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1969-02-18 第61回国会 参議院 逓信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年二月十八日(火曜日)    午前十時十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         永岡 光治君     理 事                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 松平 勇雄君                 鈴木  強君     委 員                 植竹 春彦君                 長田 裕二君                 古池 信三君                 郡  祐一君                 迫水 久常君                 白井  勇君                 寺尾  豊君                 久保  等君                 松本 賢一君                 森  勝治君                 北條  浩君                 村尾 重雄君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  河本 敏夫君    政府委員        郵政政務次官   木村 睦男君        郵政大臣官房長  溝呂木 繁君        電気通信監理官  柏木 輝彦君        電気通信監理官  浦川 親直君        郵政省郵務局長  曾山 克巳君        郵政省貯金局長  鶴岡  寛君        郵政省簡易保険        局長       竹下 一記君        郵政省電波監理        局長       石川 忠夫君        郵政省人事局長  山本  博君        郵政省経理局長  上原 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        倉沢 岩雄君    説明員        日本電信電話公        社総裁      米澤  滋君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に  関する調査  (郵政省所管事項に関する件)  (日本電信電話公社事業概況に関する件)     —————————————
  2. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  これより郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  まず、郵政大臣から郵政省所管事項について説明を聴取いたします。河本郵政大臣
  3. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 郵政省所管行政概略について御説明申し上げます。  最初に、昭和四十四年度予算案概略について申し上げます。  まず、一般会計予算でありますが、歳出予定額は、五十五億三千五百万円で、前年度予算額五十三億二千四百万円に比較いたしまして、二億一千一百万円の増加となっております。  この予算には、宇宙開発事業団発足までの電離層観測衛星研究開発及び実験用通信衛星搭載用ミリ波中継器基礎研究に必要な経費一億七百万円、電波監視体制整備強化に必要な経費及び電波監理事務機械化に必要な経費七千四百万円が含まれております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、この会計歳入予定額は、六千二百六十七億四千九百万円で前年度予算額五千七百四十二億八千五百万円に比較いたしますと五百二十四億六千四百万円の増加であります。  この予算には、収入印紙収入等一般会計へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が一千六百九十億五千七百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費財源となる歳入は、四千五百七十六億九千三百万円でありまして、これは前年度予算額に比較いたしまして四百四十億八千七百万円の増加であります。  この収入内訳は、郵便郵便為替郵便振替等業務収入が、二千三十九億七千九百万円、他会計等から委託された業務運営に必要な経費財源に充てるための、受託業務収入が二千二百六十七億六千四百万円、雑収入が八十九億五千七百万円、郵便局舎等建設財源のための借り入れ金九十六億円、設備負担金八十三億九千三百万円となっております。  次に、歳出予定額は、歳入予定額同額の六千二百六十七億四千九百万円であります。したがいまして、業務外支出を除いた実体予算歳入同額の四千五百七十六億九千三百万円となっております。  この予算の中には、四十四年度予算重要施策としておりますところの、事業近代化のための、郵便番号制の推進、郵便局舎等の整備と作業の機械化等に要する経費、及び貯蓄増強に伴う経費などが含まれております。また、簡易保険におきましては、新たに傷害特約制度を創設することとしております。  なお、建設勘定予算は、二百十億三千七百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと五億二千九百万円の増加であります。この予算には郵便局舎の新増築、郵便貯金会館の設置のほか、郵便番号自動読み取り区分機などの経費も含まれております。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は四千一百九十八億九千五百万円で、前年度予算額三千二百九十七億一千一百万円に比較いたしますと九百一億八千四百万円の増加でございます。  歳出予定額は、三千三百三十一億八千八百万円で、前年度予算額二千七百十六億二百万円に比較いたしまして六百十五億八千六百万円の増加でございます。  最後に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、歳入予定額は五千七百五十九億一千九百万円で、前年度予算額の四千八百三十三億円に比較いたしまして九百二十六億一千九百万円の増加であります。  歳出予定額は三千四十三億八百万円で、前年度予算額二千六百四十六億六千五百万円に比較いたしまして三百九十六億四千三百万円の増加であります。  次に、郵便関係について申し上げます。  最近の郵便業務運行状況は、全般的に順調に運行されております。  今回の年末年始郵便業務につきましては、郵便番号制実施後初めてのものでありましたが、関係職員はもちろん国民各位の御協力によりまして、きわめて順調に推移し、年賀郵便元旦配達物数は、十一億九千万通にのぼり、十二月三十一日正午までに配達局へ到着いたしました年賀郵便は、一〇〇%配達を完了することができました。  なお、年賀郵便の総取り扱い数は、ただいま集計中でありますが、十六億三千七百万通くらいと推定いたしております。  年賀郵便に対する郵便番号記載率は、八〇%という予想以上の好成績をあげることができ、このため年賀郵便物区分等に非常に役立ったのでありますが、これひとえに国民各位の御協力のたまものであり、厚く感謝の意を表するとともに、今後とも利用者各位の期待にこたえるべくさらに郵便事業近代化を進め、なお一そうサービス改善につとめる所存であります。  次に、郵便貯金関係について申し上げます。  本年度郵便貯金増勢は、一時伸び悩みの状態がみられましたが、総体的には順調に推移し、一月十七日には、本年度目標額八千億円を達成し、二月一日現在におきましては目標額の一一六%にあたる九千三百四十億円の増加となっております。  また、郵便貯金現在高は、二月七日に五兆円を突破いたしました。  なお、昭和四十四年度郵便貯金増加目標額につきましては、最近の郵便貯金増勢財政投融資計画上の要請を総合勘案いたしまして、九千八百億円と策定した次第でありますが、今後一そう適切な施策を講じ、この目標額の達成をはかっていく所存であります。  次に、簡易保険関係について申し上げます。  簡易保険の新契約募集状況につきましては、本年度目標額六十三億円に対し、二月一日現在六十億七千万円で、目標額の九六%に達しており年度末までには、七十七億円をこえる実績を収めることができるものと見込んでおります。  このため、保有契約高は順調な増加を続け、現在六兆六千億円に達し、その資金総額も一兆七千億円をこえておる状況でございます。  なお、昭和四十四年度におきましては、簡易保険募集目標額を八十四億円とし、その長期運用計画資金を新たに三千三百五十億円を予定いたしております。  次に、事故犯罪関係について申し上げます。  事故犯罪の防止につきましては、ここ数年にわたり省の重点施策一つとして努力してまいったのでありますが、昭和四十四年度におきましても防犯体制確立強化をはかるほか、綱紀の粛正を一そう厳にしていく所存でございます。  次に、電波放送関係について申し上げます。  テレビジョン放送VHF帯からUHF帯への移行の問題でありますが、これは、将来の重要無線通信等周波数需要に対処するため、今後十年を目途として、テレビジョン放送使用周波数をすべてUHF帯にしようというものでありますが、関係方面とも十分打ち合わせの上、慎重に取り運んでいく所存でございます。  また、超短波放送につきましては、多年試験的に行なわれてきたところでありますが、昨年末、超短波放送用周波数割り当て計画を策定いたし、日本放送協会については、一系統の放送が全国で受信できるようにするほか、一般放送事業者については、さしむき東京大阪等四地区で、超短波放送の特質を生かした放送を可能ならしめることといたしました。今後、この周波数割り当て計画に基づきまして、超短波放送局免許処理を進めていく所存でございます。  次に、宇宙通信関係につきましては、昭和四十六年を目標とする電離層観測衛星及び昭和四十八年度目標とする実験用静止衛星等研究開発を推進しているところでありますが、諸外国における衛星開発動向等にかんがみ、この分野におけるわが国国際的地位を高めるため、一そう強力に研究開発を進めていく所存でございます。  なお、わが国における宇宙開発を効率的に推進するために、関係各省庁で設立を検討中の宇宙開発事業団には、郵政省人工衛星開発部門に積極的に参加することとし、現在行なっている電離層観測衛星開発は、この事業団に引き継がれる予定になっております。  次に、電気通信関係について申し上げます。  インテルサットにつきましては、現在の暫定的制度にかわる恒久的制度を設立するための、関係国政府間会議が来たる二月二十四日から、ワシントンで開催されることになっております。  同会議に臨むわが国の方針につきましては、目下、関係省庁と協議を進めておるところでございますが、基本的には、インテルサット世界的基礎に立った、国際協力機構として秩序ある宇宙通信利用を促進することを目標とすべきであり、日本もこれにできる限り協力するとともに、あわせて組織内における日本の地位を強化し、またこれへの参加によって実益を収めるようつとめる態度で臨みたいと考えております。  次に、日本電信電話公社予算案について申し上げます。  かねて、公社から要望のありました料金引き上げにつきましては、諸般の事情によりこれを見送ることといたしましたが、現行料金体系は、必ずしも実情に即していないので、増収とならない範囲で、電話基本料近距離市外通話料調整等をおもな内容とした料金体系合理化実施いたしたいと考えております。  予算案内容について申し上げますと、損益勘定におきましては、収入予定額は八千八百六十六億円で、前年度予算額に比較いたしまして一千一百四十六億円の増加となっております。  他方、支出予定額は、収入予定額同額の八千八百六十六億円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、給与その他諸費、営業費等で七百二十六億円、資本勘定繰り入れ額で四百二十億円の増加となっております。  資本勘定におきましては、内部資金三千四百六十八億円、外部資金二千九百十五億円、総額六千三百八十三億円を計上いたしております。  このうち、公募債によるものは一百億円、縁故債によるものは二百九十五億円となっております。  また、支出は、建設勘定繰り入れ額で五千八百七十億円、債務償還等で五百十三億円となっております。  また、建設計画につきましては、農村集団自動電話三十万個を含めまして、百九十二万個の増設を行のうとともに、公衆電話増設四万個、市外回線増設七万四千回線等の実施予定するほか、同一行政区域通話市内通話扱いとするための加入区域合併情報革新社会的要請に応ずるためのデータ通信非常災害対策等実施をはかることにより、一そう電信電話の拡充とサービスの向上をいたすことにいたしております。  次に、日本放送協会昭和四十四年度収支予算事業計画資金計画案につきましては、近く国会提案いたすべく準備中でありまして、当委員会に付託されました節は、慎重御審議の上御承認くださいますようにお願い申し上げる次第でございます。  次に、今国会提案いたしました法律案は、御承知のとおり「公衆電気通信法の一部を改正する法律案」でございますが、このおもな内容は、加入電話基本料料金体系合理化し、近距離通話料を引き下げること及び農村集団自動電話並びに集合自動電話を法定すること等であります。  なお、提出を予定しております法律案のうち、すでに準備済みのものは次のとおりでございます。  第一は、「簡易生命保険法の一部を改正する法律案」でありますが、このおもな内容は、傷害特約制度を創設すること、保険金額最高制限額を二百万円に引き上げること及び保険料計算基礎及び積み立て金計算の方法に関する事項は、簡易生命保険約款で定めること等であります。  第二は、「簡易郵便局法の一部を改正する法律案」でありますが、この内容は、受託者範囲を広げて個人を加えること及び委託事務範囲福祉年金支払い事務を加えること等であります。  なお、早急に提出すべく準備中のものとしては、第一は、「公衆電気通信法及び有線放送電話に関する法律の一部を改正する法律案」でありますが、この内容は、有線放送電話接続通話接続及び有線放送電話業務区域について、所要の改正を行なうものであります。  第二は、「有線放送業務の運用の規正に関する法律の一部を改正する法律案」でありますが、この内容は、近時高層建築物によるテレビ受信障害増加等に伴い、大都市における有線テレビ事業の出現、増加が予想されるところ、事業公益性にかんがみ、同事業に対して郵政大臣許可制とすること等、その適正な運営を確保するための措置を講ずること等であります。  なお、そのほか「沖繩における郵便貯金事業の振興及び簡易生命保険思想の普及に必要な施設の設置等に関する法律案」を検討中であり、「電波法の一部を改正する法律案」、「放送法の一部を改正する法律案」につきましては、引き続き検討いたしております。  提出法律案につきましては、後ほど御審議をいただくことに相なりますが、その節は慎重御審議の上、すみやかに御可決くだざいまするようにお願いを申し上げます。  以上をもちまして私の説明を終わります。  所管行政の円滑な運営のため、御協力くだざいまするようにお願いを申し上げる次第でございます。
  4. 永岡光治

