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1969-02-25 第61回国会 参議院 法務委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年二月二十五日(火曜日)    午後二時八分開会     —————————————   委員異動 一月二十九日     辞任         補欠選任      安井  謙君    久次米健太郎君      鬼丸 勝之君     河口 陽一君 一月三十日     辞任         補欠選任      安田 隆明君     沢田 一精君 二月一日     辞任         補欠選任      近藤英一郎君     安田 隆明君 二月十三日     辞任         補欠選任      沢田 一精君     堀本 宜実君 二月十八日     辞任         補欠選任      宮崎 正雄君     斎藤  昇君 二月十九日     辞任      斎藤  昇君 二月二十日     辞任         補欠選任      安田 隆明君     近藤英一郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小平 芳平君     理 事                 後藤 義隆君                 亀田 得治君                 山田 徹一君     委 員                 上田  稔君                 木島 義夫君                 近藤英一郎君                 林田悠紀夫君                 堀本 宜実君                 山本敬三郎君                 占部 秀男君                 山高しげり君    国務大臣        法 務 大 臣  西郷吉之助君    政府委員        警察庁警備局長  川島 広守君        法務大臣官房長  辻 辰三郎君        法務大臣官房会        計課長      安原 美穂君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局経理局長   岩野  徹君    事務局側        常任委員会専門        員        二見 次夫君    説明員        法務省刑事局公        安課長      豊島英次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  (法務行政基本方針に関する件)  (昭和四十四年度法務省及び裁判所関係予算に  関する件)  (今期国会における法務省関係提出予定法律案  に関する件)  (国鉄動力車労働組合鹿児島支部組合員の逮捕  事件に関する件)     —————————————
  2. 小平芳平

    委員長小平芳平君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る一月二十九日、安井謙君及び鬼丸勝之君が委員辞任され、その補欠として久次米健太郎君及び河口陽一君が、また、同月三十日、安田隆明君が委員辞任され、その補欠として沢田一精君が、二月一日、近藤英一郎君が委員辞任され、その補欠として安田隆明君が、また月十三日、沢田一精君が委員辞任され、その補欠として堀本宜実君が、二月十八日、宮崎正雄君が委員辞任され、その補欠として斎藤昇君が、それぞれ選任されました。また二月十九日、斎藤昇委員辞任されました。また二十日、安田隆明君が委員辞任され、その補欠として近藤英一郎君が委員選任されました。     —————————————
  3. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 理事補欠選任についておはかりいたします。  委員異動に伴い理事が一名欠員になっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。  選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  4. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事河口陽一君を指名いたします。     —————————————
  5. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  法務行政について、西郷法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。西郷法務大臣
  6. 西郷吉之助

    国務大臣西郷吉之助君) 委員各位には、平素から法務行政の諸問題につきまして種々御尽力いただいておりますことに対しまして、この機会に厚く感謝を申し上げる次第でございます。  本日、今年初めて法務委員会に出席いたしましたので、法務大臣といたしまして日ごろ考えておりますことを申し上げたいと存じます。  まず、私は、法務行政は、法秩序維持し、国民権利を擁護して、平和な国民生活を確保することがその使命であると存じておりますが、今後ともこの重要な責務の遂行に全力を尽くしたい所存でございます。このような観点からいたしまして、当面重要と考えております二、三の点について申し述べたいと存じます。  第一は、治安対策についてでございますが、最近の治安情勢を見ますと、各位承知のとおり、全国数多くの大学におきまして、いわゆる学園紛争が発生いたし、これが深刻化、長期化するとともに、暴力的傾向が顕著となりまして、大きな社会問題たるにとどまらず、憂慮すべき治安問題となって、国民の強い関心を引くに至っております。東大も警察機動隊の導入を契機といたしまして、一応平静な状態を回復しつつありまするが、これらの大学紛争の事例を見ますと、一部の学生の中には、法と秩序を無視いたし、自己の主張を一方的に貫徹するためには暴力に訴えることも辞さないとする傾向が顕著に見受けられるのであります。私は、真の民主社会は法の支配の原則が確立されて初めて実現できるものと考えており、この観点からいたしまして、暴力行為社会秩序を破壊する違法行為に対しましては、断固たる態度をもってこれに対処いたし、治安維持に万全を期するとともに、学生はもとより、国民全体が、法と秩序を尊重する精神に徹するよう格段の努力をいたしたいと存じております。  第二に、綱紀の粛正についてでございまするが、申し上げるまでもなく、国政に対する国民の信頼を高め、国政の効果的な運営をはかるには、とれに携わる者が、みずから厳正な綱紀を保持しつつ、国民全体の奉仕者といたしまして、真摯な態度で職務の遂行に当たることが強く要請されるのであります。私は、最近の情勢にかんがみまして、公務員の汚職事犯につきましては、特に厳正な態度をもって臨み、綱紀の振粛につとめ、適正な国政の運用に寄与いたしたいと考えております。  第三に、法務行政充実についてでございまするが、各位承知のように、法務省所管いたしますところは、民事刑事矯正保護人権擁護、訟務、出入国管理、その他国民権利義務にかかわる多くの事項でございますが、効果的な効策を講じて、これらの事務処理適正迅速化をはかりまして、国民の期待にこたえたいと存じます。特に最近の著しい経済成長等に伴い、登記事件その他の行政需要が著しく増大している現状にかんがみまして、国民権利保全経済活動円滑化に資することができますよう、民事行政をはじめ、各般の法務行政にわたって有効適切な施策を講ずるなど、一段と努力いたしたいと存じております。  また、法務行政は、人による、人に対する行政でありますところに一つの特色があると考えるものでございまするが、それだけに、行政運営上における国民に対する便宜の供与及び収容者等に対する処遇向上等をはかることはもとより、これらの業務に従事いたしておりまする所管庁職員待遇改善等につきましても、特に配意いたしたい所存でございます。  第四に、提出予定法案についてでございます。今国会におきましては、出入国管理法案をはじめ、所要法案提出を予定いたしておりまするが、各位の慎重な御審議によりまして、すみやかに成立をはかりたい所存でございます。  最後に、法務行政全般充実強化をはかるための予算につきましては、できる限りの措置を講じたいと考えております。この点につきましても、よろしくお願いいたしたいと存じます。  以上、はなはだ簡単ではございますが、私の所信を申し上げまして、委員各位格段の今後の御協力を賜わりますよう、切にお願い申し上げる次第でございます。     —————————————
  7. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 次に、昭和四十四年度法務省並びに裁判所関係予算及び今期国会における法務省関係提出予定法案について、順次説明を聴取いたします。  最高裁判所岩野経理局長
  8. 岩野徹

