って
意見
を申し述べてまいりたいと存じます。 まず、第一の
財政政策
に対する
政府
の
姿勢
の問題でございますが、大切な国家の
財政
に対して、
政府
の
態度
は著しく一貫性と計画性を欠いているものと
考え
られるのでございます。このことは、最近数年間における
政府
の
財政
に対する
姿勢
が明白に示していると存じます。具体的に申しますと、佐藤内閣は、池田内閣のあとを受けて、高度
成長
のひずみを直すことを旗じるしに出発されたはずでございました。すなわち、
昭和
四十一年の
予算編成
にあたって、当時の
福田大蔵大臣
は、「
財政
新時代」をうたい文句に、本格的な
公債
政策
を取り入れ、総花的な膨張
予算
を強行されて、その場を糊塗してこられたのでございます。しかし、これはわずか二年足らずで
公債
の累積という
事態
に追い込まれてしまったのでございました。すると、今度は一転して、
昭和
四十三年の
予算編成
では、「
財政硬直化
の打開」という、まことにもっともらしい表現で
総合予算主義
を打ち出されたのでございます。硬直化の
最大
の原因が
公債
の累積であるにもかかわらず、これを、社会保障や公共事業などの民生的支出にしわ寄せられたのでございました。佐藤総理の常に申される「人権尊重」や「日の当たらぬ場に日を当てる政治」とは、一体、この
財政政策
のどの点を見てうなずけとおっしゃるのでございましょうか。 ところで、その
総合予算主義
もまた、一年を経過しない今日、突如として
補正予算
案を提出されたのでございます。このように、
財政政策
が年ごとにネコの目の変わるように変わるということは、
政府
に長期の
財政
計画のないことを暴露したものと申さねばなりません。近代国家の
財政
は、まず
政府
が長期の計画を立て、広く
国民
に明示して、理解を求めていくべきではないではございませんでしょうか。そうして、単
年度
予算
は、この長期
財政
計画の一環として
運営
されるべきものであると思考いたします。世の変動が激しければこそ、最高の頭脳をお集めになった
政府
で将来を十分
見通し
た計画を立て、
国民
の信頼をかち得ていただかなければならないと存じますが、いかがでございましょうか。 申し上げたい第二点は、本
補正予算
案の
内容
そのものでございます。まず、本
補正予算
案の歳入の中心は、
租税
及び印紙
税収
入の二千四百五億円であり、その内訳を見ますと、一番多いのが所得税の一千五百五十六億円でございます。ということは、当初
予算編成
の際に故意に過小見積もりをされ、
国民
の切実な
減税要求
を押えられたのではないかと勘ぐりたくもなるのでございます。しかも、この一千五百五十六億円は、すでに
国民
から取り立てたものでありまして、言うなれば事後承諾のような性格のものとも
考え
られる次第でございます。これこそ
物価
高の中で
重税
にあえいでおります
国民
の
減税
分として返していただくべきものではなかろうかと存じますが、いかがでございましょう。それでこそ
国民
を大切にする政治の姿かと存ずる次第でございます。 また、
歳出
の面では、
地方交付税交付金
七百三十五億円が
計上
されておりますが、そのうち、六百九十億円はすでに
政府
が借り入れをするように決定されており、
地方
にはわずか四十億円程度しか回らぬことになるわけでございます。昨日の質問者への御
答弁
の中で、中央と
地方
はお互いに持ちつ持たれつ助け合うべきであると強調されました。このお
考え
は私も全く同感でございます。ところで
地方財政
の
実態
は、
政府
がお
考え
になっておりますそれほど豊かなものでございましょうか。私のながめるところでは決してそのようではございません。年々ふえてまいります産業公害や交通事故の対策費、あるいは地域別
格差
の是正、教育施設の充実費、割り高な
住民
税の引き下げ対策などなど、ずいぶん苦しい台所を懸命に切り回しているのが実情のように
考え
られるのでございます。本案に
賛成
いたしかねる
最大
の
理由
は、以上の二点でございます。 第三点は、本
補正予算
案の提出の時期に問題があることを指摘させていただきたいと存じます。ここに
提案
されております
内容
からいたしますと、少なくとも昨年十二月の臨時
国会
において
提案
されるべきものであったと
考え
るわけでございます。それをこの押し迫った
段階
において突如として
提案
され、十分な
審議
の時間的余裕も与えないというやり方は、
政府
の事務的、形式的な
態度
のあらわれとしてまことに不満でございます。これは
財政法
第二十七条にうたわれております「毎会計
年度
の
予算
を、前
年度
の十二月中に、
国会
に提出するのを常例とする。」という点にも反するものであり、
国会軽視
のそしりは免れないところと存じますが、この点いかがでございましょうか。先ほどから私はるる申し述べてまいりましたように、重要な国家
予算案
を取り扱う
態度
といたしましては、慎重さに欠け、また
国民
を愛する親心にも欠けていることを、まことに遺憾とするものでございます。 ここに
政府
の反省を強く促し、私の
反対
討論
を終わらせていただきます。(
拍手
)
重宗雄三
20
○
議長
(重
宗雄三
君) これにて
討論
の通告者の発言は全部終了いたしました。
討論
は終局したものと認めます。 これより採決をいたします。 両案全部を問題に供します。両案に
賛成
の諸君の起立を求めます。 〔
賛成
者起立〕
重宗雄三
21
○
議長
(重
宗雄三
君) 過半数と認めます。よって、両案は可決せられました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十分散会