  5. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 電信電話事業につきましては、平素格別の御配意と御支援を賜わり、まことにありがたく厚く御礼申し上げます。  ただいまから日本電信電話公社の最近における事業概況について御説明申し上げます。  電信電話拡充第三次五カ年計画は、昨年の三月をもちまして順調に終了いたしました。この間計画を上回る五百十一万個の加入電話増設を行ないましたが、電話に対する国民要望はまことに熾烈なものがあり、昭和四十二年度末には申し込んでもつかない電話の数は二百四十万個にも達しております。そこでこの国民要望にこたえるため、昭和四十三年度から引き続き第四次五カ年計画を策定し、現在これを実施中であります。  まず、本年度経営状況でありますが、四十三年度予算におきましては、事業収入を七千七百二十億円と見込んでおりますが、十二月末における実績は五千八百十五億円となる見込みであり七五・三%の達成率であり、収入予定に対しまして、ほぼ順調に推移しております。  なお、四十三年度事業収支につきましては、予算上六十一億円の黒字を予定しておりますが、支出の面におきまして、仲裁裁定実施のほか、年度末に予想されます業績手当支給等予算に計上されていない支出の追加が必要とされております。公社といたしましては、今後とも経費の節約と収入の確保に努力を続けていきたいと考えております。  建設工事につきましては、その工事費総額は前年度からの繰り越し額を加え五千五百九十六億円となっておりますが、十一月末における支出額は、三千五百十四億円でありまして、総額に対し、六二・八%の進捗率となっております。  なお、十二月末における加入電話増設数は、百十七万加入でありまして、年間予定の七九・六%を消化いたしております。  次に、電信電話料金改正等について申し上げます。  公社は、経営基盤確立をはかるとともに、電信電話の健全なる普及発展をはかり得るようにするため、すでに時代にそぐわなくなっております電信電話料金体系全般にわたり、合理化するとともにその水準引上げることを要望してまいりましたが、四十四年度政府物価政策に従いまして、料金水準引上げ料金体系全般にわたる合理化は見送ることといたしました。  しかしながら、生活圏経済圏広域化に伴い、近距離市外通話料市内通話料との格差を縮小してほしいとの強い要望がありますので、この要望にこたえるとともに、加入者負担の公平をはかるため、増収にならない範囲内で、基本料の改定と近距離市外通話料値下げ等を四十四年十月から実施することとし、四十四年度予算案はこれを織りこみ編成いたしました。  なお、この料金改正のほか、現在試行的に実施しております農村集団自動電話集合自動電話集団電話として加入電話の一種に加えること、その他制度の一部改正内容とする公衆電気通信法の一部を改正する法律案が先般政府から国会提出されましたので御審議のほどよろしくお願いいたします。  次に、昭和四十四年度予算案について申し上げます。  まず、損益勘定内容でございますが、収入は、電信収入百八十九億円、電話収入八千六十六億円、専用収入三百二十五億円、雑収入二百八十六億円で合計八千八百六十六億円を見込んでおりまして、昭和四十三年度に比べて千百四十六億円の増加となっております。  一方支出は、総額八千八百三十一億円で、施設及び要員の増加等により、前年度に比べて千百七十二億円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、人件費は二千三百八十七億円で前年度に比べて三百一億円の増加物件費は千三百十一億円で前年度に比べて二百三十三億円の増加業務委託費は六百八十二億円で前年度に比べて三十四億円の増加減価償却費は三千百十三億円で前年度に比べて四百十一億円の増加、その他利子等で、百九十三億円の増加となっております。  以上の結果、収支差額は三十五億円となります。  建設勘定について申し上げますと、その規模は総額五千八百七十億円で、前年度予算五千二百二十億円に対し、六百五十億円の増加となっております。  この資金の調達は、内部資金で三千四百六十八億円、外部資金で二千九百十五億円、総額六千三百八十三億円でありますが、このうち債務償還等五百十三億円を除いた額を建設資金に充てることといたしております。  外部資金内訳は、加入者債券千九百九十七億円、設備料五百二十三億円、公募債券百億円、縁故債券二百九十五億円を予定いたしております。  建設計画について申し上げますと、加入電話は百六十二万個、公衆電話三万九千個を増設するとともに市外電話回線につきましては、七万三千七百回線の増設を行なって、即時通話範囲の拡大をはかりたいと考えております。  なお、基礎工程でありますが、四十三年度末において設備が行き詰まって、これ以上加入電話増設が不可能となる局が千四百九十六局にのぼりますので、加入電話需要動向市外サービス改善計画近傍局とのサービス均衡等を勘案いたしまして、三百三十九局の新電話局建設に着手することといたしました。このほか四十三年度以前から工事継続中の局が四百五十七局ありますので、これを加えますと、四十四年度におきまして新電話局建設を行なう局数は七百九十六局となりますが、このうち四十四年度中にサービスを開始する局は三百五十七局であります。  市外電話基礎設備につきましては、市外通話サービス改善計画に基づきまして、必要な新伝送路並びに市外電話局建設計画いたしました。  加入区域合併につきましては、広域化する地域社会の実態に対処するため、同一行政区域内にある電話局百六十三局について自動改式を行ない、百五十五区間の加入区域合併を行なうこととしております。  また、情報革新社会的要請に応じまして、データ通信サービスの提供を推進することとしておりますが、不特定多数の利用者対象とする加入データ通信サービスにつきましては、前年度から継続中の東京大阪各一システムのほか、新たに東京システム大阪システム計画いたしました。また、特定利用者対象とする個別データ通信サービスにつきましては、前年度から継続中の運輸省ほか五システムに加え、新たに全国銀行協会ほか三システム計画いたしております。  農山漁村における電話普及の促進をはかるため、農村集団自動電話三十万個を架設するほか、農村公衆電話千個、地域団体加入電話三千個を架設するとともに、有線放送電話設備二百五十カ所について公社線への接続計画いたしております。なお、非常災害時における対策費として九十三億円を計上しております。  以上をもちまして、最近の公社事業概況説明を終わらせていただきます。
  6. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 本件に関し、質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 鈴木強

    鈴木強君 最初に、今国会への提出予定法案についてお尋ねしますが、現在提案をされておるのは一つですね、公衆電気通信法の一部を改正する法律案。それから予定をしておりますのが二つございます。準備済みのものですね、それが二つ。それから準備中のものが二つ。そのほか検討中が二つに分かれると思いますが、ここで伺いたいのは、準備済みのものは、これはいいと思いますが、この早急に提出すべく準備中のもの、これは必ず出すというふうに理解していいんですか。大体いつごろになるか、その時期を明らかにしてもらいたい。  それからもう一つは、検討中の中にきわめて重要な電波放送両案が入っておりますが、これについては、どうして準備できないのか、準備が進まないのか、この国会には提出できるのかできないのか、その点もひとつ最初にお答えいただきたいと思います。
  8. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ただいま御質問のうち簡易生命保険法の一部を改正する法律案と、それから簡易郵便局法の一部を改正する法律案は本日閣議の決定を見ましたので、近く国会提案をされる予定でございます。  なお、放送法電波法につきましては、かねてから提案をすべく検討中でございますが、ただいまのところ、いつこれが提出できるか未定でございます。
  9. 鈴木強