    最高裁判所長官代理者岩野徹君) 昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額について説明申し上げます。  昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額の総額は、四百二十三億八千五百八十六万八千円でありまして、これを前年度予算額三百七十七億八千百九十五万四千円に比較いたしますと、差し引き四十六億三百九十一万四千円の増加になっております。  これは、人件費において四十五億八千七百五十九万九千円、裁判費において二億三千四百二十四万一千円、その他、司法行政事務を行なうために必要な旅費庁費等において一億八千二十万二千円が増加したのに対し、営繕費において三億九千八百十二万八千円が減少した結果であります。  次に、昭和四十四年度予定経費要求額のうちおもな事項について説明申し上げます。  まず、人的機構充実のための経費であります。裁判官等増員といたしまして、高等裁判所事件の迅速な処理をはかるため、判事十五人、裁判所書記官十五人、裁判所事務官十人の増員に要する人件費として四千六百十二万八千円、簡易裁判所交通事件の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事二十八人、裁判所書記官二十八人、裁判所事務官五十六人の増員に要する人件費として六千八百十八万五千円、少年事件における少年についての資質検査強化するため、家庭裁判所調査官三十人の増員に要する人件費として二千百三十五万二千円、執行官法所定の金銭の保管及び予納事務を取り扱うため、裁判所事務官歳入歳出外現金出納官吏補助職員)三十人の増員に要する人件費として一千五万九千円、合計一億四千五百七十二万四千円が計上され、家庭裁判所専任所長増設家庭裁判所充実強化するため、専任家庭裁判所長増設二庁に要する経費として百八十九万八千円が計上されました。  次に、裁判運営及び庁舎維持管理近代化能率化に必要な経費でありますが、裁判官執務体制近代化をはかるため、下級裁判所裁判官研究庁費一億七千三百二十八万四千円、資料室図書図書館図書充実をはかる等のため、裁判資料整備に要する経費一億二千百五十五万六千円、裁判事務能率化をはかるため、検証用器具等整備に要する経費一億一千八百二十六万円、電子計算機による事務機械化調査研究のため、研究開発に要する経費九十三万円、庁舎維持管理近代化をはかるため、庁舎維持に要する経費五千二百三十二万六千円、合計四億六千六百三十五万六千円が計上されました。  次に、営繕に必要な経費であります。最高裁判所庁舎新営に要する経費として設計委嘱に要する経費を含む営繕事務費五千六百九万三千円、敷地買収のための不動産購入費二千万円、さらに、下級裁判所庁舎新営、増築等に要する経費として、裁判所庁舎継続工事庁舎新規工事二十庁舎の新営工事費及び営繕事務費等二十八億二千百万円、執務体制確立に伴う施設整備(五庁)等に要する経費六億一千二百二十二万円、合計三十五億九百三十一万三千円が計上されました。  最後に、裁判経費であります。国選弁護人報酬、証人、調停委員等日当、その他裁判に直接必要な旅費庁費等として二十五億二千八百十三万七千円が計上されました。  なお、この経費には、国選弁護人報酬を約一〇%増額するに必要な経費三千三百七十九万九千円、調停委員等日当現行単価千円を千百円に、鑑定委員日当現行単価千二百円を千三百円に、それぞれ増額するに必要な経費三千六百二万六千円、裁判官等の機動的な配置をするための填補に必要な経費一千七百一万二千円、合計八千六百八十三万七千円が含まれております。  以上が昭和四十四年度裁判所所管予定経費要求額の大要であります。
  9. 小平芳平

