○
政府委員(
馬場二葉君)
最初の、
実施の時期は、先生がおっしゃられるとおり、四十四
年産米からこれを適用いたしたい。したがいまして、一番早く出ますのは、宮崎、高知の
早期米がございますので、七月の終わりから、本格的にはやはり九月から、こういうふうに考えておるわけであります。
それから
数量でございますが、これは、いわゆる
主食に回ります
ウルチ米でございます。これは、先ほ
ども申し上げましたとおり、四十四
年産米については、一応
生産者団体あるいは
消費者団体の
意見を徴し、また、
食糧庁なりに、どういう
銘柄のものがどういう
取引市場条件にあるから、どのくらい出回るであろうということを勘案いたしまして、一応
予算編成当時、百万トンを予定したわけでございます。それから
酒米、
酒造米につきましては、
酒造米のおおむね九割
程度は
自主流通米に回るであろう、といいますのは、従来
酒造米については
政府が
財政負担をいたしませんで、
生産者からの
買い入れ価格にいわゆる
中間経費、
政府の諸掛かりを加算して
コスト価格でまいっておりますので、これは非常に
自主流通米になじみやすいということで、九割、約五十万トンを見ておるわけであります。もう
一つは
モチ米でございますが、
モチ米もやはり
政府は
コスト価格で一応
配給しておりますので、これも七五%
程度は
自主流通米に回るのではないか。そうしますと、これが約二十万トン。総計で百七十万トンを
初年度は予定しておるわけでございます。この
酒米と
モチ米は、
需要もほとんど安定的であります。
自主流通米に回る
見通しもそう変わらないと思いますが、問題は
主食でございます。これは、はっきり申し上げまして、初めての試みで、実は
実施してやってみなければわからないという性格も多分にあるわけであります。私
どもは、一応できるだけ百万トンの
見込み程度が
自主流通に回るように今後指導をやり、また、
政府管理米の
配給操作をやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。したがいまして、二年度以降年次的にどうなるかということでございますが、これはただいま的確に
見通しを申し上げることは非常にむずかしいわけでありますが、
初年度の実績なり経過を見た上で、また四十五
年産米以降は、
政府がどのくらい買って、あるいは
自主流通米にどれだけ回るかという
見通しを立てたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
それから
価格の問題でございますが、これは私
ども、
自主流通米を
実施に移した
あと、
末端の
配給の乱れなり、あるいは
価格の問題が非常に重要な問題になることを当然予想しておるわけでございまして、
基本的にはやはり七分の六
程度は
政府が物を握っておるわけでありますから、
政府米の
操作によって
価格の変動、異常な高騰がないように
配慮をしたい、これが私
どもの第一の
考え方であるわけであります。
もちろん、いまの
流通しております
自由米、これとの
関係は非常にむずかしいわけでございますけれ
ども、従来
自由米が相当あることは、これは否定できない事実でございまして、先ほど申し上げましたように、
政府の直接的な
全面統制、しかも画一的な
統制ではどうしても
需要者の要望に応じられない、
消費者は、いい米、白い米、少々高くてもおいしい米を食べたいという強い
需要がございます。
必要悪としてそういう事態があったと思うわけであります。そういうことの
実情にかんがみてこの
制度を編み出したという一面もあるわけでございますから、私
ども、従来のそういった
自由米は
自主流通米の
制度の導入によってむしろ減ることを期待いたしておるわけでございます。しかし、
価格は、
政府の
財政負担を全然伴わない
自主流通米でございますから、やはりいろいろこれは
銘柄なりで
価格が違いますので、一概に、
一体自主流通米がどういう
消費者価格を形成するかということは非常にむずかしいわけでございますけれ
ども、
一つの
試算では、やはり、従来の
配給米、これは
東京で言えば、いま十キロ千五百二十円が
内地米の
配給価格になっておりますが、それより二百六、七十円
程度高くなるのではないかという
一つの
試算があるわけでございます。そうしますと、現在の
自由米価格にわりあい近い
価格になるのだと思うわけです。いずれにいたしましても、こういう初めての
制度の運用でございますから、
末端配給が乱れるということにならないように、私
ども十分に
配慮をしながら、しかも
消費者保護のために特に重点を置きながら
運営をしてまいりたいと思うわけです。したがいまして、大半は千五百二十円の
政府の
売り渡し米による
配給になりますので、どの
小売店に行っても
消費者が希望すれば
政府の
配給米が、千五百二十円の
配給米が必ず常時用意してある、これはぜひ実現いたしたい、こういうふうに思うわけでございます。そのために、あらかじめの
準備として、四月一日からは、
配給改善の一環といたしまして、
消費者はどの
小売店からも自由に選んで買える、同じ市町村、
営業区域であれば、従来
小売店別に
登録制度で結びつけておりましたが、今回は結びつけをなくいたしまして、どの
小売店からも自由に買える、こういうこともあらかじめ地ならしをいたして、この
制度の発足に備えておったような
実情でございます。