    鈴木強君 これは立法の答申が出ましてすでに五年たっておるわけであります。とかく日本では電波行政というものがおくれてしまいまして、電波政治というものが横行しているというような批判が出ているのは、この基本的な両法案改正をやらないために、そういう基本的な問題がやっぱり出てきているように思うんです。ですから、少なくとも、放送免許に関する問題を含めて、答申が示したような諸点を踏まえて、ひとつ改正をすべきであるというふうな考え方は変わっておらぬわけですね。御承知のように、完全な意見の一致はなかったとしても、自民党と社会党の意見がほぼ近寄りまして、法案提案されることもあると思うのですが、なぜこれが進まないのか、どこに原因があるんですか。これは重要な問題であるし、やらなければならぬことはわかっているにもかかわらず、それが遅々として進まない原因は一体どこにあるのか。
  10. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 御指摘のように、放送法放送の憲法とも言うべき法律でございまして、これが早急に改正されて、現在の放送事業の現実に合ったように改正されるということは非常に望ましいことでございますが、なかなか問題点が多うございまして、実は非常に急いでおるのでございますが、なかなか作業が進まない、これが実情でございます。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 そういうことは、われわれはもう耳にたこができるほど聞かされているのです、歴代大臣から。で、一体与党内部における意見の調整ができないのか。それは政治の場ですから、いろいろあると思うのです。あなたのところでは、放送行政をあずかる大臣として、一体放送法をどう改正すべきであるかということに対する一つのプリンシプルを持っていると思うのです。ですから、それに基づいて作業を進めたらどうですか。あっちを見たり、こっちを見たりしているから仕事が進まないのではないでしょうか。郵政省としては、こうすべきだという案は持っておられるわけですか。それもまだ全然きまっておらぬというわけですか。そこらはどうですか。
  12. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 実は、これまでの作業が遅々として進まなかったのは事実でございます。しかし、こういう状態ではよろしくございませんので、最近作業を一そう進めるように督励をいたしまして、そのスケジュールなどをいま組ませつつあるところでございます。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 私が、非常に執念深く言うのは、大臣も御承知のとおり、いまのお話にありますような、最近のVをuに切りかえる方針なり、あるいは新しいu免許の問題や、電波界にとってきわめて重要な一つの変革期に来ているわけです。そういうときに、肝心な憲法、ものさしを、時代に即応しないところのものを使っているところに問題があるのです。前の小林郵政大臣のおやりになった電波行政というのはめちゃくちゃです、私に言わせれば。一体あのu免許は何ですか。強引に決定をし、しかも、審議会まで一月に二回も開いて拙速主義でやっているような、その裏にはいろいろの憶測も伝わっています。そういうことを平気でやっていくすきを与えているのは、この法律が出てこないからですね。放送行政委員会というものをつくって第三者に免許権というものをまかせるべきだ。それでこそ初めて公正な電波の政策というものがきめられると思うのです。ですから、私は進まないのは、それは、自民党さんのほうでもいろいろ意見があるようですね、基本的な問題ですから。私も拙速主義でやれというのじゃないけれども、すでに五年間たっておるわけですから、その間にはきわめて重要な変革がきておる。それに即応する電波行政がないじゃないか。だから政治が先行してしまって、いろいろな問題が出てきておる。これはもう昭和三十一年のテレビ第一次のチャンネルプランのときからの話ですからね。だから、これを早く国会へお出しになって、審議をして、新しい時代に即応する両法というものをつくりたいというのがわれわれの念願なんです。だから、ひとつ、いま具体的なスケジュールをもきめてやろうとしているところなんだが、もうすでに、法案提出は、予算の伴わないものでも、今月の末というような方針を閣議でもきめている。実際問題として今度の国会には提出できない、こういうふうになるわけですね。そういうような見通しを立てていいですか。
  14. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 御指摘のように、現在の放送法は、できましてからもうすでに二十年近くたっておりますし、それから答申が出ましてからも、もう五年以上経過しておりまして、ぜひ御指摘のように、新しい放送法を現時点に合ったようにつくり直す、改正するということが必要であるということは痛感いたしております。それで、先ほど来申し上げますように、作業を急がせておるわけでございますが、しかし、今国会中に間に合うかどうかということにつきましては、ただいま言明いたしかねるというのが実情でございます。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、実際問題として不可能でしょう。  そこで、私は次の質問に入るのですけれども、そういう中での電波行政をこれからあなたが進めていかれるわけだと思うのです。一面においては、小林郵政大臣が御在任中にきめられた幾つかの基本的な方針がございます。このうち、当然踏襲をしていかなければならぬ点もあるでしょう。しかし、また再検討を要する点もあると思うのです。ですから、大臣がいま率直に言われたように、時代に即応する新しい基本を確立するための法案というものの準備が必要なんだけれどもおくれているということですから、おそらくこの国会には出ないと私は判断します。したがって、どうか、慎重にも慎重を期して、よく民意をお聞き取りくださってやってほしいと思うのですよ。uの第二次のときあたりは、もう具体的に各県において調整が非常にむずかしかった。それを調停案まで出して地元のほうにまっ二つに割れて、割り当てするために、どっちに免許するかというようなきびしい相克がある中で強引に仕事を進めていくなんということは、もってのほかです。しかも、私はあのuの新免については、昨年の通常国会で最後に質問しまして、とにかく放送法電波法改正されないいまの段階でおやりになるとしても、たとえば大阪とか名古屋とか東京とか福岡とか、広域圏の放送の中でいろいろと問題となっておったところぐらいに、かりにやるとしてもuの免許はすべきであって、そのほかにおいてはこれはやるべきではないということを申し上げたわけです。大臣は、私もそう思いますと、こう答弁をされておった。われわれは、国会を通じて、国民政府施策を聞くわけですから、大臣の答弁を、私たちはそのとおり信じておったわけです。ところが、閉会になりましたら、どんどんどんどんとuの免許を進めていくわけです。臨時国会が開かれて、質問をすると、いやその後情勢が変わったから、私の方針は変わりました、そういう答弁をぬけぬけと言うのです。これでは一体国民はだれを信用して電波行政を見たらいいのか。私は、実に、国会というものが便宜的に扱われておったような気がしてならない。私はこれは忘れることができないことだと思う。これは一つの例でありますけれども。だから、大臣としては、ほんとうに慎重にも慎重を期して、答申の線もあるわけですから、かりに法律改正されないとしても、そういう線にできるだけ沿えるようなやはり施策をやってほしい。こう思うのですが、その点いかがですか。
  16. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 電波行政はちゃんとした筋道を立ててやれという御意見に対しては、全く同感でございます。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 それで、具体的に少し質問をしてみたいと思いますが、小林さんのおきめになったFMの第一次のチャンネルプランのことですが、当時NHKは、百七十局でしたか、第一次のチャンネルで割り当てられました。それから民放のほうは、残念ながら東京大阪、名古屋、福岡ですかの四地区に、まあ言うならば音楽放送的なものを免許するということで、チャンネルの割り当てがございました。NHKのほうは、聞くところによりますと、すでに電波監理審議会の議を経て実験局から本放送へと切りかえができるようですね。ところが、その四地区については、どうなっているのですか。これはFM東海の問題も含めて、その見通しはどうでございますか。私は、おやりになるならば、なぜ四つのところをおやりにならないか。もっとも、基本的には私はその第一次チャンネルプランに対して異議があるのです。もっと基本的なものをはっきりすべきです。それを、逆に四つのところだけ先にやるというのはこれは本末転倒なんです。チャンネルプランというものは国民の前に最初に明らかにすべきです。それから、御利用の方々はどうぞ御自由にひとつ申請してください、こうなるのが筋なんです。ところが、もう十年も実験放送をやって一体FMはいつ免許するかと言えば、もうあしたにでもやるようなことを何回もこの委員会で答弁して、その時期がきてもやらない。そして二年、三年、五年がたってしまう、とうとう十年間たちました。私は、この十年の間、この委員会でもずいぶんそのことを言ったのです。ですから、この免許方針なりあるいはそのチャンネルプランというものの全体の展望を、明らかにはっきり国民の前に示すべきだ。それから進まなければならぬのに、何か知らぬが、ばんそうこうの切り張りではないが、ちょこっちょこっと出してくる。そうしていろいろな人が申請をする。陰へ回ってはわが社へわが社へと激しい争奪戦が出てくる。そこにまたいろいろな、われわれが見るに見かねるような動きが出てくる。これは小林さんがきめられたことですから、あなたがこれをひっくり返すというわけにはちょっといかぬでしょうけれども。そうであれば、この四局については、なぜNHKと一緒にできなかったか。その理由は何か、これを明らかにしてもらいたい。
  18. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) NHKにつきましては、三月一日に全部免許する予定でございます。たしか百七十局になっておったと思いますが、全部を免許する予定でございます。それから民間につきましては、四地区につきましては近く免許をいたします。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 近く免許をするというのはいつになるのですか。
  20. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 日ははっきりわかりませんが、現在いろいろ検討中でございまして、そんなに先になるとは考えておりません。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 その際、東京は一チャンネルの割り当てですから、FM東海との関係はどうなるのですか。
  22. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) それも含めまして検討中でございます。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、時間がありませんから、この地区に幾つの申請者がおるかというようなことは省きますけれども、おそらく多数競願になっておると思います。十二チャンネルのことはあとから聞きますけれども、やはりだれにきめるかということについては、これは慎重を期さなければならないと思います。各社の実態は、資料でどの程度調べられるかわかりませんが、ただ単に机上の書類だけによって審査されるとは思いませんが、もっと実態を調べておきませんと、十二チャンネルの問題をまたやりますよ。そういう危険性がある。一体大阪、名古屋、福岡、東京のこの四地区については、競願の点は大体話が煮詰まっておるというふうに理解してよいのですか。そうして近い将来というのですけれども、少なくともNHKが実用化された、本免許されたわけですから、民放だって早くやるべきですよ。一カ月以内なら一カ月以内で、やる気になってやればできる。そこにいま実にむずかしさがありますから、一社が出しておるわけじゃないですから、その点はどうですか。競願の点は整理されて協力体制ができておるというふうにいまの段階では考えてよいのですか。そうなったら、もう一カ月たったらできるじゃないですか。
  24. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 東京では非常にたくさんの申請が出ておることは御承知のとおりでございます。まだ競願者を調整する、そういう段階ではございませんが、しかしあくまで公正に、FM放送の特質が将来生かされるように、そしてそれが必ず実行できるような、そういう企業体に免許していきたい、かように考えております。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 免許権はとにかく大臣が現行法においては持っておられるわけですから、だから十二チャンネルのようなことがないようにしてもらいたいと思うのですけれども、問題は競願が多い。しかも、東京にはFM東海という郵政省が実験免許を与えた放送局が一つあるわけです。これは事実問題として係争にもなって、途中で申請を取り下げたようですけれども、また免許をするなんという、これもまた七ふしぎの一つみたいなものかもしれません、考えてみると。そういうものがあるわけですから、この辺の考慮というものは相当に考えなければならんと思うのです。しかも、NHKが実用化実験局として免許されたあとに追加されたわけですね、FM東海というのは。私は、そのときにNHKが公共放送として、言うならば、日本の今後のFMについてステレオ方式をどうするとか、いろいろ技術的、科学的な検討を進めていく必要があるわけですから、それはNHKが公共放送の立場でおやりになるのが、一番いいかもしれませんから、これは賛成する。しかし、もう一つつくらなければならんという理由がどこにあるか、実験局が二つなければ、将来のFM放送について自信のあるデータがつかめないというのは一体どういうわけだということをいろいろ聞いてみたのです。結論は二つなければできないということです。それで免許したはずなんです。その後、FM東海が今後のFMの日本における放送基礎づくりのために貢献した度合いというものがぼくはあると思うのです。高く評価されていいと思う。そういうものを途中になって免許を取り消すとかなんとか言い出して大騒ぎをするなんというばかげたことがある。これは常識で考えられない。そこらの判断は、大臣としてどうお考えになりますか。
  26. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 先ほど申し上げましたように、FM東海の問題も含めまして、今回は総合的に解決していきたい、こう思っております。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 これはウナギ問答みたいなものになってもしようがない。私はそういういままでの経過があるわけですから、大臣も認可に対して右へならえというような、そういうことでなくて、このウエートは十分腹の中におさめてやってもらいたいのです。そうでないととんでもないことになります。十二チャンネルの二の舞になるのは間違いない。私、その点十分ひとつ肝に銘じておいていただきたい。これは私の希望意見です。  それから、いま私が四つのことを最初に聞きましたが、本来ならば、これは本末転倒なんです。要するに、去年きめられた今後の音声放送の大変革ともいうべき大電力化、それに伴う再編成というものの一環として出てきたわけです、これが。だから私は、むしろ各県域放送というものを一体どういうようにして置局していくか、チャンネルをどう割り当てていくかということが先ですよ。それをさかさまに枝葉を持ってきているわけです。そこに非常にぼくは電波行政に対して疑問を持っておるのです。  そこで、FMの県域放送の、民放の場合は四十五年の大体免許は十一月一日だと思うのですが、それまでに実施できるようにするというのが一つの基本方針ですね、郵政省の。そうであれば、いまからこの割り当てというものはちゃんとして準備を進めておく必要があると思うのです。来年の十一月ですから、一年半か十カ月ですね。これらについては、そういうやり方に対する、中波の代替として、いわゆるFM県域放送というものが非常におくれているということは理解できないのです。ですから、この点はひとつ、あなたに申し上げておいて、そうして、まず再編成に伴ってこういう姿になると思いますね。NHKの場合は、第一放送は大電力の広域圏放送になって、いま東京大阪、名古屋に三つありますね、広域圏放送が。そうして百キロの出力でもって放送しているわけです。そのほかの放送は、第一放送でやっておられるわけですが、第二放送も大体その程度でしょう。出力は三百キロワット。ところが、今度新しく編成がえになるのは、第一は百キロから三百キロの出力で、置局をどうしていくか知りませんが、とにかく全国放送できるような、そういう一つの広域圏放送というものをつくるわけでしょう。この中波のNHKの新しく考えられる第一放送の置局いうものは、一体どことどことどこへ置くのか、全国を幾つに分けてどこに置局をしようとしているのか、これが一つ。  それから第二放送の場合、三百キロから五百キロの出力でもって全国をカバーしよう、こういうのが考え方の中に入っております。そこで、これは一体どことどことどこへ置局をしようとしているのか、これをはっきりしてもらいたい。  それからFMは、大体百七十局を認可したわけですから、この場合に何か予備免許に対して条件をつけているのですか、どうですか、条件は。  それからFMの場合、いまの広域圏放送の中における県域ですね、たとえば関東六県には県域放送はないわけです。それから近畿五県、名古屋とか、合計十三県にはないわけです。これに対して郵政省は、NHKの県域の放送に対して、この十三県についてはどういう免許をするのか、これがNHK関係。  それから民放の姿というのは、中波の大電力広域圏にやっぱりかわるわけですから、現在五十キロワットの出力でおやりになっているのが、東京大阪、名古屋にございます。その他が県域放送。これが今度新しく中波の大電力にかわります。出力は百キロから三百キロ、これも一体どこに置局を置いて、全国をどういうふうにしてカバーしていこうとしているのか、この点をはっきりしてもらいたい。  それから、さっき言ったFMの民放の場合の県域放送というのは、一体、来年の十一月一日までに実施できるようにするといっているのだが、もうNHKはすでにやっておる。そういう関係からして、これを早くしなければならぬのだが、そのプランはいまどうなっているのか、これをひとつ伺いたい。
  28. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) NHKに対するFMの認可はまだでございまして、三月一日にやる予定でございます。ある程度条件をつけようと思っております。条件につきましては、検討中でございます。  なお、こまかい条件の内容につきましては、政府委員から答弁をさせます。  それから第一放送を大電力化するという問題でございますが、これはまだ何局置くかははっきりきまってないんです。それからどこかもまだきまっておりません。検討中でございます。  それから第二放送は、第一放送よりもさらに大きな電波を出すようにしておりますが、大体これは五カ所ぐらいになろうかと思います。  それからその他の問題につきましては、政府委員から答弁させます。
  29. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) NHKのFM放送についての予備免許につきまして付した条件といたしましては、ステレオ五〇%以上、こういう条件がついております。
  30. 鈴木強

    鈴木強君 ついでだけれども、いまはどのくらい放送しているのですか。ステレオは、NHKは。
  31. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 現在は四二、三%でございます。
  32. 鈴木強

    鈴木強君 それから広域圏内の県域放送、FMのことについて、答弁まだしてないです。
  33. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 広域圏内の県域放送につきましては……。
  34. 鈴木強

    鈴木強君 NHKの場合。
  35. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) NHKにつきましては、来年度予算に計上されて始まるわけでございますが、これが二年間で、大体広域圏内の県域放送実施する、こういう計画になっております。
  36. 鈴木強

    鈴木強君 来年は幾つですか、来年度予算で。
  37. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 来年度は六局でございます。関東で四局と、それから三重県、それから近畿については兵庫県でございます。
  38. 鈴木強

    鈴木強君 県も言ってください、どこの県か、もう少し親切に。
  39. 永岡光治

    委員長永岡光治君) ちょっと答弁者に申し上げますが、質問の要旨は、明確に記録していただいて完全に答えていただくようにお願いいたします。
  40. 鈴木強

    鈴木強君 委員長の適切な御発言、全くありがたいと思うんです。  広域圏は十三県あるんだが、二年間にわたってやりたいと、わかりました、これは。しからば、来年度——四十四年度予算にはどことどことどこの県の六つをやったか、そうすればよくわかるのです。
  41. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 関東地方といたしましては、宇都宮、水戸、それから前橋、横浜、津、神戸、以上でございます。
  42. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  それから大臣がNHKの第二のほうは大体置局は五カ所くらいだということになると、おおよそ見当つきました、場所はどこにしても。しからば、その第一のほうはまだわからぬということですけれども、これはどうなんでしょうか。この点が一つ。  それから民放については、全く答えてくれないんですが。民放は現在東京大阪、名古屋に五百キロワットの広域圏放送というのがあるわけですけれども、これが新しく百から三百キロで大電力放送が始まるわけですね、中波の。置局は一体どういうふうにするのか。全国を大体幾つぐらいに分けるのか。これはNHKとの関係もあるかと思いますが、どことどこへ置いて、どういうカバレージを考えておるのか、これが一つです。  それからFMの中波代替の県域放送については、四十四年の再免許が十一月一日なんだから、それまでに実施できるようにするというのが郵政省の方針だけれども、これについては、準備をどう進めていくかということを聞いたんだけれども、これもお答えがない。
  43. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 第一放送をどこに置局するかということにつきましては、検討中でございますので、まだ具体的に答えられる段階ではないと思います。  それから民間放送の中波を大電力にするという問題、これも現在検討中でございまして、これまた具体的にお答えできるまだ段階ではないと思うのです。まだ、若干時間もあることでございますので、先ほど仰せのような中波の県域放送をFMに切りかえる問題とあわせまして検討中でございます。
  44. 鈴木強