  10. 安原美穂

    政府委員安原美穂君) 昭和四十四年度法務省所管予算内容につきまして、概要を御説明申し上げます。  昭和四十四年度の予定経費要求額は八百二十二億五千八百八十万六千円でありまして、これを前年度予算額七百三十四億二千二百三十一万六千円に比較いたしますと、八十八億三千六百四十九万円の増額となっております。  増減額分内訳を大別いたしますと、人件費八十二億十八万八千円、一般事務費十一億八千十七万九千円が増額となっておりますが、営繕施設費につきましては、五億四千三百八十七万七千円の減額となっております。  ます、増員について申し上げますと、第一に、公安労働事件増加に対処して適正な検察権を行使するため、検事十九人、検察事務官十九人が増員となっております。  第二に、公判審理迅速適正化をはかるため、検事十一人、うち五人は訟務事件担当検察事務官六人が増員となっております。  第三に、自動車等による業務過失致死傷事件増加に対処し、事件処理円滑適正化をはかるため、検事五人、副検事十人、検察事務官五人が増員となっております。  第四に、悪質な会社犯罪脱税事犯等処理適正化をはかるため、検察事務官十三人が増員となっております。  第五に、法務局において事務官百九十人が増員となっております。登記事件経済発展等に伴い著しく増加しておりますので、登記事務の迅速、適正化をはかる観点から、百八十五人の増員が行なわれたものであります。また、国の利害関係のある民事税務等争訟事件処理充実するため、事務官五人が増員となっております。  第六に、刑務所における職員勤務体制改善し、あわせて保安警備充実をはかるため、看守九十一人が増員となっております。  第七に、非行青少年対策充実する観点から、関係職員四十二人が増員となっております。  その内容は、少年院教化活動充実のため、教官十九人、少年鑑別所観護活動充実のため、教官十一人、保護観察所観察機能充実のため、保護観察官十二人でありまして、犯罪を犯した青少年の健全な社会復帰を強力に推進しようとするためのものであります。  第八に、国際交流活発化に伴い、近時とみに増加しつつある出入国審査業務の適正、迅速化及び在留外国人資格審査適正化をはかるため、地方入国管理官署において、入国審査官二十人、入国警備官舟艇要員、三人が増員となっております。  第九に、公安調査庁における破壊活動調査機能充実するため、公安調査官二十人の増員となっております。  増員内容は以上のとおりでありますが、御承知のとおり、四十三年八月三十日、閣議決定に基づく定員削減計画による四十四年度削減分として四百十九人が減員されることとなりますので、所管全体といたしましては、差し引き三十五人の定員増加となるわけであります。  次に、一般事務費について御説明申し上げますが、前年度に比し、旅費類四千六百六十六万七千円、庁費類五億一千七百七十四万二千円、収容者食糧費弁償金等、その他の類六億一千五百七十七万円が増額となっております。  法務省におきましては、昭和四十四年度予算案主要事項を「治安対策充実強化」、「国民権利保全強化」、「非行青少年対策充実強化」、「刑務所等収容者処遇改善」、「出入国管理業務充実」の五項目に取りまとめておりますので、これらの主要事項を中心に御説明申し上げたいと存じます。  第一の、「治安対策充実強化」につきましては、さきに申し上げました公安労働事件担当検事十九人を含む合計百八人の増員及び関係職員人件費を含めて、六十五億八千百四十八万一千円を計上し、前年度に比して六億七千三百二十八万一千円の増額となっております。これにより、集団的暴力事犯を含む公安関係事件交通事件等の発生に対処して、適正な検察権を行使し、矯正施設における保安警備態勢充実し、破壊活動調査機能充実し、集団示威運動関係争訟の適正な処理を行なうことにより、法秩序維持に万全を期することといたしております。  その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては、四億一千二百七十六万六千円が増額されておりますが、その中には、直接検察活動に必要な検察費四千七百九十七万五千円、公安関係事件処理の適正をはかるための捜査用器材等千五百三十七万円、並びに自動車等による業務過失致死傷事件処理適正化をはかるための現場検証用器材等三百六十七万六千円等が含まれております。  次に、矯正関係としては、二千八百四十六万三千円が増額されておりますが、これには、いわゆる集団的暴力事犯関係収容者を拘禁する刑務所拘置所等保安警備充実をはかるための警備用器材千五百三十一万四千円等が含まれております。  次に、公安調査庁関係としては、二億二千七百三万円が増額されておりますが、その中には、調査用器材三千万円、調査活動費二千四百六十五万円の増額が含まれております。  次に、法務本省関係としては、訟務部において三百五十八万九千円が増額されておりますが、これは集団示威運動デモ関係争訟を迅速に処理するための出廷旅費、疎明意見書作成経費等であります。  第二に、「国民権利保全強化」につきましては、まず、登記事務処理適正化に関する経費として、さきに申し上げました事務官百八十五人の増員及び関係職員人件費を含めて九十億七千四十二万二千円を計上し、十四億二千三百三十四万円の増額となっております。これにより経済発展公共事業活発化等に伴う登記事件増加に対処して、事務処理の適正・迅速化につき一そうの改善をはかることとしております。その増額のおもなものは、登記諸費、すなわち、法務局地方法務局において登記台帳等事務処理するために要する経費でありますが、一億六千六百二十八万四千円、登記登録旅費千五百九十九万五千円、庁費一億五千二十八万九千円が内訳であります。それから不動産登記簿粗悪用紙改製に要する費旅庁費賃金等として二千二百二十一万六千円、事務処理能率化をはかるための超高速度複写機等庁費二千五百五十一万二千円、公共事業関係登記事件処理に伴う応援等旅費二百七万二千円、庁費三百七十三万六千円、商業法人登記簿ファイル化に必要な庁費九百八十三万九千円、不動産登記簿表示メートル法表示に書きかえるために必要な職員旅費二百五十四万八千円、庁費千九百七十三万三千円等であります。  次に、基本的人権擁護の伸長に関する経費におきまして、関係職員人件費を含めて二千七百十万円の増額となっております。そのおもなものは、人権侵犯事件調査強化をはかるための調査相談旅費等百四十八万五千円、人権擁護委員活動強化をはかるための実費弁償金三百十九万四千円、昭和四十三年七月の現在員九千百九十人につき一人当たり平均年額四千百円に増額するものであります。ケース研究出席委員旅費百二十八万七千円等であります。  第三に、「非行青少年対策充実強化」につきましては、さきに申し上げました少年院教官等四十二人の増員及び関係職員人件費並び収容関係諸費を含めて百四十二億八千六十二万八千円を計上し、前年度に比して十九億七千三百四十四万九千円の増額となっております。これにより、前年に引き続き粗暴化兇悪化傾向にある青少年犯罪に対処する検察体制充実をはかるとともに、少年院少年鑑別所機能を人的、物的に整備し、同時に青少年に対する保護観察機能強化して、罪を犯した青少年更生と再犯の防止をはかることといたしております。  その増額分について申し上げますと、まず、検察庁関係としては、十億六千四百二十八万一千円が増額されておりますが、その中には検察取り締り経費検察費)四千四十五万九千円等が含まれております。  次に、少年院関係としては、四億八千百七十六万八千円が増額されておりますが、その中には、初等少年院の被収容者のうち、義務教育修了者に対する教育充実をはかるための教科資材費百七万六千円、教育生活用備品二百十万円、収容者用図書医療衛生資材食糧費、被収容者一人一日当たり六円六十四銭の増額等収容経費二千七百三十五万七千円、職業訓練器材安全管理費二百六十六万二千円等の増額分が含まれております。  次に、少年鑑別所関係としましては、一億九千九百八十四万五千円が増額されておりまするが、その中には、鑑別観護用備品六十一万円、鑑別資材食糧費、被収容者一人一日当たり六円六十四銭の増額等収容経費九百三十一万七千円等の増額分が含まれております。  次に、保護関係としては二億二千七百五十五万五千円が増額されておりまするが、その中には、保護観察充実をはかるため、保護司等との連絡通信費事務能率器具等庁費五百十万九千円、保護司活動充実をはかるための保護司実費弁償金及び更生保護委託費単価引き上げによる所要経費七千三十一万円、保護司実費弁償金補導費一人一カ月当たり八百五十円ないし五百七十円を千円ないし六百二十円に、更生保護委託費食事つき宿泊費一人一日当たり二百八十九円三十五銭を三百二十六円九十七銭に、宿泊費九十八円九十二銭を百十一円七十八銭に、事務費百五十円を百七十円に、それぞれ増額改訂すること等が含まれております。  第四に、刑務所等収容者処遇改善につきましては、さきに申し上げました増員及び関係職員人件費を含めて二十六億二千百十四万三千円の増額となっております。そのおもなものは、刑務所作業賞与金支給計算高を一〇%引き上げるための四千五百八十一万五千円、被収容者に貸与する図書費入浴用燃料、医療器具借損料、浄化槽清掃料等収容諸費収容人員一日平均六万四千人としての千人減に伴う減額を含めまして、三千二百二十三万九千円の増額等であります。  なお、被収容者食糧費につきましては、昨年度の米価改定等に伴う主食及び菜代、被収容者一人一日当たり二円一銭ないし二円四十七銭の増の単価引き上げに必要な経費として三千四百五十四万五千円並びに被収容者の心情の安定をはかるために茶、脱脂粉乳等を加給するのに必要な経費として三千百十八万円が増額となっております。  第五に、出入国管理業務充実についてでありまするが、さきに申し上げました入国審査官等増員及び関係職員人件費を含めまして二億二千二百九十七万五千円の増額となっております。その中には、近時増加する出入国審査業務及び在留資格審査事務適正充実をはかるための港審査等旅費百七万四千円、出入国審査費四百万四千円、万国博覧会開催に伴う出入国審査業務増加に対処するための旅費庁費三十一万八千円等であります。また、港出張所を宮城県塩釜港等五カ所に新設し、審査業務等の迅速適正な処理をはかることとしております。  次に、その他の事項経費のうち増額となったおもなものについて申し上げますと、刑務所作業費につきましては、原材料費が相当額増額されましたほか、金属、印刷等作業充実するための機械器具更新費、栃木県喜連川町に新設予定刑務支所における開放的処遇に必要な土木機械器具整備費作業附帯経費等合わせて一億三千二百八十三万七千円が増額となっております。  訟務費、訟務部法務局地方法務局において、国の利害関係のある民事行政事件等訴訟事務処理するために要する経費でありまするが、につきましては、前述いたしました集団示威関係事件処理経費を含めまして、弁護士等謝金六百八万円、訟務旅費二百六十万六千円、庁費類三百四十一万円、保証金五百万円、計千七百九万六千円が増額となっております。  以上が一般事務費関係増額となったおもなものであります。  次に、施設整備につきましては、まず施設費といたしまして、五億四千六百五十七万七千円の減額となっております。これは、検察庁、法務局庁舎の新営整備経費が二千八百三十五万八千円減額される一方、刑務所少年院等の収容施設の新営整備経費が二億八百三十七万八千円増額され、差し引き一億八千二万円の増額、五%の増に当たりまするが、となりましたが、旭川刑務所等特別取得費七億二千六百五十九万七千円が前年度限りの経費として減額されたことによるものであります。  また、営繕付帯事務費及び各所修繕費におきまして二億一千六百二十九万九千円が増額されましたので、施設整備経費全体といたしましては三億三千三十万八千円の減額にとどまったのであります。  なお、年次計画に基づく法務局出張所の整備として、前年に引き続き三十八庁の新営が認められ、また、公安担当検察官等の執務環境を改善するための仮眠室等の設置が認められております。  このほか、法務本省電子計算機室等新営費として、建設省所管の官庁営繕費に八千十六万二千円が計上されており、さらに、従来当省所管の一般会計に計上されておりました刑務所等特別取得費が大蔵省所管の特定国有財産整備特別会計に計上されることになりましたので、同特別会計に川越少年刑務所、岡山刑務所施設整備費として十五億五百二十七万九千円が計上されております。  以上が法務省所管歳出予算予定経費要求の概要であります。  終わりに、当省主管歳入予算について一言御説明いたします。  昭和四十四年度法務省主管歳入予算額は二百六十一億五千五百九十八万六千円でありまして、前年度予算額二百八十八億七千十四万二千円に比較いたしますと、二十七億一千四百十五万六千円の減額となっております。  これは、刑務作業収入等において、過去の実績等を基礎として六億三百二十三万四千円の増額となっておりますが、他方、昭和四十三年七月から実施されました交通反則通告制度に伴い、検察庁で取り扱う罰金及び科料が、三十三億一千七百三十九万円減額となることによるものであります。  以上をもちまして、法務省関係昭和四十四年度予算案についての説明を終わります。
  11. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 次に、法務大臣官房辻官房長。
  12. 辻辰三郎

