○国務大臣(
佐藤榮作君) 内閣補佐官の問題は二回ばかり御審議をいただいたわけであります。いずれも、そのときの
状態では成立を見なかった。これはまあ経験済みの問題であります。これは皆さん方に責任があるというわけじゃありません。政府自身がやっぱり新しい制度について理解が十分できてない、そういうことがいい結論を出せなかったんだろうと、私はかように理解しております。また、私自身のことを言ってはたいへん私情になるようですけれ
ども、総理大臣自身としても、何か総理大臣の補佐機関が、補佐官が要るように私は考えております。なかなかそう思ってもただいま提案できないような
状態、あるいはこういう事柄は思い切って指導すればいいんだと簡単に片づけられるかもわからぬが、そうでもない、やっぱりもっと必要なものがある。新しい増員という場合には、その辺のいずれを先にするかということを考えないとものごとがおさまらない。内閣補佐官をつくる、強化する必要があるのじゃないか、もっともとがありはしないかというような
議論も出てまいると思いますので、これはやっぱり慎重にならざるを得ない、かように思います。
次の予算局の問題、これはもうけさほ
ども申し上げたのですが、これはどうも歳入歳出別々の方法にする、どうもまだ政府部内ではそれになれない、こういうものがあります。そういうような点が結局はただいま御
指摘になりました総合調整機能、そういうのが不足しているのじゃないか、かような批判を受けるゆえんかと思います。しかし、予算に関する問題は、今日、経済見通し、あるいは成長見通しと申しますか、まあ経済企画庁自身の
一つ働きがある。そのものを受けて予算編成にかかる。まあそこらある
程度の総合調整はできるように思っております。経済見通しそのものが、各省が閣議を無視して
一つだけが突っ走るわけじゃありません。その辺では各閣僚との間にもそごがないように一応はできている、かように私思っております。しかし、最も大事なことは総合調整、これに踏み出さなければならない。そして、ただいま申すように、予算や内閣補佐は別として、各省間の共管の事案、それなどが積極的に解決されなければならない。すでに御
承知のように、観光行政の一元化等についてすでに踏み出しておる。ただいま行管で、ただいまのような共管事項の整理をやる、こういうような方向でございますから、全然手がついていないというわけじゃございません。しかし、御
指摘になりましたように、それがいかにも手ぬるい、もっとばたばたと早くできないか、かようにお考えになるのはごもっともだと思います。総体そのものの仕上げはおそくとも、とにかく
一つでも動き、毎日動いて、そうして片づく方向に進んでいくなら、おそらく国民もがまんされるだろうと思いますけれ
ども、何にもしないようじゃちょっと困ります。まあ総
定員法が
一つ通る、これが
一つのきっかけになる、かように私は考えますので、まずどれがいいのか、やっぱり
定員からかかるのがいいのじゃないか、そういう
意味で皆さまの御審議をいただいている。同時に、こういうことが済めば、今度は各局機構そのものの適正化、そういう方向に
努力をしなければならない。まあいろいろ問題があるわけです。取り組み方を一体何から始めたらいいか。もう私は総
定員法に取り組むことが
一つの行政改革を推進するゆえんだと、かように実は考えておるのであります。ただ、総
定員法にぶつかりますと、これも何べんも申すことでありますが、出血整理をやるのではないか、あるいはまた本人の意思に反して勤務場所をかってにきめるのじゃないか等々の心配があります。私のいままでの戦後の経験から申せば、出血整理ということは一番問題だと思います。ことに行政官庁はそう大した問題はまずやらぬからないだろうと思っておりますが、三公社五現業、こういうような現業部門ではたいへん実は問題になってくる。——たいへん長くお話ししてまことに恐縮ですが、以上でございます。