    鈴木強君 大臣が、NHKのほうについて第二放送は、大体五カ所というおおよその見当を出されたわけです。だから、私は第一放送だってそれはどこに具体的にどう置くのか、幾つかのブロックに分けてカバレージするとかというようなことはいいですよ、わかりました。だけれども、おおよそ幾つぐらい置いたら全国をカバーできるような広域圏放送ができるかというぐらいのことがなくては仕事が進まないでしょう。そのくらいのことは国民の前に明らかにしてください。検討中だ検討中だって、あなた。
  45. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 政府委員のほうから、答弁させます。
  46. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 現在のところは、ただいま大臣からお答えのとおり検討中でございまして、これは中波の大電力化と、それから中波のFM放送への切りかえ、この両者が密接に関連しているわけでございますが、どの波をどういうふうに使うかという問題は、現在使っておる波が、相当数、外国混信を受けておるわけでございまして、この外国混信対策として今後のFMへの切りかえとかあるいは大電力にする、こういうことが出てくるわけでございますので、これは中波の国際圏域とも関連することでございますので、今後慎重に対処して、次の再免許の際までにりっぱな結論を出していきたい、こういうような所存でございます。  NHKの第一放送につきましても、やはり総体的な中波の波の問題、それから電力をどの程度にするかによりまして、また波が何波使えるかというような問題ともからんでまいりますので、現在のところ検討中でございまして、きまったものはございません。今後できるだけ早い時期にきめるようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
  47. 鈴木強

    鈴木強君 中波の波なんか百七つもあるんだから、そんなに心配する必要ないんです。ぼくはその余ったのをどうするか、あなたに聞こうと思っているぐらいなんだ。だから、そういうしろうとに対する答弁のようじゃ困るんです。やっぱり、具体的に民放でもNHKでもそうですけれども、しろうとが考えたって大体十に分けるか十一に分けるか、そのぐらいの見当はつきますよ、これは。それすらあえて言えないというところに、電波行政に対してますます疑義を持つんだ。われわれは。そんなばかげた答弁をしてこの場を済まそうなんという考え方では困るんですよ、これは。大臣、そんなことでこの場を済まそうとするのですか。
  48. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) いまお話のありましたようにおそらく十カ所前後、こういうことになろうかと思いますけれども、何カ所ということをいま申し上げられる段階ではございませんので、今後検討してまいりたいと存じます。
  49. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、おおよその見当をこちらは聞きたいのだが、ここで十一にしろとか十二にしろとかということではないのです。少なくとも第二については、五カ所にするのなら、これはしろうとが考えてもわかります。百キロから三百キロまでなら倍ぐらいだということは常識的に考えられるんだ。それをあなた答えてくれないんだな、少し不親切です。それから、これはまあひとつ大いに早いところ構想を出して、NHKとしたって、一体、いまの中央放送局から変わってくるのですから、組織上どうするということもあるでしょう。ですから、早いところ方針を出して、そうして五十一年が最後の目標のようですが、しかし、四十五年にやらなければならぬところもあるわけだから、そういうこともあわせて、ひとつできるだけ展望を明らかにしてやっていただきたいと、私は思います。  それからもう一つ、重要な点で、免許方針についてですけれども、これはわれわれが何回もこの委員会でも確認してきているように、マスコミの独占排除はやってもらいたい、こういうことを強く要請し、田中角榮、平井太郎、歴代の大臣もこれに賛成して今日に来ております。いよいよFMの認可、あるいは中波の大電力化、再編成がきた場合に、いまテレビとラジオは兼営を認めております。今度あなたが出した方針の中に、FMと中波とそれから短波ですね、このうち一つ事業者が二種以上を所有したり支配してはいけない。要するに中波、FM、短波放送一つに限る、二つ以上は持ってはいけませんという方針をきめたのです。これは、私は非常に賛成するところです。ただ実際問題として、ラジオをいま持っておる人たちが新しくテレビを持とうとする。それからまたテレビを持っている人が新しくラジオを持とうとする、こういう考え方が、現行のテレビ、ラジオ兼営がOKになっていることを前提にして考えますと、将来、そういう姿が出てくるのじゃないか、こう思ったのですけれども、しかし、ラジオに関する限りはそれは許さぬ、こういうことですけれども、テレビとの関係はどうなるのか、これからの場合。
  50. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 基本的にはマスコミの独占を排除していく。この基本方針はずっと貫いていきたい、こういうふうに考えております。
  51. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、それはけっこうです。たとえば同一人が別の法人格を持ちますね、私がたとえば山梨放送というものを一つ免許してもらいます。一つの例ですけれども。今度、実際にはもう一つ名前を変えて、私以下の何名かがまた会社をつくって、そうして形を変えて免許申請するということが実際問題としてあり得るわけです。そういう場合には、これは許すことになるのですか。私はやっぱりその場合には、あなたが言っている二つ以上の所有になるというふうに考えるわけですけれども、その場合は、どうなりますか。
  52. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) そこが問題でございまして、名前を変えておりましても、実際に同一人であるということがはっきりいたしますと、これは排除していきたい、かように考えますが、しかし、現実の問題として、なかなか巧妙にわからぬようなやり方をしてくる場合はどうにも困る。こういう問題は、依然として残るわけでございます。
  53. 鈴木強

    鈴木強君 その残る問題については、ひとつ十分な調査をしていただいて、マスコミ独占排除をぜひやってもらいたいと思う。  それからもう一つ、具体的なことで恐縮するのですけれども、たとえば地域を変えてやる場合が同じようにあるわけです。私が山梨に一つ持って、大阪一つ持つという場合、中身は実際自分が資本を出し、株をたくさん持って支配する、そういう会社がかりにあったとしますね。その場合に、地域が違うからいいのだという解釈にならぬでしょうね。やはり地域が違っても、それはマスコミの独占排除ということになるわけでしょうね、これはどうですか。
  54. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これは、民間の株式会社組織ということになりますと、株の移動まで禁止するというわけにはいかぬと思います。ここに非常に問題がありまして、株の移動した場合に、名前は幾らでも変えておかれますから、御指摘のような点が起こってくるわけです。しかし、事実問題といたしまして、できるだけそういうことのないように気をつけてはいく所存でございますが、やはりある程度抜け道というものは残ろうかと思います。
  55. 鈴木強

    鈴木強君 私も、ちょっとこれは心配ですから具体的に質問するのですけれども、ひとつ実際に免許する段階ではかなりの審査をしていただかなければならぬと思いますから、そういう点で、さっきも私が申し上げたように、何か書面だけを見るということでなく、実態の調査というものをお手数かかるでしょうけれどもやっていただいて、将来免許した場合にその放送が、その経営が基準にかなってやれるかどうかという判断をちゃんとしてまいりませんと問題が起きるから、そこまで調査すれば同じものだという正体がつかめますから、これは兼営まかりならぬということになるので、その点は、私の希望を含めてお願いしておきたいと思います。  それから次にVのuへの移行のことですけれども、これは一つの画期的な方針で、十年間で切りかえていくということで、これについてはわれわれの知り得る範囲では、大臣も小林さんの方針を踏襲していかれるようです。そこでいろいろきょうはお伺いしたいことがありますけれども、時間がありませんから、一つだけ具体的なuへの移行に対して、昨年も小林郵政大臣は、これは非常に重大なことであるから、各方面の意見も十分に聞いて慎重にやっていきたい。それから諸外国における例等もよく勉強してあやまちのない切りかえをしていく、これは放送事業者とこれを免許する郵政省と、もっと大事なこれを見る国民、需要者ですね、そういう三者の立場に立ってやはり慎重を期さなければならぬ、私はこう思うわけです。ですから、そういう意味で石橋をたたくような形で進まれると思うのですけれども、そのスタートをわれわれはかなり重視しておった。ところが、先般大臣はNHKとともに専門連絡会というのをつくられましたね。これはどういう目的のために、どういう陣容で、どの程度の期間をおいて具体的な目標に対する検討をされるか、私はわかりませんけれども、この中に明らかに民間放送が入っていないですね。これはスタートからつまずいているのです。これはNHKが、この郵政省の構想に賛成するかしないかは自主的に御判段になるでしょう。民放もそういうことだと思います、同じように。だから、賛成であるか反対であるかということは、いろいろ立場によって違うでしょう、それはこれだけの大きな仕事をするのですから。費用は一体どのくらいかかるかとか、一体十年後の姿はどうなるとか、受信者の立場はどうなるとか、あらゆる角度から検討してみないと、郵政省が出したから、それに従えと言ったって、そうはいきませんよ。最近、六百億も七百億もこの切りかえによって金がかかるということを民放で言っている。郵政省ではそんなにかからないということを言っておられるけれども、これはただ紙の上で言うだけではなくて、郵政省は一体こうしたら二百億でいくという、具体的な青写真を示して実際に話を進めていかなければならぬと思うのです。それを民放は参加しない、NHKはきん然とか、不承不承参加したか私はわかりませんけれども、構成メンバーになっていることは間違いない。しかし、民放はオブザーバーか何かで出るのか出ないのか知りませんけれども、そういう形でスタートしたということは、これは第一歩をつまずいたと思うのです。もう少し郵政省の構想について、深く、広く、ねばり強く何回も説明を加えて、そうして民放にもいろいろな問題があったとしても入っていただいて、そうして共通の立場に立って、将来の展望に対して万遺憾ない切りかえのできるようなあらゆる一切の話し合いをしていくということにならぬといけぬと思うのですけれども、どうしてこれはこういう形のままでスタートしなければならぬのですか、非常に残念だと思うので聞きたいのですけれども。
  56. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) その専門連絡会議に民送が入っておらぬということは、御指摘のとおりでございます。そこでこれでは不都合な点がございますので、いま入るようにすすめております。  それからVからuへの切りかえの問題につきましては、これはもう既定の方針を全力をあげて実行していきたい、かように考えております。近く、先ほども御報告いたしましたようにNHKの四十四年度予算国会提出されますが、その中におきましても、東京大阪には四十四年度におきまして、uの送信設備をする、そういう項目も入れるようにいま作業をしておりますので、そういうこと等も含めまして、切りかえを全力をあげてやっていきたい。したがって、御指摘のように、あらゆる機会をとらえまして、そのPRのほうもよく進めていきたいと、かように考えております。
  57. 鈴木強