    政府委員(辻辰三郎君) お手元にお配りいたしました提出予定法案の表に基づきまして、提出予定法案の概要を御説明いたします。  まず第一は、法務省設置法の一部を改正する法律案でございます。その内容の要旨は、まず第一点が中央矯正研修所と地方矯正研修所を統合することでございます。これは、現在東京に中央矯正研修所がございまして、矯正関係職員の、主として幹部職員の研修をいたしております。また八つのブロック都市に地方矯正研修所がございまして、ここでは矯正関係の、主として初任研修を行なっておるわけでございますが、現在ではこの中央と地方とがそれぞれ別個の施設になっておりまして、相互に関係するところがございません。さような現状でございますので、機構の簡素能率化矯正職員の研修の充実一体化をはかる見地から、中央矯正研修所を矯正研修所とし、地方矯正研修所はこれを廃止いたしまして、矯正研修所の支所として設置するということを内容とするものでございます。  第二点は、浦和刑務所を廃止し、市原刑務所を設置することでございます。  浦和刑務所につきましては、現在川越市に川越少年刑務所増設建設中でございます。これができ上がりますと、新川越少年刑務所におきましては、現在の川越少年刑務所と現在の浦和刑務所を一緒に収容できるくらいの規模になりますので、浦和刑務所が不要となる関係で、これを廃止するものでございます。  次に、市原刑務所を設置する点でございますが、これは、現在習志野市にございます千葉刑務所習志野支所におきまして、東京及びその周辺の交通関係の受刑者の特殊の矯正教育をいたしておりますが、今回千葉県市原にこの施設を移すことで、現在市原に施設を建設中でございます。これができ上がりますと、習志野支所を廃止いたしまして、市原の施設を新たに市原刑務所として設置したいと、かようなことがこの内容になっておるのでございます。  第三点は、塩釜市等に入国管理事務所の出張所を置くことでございます。  今回の政府予算案におきまして、入国管理事務所の出張所は、塩釜、水俣、直江津、蒲郡、富山の五カ所に新たに出張所を設置することが認められております。予算案が成立いたしますと、これに伴う出張所の新設を、この法案によりまして規定していただくという関係になっておるわけでございます。  第四番目は、市町村の廃置分合等に伴い、官署の位置の表示を改めることでございますが、これは、現在旭川刑務所の位置が北海道上川郡東鷹栖村になっておりますが、東鷹栖村が東鷹栖町になりましたので、この関係整備をいたす点でございます。  次に、裁判職員定員法の一部を改正する法律案でございますが、先ほど最高裁判所経理局長からの御説明もございましたとおり、今年度の裁判関係の政府予算案におきまして、判事十五名、簡裁判事二十八名、その他の裁判職員百十九名、合計百六十二名の増員が認められております。これに伴いましてこの裁判職員定員法の一部を改正するという内容でございます。  第三は、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案でございます。これは、現在八ブロック都市にそれぞれ地方更生保護委員会が設けられておりまして、この更生保護委員会におきましては、三人の地方更生保護委員が一つの部をつくりまして、仮出獄の審査決定及び仮出獄の取り消しの審査決定等の事務をいたしておりますが、この審査業務充実をはかる観点から、委員の数を八名増員いたしますとともに、現在の法律でこの委員会に設けられております事務局の事務局長は委員が兼務することと定められておりますが、この兼務を解きまして、もっぱら委員としての仕事をしていただくということを考えておるわけでございます。実質的には十六人の委員の増となるわけでございますが、この増を考えますとともに、この裏づけといたしまして、現在各事務局に設けられております部制を廃止いたしまして、この部制を廃止することによりまして十六の部長の定数があくわけでございますので、この部長の定数をもってこの委員増員に充てるということを内容とするものでございます。  第四は、裁判所法の一部を改正する法律案でございます。その内容は、簡易裁判所の事物管轄を若干拡張するという点でございます。たとえば民事訴訟の場合の簡裁の管轄の区分となっております十万円以下のものを多少上げて、三十万円以下とするというようなことを考えておるわけでございますが、この点につきましては、最高裁判所当局におきましてなお関係当局とそれぞれ折衝中でございますので、まず確たる成案を得るに至っていない状況でございます。提案につきましては、したがいまして目下検討中ということでございます。  次に第五といたしまして、下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、これもここに掲記されておりますように、若干の簡易裁判所の所在地の変更等を行なうことを内容とするものでございます。この簡易裁判所の所在地の変更等につきまして、なお最高裁事務当局及び私どものほうでいろいろと検討をいたしておりますので、まだこの成案を得る運びになっておりません。したがいまして、提案につきましても目下検討中という状況でございます。  次は、訴訟費用臨時措置法の一部を改正する法律案でございます。これは民事訴訟、刑事訴訟等における当事者及び証人並びに鑑定人等の日当の最高額を若干増額するということを内容とするものでございます。現在たとえば民事訴訟の証人の一日の日当は最高千二百円と定められておるわけでありますが、先ほど最高裁判所から御説明がございましたように、この関係予算が多少増額されております。それをもとにいたしまして、この最高額を若干上げるかどうかという点につきまして、現在最高裁判所当局と法務省の間において鋭意打ち合わせ中でございます。近日中に結論を得まして、おそらくこれは提案をさしていただくことになろうかと考えておるものでございます。  次は、刑事訴訟法の一部を改正する法律案でございます。この内容は、無罪の裁判が確定した場合、被告人に当該裁判に要した訴訟費用を補償するということでございます。これは現在議員提案で当委員会で継続審議されております刑事補償法等の一部を改正する法律案と関連するものでございます。この刑事訴訟法の一部を改正する法律案のただいま申し上げました内容は、何ぶん刑事訴訟の根幹に触れる幾多の問題を含んでおりますので、目下法務省におきまして鋭意検討中でございます。したがいまして、現在のところ、この提案につきましては、いつ提案できるか、まだ申し上げる段階に達していない状況でございます。  最後は、出入国管理法案でございます。御承知のとおり、現行出入国管理令は、昭和二十六年、いわゆるポツダム政令といたしまして制定されたものでございますが、その後十八年を経過する間に、わが国の国際的地位の向上と国際旅行意欲の増大は、特に航空機の発達と相まちまして、わが国への出入国者を飛躍的に増加せしめるに至っております。この事態に対応いたしますために、出入国手続の簡素化をはかるとともに、在留管理体制を整備することが要請されておりますので、この観点から、ここに出入国管理令を廃止いたしまして、新たに出入国管理法案を提出しようとするものでございます。現在、なおこの内容につきましては鋭意検討中でございますので、最終的に確定したという段階に達していないわけでございます。  以上が、法務省関係国会提出予定法案の概要であります。
  13. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 以上で説明は終了いたしました。  本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。     —————————————
  14. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 次に、国鉄動力車労働組合鹿児島支部組合員の逮捕事件に関する件の調査を行ないます。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  15. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 速記を始めて。
  16. 亀田得治

