○
政府委員(
宮崎仁君) たいへん広範な御
質問でございますので、あるいは
答弁が落ちた場合には御
指摘を願いまして補足をさせていただきたいと思います。
ただいま御
指摘の「新全国総合
開発計画」
——つい先日、第五次試案というものをまとめまして、大体事務的には最終案という形で、これから国土総合
開発審議会にこれを御
審議願おう、こういう段階にまいっております。この計画は御
承知のとおり、国土総合
開発法によってつくるものでございますが、大体二カ年の作業を経まして現在に至っておるわけでございまして、この間において、この内容につきましては、
関係各省と相当十分なお
打ち合わせをしたつもりでございます。
で、ただいま御
指摘の点につきましてお答えを申し上げますと、この計画は、ごらん願いましたように、第一部、第二部、第三部となっておりますが、第一部の最初のところに「計画のフレーム」という形でこの
法律にも
関係のある、たとえば十二ページの
土地利用の姿というようなものの想定な
ども書いてございますが、経済
土地利用、国民生活についての
昭和六十年度における想定を一応いたしました。これに基づいて計画課題を書いていく、こういう作業になっております。
で、
土地利用の形でちょっと見ていただきますと、
農用地については、現在六百万ヘクタール程度のものが六百五十万ないし七百万ヘクタールくらいになるであろう、市街地工場用地等の増加についても一応の見通しを立てております。これは課題のほうと対応して、こういった作業ができておるわけでございます。なお、
農業人口については、これも「経済のフレーム」のところに書いてございますが、現
昭和四十年度就業人口千百万ぐらいのものが五百万以下に下がるというような形で一応想定ができております。
そういうことを前提にいたしまして、ただいま御
指摘の二十八ページの「農林水産業の主要計画課題」が書いてあるわけでございますが、ここにおいてまず前提条件として食料需要の高度化、非常にその構造が変わってくるということが一つ、それから国民の所得水準も上がってくる、
農業の就業人口が非常に減る、そういう形のもとでどういうふうに
農業の展開をいたすべきかという、この計画での
考え方を書いてあるわけでございます。ここに書いてありますように、
土地資源に恵まれた北海道、東北、九州、こういう
地域は耕種と大家畜の大型産地化を進めていきます。いわば日本の食料基地的な役目を持ってもらおうということでございます。
それから首都圏の
内陸部、中部圏及び近畿圏の
内陸部、日本海側、中四国地方等につきましては、耕種のほかに酪農や中小家畜生産等、多様性を持った
農業の展開をしてもらったらどうだろう、こういう
提案でございます。こういう
地域については非常に
土地生産性の高い
農業をひとつ展開してもらいたい、こういうことでございます。大家畜生産につきましては、そういう前提のもとに、しかもわが国の食料自給率というのを現状よりあまり下げたくないということで考えてまいりますと、特に大家畜畜産についての需要が非常に伸びるということもございまして、ここにありますような具体的にかなり思い切った
提案をいたしたわけであります。また稲作その他についてもそういった形で
提案をいたしております。
そこで、具体的に
農業振興地域の
整備に関する
法律との
関係で、首都圏、近畿圏、中部圏をどう考えたかということでございますが、
農業の
地域的な配分としては
先ほど申し上げたようなことでございまして、ブロック区分においても大体そういうような
考え方を書いてございます。たとえば七十四ページ、首都圏を見ていただきますと、上のほうから七行目ぐらいになりますか、「産業面については、新たな展開が見込まれる
工業等の受入れのための基盤
整備および生鮮食料品の近郊供給地としての
農業地帯の
整備を行なう。」というようなことで
開発の方向が書いてございます。また、それに対応した具体的な計画が2、3と書いてあるわけでございます。
さらに、こういった計画の課題
構想というものを実現していくために
法律上の措置としてどういうふうに対応するかということが第三部でございまして、特に
土地の
利用の問題、
調整の問題というのは非常に大問題でございます。
先ほどから御
指摘のとおり、これから後の経済社会の変化、これに応ずる人口の移動、産業の移動、そういうことに対して移動をうまく使っていくことは、非常な大問題、困難な問題であります。これに対応しようというのがこの計画の
目的でありますが、それには現在の制度についていろいろ強化、改善が必要であろうというようなことで第三部というのを、問題点の
指摘にとどまった点もございますが、設けてあります。
それでこの九十八ページの「
土地問題」というところをごらんいただきますと、まん中よりちょっと下ぐらいのところに私
どものそういった問題に対する
考え方が書いてございます。ちょっと読んでみますと、「さらに、
土地利用計画の
調整については、
土地利用計画にかかる所要の権限を都道府県知事に持たせている
法律の例にならい、上位の計画または方針に示される
土地利用に関する
基本方向に沿って、
都市計画区域、
農業を
振興すべき区域等それぞれの区域ごとに
土地利用計画を策定し、都道府県知事がこれら相互の
調整を行なうことについて検討する。」、こういった形で現在の
農業振興地域の
整備に関する
法律がつくられておるということに私は理解をいたしております。
工業適正化法の問題も出ましたが、これにつきましてもそういった権限を都道府県知事におろすことになっておりますし、そういう形で
調整をとっていくということが現実的に最もいいのではないかと、こういうことを私
どもは考えております。
それから生鮮食料品の問題がございましたけれ
ども、私
どもの
考え方は二十九ページに書いてございますが、確かに大
都市近郊でできるだけ供給をしなければならぬ。そのための
地域的展開が書いてあるわけでございますが、今後の需要の増加を考えますと、やはり生鮮食料品についてもかなり遠隔地から運ばなければならぬという必要が出てくると考えております。そういうことから、二十九ページの(4)にありますように、生鮮食料品の新しい流通体系を形成する必要がある。これは国土全体に対する交通通信のネットワークの
整備と相まちましてこういった生鮮食料品に関する流通体系をつくっていこうということで、技術的内容になりますと私
どもも若干わからない点もございますが、
農林省等のいろいろお知恵を拝借いたしてこの辺も書かしていただいているわけでございます。大体そういう
考え方でございます。