○北村暢君 いまの
大臣の
答弁は、これで三回か四回繰り返して
答弁されているのですよね。同じことを
答弁されているのですが、どうも
大臣の
答弁では私どもは非常に納得しないのですがね。ということは、各
省庁は
省庁なりに、標準の作業量、そして
定員を設定する基準についてそれなりに
検討しているのですよ。それをあなたは、何か
課長なり、あるいは
大臣なり力のある者が、ぶんどりでもって
大蔵省を説得してとってくる
ことばかりやるが、減らすほうはさっぱりやらないと、こういうようなことのようですがね。それ以前の問題として、
定員を
管理する場合に一体どうしたらいいのかということを、政府の中において、各省の中において科学的にそういう作業をやり、そして理論的に裏づけている省があるのですよ、これは。それが一〇〇%そうであるかどうかは知りません。あるかどうか知りませんけれども、その努力をやっている省があるわけですよ。だから、私どもは、
先ほど来の
山本さんの
質問、三日来の
質問を通じて、私ども非常に傾聴すべき
質問だと思っているのですけれども、その中に出ている
考え方というものは、まあ
人事管理の面と
定員管理の面と
給与の面とがあるわけですが、
行政管理庁は
定員管理だけをやっているわけですよ。
人事管理、それから
給与の問題は
人事院、
予算定員については
大蔵省なんです。同じ
定員の問題についても、それだけ複雑に処理されているわけです。それを総合的にやっているのは原局なんですね。各省なんですよ。各省が
行政機構に応じて
定員の配置をやり、それに
人事管理をやり、
給与を行ない、
予算を獲得するための理由づけもしている。そういう形でやっていないのから、一番よく知っているのは何といっても各省部局なんです。そういう
意味において、私は
定員管理をやる場合に、
行政管理庁がほんとうに
定員管理をする機能を持っているのか、持っていないのか、そこに問題があると思うのですよ。どうもいまの
行政管理庁の
能力からいって、とても各省の
業務をほんとうに分析をし、ほんとうに各省の
定員が適正に配置されているのかどうなのか、
管理されているのかどうなのか、そのことすら私はできないんじゃないかと思うのです。ただ各省から出てきたものを集計するような程度しか
管理能力はないのじゃないか。したがって、この問題については私もこまかくやりますよ、
定員管理の
方法については一体どうやったら科学的な
定員管理ができるかということについてはね。それは
行政管理庁のやる
能力の限度というものはあるのですよ。ある一定のものは各省について押えられるけれども、それ以下の問題についてはとても
行政管理庁では押えられない、この膨大な
定員についてはね。職というものについては押えられるのですよ。ところが、
職員というこれのほんとうの数の問題になってくると、
業務の内容がはっきり押えられないというと
定員というものは押えられない。だから、
定員法の変遷過程からいって、かつての昔からのよく
大臣の言う、何か
技術のすぐれた者についてはもっと
給与上処遇すべき
方法があるというようなことを言われましたけれども、これは人がおるから職位をつくるのじゃなくて、
行政管理庁というところは職務分析をやって、その職というものを、恒常の職というものを組織的に把握する、これが
定員管理でしょう。そこまでしかできないと思うのですよ。それすら私はやっていないと思う。いまのように何べん
大臣が
答弁しても、
大臣の
答弁というものは全く政治的な
答弁であって、実際にその
定員管理というものがどういう本質を持っているかということの理解の上に立っての
大臣の
答弁じゃないのです。だから、
山本さんは
幾ら質問しても納得しないのですよ。
大臣の
答弁は非常に政治的ですよ。この総
定員法を通そうという意図も私は非常に政治的であるというふうに受けとめます。それほど科学性があるとは
考えておりません。だから、当然そういう
答弁になるのかもしれませんけれどもね。それでは私はいかぬと思うのですよ。この抜本的な
定員管理の新しい方式に転換しようという時期において、そういう政治的な
答弁だけでこれを過ごそうとしても私どもはなかなか納得がいかない。したがって、今後の
定員管理の基本的な
方向について、
行政管理庁が
定員管理の総合
官庁としての役割りを果たすのはどこまでなのか、あとは各省にまかせるのか、
定員の問題についてね。そこら辺の区別までしてやらないというと、
定員法というものの歴史的な移り変わりというものがあるわけですから、そういうものを踏まえてどういう基本的な
考え方でやろうとしているのか、この点をもう少し理論的に
説明してもらいたい。そうでないというと、
大臣の
答弁ではどうも私どもは納得いかない。だから、したがって、私は
行政管理庁の局長以下の補佐も悪いと思うのですがね。
大臣がああいう
答弁を三回も四回も繰り返しているようじや、私はどうもそのままで過ごすわけにいかない。このように思うのです。ぜひひとつ
定員に関する基本的な
考え方をもう少し理論的に
説明してください。どうやっていくのか。あなた方はほんとうに
定員管理をする自信を持っているのかどうなのか。各省から総
定員をまかされて、あなた方はこれから政令で
定員管理をやろうとするのでしょう。政令は
行政管理庁が出すわけでしょう。それならばそれなりにあなたは実態を把握しなければ政令は出せないはずだ。各省から出てきたものをそのままめくら判押してやるのだったらだれでもやれますよ、こんなもの。それじゃいけないのですよ。だから、行管がほんとうに
定員管理をやろうというのなら、いまの
大臣の言ったようなことで、ふえるものだけは力があるものが取るから、それじゃだめなので、減らすほうもやるのだと言うけれども、減らすほうもやるというのは、減らすだけの理屈がなければならない。そのためには一体どうやるのか。五%削減なんというのは、ふやすのは一々
大蔵省に相談をして、十名ふやすのでも、五名ふやすのでも、組織と密着したものでなければ
大蔵省は認めないですよ。ところが減らすときになると何千名という、五%という、理屈も何にもなしで減らす、これは私は納得しないですよ。減らすなら減らすなりに、その組織とどういう
関係において減らすのかということをはっきりさしてもらいたい。それは通産省設置法のとき聞いたけれどもわからないですよ。通産
大臣もわからない。だれか政府の中でわかってなければならないはずだ。五%減らせたと言われから減らしただけの話で、どこの組織と結びついて、どういう職務がなくなったから減らしたのだということじゃない。それは欠員をもって充てますという程度で、そしたら欠員がどういうふうに起きたかということは理論的根拠というものがないでしょう。欠員ができたのに理論的根拠というものがない。欠員がその減らすものの理論的根拠となるというばかな話はない。そういう
説明しかなされてないから私は納得しない。
行政の
簡素化とこの
定員五%削減なり何なりと、今後の
定員管理というものについての基本的な
考え方というものが一体どうあるべきかということをもう少し理論的に
説明してもらわぬといかぬ。