    鈴木強君 ここで一つ問題を提起しておきたいのですけれども、たとえばVの放送局を持っておる方が八年後にuに切りかえていくという場合に、いまのVを持っておる方に必ずuの周波数を与えますという、こういう保証はしているのですか。それは、そのときの話だというふうになっているのですか。
  58. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) それは必ずuの波を与える、こういうことになっております。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 そうであれば、私はきん然と入りきらぬという中には、いろいろ切りかえによって、膨大な中継局の設置、その他金がかかる。一面また受信者の立場からは、コンバーターを買わなければならぬ。そのうちにオールチャンネルへ切りかえていく、いろいろくふうはされるでしょう、十年間に。そういう意味において、利用者的な立場に立つ人たちも、私は入れたらいいんじゃないかと思うのです。放送局側だけじゃなくて。学識経験者というか、そういうことは別としても、実際に視聴者の立場に立つような人たちもやっぱり入れておやりになったらいいと思うのだが、これはしかし最初から何といいますか、技術的な話をしてもなかなかおわかりにならぬかどうかわからぬけれども、そういえばあとでいいという考え方も出るかもわかりませんが、できれば、そういう方面にも働きかけて入っていただくようなことも——いまいますから、専門的に勉強している人たちも。そういうことも考えていただいて、もしVを持っておる人たちにuを与えないということになりますと、小林さんがやったように、uをどんどんやってしまいますと、uの人たちは関係がないわけだ、uに切りかえるということについては。ですから、そういう方向に賛成しますよ。しかしVを持っておる人たちは、uにならぬことになれば不安ですから、その意味では、やっぱりいろいろと問題が出てくるでしょうから、ですからそういう意味で、保証されておれば、何か実際の具体的な問題に対する一つ一つの考え方が違ってくるだろうと思いますからね。話をよくすれば賛成してくれるんじゃないですか。入って検討することについては、自信ありますね。ぼくは是非やってもらいたいと思うのです。
  60. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) uに切りかえる場合に、いろいろ問題があろうかと思いますけれども、その一つは、御指摘のように資金の面だと思うのです。これも調べてみますと、民放の言っているほど大きな金はかからぬようです。しかも数年の間には、送信設備というものが古くなりますので、どうしてもリプレースしなければいかぬ。その際にuに切りかえますと、そんなに金がかからない。その差額だけで済む。そういうこともありますし、それから受信の設備でありますが、これも非常に順調に進んでおりまして、コンバーターの生産なども昨年の四月と十二月を比較いたしますと、約六、七倍もふえております。六万五千台ぐらいだったものが、年末には約四十一万台か四十二万台になっておる、こういうことで非常に順調に進んでおります。しかも、なおそれで需要に追いつかない、こういう状態でございますし、それから価格も非常に下がっております。それから同時に、オールチャンネルの受信機も昨年の十月から出始めましたが、これもわずか三カ月ほどの間に四、五倍にふえまして、年末にはすでに、やっぱり十数万台生産されておりまして、ことし中にはオールチャンネル受像機に全部切りかえるというメーカーが大部分でございます。そういうことでございますので、そういう面からも非常に順調にいま進んでいる、そういうことでございますので、先ほども申し上げましたように、この切りかえはあらゆる機会をとらえまして、皆さんに御了解をしていただきまして強力に進めていきたい、かように考えております。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 ぜひそれはお願いします。  それから受信者の立場に立つ人たちの意見も何らかの形でひとつ聞いていただくように、この点の御配慮はしていただけますか。
  62. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 放送業者、その他すべての方々とのやっぱり懇談——その徹底というものが足らなかったうらみがあると思います。その点は徹底していきたいと思います。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 じゃ、いまお話のコンバーターの値段の問題や今後の生産に対する問題や、同様にオールチャンネルにもありますが、時間がありませんから、これはあとに譲ります。  それから、もう一つ二つ聞きたいのは、持ち越しになっておりますuの第二次新免のうちで、福島と徳島と宮崎だと思いましたが、その地区、もし間違っておったら教えてもらいたいのですが、これは一体どういうふうに処理されるのか。もう一つは、小林大臣がねらったuの第三次新免、これはかなり強引にやろうとしたのだけれども、とうとう更迭の前だからできなかった。そこでこれは一体新大臣として、これを推進していこうという考え方がありますかどうですか。しばらくやめたらいいと思うのですが、これは慎重を期せという意味において、私はそう言うのですけれども、まあしかし、一つ一つの具体的なケースバイケースでいかないとわかりませんからね、ぼくはやめたらいいと、暴言かもしれなかったら訂正しますが、慎重を期するという意味においてぼくはやめたらいいということを言ったわけですけれども、そういうせっぱ詰まってやらなきゃならぬ問題じゃないだろうし、それから特にもうすでに認可をしたところにもあるように、どうも二つのテレビ局ができました場合に、非常に小さい経済圏の中で両立できるかどうか、こういう点の危ぶまれるようなものもなきにしもあらずです。で、私はかりに経営がどうにかやれたとしても、結局は、番組の面においては質が落ちていくということになりますので、せっかく二つの波をつくってみても、粗製乱造になってしまったのじゃ用を足しませんから。そういう意味では、やはり十分に将来の展望を考えてやりませんといけないと思うのです。だから、そういう意味で慎重を期してもらいたい。もう少しやめておいて、慎重を期してもらいたい、こういう意味で言ったのです。だからその点、簡単でいいですから、大臣に二つの点を伺っておきます。
  64. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 第二次免許の三地区につきましては、目下調整中でございます。  それから第三次免許につきましては、これまた検討いたしておりまして、ただいまのところは、どうするかということについては、結論は出ておりません。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 まだ時間がかなりかかるのですね、第三次のほうは。
  66. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 第三次のほうは検討中でございますから、まだ若干時間がかかるかと思います。
  67. 鈴木強

    鈴木強君 私は、まだ三つほど質問があるのですけれど、時間がそれほどありませんから、また、いずれの機会に譲ることにして、きょうは、問題の十二チャンネルの郵政省敗訴の問題について少しく伺っておきたいと思います。  この問題は、昭和三十七年当時米軍が使用しておりました十二チャンネルが日本に返ってきました。それを機会に、日本科学技術振興財団、中央教育放送、ラジオ関東、日本電波塔、千代田テレビ、この五つが免許の申請をして五社競願になったわけです。これに対して、当時の郵政大臣は迫水久常氏だと思いますが、日本科学技術振興財団に単独免許をしたわけであります。これに対して中央教育放送が異議の申し立てをしたのだが、郵政省はこれを却下した、棄却した。そこで中央教育放送が一番問題にしたのは、免許を決定する際に各社の優劣判断に偏見があった、こういうことが一番異議の申し立ての行政訴訟を起こした大きな理由になっているわけです。で、これは東京高等裁判所に異議の申し立て、棄却決定取り消し請求の行政訴訟を起こしたわけです。これに対して東京高裁は、電波監理審議会が免許をきめる場合の申請各社の優劣を判断する基礎となる具体的な事実を郵政省が示さなかったのは行政手続上の誤りである、こう指摘しておりました。これは重大です。したがって、郵政省の決定というものは取り消せという判決が出たわけです。これは河本郵政大臣は、当時御関係がなかったわけですけれども、たまたま石川監理局長は、当時電波監理局次長かなんかやっておられたと記憶するんですけれども、現にそういう方もいらっしゃる。そこで、この判決を受けて、郵政省はどういうふうに考えられているのか、反省すべき点は反省して、こういう点はまずかったとか、こうすればよかったというふうに思っておるのか、おれのやったことは間違いないんだといまでも思っているのか。しかし、裁判の決定が出た以上は、これに従わなければならない義務があるでしょう。だから、人間ですからあやまちがあるかもしれない、これは謙虚に反省すべきです。そしてさらに間違いのないような行政をやることが為政者の当然のことだと思いますけれども、そういう意味で、私は大臣として、前の大臣のやったことでございまして、ここであなたに伺うというのは、私もつらいですけれども、しかしあなたがたまたまこの問題の判決を下されたときの大臣だから、長として御研究になっていると思いますから、国民の前にその態度を明らかにしてもらいたい。
  68. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 十二チャンネルの問題は、まあ経過は御指摘のとおりです。したがって、裁判の骨子を率直に言いますと、郵政省のやり方はいかぬと、間違っておると、こういうことだと思います。そこでその裁判の骨子につきましては、趣旨につきましては、十二分に反省をいたしまして、今後は誤りなきを期していきたい、かように考えております。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 まあ反省をし、誤りなきを期する、これはまあ当然でございましょう。しかしなぜ、当時そういうふうな各社の優劣を決定するだけの判断を、電波監理審議会ができなかったわけでしょう、郵政省提出しなかったもんですから。これは行政上の誤りだというんですね。そういう重大な郵政省側にミスがあったとすれば、これはただじゃ済まされないでしょう。その責任は一体どうなんですか。
  70. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これを法律的に言いますと、十二チャンネルの免許に対して異議の申し立てがあったと、これを却下したわけですね、郵政省のほうで。これはいかぬと、だめだと、こう言って却下したわけです。これに対して、高裁の判決は、郵政省が異議の申し立てを却下したということはよろしくない、もう一回当初の時点に立って、その異議の申し立てを検討してみよと、こういう段階なわけでございます。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 それは法律的にはそのとおりです。しかし、事実問題として少なくとも昭和三十八年以来、この問題がこれだけ問題になり、あなたのほうでは第一審は不満として上告したわけでしょう。これによって世間に及ぼした影響ですね。しかも十二チャンネルの実態はどうですか。これはきょうは時間がないから言いませんけれども、その後何回かの警告を与えても、依然としてわれわれが見ても納得のできない放送を平気でやっている。これは何回、私がここでやったかわかりませんけれども、郵政省免許を三年にするのを二年にしたり、そういう自分の自信のない放送局を免許しておって、たまたまあれがりっぱにやっておればよかったのだけれども、やっぱり運が悪いというか、やっぱり判断が間違っておったわけだから、結局ああいうことになってしまったわけですね、経過を考えてみれば。それによって、世間に及ぼした影響というものは重大です。それを法律的にはもう一回やり直せばいいんだという、そういうことでは済まされないですよ。私は法律論はわかっています。だから、今後どういうことを審議会にはかるのか、これから聞こうと思っておりますが、社会的に及ぼした影響に対して頭を低くして、やはり陳謝すべきことは陳謝すべきでしょう、どうですか。
  72. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 十二チャンネルの現状並びに十二チャンネルに関する一連の措置が満足すべき形で行なわれなかったと、不十分であったと、この点は率直に認めなければならぬと思います。したがって、裁判の結果、それから現状、そういうこと等も全部含めまして、今後誤りなきを期していきたいと、こういうふうに考えております。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 国民に対して、世間に対して済まなかったということはないわけですか、政府には。
  74. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 裁判の結果だけを見ますと、先ほど申し上げましたようなことでございまして、異議の申し立てをもう一回取り上げて再検討しよう、こういうことなんです。ですから、この際十二チャンネル全体の問題につきまして、いま郵政省としての態度を明らかにするという段階ではまだない。まだちょっと早いのではないか、かように思いますので、今後の措置等も含めまして、総合的な一応結論あるいは方向づけが決定いたしましたときに、郵政省としての最終の見解を明らかにしたい、かように考えております。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、大臣、気持ちはわかりますけれども、判決が少なくとも、この申請各社の優劣を判断する基礎となる具体的事実を郵政省が示さなかったことは行政手続上の誤りであると、こう言っているわけでしょう、こう指摘したわけでしょう。だから、そういう当時の、時間をかけて電波監理審議会に審議の方法、その他も十分に伺わなければならぬ点があると思いますけれども、いずれにしても、そういういわば拙速的な中で判断を求めるような資料がない中できめられたということに対する不満が中央教育放送の一番大きな不満だったわけですから、それに対して、そのことを認めたわけですよ、これは。だから手続上誤りだということを言われて、なおかつそれに対しての反省がないということであったのじゃ、これはまあ行政も末の果てですね、そう私は思うのです。
  76. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) この点は、いずれにいたしましても、申しわけないことだと思っております。そこで、判決の趣旨なども体しまして、そして総合的に十二チャンネルの今後のあり方、その他について検討していきたいと、かように考えておるわけでございます。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、今後電波監理審議会のほうに再議決を求める手続をとられるわけですね。それは、大体おおよそどういうふうなことになりますか、いわゆるスケジュールといいますか、日程といいますか、もうすでに一回か二回か開いたようにも伺っておりますが、まあ国会の開会中で聞くのは初めてですから、大体、電波監理審議会にはかってどういう資料を出していつごろ決着を出すかというような御構想があって進めておられるのですか。
  78. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これからのいろいろの事業の進め方については、政府委員のほうから申し上げます。
  79. 石川忠夫

    政府委員(石川忠夫君) 去る二月七日の審議会におきまして、この異議の申し立てを再付議いたしまして、そこで審理に当たる審理官の指名がございまして、近々、いつ第一回の聴聞を開くかという通知を出す予定になっております。この通知開始によりまして期日がきめられまして、おそらく三月の終わりか四月ごろになろうかと思いますが、それ以後何回かの聴聞が開かれ、最終的に電波監理審議会のほうにその結果が報告されまして、その結果によりまして、審議会のほうで検討し、さらに議決をして決定案が出る、こういう順序でございます。
  80. 鈴木強

