○武内
五郎君 最近、そういうふうに
農協の内部が一種の混乱を起こしているということは私は明確に感ずるのでありますが、たとえば私はこの問題にちょっといま
関連しておるのですが、こういう点をお伺いしたい。
先般食管法の問題を
中心にして、各地で実は
農協の内部でいろいろ混乱が起きたようであります。新潟県におきましても、新潟県は米の生産地帯としては最も
中心地帯でありますが、西蒲原郡吉田町の
農協が、
組合員五十数名に対して
組合権の停止にひとしいような措置をとっている。
組合外の集荷業者と契約したということによって
組合権の停止にひとしい措置をとったわけなんでございます。同時にこれはその町ばかりではなく、近隣の
農協にもやはり同様の事件が起きております。このことは私は新潟県の一部に起きたばかりではなく、すでにわれわれが
新聞紙上で見たところによっても、秋田県にも起きております。こういうような
事態は私は
農協の幹部に対する、
農協の運営に対する
組合員の蓄積された不満、不平というものがそういうことを通じて暴露しておるのじゃないかと
考えます。もし
農協が真に
農民の利益と
組合員の福利を
考えて、ふだんそういう
行動をしておるとするならば、
組合員が自分たちが
組織し、出資しておる
組合を無視して、
組合外の集荷業者と契約するはずはないと思う。私はそこに今日大きな反省をしなければならない問題があるのではないか。
いま
中村委員が
指摘しておりましたが、北海道の問題で、りっぱなデラックスな事務所をつくったという話がございました。これは最近各地で全くデラックスな
農協事務所が建設されてまいりました。かつてバラックの学校の分校か、あるいは共同作業所にもひとしい事務所が鉄筋コンクリートのデラックスな事務所につくりかえられていって、
組合長や専務が窓口において
農民と親しくひざを交えて語っておった昔の姿が変わって、奥深い
役員室の中で仕事をやっておるということで、
農民が
組合長や専務とひざを合わせて語ることがとうていできない状態になってしまったことに大きな私は混乱の原因が出てくるんじゃないか、こういうようなこと自体、私はまず
組合としても反省をしていかなければならない問題がそこにあるのではないかと
考えられます。
事実私の調べたところによりますというと、
組合合併以来、
組合の利用率というものは停滞しているということ、これは実に重大な問題だと私は
考える。
組合利用率の調査で、これは少し古い。古いけれ
ども、私はこの事実は消えないと思うのでありますから――三十八年度の調査の結果によると、
合併前には平均で小さい
規模の
農協が、肥料において九二%利用しておった。それが
合併後においては七七%に落ちておる。飼料の利用度において
合併前の小
規模の
農協が六五・六%利用しておったものが、
合併後これが五六・六%に低下している。農機具や農薬、その他においてさえやはり低下の度合いが見られる。これはまことに重大な問題だと
考えます。なるほど外見は
組合はりっぱな建物の中で電気計算機を使用して、デラックスな形を見せておりますが、内実はこのように
組合農民から離れた形が出てきておるのじゃないかと
考えると、
農協の現実というものと将来というものを実に憂えざるを得ないのであります。これらに対する
指導は、私は
農林省にまことに大きくかかってきておるのではないかと思うのでありますが、
局長はどういうふうにお
考えですか。