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春日正一君 それ以上聞いてもしようがないと思いますからあれですけれ
ども、少なくとも総合
開発計画の中にそういうものをつくろうという、そういう
計画が出されている。そうしてそれは
府県でもなければ、国でもないというそういうものが考えられている。
政府の閣
議決定として出されておるということになり、しかも、財界から道州制をやれという強い
意見が出ておるということになれば、どうしてもそこへ行く。いま、まあ考えてないと言っても、論理の必然からもそう行きますよ。
経済の
発展の結果、
府県合併が必要になったというなら、この新
全国総合開発計画の
発展の結果道州制が必要になるという論理は当然出てきますよ。だから、
国民は非常に心配している。そこで時間がありませんから、私はもう
一つの点だけ聞かしていただきますが、先ほど来、
府県合併はどこでやるか、
大阪、奈良、和歌山というような話もちょっと出たし、東海三県という話も出た。そうして何でそれをやらなければならぬかといえば、結局、水の問題でしょう。木曽川三川の水をどう使うかというようなことが先ほど説明されたり、それから、ベッドタウンの問題、結局水と土地、これを
産業の
発展のためにどう使うかという
産業中心的なものの
考え方からそれが出ているということになれば、いままでの
全国総合開発計画の結果、すでに建設
大臣もお認めになっているように、非常なアンバランスが出てきて、そうして過疎というような
現象も出ておる。過密というような
現象も出ておるし、公害とか交通の混乱とかいろいろな矛盾が出てきておる。しかも、それは
全国でそう出ているというのじゃなくて、
一つの
府県の中でもやはりそれが出ておるのです。あの
計画に基づいて新産都市の
開発をやった。何をやった。そこに県の予算をうんとつぎ込んでしまうのですから、農山村とか住宅環境とか、そういう問題についての予算が十分出ないで、そこでアンバランスが出て、県の中でも出てきておる。大都市の中でも出てきておるというような形になっておる。だから、先ほど建設
大臣言われたように、バランスのとれた国づくりといいますか、
経済の
発展ということを考えるなら、少なくとも過去にやってこられたこの実績、そこから生み出された矛盾というものを反省して、その矛盾をなくしていくというような方向で解決していかなければならぬ道理だと思うのです。ところが、この
府県合併という
構想で出てきておるのは、先ほど来の説明のあるとおり、水の問題だ、工業用地なりベッドタウンの問題だということになれば、結局、
合併されたこの
府県に財政が集中され、しかも、
合併されたところで、総合
計画に基づいてやるということになると、その重点には確かによけいに金が行くかもしれないけれ
ども、その
地域全体から見ればアンバランスは増大するということにこれはならざるを得ない。そういう
意味でも、この
府県合併というものは決していままでの矛盾を解消するということにはならない。だから、先ほど
自治大臣は島根とか鳥取とか過疎
地域こそ
合併すべきだと言われたわけですけれ
ども、私は、
府県合併なんということを考えるよりも、やはりそういうお考えならむしろ過疎地帯振興特例法でもお出しになったほうが
国会の承認は得られるのじゃないか。むしろ、そういうものを埋めていかなければならぬ。そういう
意味で言えば、たとえば東京都のような、ほんとうに
発展の経過からいっても、現状からいっても
一体ですよ。東京都というものは
一つになっておる。分けようのないような状態のもとでさえ、東京都というものは非常に人口が多くなって広がったために、現在、
大臣も
御存じだと思いますけれ
ども、東京都二十三区の区議会、これはもう自民党から共産党までひっくるめて、超党派でもって自治権を確立しよう。そのために区長公選さして自治体として認めてくれ、それから
事務事業を移管してくれ、そのための財源の裏づけをしてくれという三つの要求を出して、超党派で運動しておるし、
大臣のところへもいろいろ話があったと思うのです。東京都みたいな、ほんとうに
一体になっているところ、距離的に非常に近いところでさえこの人口集中の中では東京都議会ということだけで、都庁ということだけでやっていくのでは目がもう荒くなり過ぎて、とてもこまかいそういうところまで配慮が行かぬから、区というものがもっと十分仕事のできるようにしてくれという要望が出ておる。これは
府県合併とは逆な要求でしょう。もっと下に権限を委譲してくれということですから、そうだとすれば、先ほど来各
委員がいろいろ質問しましたけれ
ども、
合併することによって、
一つの面では、先ほど言ったように、予算が集中され、重点的に投資されていくというようなことの中で、一方ではひずみがその
区域内でも広げられていくというような
現象が出ていく。同時に、
合併されることによって、非常に自治体としてもその
合併された
府県と
住民との間が遠くなってしまう。阪奈和が
合併されて
大阪に府庁が置かれたとしたら、紀州の先のほうからそこまで行かなければならぬ。そこまで目が届かぬということになってしまうでしょう。そういう
意味では一
合併する必然性は何もないし、その点では、先ほど来の御答弁でも、水の問題を解決するのに
合併しなきゃ解決されないという道理はないんだということは
政府のほうでも言っておられるというんなら、何で
地方自治に逆行するようなことをおやりになる必要があるのか。むしろ、いま必要なことはそうでなくて、こういう
政府の政策で出てきたいろいろなひずみというものを直していくために、
地方自治体に対して公害をもっと規制する権限を与えるとか、交通難その他を解決するような権限を与えるとか、そういう自治体としてやり得ること、一番また適切であることに対する権限を与え、財源を与えて
地方自治を拡充していくと、そういう方向で解決していくというのがいまの現状に一番合ったことだし、それが必要なんじゃないか。
自治大臣としてですね、
地方自治というと
住民の利益に基づいて町づくりをやり県づくりをやっていくという立場に立てば、
自治大臣の立場に立てば、やはり一番
住民に密着したところに予算もよけいやるし権限も与えて、そして国全体の大きな方針の中で問題は調整していけるということを当然考えるべきじゃないかというふうに私は思う。だから、その点について、建設
大臣と
自治大臣のお考えをお聞きして、私、質問を終わりたいと思いますから、ひとつ御親切にお答え願いたいと思います。