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国務大臣(
野田武夫君) いまの
お話を承っておりますと、少し誤解があるんじゃな
いかと思っております。私どもが、従来もそうでございますけれども、今度
自治省でも都道
府県の合併の特例
法案というものを提案して御審議願いたいと思っておるわけでございますが、この都道
府県合併
法案が、
いかにも
中部圏の中の三県、
近畿圏の中のどこだということを目標にしてこの
法律案を出すのじゃな
いかというようなお心持ちがあるようでございますが、私ははっきり申し上げておきます。全然、どの県をどうすべしということは大体
自治省が言うべきことじゃない。しかし今日の社会経済の推移によりまして、私はそれが
近畿圏であろうが、
中部圏であろうが、その
地域は別として、やはりいま申しました
市町村の
広域行政の
考え方と同じように、
府県によっては私は一緒になってやったほうが非常に行政の能率があがるし、また
地域住民の生活の向上に資するというものが私は出てくると思っております。どこどこをどうするかということは、いつも申しますように、これは自主的な
考え方でやはり
地域住民の方がきめられなければ、これは中央から、この県とこの県は一緒になるべしというのは、これは非常に時代錯誤でありまして、それは私どもは、口では
地域住民の意思を尊重すると言いながら、こちらから
一つの
計画を持って押しつけようというようなことは、私は少なくとも、まことに僣越なことばでございますが、
自治大臣をいたしております間は絶対にやりたくない。そういうことでは地方自治の行政の水準は上がってまいりません。しかしそういうのが全国を見ました場合にな
いか、私はあり得る。また全然それが出てこな
いかもしれませんが、しかし、やはりこういう広域の行政、地方の
広域行政をやろうというたてまえからいたしますと、ひとり
市町村ばかりでなくて、やはり
府県もそういう場合があり得るからという前提のもとにこの
法案を御審議願うんでございまして、したがってこれはあくまでも自主的だと、これを失ったら、私はいま御
指摘のありましたとおり、これはやはりこの地方行政の進め方において根本的に間違った進め方だと、こう思っております。どうも常に、まあもっと露骨に申しますと、
中部圏の三県はどうだということについて、いろいろ思惑があったりいろんな運動があるということ、これはまあ私はあるかな
いか知りませんが、私自身にとりましては、そういうことには一度も
接触いたしておりません。したがって、そういう
意味においてこの
法案を出しているなんということに誤解されることは、むしろ私自身は心外に思っておる次第でございますから、そういうことにおいて、この今度の
中部圏の
開発と、あるいは三県の合併
いかぬじゃな
いかという御
指摘、そういうことになるかもしれません、またいいということになるかもしれませんし、また長期的に見ました場合に
地域住民の方がどうお
考えになりますか、これはあくまでも自主的に
地域の方の御判断によるものである、こう
考えておりますから、何かその点においてまた御注意を得ましたならば、私どもはやはりあくまでも自主的ということをたてまえにしておりますから、またいろいろ御示唆を得ますと、かえってけっこうだと思っております。その点は特に申し上げておきます。