    鈴木強君 まあ、大体のスケジュールは聞きましたので、ひとつ聴聞会、電波監理審議会、まあ慎重に事を運んでいただきたいと思います。謙虚な気持ちでひとつやっていただきたいと思います。  それから、次にお伺いしたいのは、インテルサット会議が二月二十四日ワシントンで開かれるようであります。これは伺いますと、現在の暫定的な制度を恒久的な制度に切りかえるのが、主の目的のようでありますが、この会議に出席する日本側の態度がけさの郵政大臣の御所見の中にもまだ未決定であると、こう言われておるんですけれども、これはまだ決定してないんですか。これは、いつ代表は出発されるんですか。きょうになってまだ決定されないというのはちょっと納得できないんですけれども、どういうわけですか。
  81. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 近く代表団も出発いたしますので、大体きょうじゅうには基本方針を決定したいと、かように考えております。大体の方向は、およそでき上がりつつあるところでございます。
  82. 鈴木強

    鈴木強君 これは、非常にことしの会議は重要な意義を私は持っていると思うんです。すでに大臣も御了承のとおり、昨年の暮れの二十三日に愛知外務大臣がジョンソン駐日米大使とお会いになって去年の一月の十七日の日にジョンソン大使から佐藤総理に伝えられた宇宙開発の日米協力に関する米側覚え書きという、いわゆるジョンソン・メモといわれているものに対する日本側の回答を文書で手渡したということから端を発して、しかもその中には、一部全文の中から削除されたものもありまして、当時問題になった一件ですけれど、すでにどうでございましょうか。向こうに行くに際して、おおよそこの回答によって運命づけられているような点があるんじゃないかと思うんですが、きょう私はこの中で特にひとつ伺っておきたいのは、ジョンソン・メモの全文の中に、これはアメリカの提案なんですが、こういうふうに書いてあるんですけれども。「通信衛星に関しては、米側は、衛星の開発のすべての面において協力したい意向である。米側は、また、日本製通信衛星のために打ち上げ施設を提供する用意がある。この協力は、日米両国政府がともに両国政府インテルサットにおける約束に合致して引き続き行動するという仮定の下に提案され、また、実施し得るものである。この分野における技術の日本への移転は、既存の、または改定されるインテルサット協定と両立する」ここが問題なんです。「実用国内組織、または純粋に実験的な通信衛星組織において使用される場合に、米国によって承認されるであろう。」と、こうなっているんです。今度のインテルサット会議の重要議題の中に、地域通信網というものがあります。ICSCも一つの結論を出しておたくのほうにきていると思いますけれども、地域通信網をどうするかということがすでに議題の中に入っているんです。ところが、日本政府の回答の中にはよろしいという回答が出ている。ここにこう書いてある。日本側回答全文の(2)のところに「アメリカとの協力の結果開発された通信衛星の利用は、その時点において効力を有し、かつ、日米両国が当事国となっている国際通信衛星組織における両国の約束に反しない目的のために、かつ、これに反しない方法で行なう。」ということです。私たちから見ると、この回答に対しては、イエスと言ったと、こう理解するわけです。もしそうだとすれば、これから日本が独自に衛星を打ち上げるための開発事業団までつくってやるわけです。電離層から宇宙へと本格的な開発が進んでいくわけですけれども、かりに七百億、一千億かけてもせっかく打ち上げた衛星が日本の国内だけにしか使えないということであっては、これは何にも役に立たないと思うんです。これはアジアはアジアとして地域通信網というものを考えておると思うんです。ドゴールはヨーロッパでイニシアチブをとってやっている。そういうようなものが幾つか地球上に出てくる。そういう通信網を許すかどうかということになるんです。残念ながら、日本独自で開発できれば——インテルサットに加盟し、しかも技術協力を得た場合には、これは残念ながら国内的なものにしか使えない。実験的なものには、アメリカは同意を与えるであろうというふうに書いてあるんですがね。そういうふうにすでにでき上がっているんじゃないかと思うんです。  そのほか、十三項目、今度の議題になる点があると思うんですが、一番大事なところはここですからね。この点は、柏木さんにたいへん御苦労していただくわけですけれども、何か向こうに行って活躍するに際して、大きな制約を加えられていくような気がするわけですから、これは今後の日本宇宙開発の大きな問題として、特にわれわれ通信関係に携わる者から見れば、衛星通信の活用ということについて重大な支障を来たすような制約が来るようにも思うわけですから、私は伺うわけです。  秘密協定の問題は、これはけったわけですから、これは日本もやらぬと言っているわけですから、これはいいですけれども。問題はひとつ、そこの大きなジョンソン・メモの中に問題があるように思うから、大臣からあらためて聞きたいんですが、どうでしょう。
  83. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 今度の会議の最大の焦点は、御指摘の点にあろうかと思います。これまでいろいろないきさつ、やりとりがございましたが、しかし、それはそれといたしまして、会議に臨む基本的な方針といたしましては、やはり将来日本が地域衛星を打ち上げる権利というものは留保する、そういうことは当然主張すべきである。またそれが非常に大事な点である、かように考えております。
  84. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、いま私が問答いたしましたジョンソン・メモに対する日本回答というのは、私が言っているように、将来アメリカの技術援助を得てでき上がった打ち上げ衛星というものは、その国内だけの権益についてはよろしいが、アジアならアジア地域というものに対する圏内における通信網は、実験的なもの以外はだめですぞ、というふうに私はとったんですが、よろしゅうございますと、日本は言っているようにとったんだが、そうではないんだと、ですから、いま申し上げたように、あくまで地域通信網というもの、地域的な通信網というものは確立すべきだという態度で出発することに対して、日本政府としては了承を与えておる、こういうふうに理解をしていいわけですか。
  85. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) そのとおりであります。
  86. 鈴木強

    鈴木強君 非常にけっこうでした。私は文書のことですから、とり方がいろいろあると思いますし、多少回答のほうが抽象的なところがあるものですから、非常に心配なものですから、お伺いしたわけです。  そこで、それがわかれば、大体いいんですけれども、地域通信網の問題と同時に、ICSCから日本に十三項目について、暫定会議のほうとしては、これについては、こう思うという大体十三項目がきておりますね。これはこまかいことになりますから、監理官でけっこうですけれど、そういうものに対して、大体ICSCのほうでも、これは地域通信網については、確立すべきだというふうに言っておるように思うんですけれども、大体ICSCの意見というものを基礎にして、日本政府としてはこの会議に出て発言する、こういうふうに理解してよろしゅうございますか、特に違った点があったら。
  87. 柏木輝彦

    政府委員(柏木輝彦君) 御承知のように、ICSCの勧告と申しますのは、十八カ国で構成されております現在のインテルサットの主要メンバーの討議の結果、関係各国に出されたものでございます。この討議のしかたといたしましては、まず各国がいろいろの意見を持ち寄りまして、それをいまの十三項目のヘッディングの中にいろいろまた整理いたしまして、その一つ一つの項目について、十八カ国のうちの何カ国がこれに賛成するかというような手続をとりました結果を取りまとめたものでございます。したがいまして、勧告の内容というものは、一つの項目において、一つということではございませんで、二つも三つもそういう同じ項目について、似通った内容のものが出ている場合もありますし、一部分、矛盾のあるような勧告も、勧告として出ておるわけでございます。  ところで、ただいまの御指摘の地域衛星という問題につきましては、要約して申しますと、やはり一番大きい考え、大多数の支持がある内容は、やはり地域的な需要が満たされるような衛星の打ち上げ、利用というものは、各国にその権利が保留されるということを勧告として出しているわけでございます。
  88. 鈴木強

    鈴木強君 昨年の十二月二日から二十二日までICSCの会議が開かれましたね、南米でしたか、あのときは郵政省からは出席されたですか。ああいう会議には必ず日本からは出席していると思うのですけれども、どうなんでしょうか。
  89. 柏木輝彦

    政府委員(柏木輝彦君) ただいまの御質問はICSCの会議ということと存じますが、ICSCの会議は、御承知のようにインテルサットの出資者であります事業体あるいは事業を行なう政府日本では国際電信電話株式会社、たとえばヨーロッパあたりですと、それぞれの主官庁というものが出ることになっておりますが、したがいまして、日本の場合には、政府は出ませんで国際電信電話株式会社がその代表として参加しておるわけでございます。
  90. 鈴木強

    鈴木強君 これは、各国の状態はどうなんですか。各国も事業者が直接出ておって、政府側からは出ていないのでしょうか。
  91. 柏木輝彦

    政府委員(柏木輝彦君) これは、現在の暫定協定の規定に従った出席の権利ということになっておりますが、その規定では、ICSCのメンバーといたしましては、通信事業を行なうもので、日本のような場合は、政府が指定したものが参加いたします。このような国は、日本のほかに、アメリカとかカナダとかオーストラリアとか政府が直接国際通信事業をやっていない国が、少数のメンバーが参加しております。
  92. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  それで、これは本協定に移行する場合には、ICSCというこの委員会が残るかどうか私わかりませんけれども、おそらく、そういうものは残っていくと思いますね。確かに当事者である方が出ていくということも一つのあれでしょうけれども、直接には通信政策にタッチしないわけですね。ですから、これは検討の中に出てくるかどうか知りませんけれども、私は、できるならば、やはり政府側からも一名ぐらいは出席をして現地で十分連絡をとりつつやるというような、国際会議の点もありますから、そういうような方法をとったほうがいいじゃないかと、私は思うのです。これは私の希望ですけれども、もし大臣とも御相談していただいて、そういう方法の発言ができるものなら、しておいてもらいたいと思うのですけれども、どうでしょう。
  93. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 今度の会議には、日本政府の正式の代表団を派遣いたします。
  94. 柏木輝彦

    政府委員(柏木輝彦君) ただいま御指摘の点はまことに同感の点が多くございまして、今度の恒久協定におきましては、ICSCというもののほかに、参加者が国の立場で全部出ると、そういう総会というような考え方を強く進めていきたいと思います。これには一国一票というルールでものごとをきめるという方向で考えていきたいと思っております。
  95. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。その点、話をまとめていただければ今後のためにいいと思いますので、ひとつ……。  それからもう一つ、ITUにはソ連も加盟していると思いますが、いまモルニア衛星をソ連が打ち上げてインテルサットと対抗したようなかっこうになっているのですけれども、これは私は歴代大臣に、通信というものは国境、民族、すべてをこえて世界の発展に寄与するということから、できるならば一つの組織体にしてもらいたいということを何回も言っているのですけれども、事は外交交渉の面に移りますから、郵政省だけではできないことですけれども、今度はいい機会ですから、ちょっと私はこういうことを申し上げるのですけれども、今度幸いというか、ソ連がオブザーバーとしてインテルサット会議に出席をされると聞いております。ソ連がどういう意図を持って臨まれるかは、そのことはわかりませんけれども、アメリカを中心とする自由圏諸国の独占体制というものを見ようとして来るのか、これはわかりませんけれども、いずれにしても、私は、そういう機会を通じて日本政府は従来の方針を堅持していただくならば、何とかソ連もこのインテルサットに入るか、また名前はどうするかは別として、地球上の一つの機構として通信ができるような方法が、一緒に研究、開発、利用できるようなことができないかどうか、こういう点について、ひとつ代表として働いてもらいたいなあという気があるわけです。もちろん私は、いま静止衛星を打ち上げていますから、その静止衛星がソ連圏の中でどういう役割りを果たしているのか、あるいは緯度が北に寄ってしまっているいまの静止衛星についての利用価値というものがあるのかないのかは知りませんけれどもね。そういう点は、ひとつ十分検討していけば、科学的に解決できる点もあると思いますから、ひとつ何とか一体となってやるような方法を日本代表団がイニシアをとってやってほしいと、こう思うのですけれども、この辺どうでしょう。
  96. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ソ連は、今度先ほどお話しのようにオブザーバーとして参加するわけでざいます。もちろん世界単一のソ連も含めた機構ができるということは望ましいのでございますが、そこを御指摘のように、日本が主導権をとってそういう提案をするかどうかというふうなことにつきましては、これは会議全体の空気、それからその他、議事の進みぐあい、それからソ連は議長の許可を得て発言をすることができるようです。そのソ連の発言の内容、こういうものを検討した上で、そのつど善処をしていけばいいのではないか、かように考えます。
  97. 鈴木強

    鈴木強君 そうです。大臣のおっしゃるように、ソ連の出方もありますから。しかし、いますべてに平和的なムードの中で米ソ間もうまくいっているわけでしょう。日本だって今度日ソ航空協定の問題もかなり前進をする姿が出てくる、そういう時期ですからね。ましてや通信というものは、私は本来一体化すべきだといつも思っているわけですから。そういう意味で、あらゆる客観情勢を見ながら、そういう方向でできるだけ努力していただきたい。これは私の強いお願いですから、その趣旨を体してできるだけ御活躍願いたいと思うのです。
  98. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これは、アメリカもソ連がオブザーバーとして参加できることをずいぶん喜んでいるようです。ですから、多分その方向に全部のものが努力するのではないかと思います。
  99. 鈴木強