    ○亀田得治君 私はこの際、動力車労働組合の鹿児島支部の組合員八名でございますが、支部長の山内明君外七名、この八名の者が今年の二月十六日に突然逮捕された、こういう件につきまして若干きょうは緊急でありますから、大まかにお尋ねをしておきたいと思います。  これはですね、昨年来この動労の組合の鹿児島支部で、組合の分裂策動というものが行なわれまして、十一月二十八日に八名、二十九日に四名、三十日に三名と、合計十五名ですか、この脱退届け出が出たわけであります。何ぶんにも組織というものはどこにとりましても非常に重要な問題でありまして、鹿児島支部の皆さんは、同じ労働者でありながら一つの職場で二つ組合ができるというようなことはすべきじゃないと、そういう説得活動に入ったわけであります。その結果、十五名のうち二名の方がもとの組合に復帰されました。しかしながら、この今度の分裂策動をしたと見られる諸君が、いわゆる正規の組合活動である説得活動を誇大に取り上げ、そして警察に持ち込んで、その結果、先ほど申し上げたように、十六日突然逮捕されるということが起きたわけであります。  これは、いま概略申し上げましたように、本筋としては全く一つの組織の中の問題なんであります。ところが、その中の少数者の意見を聞いて、そうして動労の鹿児島支部の諸君からは何らの説明も聞かないで、一方だけの言い分を聞いて、そうしてこう警察権を発動したということになっておるわけでありまして、大所高所から見ると、これは組織に対する権力の介入ということになろうと思うのであります。で、労働組合のほうでは、こういう内輪の問題の多少のいざこざに対して、形式的な理屈をこねてこのような介入をするということは、組合に対する弾圧だということで、まあ非常な憤激をいたしておるわけであります。現状はこの八名の者に対しまして検察庁段階にあるわけですが、勾留をされておるわけですが、法務当局にまず要求したいことは、こういう内輪の問題に権力が介入してくるということは極力避けてほしい。したがって結論的に言うならば、警察が事件を送致してきたんだから、これを調べないわけには私はいかぬと思うのです。しかし、やはり一方を拘束して調べるというふうな私は事案では絶対ないと思うのですね。だから端的に言って、これは勾留しておる者を釈放して、そして任意捜査の形でやってもらいたい、それが私は正当だと思うのです。先週の金曜日に私は、いろんな文書なり人の話だけではいけませんので、鹿児島に直接参りまして、関係の人なり、あるいは現場等も若干見て、説明を受けてきたわけでありますが、向こうに行きました感じというものは、ますますこれはどうも警察の不当介入という印象を強くしておるわけなんです。このことは最高検にも要請しておるわけなんですが、まずこの点についての検察側の考え方を明らかにしてほしいと思うのです。本日は勾留理由開示を現地ではやっておるようですが、どうでしょう。
  17. 豊島英次郎

    説明員豊島英次郎君) 鹿児島動力車労組の山内明委員長外七名の事件につきましては、御指摘のように、本月の十八日に「暴力行為等処罰ニ関スル法律」違反事件として、鹿児島地検においては身柄の送致を受けております。同地検では、二月十九日に八名につきまして勾留請求をし、二月二十日に鹿児島地方裁判所の勾留状が発付されております。八名につきまして勾留状が発付されております。鹿児島地検におきましては、御指摘のように、目下捜査中であるという状況でございます。  事案の内容につきましては、目下捜査中の案件でございますので、説明を差し控えさしていただきたいというふうに思いますが、委員御指摘の身柄の拘束の点、その他捜査の内容、方法、すべてを含めまして、今後公正に事件処理を行なっていくものであるというふうにわれわれは確信いたしております。委員御指摘の御要望につきましては、適当な方法をもちまして、私どもも検察当局のほうへ連絡をいたしたいというふうに考えております。
  18. 亀田得治

