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政府委員(
八塚陽介君) お
手元に、
横長の「
物価対策関連予算表」と、別刷りの「四四
年度消費者行政関係予算(未定稿)」をお配りしてございますが、昨年までは、
物価関連と
消費者関連を一表にいたしておりましたが、昨年、
消費者保護基本法も通りましたので、一応分けて御提出をした次第でございます。
その
説明に入ります前に、いままで
長官あるいは
調整局長から
物価動向について
説明があったわけでございますが、なお簡単に
補足をして申し上げておきたいと思います。
御
承知のように、
消費者物価につきましては、四十二年は当初
見通し四・五%でございましたが、幸いにして四・二%に一応とどまったわけでございます。ただ、四十二年の後半は
かなり騰勢であったこともございまして、四十三年は四・八%の
見通しを立てたのでございます。
消費者米価の
値上がりその他の
要因もございまして、ただいま話がありましたように、四十三
会計年度は五・四%になるであろうというふうに
見通しておるのであります。ただ、四十三暦年で申しますと、五・三%でございます。
四十三
年度を回顧いたしますと、上半期は五・七%ということでございます。下期になりまして、十月、十一月がそれぞれ四・七%あるいは五・一%の
上昇ということで、上期の五・七%よりはやや
鈍化をいたしました。なお、十二月は、さらに対前年同月比三・九%ということでございます。なお、まだ一月の
全国ベースでの
数字は出ておりませんけれども、東京では三・八%ということでございまして、
かなり上昇率が
鈍化をいたしております。そういうことを考えますと、まだ、もちろん最終的には五・四%というふうに考えておりますが、あるいは五・四%より少し低くなる、四十三
会計年度では低くなるということも考えられるわけであります。しかしながら、その
値上がりの
かなり大きなウエートは、野菜あるいは
くだもの等の大幅な
値下がり等があったためでございまして、
基調としましては、それだからといって
消費者物価動向がややおさまったというには、まだほど遠いというふうに考えております。そういう
意味もございまして、やはり来
年度の
目標といたします五%という
数字は、
かなりわれわれとしても努力をいたさなければならない
数字であろうというふうに現在時点で考えておるのでございます。
卸売り物価につきましては、大体
先ほどの
説明で尽きておりますので、
説明を省略いたします。
前置きが少し長くなりましたが、大体
動向はそういうことでございます。
横長の「
物価対策関連予算表」でございますが、
先ほど来からの私どものほうからの
説明にもございましたように、
物価対策というのは、やはり
かなり地道な、低
生産性部門の
生産性向上の
対策等を講じていくという必要があるわけでございますが、逆に、どこからどこまで、
予算の中で、これは
物価なんだと、これはそうでないんだということを厳密に区別することはなかなか困難でございまして、
物価そのものが
経済全体の
出発であると同時に結果でもあるというような性質を持っておりますから、非常に厳密に、これは
物価に
関係がない、これは
物価に
関係があるということは困難でございますが、
先ほど来の、いわば
物価対策の柱に対応いたしまして、一応
物価対策関連予算を取りまとめたわけでございます。
第一は、「低
生産部門の
生産性の
向上」。これは、主として
消費者物価を押し上げておる大きな
要因である
農畜水産物の
対策として、その低
生産性の
改善をはかるというための諸般の
経費を見込んで計上いたしておるのであります。もっとも、中には、こまかく見れば、非常に
関係も薄いというようなものもあるかもしれませんが、全体としてそういう
姿勢でやっているということがうかがい得るという
意味で、低
生産部門の
生産性向上として第一に
農林漁業関係というものがあげてあるのであります。
それからまた同時に、
中小企業対策、これもやはり
生産性の
向上ということが非常に望まれるわけでございまして、これは、ここでは
一般会計からの
出資等、あるいは
一般会計の
経費等が出ておりますが、なお、
うしろのほうに、
財投で
中小企業対策が用意をされておるのであります。
それから「
労働力の
流動化促進」。現在の
物価上昇の原因についての
考え方はいろいろあろうかと思いますが、やはり三十五年以降の
物価上昇の
基調の一つは、
労働力が従来と変わりまして逼迫してきたというような事情が大きく
影響しておると思いますので、それに
関連する
経費も
物価対策関連予算としてあげておるというわけでございます。
それから「
競争条件の
整備」でございますが、これは、
経費的には比較的僅少でございますけれども、
公正取引委員会を
中心にして
競争条件の
整備をはかるということ。とかく
競争条件が不備であるために
物価が最終的に
消費者に転嫁されるということが起こりがちなものを防ぐ、あるいは積極的にそういう
競争条件の
整備をしていくという
意味であげてあるわけであります。
それから「
家賃及び
地価の安定」。これは、もう申すまでもなく、いま非常に大きな問題でございますが、これについては、
建設省関係でおやりになっていただいているその
経費でございます。
それから「
流通対策」でございますが、
生産性部門がかりに相当安く供給をいたしましても、
流通の
部門でとかく摩擦を起こしがちで、十分その
生産性部門の
合理化の
成果が
最終消費者のところにいかないということがあるわけであります。
卸売り市場の
整備をもはかっていく必要があるということでございます。
それから、ややくくり方としては妥当であるかどうか問題はございますけれども、もう少し直接的に
価格に
関連する
経費といたしまして、食管その他の
経費を計上いたしました。
それから、
政府としては、いままで物の
対策の
経費には着目いたしておるわけでございますが、やはり
消費者サイドからの問題があるということで、「
消費者教育対策」ということも
物価に
関連あろうかというふうに考えております。
それから「
交通施設の
整備」。これは、もう申し上げるまでもなく、いろいろな
意味において
物価に
影響を強く及ぼしておるというようなことでございます。
以上が、
一般会計ないし
特別会計についての
経費でございますが、同様の働きを、
財投の
関係から、なすために、
財投について昨年に比べていろいろな点でそれぞれ
充実をはかっておるつもりでございますが、これはまあお読みいただけばわかりますように、
流通機構の
整備のためには、あるいは
家賃及び
地価の安定、あるいは低
生産性部門の
近代化のための
融資等でございます。なお、本年は
国鉄等に対する
財投もさらに引き続きやっていくということでございます。
なお、
消費者行政関係予算のほうでございますが、これは、総括的に申し上げますと、第一ページに一応くくっておきましたが、昨年成立を見ました
消費者保護基本法の条文を頭におきまして整理をいたしたわけでございます。きわめて具体的でございますから、いずれまた
関係各省からもお聞きいただくことになろうかと思いますので……。
この
総括表をまずごらんいただきますと、それぞれ対前年に比べましてある
程度の増額を見て、
政府としましては
消費者保護行政のための
姿勢を示したつもりでございます。
たくさん
項目がございますので、どれを取り上げてどうというのは省略をいたしたいと思いますが、以上をもちまして、非常に中身に入らない
説明で恐縮でございますが、一応
説明は終わりたいと思います。