    鈴木強君 それでは最後に、オンライン情報処理について大臣の所見を伺いたいのですけれども、一月の二十四日に大臣が記者会見をされましたね。オンライン情報処理に対する対策についてということで御発表になりました。これは新聞でも拝見しましたけれども、ここに資料もありますけれども、この中で私が気にかかりますのは、いままで日本ではデータ通信ということでやっているわけですけれども、このデータ通信は電電公社に率先して技術開発を推進し、利用技術の向上をはかるために努力してもらってきた、これはそのとおりですね。しかし、一方わが国のオンライン情報業務の健全な発展を促すためには、大臣としては民間の技術、資本をもって多種の需要に弾力的に応じ得る体制を整えることを検討することも必要であると思っているが、現在の電気通信秩序全般との関係もあるので、これらの問題を総合的、根本的に検討し、関係法制、制度確立をはかることが必要と考えておる、こういうように言っておられるわけですが、ここで私が心配するのは、将来多種の需要というものが、どういうものか私わかりませんが、民間の技術、資本を導入してオンライン情報処理業務というものをずばりやるというのか、もっと言うならば、ある会社を、会社組織にして、その会社組織がオンライン・システムの情報データ通信というものを前提にしてこれをやると言っているのか、あるいは端末の機器などについて民間に開放するということを言っているのか、ちょっとわからないんですが、しかも、現在やっております個別データ・システムサービスの問題については、御承知のように自営方式をとっているところもありますね、専用線の場合では。それは特定多数といえるでしょうけれども、地銀協などがやっているのは。こういうものは、公社が全部施設から何から何まで設備して使用されていると思うんですが、そういうものが現存する。今後、公社が四十五年から加入データー通信という不特定多数のものを始めるわけですが、ですから、私は現在やっている個別データ通信の範疇であるならば、一昨年小林郵政大臣が六月二十日の当委員会で、私のこの問題に対する質問に対してこう御答弁になっておる。「ただいまのお尋ねでありますが、要するに電気通信回線に電子計算機を直結して行なう情報処理あるいはデータ通信と称するものは電気通信サービスの範疇に当然属する。したがって、いまの法律のたてまえ等からいたしましても、」——これは公衆電気通信法、有線電気通信法両方から言いましても、法律のたてまえ等からいたしましても——「これは電電公社が行なうべきものである、こういうふうに理解しております。」——そうして、なおいまの公衆電気通信法、有線電気通信法についても、新しく第三通信といわれるデータ通信については法律上にはないわけですから、ですから、そういう意味において、法律改正も必要ならやりますけれども、——「要するに電気通信サービス一つとして公社が行なうべきものである。こういう解釈をしておることを申し上げておきます。」と答弁されておるわけです。ですから、私は現在の段階において、この小林大臣の考え方、これは郵政省の考え方ですが、あまりはみ出るようなことをあえてしなければならないような実態に日本データ通信というものはいっているのかどうか、こういうふうに思うんです。これを拝見しますときに、われわれ一番わからなかったのは、一体、大臣はこれから五年先、十年先、二十年先に日本データ通信というものは、情報産業というものは一体どういう姿になっていくのか。それで、それを電電公社がやるにはどうしたらいいのか、あるいは一部をこうしたらいいのじゃないかという具体性がないものですから、われわれ拝見しましても、非常に疑義を持つし、不安を持つし、何を大臣は考えているのだろうか、こういうふうに思うわけです。ですから、まず十年先のデータ通信、アメリカでは始まって二十二年たっておる。日本は十年です。この二十年の歴史の中でアメリカはどこまで進んでいるのか、日本は一体アメリカにどこまで追いつけるのか、技術的にもサービスの面においても。そういう青写真を国民に示すべきです。それでいまの大臣答弁の公衆電気通信業務としての範疇からどの辺が出てくるのか、この辺は民間にこうしたらいいという、要するに、一方はその発展の状況を描きつつ、それにマッチする法律、行政というものをかえていくのはわかる。しかも、それは電気通信事業の過去の長い間の歴史があるわけで、いろいろな制約がありますから、新しい観点に立って、郵政審議会も、こういう点はこうすべきである、それはわかるんですが、その点で、非常に私はわかりにくいものですから聞いているんです。しかも、郵政大臣の最後の六のところに書いてあるのを見ると、審議会から中間報告をもらうなり、暫定措置を講ずるようなことまでして、早急に解決しなければならぬというふうに言っております。こうなりますと、小林郵政大臣政府答弁として、国会国民に明らかにしたその方針自体も、いまの段階で何か手を加えるようにとれるわけです。そうなると、われわれが国会で聞いたことと違うんじゃないか、こういうことになるんです。私はもちろんこれから二十年先の情報処理等を考えれば、きわめて広範多岐なものになると思います。それをどういうふうにして技術を開発して乗せていくかということが、これはまた国全体として、私はそれぞれ研究しなければならぬと思う、勉強しなければならぬと思いますけれども、それをある程度整理して進んでもらわないと非常な誤解を受けます。  それで私は、きょうはこの問題をあなたにゆっくり聞いてみたいと思って質問したんですけれども、どうもあまり時間がないようでございますので、基本のところだけ聞かしてもらいたいと思うんです。
  100. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 結局基本的な考え方は、このデータ通信、つまりオンライン情報処理、これは将来は第四次産業と呼ばれるぐらい巨大な産業に発展するであろう、こういうことは当然予測されるわけです。そこでこの情報化社会、つまり情報通信、データ通信が行き渡った、そういう社会、産業を一刻も早くつくり上げるということが、これからの日本のあらゆる分野での発展と表裏一体の関係にある。したがって、急いでそういうふうな情報化社会というものをつくり上げなければならぬ。このために一体どうすればいいか、電電公社だけにまかすというこれまでのような構想で、はたしてそれが進んでいくのであろうか、こういう点から、いろいろ検討を進めまして、やはりこの際は、民間にある程度開放いたしまして民間にもやらせる、そうして、公社も競争するということになりますが、しかし競争するといいましても、公社には過去の技術やいろいろな設備の蓄積がございますから、だからこれは何としても、当分の間指導的な役割りを公社が果たすということになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、民間にもある程度やらせるということにいたしまして、よい意味で、公社もそれと対応して負けないような競争をやってもらう。そうして、情報処理産業というものが盛んになってきますと、当然コンピューターの需要というものは激増するんでございましょうから。現在コンピューターは生産面で非常におくれておりますが、これを取り返すのは、何と申しましても、コンピューターの需要が激増しなければならない、というのは量産をしなければならぬ。当然こういう問題が生産面で起こってくるわけでございます。そういうふうに持っていきたい。これには、やはり一社の独占でなくて、ある程度開放して研究する、これが大きな刺激剤になるであろう、こういうことをいろいろの事例から検討いたしまして考えたわけでございます。  そこで、先ほど御指摘のような基本方針を発表したわけでございますが、この基本方針を実施に移しますと、当然現在の法律改正しなければならぬ、あるいはまた別の法律をつくるとか、こういう法体系の整備改正という問題が当然起こってくるわけでございます。そしてこのデータ通信の分野は、学問、技術あるいは産業、それから行政府、個人生活ありとあらゆる分野で進んでいくと思うのでございます。そういうふうな将来の展望などをいまいろいろ検討中でございまして、この秋ごろまでには大体の——二十年後になりますか、十年後になりますかわかりませんが、そういうふうな見通しなども明らかにしつつ、どういう法改正を行なったらいいか、こういうこともあわせて検討していきたい、かように考えております。
  101. 鈴木強

    鈴木強君 何かえらい突っ走ったような話を聞いたんですけれども、どういうことですか、あなたが民間に開放するということばの意味ですけれども、まあわれわれが考えると、たとえばいま個別データ通信の専用線ですね、いわゆる専用個別データ通信といっていますが、専用線を公社が貸しておりますように、そういうような形で一切の計器をやるのか、こう思うのですが、その中で、公衆電気通信法にいうところの緊密な関係にある事業とか、あるいは同一の方針でなければならないとか、いろいろな制約がありますね。そういう点を多少ゆるめていこうとする民間への近寄せ方なのか、それから末端の機器、これはコンピューターを含めまして、その設備公社がやるのか、これは民間がやるかということは、これは一つの問題として私もわかるのです。そういう意味において、それを民間にしようとするのか、あなたの話を聞いておると、何か別の会社をつくって電電公社と競争をさせるんだと、そういうふうにとれるのですけれども、電電公社の線を使って、まあいわゆるオンラインですね、電話線を使って、ある会社をつくって、そのデータだけの仕事をやらせようというふうに、そういう意味における、民間にやらせるという意味でしょうか、これは大体三つぐらい考えられますけれども、それはどういうことですか。
  102. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 別に、郵政省が別会社をつくって民間にやらせると、こういうことではございません。それは民間からこういう仕事をしたいと希望が出たときに、これを許可していくと、こういうことになるわけですが、御承知のように、これはいろんな秘密保持等の問題がありまして、この点をどうするかという問題は、これから検討していかなければならぬと思うのです。まあいずれにいたしましても、この問題は、まだまだ未知の要素が非常に多うございまして、一応の基本方針は発表いたしましたけれども、具体的にそれじゃ一体どうするんだということを一つ一つこまかく突っ込んでまいりますと、まだ未確定な要素が非常に多いわけです。そこでまあそのうち、それじゃ民間の会社が希望してきたときに、これを一部開放するというが、開放のしかたは一体どうするんだと、どことどこを開放するというのか、それじゃ、その場合に現在の法体系でどういうふうな矛盾をきたすのかと、こういう問題につきましては、政府委員から答弁させます。
  103. 鈴木強

    鈴木強君 いや、そんなことを政府委員から答弁されたって、私は聞く耳を持ちませんよ。これは少し乱暴な意見だ。いま大臣の、民間に希望があったらやらせると、しかも、これは情報処理全体についてのことをやらせようということだと思うのですけれどもね。これは、いまもちょっと通信の秘密ということを言われたけれども、それももちろん重要な要素だと思います。しかし、明治二年に始まった日本における電気通信事業の歴史というものをやはり考えていただいても、そう軽々にそのことを私は持ち出す段階ではないと思うのです。いま大臣が頭の中に描いておる一つの構想として、そういうふうな民間会社にオンラインの情報処理というものをやらせようという、そういうふうな頭の中にちらついていることなんですか。だれに、そういうことを言われたんですか。あなたが考えたのですか。
  104. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これは、だれに言ったということではなくして、郵政省の基本方針というものを、ここしばらくの間ずっと検討いたしまして、そして基本方針ができましたので、先般発表したと、こういうことです。
  105. 鈴木強

    鈴木強君 これは、きょうは公社も見えておりますから、私は端的に伺っておきたいのですけれども、まあ郵政大臣は電電公社を監督する、当然のことです。しかし郵政省から電気通信省になり、電電公社になり、その主体というものは、やっぱり直接に運営しているのは電電公社だと思います。非常に公社としては、今後情報処理についてひとつの構想を持っておられると思うのです。そういう基本構想について郵政省のお考えをまとめる際に、少なくとも一体の、中における検討を続けてきたと私は思いますけれども、この点、どうなっておりますか。これはひとつ総裁見えていますから、伺いたいのです。
  106. 米澤滋