    ○亀田得治君 きょうは突然の緊急質問で、衆議院の予算なり、そのほかの審議と重なっておるものですから、最高の責任者の方がこの場所に出られないことはたいへん遺憾なんですが、したがって、私もう一度次回にこの問題を質問することにいたしますが、なお、その警察当局ですね、時間の制約があるようですから、私のただしたい点をいまここで申し上げますので、いま答えられる点があれば即刻答えてもらっていいと思いますが、もし無理な点があれば、次回でもお調べの上お答え願いたいと思います。  いろいろ、これはたくさんあるわけですが、まず第一に、このこういう内輪げんかですかなあ、言うてみたら。きょうだいげんかのようなもんなんです。そういう問題について、なぜ警察が軽率に入ってきたのか。一方は多数、一方は少数、しかもその少数の諸君の書類だけを出させて、それをもとにしてつかまえるということですね。そのつかまえ方もですね、朝勤務で帰ってくると、作業服のままでおるものを職場から引っぱっていく。しかも、それは日曜日の朝ですね、十六日といえば。一方の言い分は少しも聞いておらない。私、県警に参りましたときに、県警の本部長は、いや、事前に二回ほど注意しましたというふうなことを言っておりましたが、きわめてその注意たるやあいまいなもんなんです、ずっとたどって聞いてみますと。実際にそういう注意があったのかないのかという、二回あった。昨年一回して、ことしの一月の二十一日に一回あったという説明でしたが、県警から国鉄当局に注意して、当局から組合の事務所に電話をかけておる程度なんですね。組合の委員長はおらない。職員の方が聞いている。電話は聞いておるが、委員長には伝わっておらない。真剣にですね、ほんとうに公平にものごとを運ぼうというのであれば、委員長に来てもらって事情を聞くなり、そういうことがなければならぬと思うのです。そういうことも少しもしないで、一方の言い分だけで逮捕までする。それは、申請があれば捜査されるということは、これは警察の役目ですから、それはしかたがないと思うのですよ。こういうやり方はですね、はなはだもって行き過ぎておると思うのですね。これが一つ。その根本問題です、これは、この種の問題について。まるで——あなた、これは小さな分裂ですからね、十三名といえば。あそこの組合の組織としては、もとの組合からいえば、子供か孫みたいなもんですよ。子供か孫が何か書類を出してきたからいうてね、おやじの言い分少しも聞かぬで、そうしてつかまえてしまう。そんなばかげたことはありませんよ。警察や権力が、そんなどっちかに味方をしているような、そういう印象を与えるということは、これはよくない。政治的な立場というものは離れて、公正にやってもらわぬといかぬ。根本問題についてひとつお聞かせ願いたい。これは長官なり大臣に実は聞きたい、聞かなきゃいかぬことなんですがね。これが第一。  それから第二は、警察が八名の方を逮捕したときに、山之内、溜、西田、牛根、この四名の方の写真を意識的に新聞社に渡したわけですね。新聞社がかってに写真を写されるのは、これは私は自由だと思うのですよ。だけれども、警察がことさらにそういう写真を新聞社に渡して、まだ罪も何もきまっておらぬものを、あたかも何か非常に悪いことでもしたような印象を与えるような、そういう宣伝に使わすと、これは、警察の人だからね、渡せばどうなるかは十分わかっておると思うのですよ。そういうところにも、今度の事件に対する警察の態度というものは、非常に公正を欠いておると私たち思うのです。警察はなかなか、自分の手持ちの事件関係の書類というものは、それは国会で要求してもなかなか見せたがらぬですよ、いろいろな理由をおっしゃって。にもかかわらず、こういうことを軽率にされるということが、私ははなはだ行き過ぎだと思うのです。普通の事件ならそこまではされぬと思う、そこまでは。やはり、二つの組織について公平さを欠いておるからそういうことが出てくるのだと思います。それが第二。  それから第三にお聞きしたいのは、本部長はじめ警察のほうは、本件はいわゆる被害者からの申請に基づいて扱ったものだと、こう言っておられます。しかしそれは、その点について、まず形式ですね、八名の方が一々書類を持ってきたのか。それとも、門口という県会議員がおります——これは新国労、第二組合の委員長をいままでしておった人、評判が悪いものですから、せんだっての大会では落選したようですが、この人が持ってきているのじゃありませんか。そうして、その門口県会議員が県警に対して、ずいぶん強硬にこの逮捕等を要求しておる。それが真相じゃありませんか。いや、そういうことはあったかもしらぬが、判断は警察自体でやったんだというふうに言われるだろうと思いますが、それはまあまた、おのおののものの見方ですわね。だから私は、事実を聞くわけです。門口県会議員が本部長に対して執拗に強制捜査を要求したのであろうと、その事実を聞くわけですね。これが第三点。  それから第四ですね。今月の二十二日、午前三時五十分、鹿児島線の出水駅ですね、出水駅発の急行「かいもん二号」ですか、これが出発するにあたって、機関士の野村と、それから機関助士の七ケ所という人との間でもめごとがあって、汽車の発車が十五分間おくれた。これは全国紙にも載っておりました。で、この際機関士の野村君が機関助手の七ケ所君に対して乱暴をして、そうして傷を負わせた、こういう事実があります。七ケ所君は病気で休んでいて当日出てきたようです。七ケ所君のほうでは診断書をさっそくとっておるようですが、ところが、七ケ所君はこれは動労のもとの組合、野村君はいわゆる新労なんです。その詳しいいきさつはもう別にします。ともかくその発車を前にして暴力をふるった、機関助手に対して。診断書もある。これは一体警察としてどういう措置をとられるのか。逆ですわね、今度は。ただし、私は直ちにだからといって野村君を逮捕しろということまでは実は言うつもりもないんです、これは。感情的にはそう言いたいところですわね、八名の者が一方では逮捕されているんだから。しかし、この種の問題についてもっと冷静に警察なり検察は扱っていかなければならぬというふうに考えているもんだから、なぜ逮捕しないんだということを私はここで言うつもりはありませんが、どういうふうにこれを処理されようとしておるか、これが第四点。  それから説得活動の経過の中で、第二組合に行きました中村護君というのがけがをしたということで、そうして診断書をとっておられるようですね。警察にもこれを出しておるようです。しかし、これにはいろいろ問題がありまして、たとえばこの診断書をとる際に、中村君と門口県会議員、これが一緒に八反丸という名前の病院、そこへ一緒に行っておるんです。そうしてその県会議員の方が医者に対して、ともかく重いように書いてくれと、こういうことを要請した事実があるんです。これは証人がある。といいますのは、たまたまその病院に動力車労働組合の組合員の方が入院しておったわけですね。門口君はそういうことを知らずにしゃべっておるんですね。それを聞いて非常に憤慨しているわけです。警察はおそらくそういううわさも聞いているはずですが、そういうことについてほんとに検討しておるのかどうか明らかにしてほしいんです。  それから次の問題は、この十三名の中にも、名前はここでちょっと遠慮しておきましょう、自分の書いたものが同じ職場におる人を逮捕するために使われるということでは、これはまことに自分の気持ちに反すると、こういうことを言っておる方があるわけなんです。これは新聞社も聞いております。おそらく県警の耳にも入っているのじゃないかと思うのです。決して十三名の方がいわゆる正規の告発状というものを書いた事件じゃないのです。これは新国労の門口委員長が書かしたわけですね。その書いたものを自分が告発に活用しているわけなんです。告発的な行動に活用しているわけなんです。だから、そういう点などについて、これは警察は知っているはずですが、明らかにしてほしい。  それから最後にもう一つお聞きしておきます。現在八名の方を四カ所に分散勾留しているのです。これは最初からです。弁護人の皆さんは非常に不便を感じているのです。もっと被疑者のために、特別な便宜を計らう必要はないと思いますが、ことさらに弁護活動ができにくくなるようなそういうやり方は、私は公正を欠くと思うのです。四カ所にいる人は全然事件が違うわけです。一つの所には同じようなグループがいる。それは捜査上はそのほうが便利でしょう。しかし、みんな違うわけですから、そんなあなた遠い所に分散しなくても私はよさそうなものだと思うのです。だから、こういうことは捜査は捜査、しかし法律上認められる弁護活動がことさらやりにくくなるようなことは一種のいやがらせですわ。そんなことは国家機関たるものがすべきじゃないと思います。ことに本件の問題は、先ほど来申し上げているように、二つの組合のけんかに対して政治的な立場から権力が介入しているのじゃないかという印象を与えていることも事実なんです。なおさら私は、そういう身柄の扱いについても、感情的にならないで、もっとやり方があろうと思うのです。  以上、六つになりましたか、七点になりましたか、一括してひとつお尋ねをいたしておきます。
  19. 川島広守

