○安永英雄君
教育委員の選任については、県の権限でありますし、あれですけれども、まあこれは時間がありませんが、いつか私はやってみたいと思うのです。こういった汚職の根源で、やはり私は
教育委員の任命制、あるいは公選制という問題にさかのぼらなければこれはならぬ問題じゃないかと思います。私はどうしてもこの知事なり議会、こういったところから、これが指名を受けて議会の承認を受けるというこの手続、これが非常に政治的なひもがついて
教育行政の中で非常に不明朗な点が出てくる。これも私は
一つの大きな弊害だし、ひいてはこれが私は愛媛の汚職につながっている、こんなふうな気がするのです。特にそういった十何年も続けておる、あるいは議会から圧倒的に支持をされたと、こういったことであぐらをかいておる。そうしてその
教育委員のもとにおれば、どんなことをしてもいいんだというふうに思い上がってしまうようなこのルールができている。そこに私は汚職の原因もあるかと思うんです。そこで、愛媛に行って驚いたのですけれども、この松山の出張所長が犯したこの汚職というのは氷山の一角にすぎない。たくさんな例があるのです。私は
調査に行ったが、とにかく六十通からの投書をもらいました。これはほとんどが
教員だと思います。
教員であります。残念ながら
ほんとうの名前が書いてない。わかりません。ここに私は
一つの問題があると思うのです。とにかくあそこは勤評は日本で一番にやったところです。非常に勤評で問題があったところです。学力テストでは四十年でしたか、日本一の折り紙がついておったところであります。そういった点で私はこの
教員というものが非常に管理職あるいは行政機関に対して萎縮をしている。私から言わせればひきょう者だというくらいに萎縮をしている。名前も堂々と出せないで偽名を使って投書を六十名も送ってくる。言いたいことは山ほどある。あるけれども、それを表に出て堂々とこれについて批判したり、意見を述べたりすることができないような状態になっている。これも話をすれば長くなりますが、私は勤評体制、学テ体制、こういったもので徹底的にいじめ上げられて萎縮してしまっている、
教員が個々に孤立してしまっている、こういう私は証左だと思います。ここらにやはり
一つの汚職の原因がひそんでいる。言いかえますと、現場教師自体もこの汚職について徹底的に常に目を光らせておるという状態がない。これについては
一つのやはり汚職を許すような雰囲気がある。しかし、もとをただせば、管理体制というものの間違った強化というものがここにあらわれてきているというふうに私は思います。
文部省のごく最近の管理体制の強化ということは、私はある面では管理体制の強化は必要だと思うけれども、これは正しい管理体制の強化でなければならぬ。新しい行政の感覚としては、私は上から下に押しつけるとか、あるいは権力でもって押えていくというふうな、このありさまがこれは管理体制の強化ではないと思うんです。近代的な管理体制というものは、やはり下の意見というものを十分くんで、そうして上意下達じゃなくて、下から上に上がってくるという、こういった意見を十分に聞いて、ガラス張りで私は民主的な管理体制をつくらなければならぬ。これが
ほんとうの管理体制だと思うのです。ただ、ごく最近いろいろ管理体制の強化を言われますし、聞くところによると、また教頭というものを
学校教育の中に入れて、そうして明確に管理体制をしようとか、こういう考えもあるやに聞いておりますけれども、私は民主的な、
ほんとうに近代的な行政を行なうための管理体制の強化でなければならぬと思います。これが愛媛では行なわれていない。すべてが秘密主義。全く人事の問題について各人の意見を聞こうとしない。
ほんとうにこの一部の
教育行政に携わる人々が秘密裏に人事行政をやっている。言いかえますと、年度末の
異動計画というものをつくり上げてしまう。ここに秘密というものを持っている。そうして何人かが権利を持っているというところ、こういう雰囲気でありますから、そこに対して各個に孤立している
教員、萎縮している
教員というものがどうしても