    説明員米澤滋君) お答えいたします。  私は、その情報産業というものは、ただいまいろいろ御指摘がありましたいわゆるオンラインによる情報処理の問題のほかに、いわゆるオフラインによる情報処理という問題が非常に多いのでありまして、大体まあ北川氏が最近アメリカに行って帰った報告によりましても、大体五〇、五〇に将来なるんじゃないかというようなことを言っております。現在アメリカの状態あたり聞きますと、まだやはりいわゆるオフラインの情報処理のほうが量的に多いのであります。電電公社といたしましては、日本の国の利益、いわゆる国益ということ、それから国民要望を考えまして、これまでいろいろこの問題につきまして過去の、たとえば電子交換機の技術等によって、いわゆるハードウエアのほかにソフトウエアの技術を育成をしていく、こういうポテンシャルを持ってきたのであります。ところで、最近のアメリカの話なんかを聞きますと、この情報産業と申しますか、あるいは情報装置等を見ましても、いわゆるソフトウエアのビジョンというものが、ハードウエアが大体二五%に対して、ソフトウエアが七五%ぐらい占めるんだというようなことでありますし、ところが、日本ではまだソフトウエアのいわゆる価値評価といいますか、評価というものすらできていない。そういう点で、私はまだこの問題は、まあいま十五年先と言われましたけれども、実は十年先のビジョンをつくるのもなかなかむずかしいのじゃないかと思っておりまして、それに対して、いま一番大事なことは、いわゆるベーシックになるようないろいろ基礎的な技術を育成するとか、あるいはまたそういう人間といいますか、エンジニア、システムエンジニア、あるいはプログラマーという、そういうものを国として大量に養成する。あるいはまた一体、将来どういうものがマーケットとして、こういうデータ通信に対して起こってくるか、そういう調査をする。こういう基本的なことを早急にやはり積み上げていくことが大事だというふうに考えております。  電電公社といたしましては、三年前に地方銀行協会の要望を受けまして、いわゆるネットワークとしてこういうデータ通信を受けるということを、当時の郡郵政大臣に私が直接お会いいたしまして、そうして郡郵政大臣の御了解を得て、実は始めたのが、例の為替交換業務のオンラインのことでありまして、これはちょうど三年前に郵政大臣の御了解を得て始めたわけであります。その後、いわゆる東京大阪、名古屋で、たとえばこれは地域的にはこういったほうがいいのでありますが、東京大阪、名古屋のこの地域を通じまして、あるいはたとえば計算業務とか、あるいは簡易計算業務、科学技術計算、あるいは在庫の管理というようなものを、このタイムシェアリングでやるというようなことで、昭和四十三年度予算で百億円認めていただきまして、いま継続的にこれは進めておるわけであります。  公社といたしましていま一番大事なことは、政策的な問題につきまして郵政大臣あるいは政府がいろいろおきめになる。公社としては、それに対して意見を求められ、あるいは意見をいろいろ申し上げることは必要だと思いますが、内容的にそういう中身をつくっていくということがいま一番大事じゃないかと、こういうふうに考えているわけでありまして、郵政大臣に対しまして、しばしば最近も二月の四日の日ですか、大臣にお会いいたしまして、こちらの御意見も申し上げておるわけでありまして、ただいまいろいろ御質問のありました法規的な問題については、郵政省もいろいろの立場で、審議会等にも諮問されるということを伺っておるのでありまして、公社といたしまして、今後とも、またこれからもいろいろ意見を申し述べる機会があると思います。  それで、なおまた御質問ありましたら、お答えいたします。
  107. 鈴木強

    鈴木強君 オンライン、オフラインですね、確かにその問題もあるでしょう。だから郵政大臣が何かぼくに言わせると、えらい簡単なように、民間会社にやらせるんだというようなことを——もちろんこれは要請があった場合ということですが、言われているのですけれども、どうもそれは一体いま私が申し上げたように五年先、十年先、十五年先、一体日本の、いま総裁言われたようなハードウエアだとか、ソフトウエアであるとかいろいろあるのですが、それらの問題がどうなっていくのか、まだたいへんアメリカと比べて落ちているということを聞いているわけです。ですから、そういった技術と一体サービスが相平行して進んでいかなければならぬわけですから、ですから、何か制度だけを先行さしたって、そのやろうとするものに対してかなりのブレーキになり、あるいはじゃまになるようなことになっても私はいかぬと思うのです。ですから、現行制度の中でおやりになれる範囲というものは一体これなんだ、将来、こういうサービスがこういうふうになって、たとえば利用者がいま電話千万何ぼあるのですけれども、そのうら不特定多数の方々が何人ぐらいになって、大体公社としての能力の中でやれるか、やれないかということも出てくるかもしれません。そういうふうな順序を追っての中の話ならわかるのですけれども、技術開発についても、先だってアメリカのほうを見てこられた報告書も私読ませてもらったのですけれども、アメリカといえども、まだまだ不十分の点がたくさんあるように思います。ましてや十年おくれておる日本の場合は、やっと個別データが頭を出してきた。来年から大阪、名古屋ですか、東京とか、ああいう簡易計算データというものが、通信というものが始まろうというときですから、何か先走ってそういうことをやらなくてもいいのじゃないか、それにはやはりもう少し各界の意見を聞いてやるべきであろうし、特に私は電電公社は一番衝に当たっている、実際仕事をやっているところなんですから、その意見を十分聞いておられると思うから、私は総裁に伺ったわけです。だから、そういう何か末端機器でもないし、あるいは共同加入、専用加入の面も少しゆるめるということもなく、むしろねらいが、もう一つの民間会社をつくって、データをやらせるのだというふうに聞こえたものですから、それは少し先走っているのじゃないか、そんなら、その青写真を示してください、一体技術はどういうふうになって、いま高いコストから安いコストになっていくのですけれども、そういうコスト比較も聞かしていただいて、その上で、やはり詳して考え方を出していただかないと、ちょっと私は昨年の小林政郵大臣の答弁からしても、かなり飛躍してしまっているように思うのですから聞いたわけです。一体、民間移行の問題なんかについては、これは大臣、電電公社ともずいぶん相談したのでしょうね。
  108. 米澤滋

    説明員米澤滋君) 私は、大臣から十分御意見を伺いまして、結局国としては、いわゆる政策をおきめになるのが国の立場であります。電電公社は、別途、先ほど申し上げました内容的にいろいろ積み上げて、国民要望なりあるいは国益を考えて、そして考えて、その上で両方で上と下とでかみ合うという形において、この問題が処理されるのだということで意見が一致しておるわけであります。いま鈴木委員がおっしゃったことは、こういうことだと、私はちょっと一部理解したのですけれども、たとえば公衆通信の一元化という点から考えても、共同線であるとか、PBXの施設というものはすでに認められておるわけですから、その範囲データ通信になった場合にどうなるか、そういう御意見も私はあったと思うのです。そういう面は、それもさらに広い角度でやる。せっかく郵政省で、審議会で審議されますから、そういうところでいろいろ審議されたらいいのじゃないか。何といいましても、この問題はビジョンとしてまだやっと、電電公社でも三年前にやったときには、ソフト・エンジニアもあまりいなかった。ポテンシャルは電子交換をやっておりましたからあったのですが、実はこれは、私はこの三年間を見ると、たいへんな苦労を電電公社の技術者もしたと思うのです。いま加入データを東京大阪、名古屋でやらせたのは、実は、私がある意味では率先してやらせたのでありまして、公社の中でもソフトウエアをつくるということはなかなかたいへんなことであったということを、私自身も最近やらせてみてわかったわけでありまして、もう一つ公社としては、独立採算ということをデータ通信に対しては維持したい。いわゆる電報のように、赤字になって電話収入で埋めるというような形には将来したくない。これはいままで国会でもたびたび意見を申し上げていることでありまして、そういう独立採算という要素も入ってまいりますので、たとえば簡易計算にいたしましても、卓上の電子計算機とオフラインのものとやはり競争することになると思います。そんなことで、まだいろいろなことがある。これからまだ公社は、情報検索というような問題はまだ考えていないのであります。そんなような問題もありますし、それからデータ・バンクまで電電公社はやる必要はないわけでありますから、そんなことを各方面でいろいろな議論をするということが一番大事じゃないか。私たちもいろいろ電電公社の外の方と意見を交換して、自分たちも啓発されたり、また勉強になっているわけであります。国の中で、いろいろな立場の方が議論を戦わしていくことが、私はいま一番必要じゃないかというふうに考えております。
  109. 鈴木強

    鈴木強君 大臣、どうでしょう。いまあなたの構想をお聞きしましたが、内容的にもっともっと詰めていきませんと、最終的な判断は私も出ないわけです。きょうは十二時というのを、三十分ばかり延ばしていただいているようなことですから、質問が続かないのですが、いま総裁が言われたようなバンキング・システムなんかの将来の展望を考えたときに、はたしてそれを公社がやるのが適切かどうかというようなことについても御意見がありました。私も、それはごもっともだと思うのです。ですから、そういう意味において、もう少し広く深く、あらゆる角度から検討した上で、具体的にこういう問題については、たとえばこういう方法でやったほうがよろしいという結論にしていただかないと、いま何か民間にひとつ全面的にやらせるのだというような表現で発言を聞きますと、たいへんな誤解が出てくると思うのです。これはあらゆる問題について、それなら公社と民間と競争してやるのだということになると、何でもかんでも、個別データから加入データから、すべての問題について、そうやるのかということにもなるのでして、そうなりますと、たいへんな一つの革命でして、そう簡単にそれができるものではないと思うのです。ですから、もう少しこの点は検討した上で、もう一回大臣の考え方を聞きたいと思うのですけれども、どうでしょう、大臣。私は慎重を期したいのです。どんなものでしょう。
  110. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) まだこの問題は議論をしなければならん点がたくさんあるわけです。ですから、先般発表いたしました郵政省の基本方針にいたしましても、いわばあれは基本的な抽象的な方針でございまして、あれを実際は一つ一つこまかくこれから各方面の意見を聞きながら検討していきたい、こう考えているわけです。それで、大体先ほども申し上げましたように、秋ごろまでにおよその具体的な構想というものを最終的にまとめ上げていきたい、こういうふうな考えでいるわけであります。
  111. 鈴木強

    鈴木強君 それは郵政審議会にはかるわけですね。はかる前に、省としてのある程度の考え方を諮問するのか、そうでなくて、ざっくばらんに、データ通信というものは一体どうあったらいいかということでやろうとするのか。それで、いま大臣が秋ごろまでというのは、郵政審議会の結論を得るのが秋というのか、省のほうで十分検討してなにがしかの結論を出すのが秋というのか、それはどうですか。
  112. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) これは、やはり権威あらしめるためには、郵政審議会の審議を経なければなりません。ということは、審議会の審議を経まして、基本方針が権威あるものとなる。そうして来年度予算問題とも関係してきますから、いろいろ予算請求もしていくとか、そういうこれから一連の手続きをやらなければいけませんから、そういうすべての作業を大体秋ごろまでに終わりたい、こういう意味です。
  113. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、念のために伺っておきますが、発表の最後にありました中間答申なり、暫定措置を講ずるなりして早く解決しなければならん問題というのは、おそらく専用線の共同利用ですね、こういったふうな問題に限ると思うのですけれども、その点はどうなんですか。このほかに、何かあるなら言ってもらいたいのです。
  114. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 審議会のほうも、作業の関係で大体実は秋ごろまでということを目標にしておりますけれども、最終的に秋にそれが確実にできるかどうか、そこらあたりのことも、これからの作業いかんかと思います。
  115. 鈴木強

    鈴木強君 それは来年度予算に無理に間に合わせるというようなかっこうで急いでやはり結論を出すべきものじゃないと思うのです。だから、大臣がいま補足されたような非常に大事なことですし、将来の展望も持たなければならぬことですし、通信界では一つの革命とも言われることですから、ひとつ慎重にも慎重を期するようにして、そう時間をあせらずに、そのメンバーの選出等についてもひとつ公正を期してやっていただくようにお願いしたいと思うのです。  それからもう一つは、いま私は、そういう審議会に諮問する以外に何か緊急にいまやらなければならぬようなことを言っておられるから、それは専用線の利用等に対する若干の法律解釈上の問題等を含めた問題でしょうかということを聞いているわけです。
  116. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 心得ました。今後慎重にやっていきたいと思います。
  117. 柏木輝彦

    政府委員(柏木輝彦君) ただいまいろいろ問題になっております中で、やはり法律制度として、相当慎重に考えなければならぬ問題は、郵政審議会において結論を得られるまでにかなり期間が要ることだろうと考えられます。それまでに事務的にいろいろ問題を整理いたしまして、あまり抽象的な諮問をいたしましても、なかなか進みにくいと思いますので、できるだけ整理した形で、これは郵政省の考え方もまとめて審議するほうがいいんじゃないかと思います。  なお、法律解釈としてさしあたり問題点というものは、専用線の共同使用の問題、これはただいまの公衆電気通信法に基ずくいろいろ制限条項がございますが、これの対策問題という問題で解決できる問題もあるかと存じます。そういうふうな点につきましては、現在も関係の向きといろいろ協議をしておりまして、場合によりましては、郵政審議会のほうにもこれを審議していただく。ただし、その場合にはなるべく早く結論を出していただくというようなことになるかと存じます。
  118. 鈴木強

    鈴木強君 よくわかりました。ひとつ審議会のほうは慎重を期していただくように。  それからおわびしなければならないのは、郵政の、郵便事業財政がかなり苦しいように思いますので、現状をちょっと伺いたかったのですけれども、たいへん時間が十二時ということで制約されましたものですから、それが残ってしまいまして、せっかく御出席された関係の方々にはすみませんでした。また次にさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  119. 永岡光治

    委員長永岡光治君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十四分散会      —————・—————