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足鹿覺君 最後に
委員長に申し上げ、かつ農林大臣からも御答弁があれば御答弁をいただきたいと思いますが、要するに休憩前からの今日までの論議を要約してみまするというと、
政府の本年の米価算定方式、算定の内容、その要素の取り方、すべて私
どもをして納得せしめる根拠は薄弱であります。特に需給
事情を本文の諮問に記載してある説明においても、先ほど述べましたように、経済
事情の大きな変動に即応する
対応策についても何ら触れておりません。物価、賃金、国鉄運賃料金の値上げ、これらをもととする生計費が大きく
上昇しておるときに、ことさらに食管法の解釈を曲げ米価を据え置きにし、その案を米審に諮問されましたことはまことに遺憾であります。このことは、かつて本年度の施政方針演説に際し佐藤総理は、
生産者、消費者米価を据え置く方針を表明され、また先般、物価
対策協議会が一応の任務を終えて解散をするに
あたりましてもさらに佐藤総理はこれに出席をして米価を押える旨を言明をし、今日に至っております。
一体、米価審議会にはかり、当然その意見をきめて後、一国の総理というものは
一つの裁断を下すべきであるにもかかわらず、事前に
法律を無視し、両米価の据え置き、なかんずくこの物価高に事実上の米価の引き下げに当たる諮問案を出すのみならず、その根拠としては遠く施政方針演説に端を発しておる。責任はすべて私は佐藤総理にかかっておると思います。したがいまして、当
委員会といたしましては佐藤総理の出席を求め、施政方針演説当時における
状況と今日の心境と方針を聴取する必要があると思うのであります。特に賃金その他は三公社五現業をはじめ民間の労働者におきましても大きく値上がりを示しておるのであります。すべての米価は本年二月のデータによって米価が決定されることは御
承知のとおりであります。しかも例年ならば七月下旬に米価が決定されるにもかかわらず、長谷川農林大臣は先般の衆議院
農林水産委員会において、田植え期に米価審議会を開いて米価をきめたいと考えていたが、積算の統計が間に合わないのでむずかしいと答えながら、あえて、西
日本は早植えの最中である、東北においてもいまだ完全に田植えの済まないうちに米価審議会を招集し、早期に米価を決定しようとしておることは、われわれとしては、総理の方針を受けて、なるべくベースアップ等が農家の自家労賃の評価に反映しないうちに、これを処理せんとしているにほかならないと思うのであります。したがって、本年の米価の持つ大きな特徴は、佐藤総理が施政方針演説によって抑制米価方式をとることに端を発しておるのでありまして、一農林大臣のみを追及することによっては本
委員会としての目的の達成はできません。したがって、当
委員会として
委員長にお願いいたしたいことは、総理大臣の出席を求めるべく御善処願いたいということであります。
いま一点は大蔵大臣の出席についてであります。
政府自民党首脳は、米価据え置きの代償に、新農政長期計画を構想していると伝えられております。大蔵大臣は去る二日農協の米価大会において、根本自民党政調会長をして、党を代表して本年度の農政
関係費
予算は六千七百億円であり、総体
予算の六・六%に当たるが、農民の納める税金は百八十億円であり、これは総国民の税額の〇・〇二%にしか当たらぬと放言せしめているのであります。いやしくも全国一万三千の農民が米価を案じ、少なくとも控え目の農協米価を要求しておる大会において、かくのごとき放言をしてはばからない。あたかも納税額の少ない農民は文句を言うな、安い米価に甘んじよ、このようにも受け取れるべき暴言を吐き、満場の嘲笑とやじの中に葬り去られたことは、私
どもも現場におってよく
承知しております。しかもその当日、根本政調会長は、米価をつり上げるだけでは問題の解決にならないと、全国の農民に値上げを要求して集まっておる農民に挑戦する言辞を吐いたことは忘れることはできません。しかるに、このような
発言を自民党
政府与党の間では、勇気ある
発言として高く評価をしておるといわれております。私
どもはその心理を理解するに苦しむものであります。
一体このような根本
発言の根拠は何か。それは総理の施政方針をかさに着たいわゆる
一つのかいらいの
発言であり、第二には全国民の一八%にしか足りない人口比に落ちた農村を甘く見た、農民を軽視し、票田として頼むに足らずと思った日ごろの
政府与党のものの
考え方が、このような
発言を根本氏をして言わしめておると思うのであります。おそらく与党の中にも、このような
発言にまなじりを上げて、腹の中で腹を立てておられる
人々もあろうと思いますが、与党の立場から隠忍自重しておられるにすぎないと私は思います。
こういう情勢から考えてみまして私は、今回の米価の算定はただ単に農林大臣のみの責任として当
委員会がこれを追及するのみでは解決つく問題ではないと存ずるのであります。聞けばまだ米価決定までには相当の日子があるやに受け取れまするので、ここにおいて財界の意図を直接受け、財政審議会の答申をまともに受けて処理せられる大蔵大臣の出席を求め、あわせて審議を行なう必要を痛感いたします。したがって、
委員長におかせられましては、先般の国鉄賃金の値上げに際しては佐藤総理の出席を実現され、今日、国鉄運賃の値上げも必要で、その審議について出席をした総理は
——全国の農民が刮目している本年の米価決定について総理や大蔵大臣の所信を当
委員会を通じて聞くことは私は当然すぎるほど当然のことだと思います。いわんや諮問そのものが違法であり、われわれは米価審議会のかような違法のものを審議すること自体についても大きな疑惑と不信を持っておるものでありまするので、ここに、当
委員会においては、以上の立場から総理大臣佐藤榮作君、大蔵大臣福田赳夫君の出席を求め、なるべくすみやかなる機会において審議を進めるべく
委員長において善処せられんことを要求いたしまして私の
質問を本日は終わることにいたします。
なお、先ほど
委員長から米審懇談会における速記録の提出、
調査等の御指示が当局に行なわれましたが、すみやかにその資料を検討し、あわせて審議会の会長である、今日まで審議会の
委員をつとめ、しかも、算定方式に隠然たる力を持つといわれる小倉会長の出席を求め、懇談会に速記を付した理由、また今日までの審議の経過、審議の結果、今後の
委員会の
運営の方針等について意見を求める必要があると思います、
調査を進める必要があると存じまするので、これまた総理、大蔵大臣とともになるべくすみやかなる機会に小倉会長を当
委員会に喚問せられんことを要求いたしまして、私の
質疑を終わります。
委員長より御所見を承りたいと思います。