    政府委員(川島広守君) ただいまの亀田委員の御質問でございますが、これはみずから現地においでになったそうでございますが、私のほうも鹿児島の県警本部から報告を詳細受けております範囲内においてお答え申し上げたいと思います。  第一の内輪げんかの問題は、お話のとおりでありまして、いわゆる十一月末に起こりました組織脱退の問題がからんで発生したわけであります。御承知のとおりに、この種の組織問題については、他の労働組合の中にも間々発生する事案でございます。御指摘のとおりに、これが平和的な説得の範囲内にとどまっている限りにおきましては、いささかも警察が措置するような性質のものではございません。今回は、御案内のとおりに、昨年の十二月から一月の二十二日に至ります間、四回にわたりまして現実に暴力行為があったわけでございます。これにつきましては、先ほども御指摘がございましたが、令状の交付を受けて逮捕した、こういう経緯に相なっておるわけでございます。したがって、根本問題でございますこの種の事案につきましては、警察といたしましては常に慎重な配慮のもとに措置をしておる。また、従来もそうでございますし、将来にわたりましてもそのような基本的な態度で処してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  それから第二の御指摘の、写真の提供の問題でございますが、現実に鹿児島新報でございましたか——に写真が出た。これについては、実は現地のほうにいろいろきびしく尋ねてみたのでございますけれども、だれからどこでどういうふうな経緯で一体新聞社に漏れたのか、その点が実はつまびらかになっておらないわけでございまして、なお私のほうとしましては、ただいまのお尋ねもございましたので、詳細この問題につきましてはまた調査してまいりたい、こういうふうに考えております。  それから第三点の、本件の被害申告者の問題でございますけれども、これは御指摘の門口県会議員という方の申告ではございませんで、第一回、十二月五日に発生しました事案については、被害者自身が電話で事情について警察側に連絡してまいっておるわけでございます。申し上げるまでもございませんが、警察側といたしましては、さような被害申告を受けました場合に、直ちに前後の見さかいなく告発を受けるということはやっておりませんし、したがって、今後も詳細、目撃者——被害者はもちろんでございますが、目撃された方々の多数について慎重に捜査を運んでまいった次第でございまして、したがって、現実に発生しました事案は、委員御案内のとおりに、昨年の十二月五日、あるいは一月十八日、二十一、二十二日、この四つの事案は——そのほかにも現在捜査中のものも四件あるわけでございますけれども、二月十六日に逮捕したわけでございまして、この間非常に長い時日をかけまして、実は、いま申し上げましたように、参考人の供述その他を慎重に取りまとめた上で、令状の交付を受けたという次第でございますので、そのように御理解いただきたいと考える次第でございます。  それから第四点の、一月二十二日の朝のもめごとの問題でございますが、この問題は、目下現地におきましても、先ほど委員からも御指摘ございましたが、診断書等もお持ちであるというようなことでございますし、いま慎重にこれは関係者につきまして捜査を行なっておる段階でございます。  それから五番目の、中村護さんの一月二十一日の事案でございますが、これにつきましては、いま初めて実は門口県会議員が病院に行った云々ということはお聞きしたわけでございますけれども、この中村護さんの診断書につきましては、仰せのとおりに、警察側のほうに診断書が出てまいっております。ただ、それがどういうふうな経緯で、ただいま御指摘のように、無理無理に、ないものをあったかのごとく書いた、あるいは軽いものを重傷にしたというようなお尋ねでございますが、この点は、また現地につきましても、せっかくのお尋ねでございますので、詳細調査をしてまいりたい、こういうふうに考えます。  第六点の、十三名の現在の鉄労をつくっておられる方々、それらの方々の中に、自分の書いたものが云々という御指摘でございましたが、これも私、いま初めて耳にするわけでございますので、これも時間をいただきまして、詳細調査をしてまいりたい、かように考えます。  それから最後の七番目の、分散留置の問題でございますが、これはもう亀田委員御専門でございまして、警察側といたしましては、弁護活動を不便ならしめるために分散留置をするというようなことは毛頭考えてもおりません。しかし、現地の留置場の都合等によりまして分散留置をするということは、在来もやっておるわけでございます。この点は、私も、さようなことがあってはなりませんし、また今回もさようなことで分散留置をあえてしたというふうには考えておりません。ただ、いま御指摘にもございましたので、この問題、もう裁判官の問題、勾留の問題、拘留の問題もございますので、関係機関とも連絡をとりました上で、今後の弁護活動に便なるよう、事情が許しますれば、その辺は、裁判官あるいは検察官ともよく御相談の上、措置できるものならそのような措置をしてまいりたい、かように考えるわけであります。
  20. 亀田得治

    ○亀田得治君 いますぐお答えできない点は、お調べ願ってお答え願います。  それで、たとえば、いま分散留置のことについて、決して弁護活動を妨げるようなつもり、そういうつもりがあっちゃいかぬし、まあそんなことはないと思うというような趣旨のことを言われますけれども、この八名について弁護人が選任届けをとるために面会に行ったわけですね。そうすると、本人に依頼の意思があるかないかわからぬというふうなことを言って、ずいぶん弁護士が待たされたわけですよ。そんなことは一つの言いがかりなんです。それはあなた、ちゃんと組合から頼んできておるのに、その組合員が弁護士をつけるのをいやだなどというようなことは言うわけがないので、ただ、そういう場合に、組合員によっては、弁護士の名前を知らなかったりして、さあどうしようかというふうに考える場合もありますよ。そんなことをいいことに、面会時間を延ばす、これはまるでいやがらせですよ。そういうことをやるから、四カ所の分散留置ということについても、ぼくら、フェアじゃない、こういう気がするのです。何も四つに分けておることだけをつかまえて特に申し上げておるのじゃないのです。そういうことがあるのです。  それから、本人自身から電話をして申請してきたというふうに言われますが、それはだいぶ私は事情が違うと思うのです。あるいは記録はそういうふうになっておるかもしれません。しかし、門口県議がこのことについて本部長に強く要請したということも、これまた私は事実であると思うのです。その点を聞いておるのです。その点どうなんですか。
  21. 川島広守