僻地から平地に行こうとか、あるいは
校長になろう、教頭になろうという者はそこに汚職以外に方法がない、物を贈るあるいは金を贈る、こういった以外に自分の目的を達する道はない、こういう大体雰囲気、機構になってしまっている。これが私は愛媛の汚職の一番大きな原因だというふうに考えます。したがって、私はあすこに行って調べたのですけれども、名前は申しませんが、
教育委員に会いましたが、これは気骨のある
教育委員でありましたけれども、ある地教委でありますが、この人は
異動定価表を持っておりました。おかしな名前ですが、
異動定価表
——これが
校長が十万円、教頭が五万円、
教員は三万円、これが三、四年前です。いまは
校長は三十万円、これが相場だと言っております。これは地教委の
教育委員ですが、十万円の品物を贈って、そうしてたまたま渡辺という夫婦が平地に帰ったわけでありますが、そんなものではない、今度逮捕された松山の所長などはもう三、四年前から人事
異動の時期になると門前市をなす、新聞もそう書いてますが、いろいろ私は現地で聞いたところによりますと、
ほんとうに門前市をなす、この人のところに物を持っていかなければ自分の思った
異動はできない、こういうことは公然の秘密としてみな知っておったということを聞いて私は驚いたのであります。これが愛媛の人事にまつわる汚職の
実態でありますが、私はさらにいろいろの
先生とも会いました。会いましたが、たとえば愛媛には
教員組合がありますが、勤評、学テ、こういったもので徹底的に破壊されておるそうであります。組織としてはわずかな人間しか残っておりません。したがいまして、私は組合員ではない人につとめて会ってまいりました。あすこで新規の採用の人で愛媛の教組に加入した人は三十三年勤評以降一人もありません。この十何年一人もありません。そこで二、三人の私は三十歳以下の
先生方に聞いてみたのです。必ずこの六カ月のこの研修が終わっていよいよ本採用に採用されるときには、教組におまえは入るか、入るとすれば採用しない、私はこう言われた、したがっていまだに入っていないのですということをはっきり言っております。あるいは息せき切って私のところに来ました一人の
教員は、私は今度の人事
異動で
校長から、あすこは愛教研といって愛媛の
教育研究の団体がありますが、それに入らないと今度は
異動をさせる、こう言われて、私は入る意思はありませんとこう申し上げたところ、今度
異動させられた。
校長先生になぜ
異動させられたかと聞いたところ、そう言えと、そうするということを管理主事から言われたので、私はそう伝えただけです。
校長さんが言う管理主事に会って聞きますと、そんなことを言った覚えはないと言う。これについては
校長も本人も証人台に立つと、国会にでも喚問されれば私ははっきり言うということを言ったのはその人だけでございます。
あとは名前を言ってくれるなと、言うと私が今度飛ばされる、島行きだ、こういうようなことをあすこでは、つくり話ではありません。深刻な顔をして言うわけであります。だれも最後は必ず私の名前を言ってくれるなと、こういう私は
実態を見てまいりました。私は実に残念な気がしたわけでありますが、少なくとも、こういう雰囲気の中で起こるべくして起こった汚職事件であるというふうに私は考える次第であります。
それではここでちょっと聞きますが、この篠原という
教育事務所長ですね、これは明らかに県議会の
答弁でも、
教育委員並びに
教育長がこの一月の十四日にはいわゆる依願退職を認めたときにはすでに事件の内容を知っていたと、こういうことなんですが、ゆうゆうといま退職金をもらっているのですが、これはさかのぼって処分をすることはできないと、こう言いますけれども、私は、法的にできそうな気がするのですが、全くこれはできないものかどうか。
文部省としては、この問題について、処分の取り扱いです、処分の取り扱いの問題に限っていいです、どう考えるか。また、できないものかどうか。これは、それをしないととんだことにあそこの地域ではなると思います。まだたくさん出ます。