○
山崎昇君 いま外国使節団との
関係は、これはしかし
天皇陛下主催で皇居内で園遊会をやられる場合もありますね、それからあるいは新宿御苑でやられる場合もある。だから私はそういう
意味でいうならば、何もこの牧場持って、馬に乗せなければ国際親善はかれないなんていうものの
考え方が少し古いので——古いといったらおかしいんですが、あまりにも
伝統にやっぱりより過ぎているのではないだろうかという気がするわけです。もっとやられるなら幾らでも親善の方法は別にもやられているわけじゃないですか。
それからいま外国の大使の話が出ましたが、三番町まで自動車で来て、あそこから馬でなければだめだと、しかし
日本ではもう車でやられるというのであれば、何も向こうから馬という要望があるわけじゃないですね。だから私はそういう
意味でいうと、何かこの御料牧場というのは全く特殊な
存在みたいになっちゃって、多少一年間に見に行く人がおるんでしょうけれ
ども、あまり
存在価値がない。そういう
意味でこういうものはもう思い切ってなくしてもいいのではないだろうか、こういうふうに常々
考えるわけです。しかし、これはあなたのほうは必要だと言うし、私のほうはそういう
考え方を申し上げているのですが……。
それからもう
一つは、
宮内庁で働く方々は、ほかの官庁で働く方々と違って、まあ労働組合つくって団体交渉なんというものがないんでしょうが、そうすると、私はよほど管理に当たられるあなた方は、そういう方々の
日常の勤務なり、あるいは待遇というものは、ほかの官庁のものより気をつけなければならぬのではないかと思う。ところが、どう見ても、なかなか
伝統に縛られ、それから
皇室のことだということで、ほとんど
下級職員はものも言えぬような状況にあるのではないだろうか。これは
服装一つにしても、先ほど申し上げたように、どうも私はまだまだがんじがらめになっているのじゃないか。もう少し自由になっていいんではないかという気がします。しかし、私
どもは何回も
宮内庁に行ってそういうことを見るわけにもいきませんし、どうもこの
皇室の問題というのは、
国民に公開されたとはいいながらも、かなり神秘性を持っている
存在だと思う。そういう
意味で、私は
宮内庁の
民主化と同時に、もっともっと
皇室というものを
国民に向かって開放する必要がある。そういう
意味でけさからお尋ねをしているわけです。そうしてこの前の
委員会で一言だけお尋ねしたが、こういうものをやる場合に、
皇室の意思表示なり、あるいは
皇族の方々の意思表示が中心かというお尋ねをしたら、そうでもないというお答えであった。そうならば、やはり
宮内庁のものの
考え方が、従来の
伝統をきっちり守っている。私はそういう
意味で、こういう
皇室の
民主化をやるためには、
宮内庁みずからの
民主化がもっと進まなければ、この
天皇制というものはなかなかまだまだ
国民の中におりてこないのではないか。へたすれば、何か傷つけたら
警備の都合上ということで、
天皇制というものが
国民から離れていく状況を示すのじゃないか。そういう
意味で私は心配をしているわけです。ですから私は現象面だけにとらわれるようなかっこうでいまあなたにお尋ねしていますが、もう少し私は
宮内庁の、全般的に
皇室の
あり方なり、
宮内庁自身の
あり方なり、あるいは
宮内庁職員の
あり方なり、こういうものがほかの官庁以上に
民主化されて、私は適当なところに落ちつくのじゃないかという気さえするのであります。そういう
意味で、たいへん抽象的でありますけれ
ども、私の強い希望を述べておきます。
そのほかにたくさんの問題がありますが、ちょうど午前中の時間にもなりましたようですから、この辺で私の質問を終えたいと思いますが、どうかそういう
意味で、ほんとうの
意味で
皇室というのが
国民の中に入るというならば、思い切って私は
宮内庁は
民主化するなり、従来の
伝統にメスを入れてもらいたいということを重ねて強調して、私の質問を終わっておきたいと思います。