○秋山長造君 いいことなら大いに推奨したらいい。岡山県だけがいいことを一人占めする必要はないので、どこでも大いに
文部省は奨励してやられたらいいと思うのです。それをよその県にまで推奨するほどのものではないとおっしゃる
意味は、逆に言えば、これはちょっとおかしいということに私はつながると思うのですが、そう受け取りざるを得ない、文部大臣、そうでしょう。それならそれでやはりこれは現実に岡山県で大問題になっているんですよ、ほんとうに。これは当然でしょう。何か
教育長が定例の
教育委員会に事後報告みたいな形で報告されたら、
教育委員が期せずしてつい言われたかどうか、正直な感じであったのでしょうが、それは教員が怒るじゃろうとみんな言うたらしいのですが、私はそれが笑い
ごとではなくて案外一番核心をついた感想じゃないかと思うんですよ。あなた方もさっきから首をかしげてつれていることはやはりそういう
意味だろうと思う、やはり県がやったんだから。ただ十分つまびりかにもせず、秋山の言うたことはそれはそうだ、とんでもないことだと言えぬでしょう。けれ
ども首をかしげられたところをみると、
教育委員と同じ感じをあなた方持っておられるんじゃないかと思う。これはもうこういうことをやれば
教育界が混乱する、現場が混乱するということは常識的におわかりいただけると思うんですよ。だから私はもうここまできて岡山の
教育委員会を別にけなすつもりもないですけれ
ども、やはり事の筋道として
教育というものを少しでも円満に前進をさせたいという念願においては私も人後に落ちぬつもりなんです。だから、そういうことで逆行するりじゃないか、こういうことを一方的にやられると。それから要らぬ対立感あるいは相互不信、校長と教頭とそうして一般教職員との間の相互不信感、こういう心理的、精神的な要素というものが
教育の場合は――まあどこの職場でもそうですけれ
ども、
教育の場合は特に私は重要だと思う。これはもう教師とそうして
政府との間だけでなしに、教師相互間また教師と上司の間、すべてその点が一番重大な要素だと思うのですよ、
教育を円満に進めていくための。だからそういう趣旨から言って、これは何回もしつこく言いますけれ
ども、しつこく言うだけの価値があると思う。行政としても私は非常にまずいと思う。いわんや政治判断としては実にまずい。これはある
意味から言えば、これは教員
組合に対する
一つの果たし状ですよ。ある
意味からいえば、こういうことを一方的にやられるということはね。とまで言いたいくらいの、そういうことがあっちゃ非常に私はまずいと思うのです。だから、この点はもうこれ以上幾ら詰めてみてもあなた方のほうが詳細な
資料を
手元に持っておられないわけですからね、電話で聞かれただけのことですから、私が一方的に何やかにや申し上げてもここで議論に発展がない、至急にひとつ詳細な
実情を調査してくださいよ、そうして、適当でなければないで、どうも既成事実だからどうも何だ、かんだといろいろ理屈にならぬ理屈を
あとからくっつけて、そして押し通していくというようなことは、必ずしも私はとるべき道じゃないと思うのです。これは不適当なら不適当で、しからばどうするかということを県教委とも一緒になって私は考えていただきたいと思うのです。たとえば、この際ちょっと一時保留にして、そして
教育で苦労しておるのは校長、教頭だけじゃない、すべての教職員が苦労しておるのだから、だからすべての教職員も、この際教職員の
給与の抜本的な改善という時代の要請ということもありますからね。全部今回の措置に準じた措置でもして、そういう中で円満に事を運ばせる、そのためには
文部省としても一はだ脱ぐ、いろいろな面で、というくらいな思い切ったことをやっていただきたいと思うのです。ただ、いずれにしてもいまのままで放っておいたら、これはたいへんですよ。その他にも、たとえば一〇・二六とか、一〇・二一とかいうような問題について、大量処分の問題、この間、鈴木力君が、山形県の教委で三分間出勤がおくれたというて懲戒処分したという話が出ておるのですが、これは山形県だけじゃない。岡山県なんかでも、七分ですか、七分おくれたというて処分を受けた人がたくさんあります。そのほかにもまだ、これは宮地さんの受け持ちじゃないけれ
ども、
坂田文部大臣の受け持ちであることは間違いないのですが、津島遺跡の問題のことなんか、もうこういうことはよく御存じですから言いませんが、なかなかまずいことがあるのですよ、いろいろ。だから、そういうこともあるのですから、県教委といえ
ども、これは万能じゃない、また万全じゃないのですよ。やっぱり失敗もあれば、思慮の足りなかった点もないとは言えぬのですからね。そういう点は、私はもう
文部省もひとつ指導、助言をそれこそ発揮して、率直にやっぱり足りなかった点は改めてもらいたいと思うのです。そのほうがこの教職員のほんとうの
教育行政に対する信頼をつないでいくゆえんじゃないか。ただ、権力づくで押さえつけていこうといっても、それは無理ですよ。そういうことは釈迦に説法ですから、もうこれ以上はくどくど申しませんが、十分ひとつそういう点も虚心たんかいに文部当局としても考えて、私は至急に善処していただきたい。それで、私は
委員長にもお願いしておきたいのですが、必要によっては県の
教育委員会の責任者あるいは人事
委員会の責任者、こういう人をこの席に参考人として呼んでいただきたいと思うのです。これはやっぱり重要な
内容を持っていますよ、だから、十分その点論議を尽くして、そうして、よりいい結論を出してもらいたいというように思いますので、どうかひとつ次回までに、明後日までにあなたのほうの
資料は間に合いますか。