    政府委員(川島広守君) 先ほど申しました十二月五日の事件につきましては、具体的にいまここで申し上げますと、十二月九日の日に被害者から電話で被害申告がございました。門口県議が本部長に対していまお尋ねのようなことをしたという御指摘でございますが、これは現地から全然報告を受けておりませんので、これはあらためて調査をした上でまた御報告いたしたい、こう考えます。
  22. 亀田得治

    ○亀田得治君 まあともかく、普通は電話ぐらいじゃなかなか動きませんよ。まあそういうことを言うなら、ちゃんと告発状でも持ってこい、普通はそうですよ。それから、門口県議のことは知らぬと言いますけれども、そんなことはないのだ。まあ調べてください、それは事件のポイントですから。あまり引っぱると、衆議院のほうに迷惑かけちゃ約束違反になるので……。  法務省のほうにちょっと二、三聞いておきます。  現在八名勾留状が出ておるのですが、その勾留理由は、傷害を与えたというようなものはないのでしょう、どうですか。
  23. 豊島英次郎

    説明員豊島英次郎君) 報告を受けております範囲内では、暴行、脅迫を内容とする「暴力行為等処罰ニ関スル法律」違反であるというように考えております。
  24. 亀田得治

    ○亀田得治君 ここに勾留状の写しがあるんですが、それを見ますると、そのとおりです。そんな傷害を与えるといったようなことはない事犯なんですよ。しかし、検察庁では、勾留しておいて、そうして勾留状に書いてある以外のこともずいぶん調べているんじゃないですか、どうなんです。
  25. 豊島英次郎

    説明員豊島英次郎君) 最初に申し上げましたように、捜査の内容につきましては、従来とも詳細な状況を申し上げることは差し控えさしていただいておるという関係もございますので、なんでございますけれども、一般論といたしまして、勾留中に出てくる各種の余罪につきまして同時に捜査を行なうということはやっております。あるいはこの件につきましても、このケースと近接いたしますところのその他の容疑事実についても捜査をしておるということは考え得るというふうに思います。
  26. 亀田得治

    ○亀田得治君 そうすると、勾留状以外のことも調べておる、こう受け取っていいですね。
  27. 豊島英次郎

    説明員豊島英次郎君) 具体的なこのケースにつきまして、はたしてやっておるかどうかについては、私つまびらかにいたしておりません。
  28. 亀田得治

    ○亀田得治君 しかし、勾留状に書いてある限りにおいては、これは全くの微罪ですわ。ともかく、そんな組合を分裂させていくようなことはやめてくれ、こういうことを頼んでおるわけですよ、これは。それは大きい声出す場合もあるだろうし、そこでお互いに理屈を言い合いすることになる場合もあるだろうし、そんな程度の問題なんですよ。そういうものについて勾留を続けなきゃならぬのですか。ともかくだれでも納得するようなことで勾留されているんなら、それほど人間というものはエキサイトしない。ところが、ああいうことで刑務所へ入れられる。それでみんながよけい憤慨するわけですね。しかも、始まりというのは、最初に説明したようないきさつからきておるわけなんです。新国労の指導者に警察、検察庁が使われているような結果なんですよ。門口君は、何といいますかな、これは分裂工作も念が入っているんだ。この組合員を第二組合に行かすために家庭まで出かけているんですね。そうして、そこのむすこさんで高校生がおるような場合、むすこさんを鉄道に就職させたいならば自分が当局に言ってやれば一も二もなくオーケーだ、こういうことを言うて、したがって第二組合に来い、こういうわけなんです。それからまた、これは鹿児島ですからね、鹿児島でありながら北九州とかほかのほうに勤務しておる者についても、自分のほうから口をかけたらすぐこっちのほうへ返してもらえるから、こんなようなことをまた言ったり、さらにけしからぬのは、助役試験などを受ける場合、門口が局に話をすればすぐ合格する、こういうことを、本人が言いもせぬことを、人の信用を傷つけるようなことを組合員が言うてくるわけがありません。こういうことを言うて回るんです。それから飲食を一緒にして勧誘するとか、これはどこでもよくあることですがね。こんなやり方で組織分裂をはかっておるわけなんです。私は、一つの考え方に基づいて別な組織が自然にできるという場合には、それもまあ一つの立場ですから、私たちは、多少の意見の違いがあっても、組合というものは一つでいたほうがいいと思うが、それはまあ立場の違いで——しかし、いま私がちょっと事例的に申し上げたような、そこまでやるということになりますと、今度それに対する反発というものが、正常な人間ならこれはおこりますよ、正常な人間なら。私が同じ職場で働いておれば、そんなことまでやられたら、それはだれだっておこりますよ。したがって、当然それは説得活動というものは強くなるわけでしょう。そういう諸般の状況というものをよく見て、そうして警察が手を出しませんと、あるいは検察庁が扱いませんと、結果においては皆さんは一方の肩を持って向こうから使われておる、そういう結果になるんですよ。法律の条文だけ読んで、これに該当するからこうだ、こういうことでは私は済まないと思うのですね。どうしても、皆さんがあくまでもこれは強制捜査だ——強制捜査をやったってだれもそれは黙否して話しませんよ、こんなひどいことをやられたら。何にもならぬですよ、そんなもの。私たち、よく黙否権行使している場合、まあそう言わずにもう少しやわらかい態度でやったらどうかというようなことをすすめる場合もありますがね。私は、本件についてはそんなことをする気はないです。する気になれぬです、実態を聞くと。こういう不当なことをやられてどうしてしゃべれるかというのが、私は労働者の自然な気持ちだと思う。そういう自然な気持ちの出ないような人間は、これはかえって困りものですよ。そういう案件ですからね。皆さん警察から送られた書類だけで扱っておられるのでしょうが、早く任意捜査に切りかえてほしい。なぜそれを言うかというと、強制逮捕しても捜査は進まない。しかも、職場の中では非常にトラブルが激しくなっていくわけです。だから、この二十二日、列車が発車しようというておるのに機関士と機関助士とがそこでもめておるというようなことが起こるわけです。これはホームでやっておるんだからまだいいけれども、汽車に乗ってそんなこと始めたらたいへんでしょう。だから、全く及ぼしておる影響というものが大きいのです。ところが、警察、検察庁は、形式的に何か法条に該当するものがあると、それを型どおり扱うのだ、こういうことを言うのですね。はなはだこれはいかぬと私は思うのです、そういう場合。だから、これは公安課長だけでなかなかどうにもならぬでしょうが、ここで強く要請しておきますよ。実態というものをつかんで処置してください。私がきょう申し上げたことがうそかどうか調べてください。これはひとつ次回に、もう少しはっきりした答えを聞きたいと思います。これは局長なり大臣から聞くことにいたしますが、よく説明しておいてください。いいですな、報告しておいてください。
  29. 豊島英次郎

    説明員豊島英次郎君) きょうの御指摘のありました諸点につきましては、上司にその旨報告したいというふうに考えております。  一般論といたしましては、おっしゃるように、諸般の事情をよく調査し、慎重に捜査して、公正に判断をするというふうに確信をいたしております。
  30. 小平芳平

    委員長小平芳平君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十二分散会      —————・—————