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政府委員(長野士郎君)
地方自治法の一部
改正の
大臣の
説明に対しまして補足さしていただきます。お手元の「
法律案関係資料」というものの要綱によりまして御
説明申し上げたいと思います。青い紙の次を開いていただきますと要綱がございます。
地方自治法の一部を
改正する
法律案につきましては、従来からいろいろ懸案になっておりました問題もこの
改正の際に取りまとめを多少さしていただいたわけでございまして、第一の総則に関する事項につきましては、御
承知のように、
地方公共団体の処理する
事務がいろいろ
地方自治法の第二条に明示してございますが、その中に
消費者の保護と貯蓄の奨励ということばを加えたい、こういうことでございます。これは
消費者基本法ができましたときに、
消費者につきましては
消費者の保護という
関係を
地方公共団体の
一つの責任という意味で明らかにしろという国会の附帯決議がございました。それの懸案をここで
規定さしていただくことによって果たさしていただきたい。それから、貯蓄の奨励につきましては、貯蓄の増強につきましての
政府の方針がございまして、閣議決定におきまして、
地方公共団体において貯蓄奨励についても積極的な活動をするようにというようなことがございました。そういう意味で、貯蓄奨励の仕事も例示するということで加えさしていただきたいと思うのであります。
第二番目は、「
市町村は、
議会の議決を経て
行政運営の
基本構想を定め、これに則して
事務を処理するようにしなければならない」という
規定を入れたいと思うのでございます。これは
市町村につきまして
行政運営を、総合的、長期的、
計画的に行なっていくという要請は、最近の
地域関係の立法の制定に伴いましてますます必要になってまいりました。最近におきましては、新しい
都市計画法におきましても、
市町村の定めた
基本構想に基づいて
都市計画をつくるというような
規定になっております。農業
地域の
振興の
関係の
法律につきましても、そういうことになっておりまして、
市町村が基礎的な団体として
行政運営の
基本構想を定めるようにするということを、
地方自治の基本的なあり方、
市町村運営のあり方として基本
規定として入れさしていただきたいというわけでございます。
第二に
議会等に関する事項でございますが、都につきましては、特別区という特殊な
制度をとっておりまして、他の府県と異なった任務を都は持っておるわけでございます。最近ますます人口が増大いたしまして、
都市的需要は非常に大きくなってまいりました。そういうことがございますので、都の
特殊性にかんがみまして、特別区の存する
区域の人口の
一定割合に基づいて
議員の数を増加する、それを
条例で増加することができるようにさしていただきたい、こういうことでございます。ここでは、「人口を百五十万人で除して得た数を
限度として増加することができるもの」ということにいたしております。この
関係は、その次の
法律の条文をちょっと見ていただきますと、青い紙をもう
一つめくっていただきまして三ページでございますが、そのまん中のところに第九十条という
関係の部分の
改正がございます。「
議員の
定数は、都にあっては、特別区の存する
区域の人口を百五十万人で除して得た数を
限度として
条例でこれを増加することができる。ただし、百三十人をもって定限とする。」、こういうことにいたしておるのでございます。この場合におきまして、次の人口
調査までの間におきましては、特別区の存する
区域の人口として政令で定めるところによりまして
自治大臣が推計して告示をいたしました人口によるということに、特に
特例を開くことにいたしております。と申しますのは、最近の人口移動、人口の増加の激しい現状でございますので、
昭和四十年の国勢
調査人口というのでは
実態にも必ずしも適合しないという面がございますので、この
関係の
規定は附則の第二項、この法案のおしまいのほうと申しますか、七十六ページの次に「附則」というのがございます。その
関係のところに、附則第二項に、そういう読みかえをいたすようにしているのでございます。
第二番目には、
地方団体の事項に入りますが、
地方団体の
議会の
議員の
選挙区ごとの
定数につきましては、特別の
事情がありますときには、おおむね人口を基準として
地域間の均衡を考慮して定めることができる、こういう
規定を
公職選挙法の
関係部分の
改正として入れさせていただきたいというわけでございます。
第三番目は、
公職選挙法に定める
選挙、つまり国の
選挙、
地方公共団体の長及び
議員の
選挙が行なわれます場合には、
一定の期間、
選挙の行なわれる
地域につきましては、直接
請求の署名を求めることができない。つまり、その期間につきましては、直接
請求の署名は
選挙の終わったあとに回していくということが、現在いろいろな
選挙期間中の直接
請求との間の混淆といったような
実態もござますので、そういうことにさせていただきたいということでございます。
第三の
行政の
合理化に関する事項でございますが、第一の、
市町村長が新たに生じた
土地を確認した場合の
自治大臣への報告、
議会の会議の結果の、府県
議会につきましては
自治大臣、
市町村議会につきましては都道府県知事への報告を廃止いたしまして、あるいはまた、監査
委員の監査の結果の報告も廃止する。それから、
地方公共団体におきますところの協
議会につきまして、
機関委任
事務についての協
議会につきましては許可が要ることになっておりますけれども、その設置の許可も廃止する。それから、
市町村の
区域内の字
区域の設置とか変更につきましての報告がございましたが、これも廃止する。これはいずれも、
行政の簡素
合理化の
趣旨によるところの内閣の方針に基づきまして簡素化をいたすということでございます。
その次の二番目は、
地方自治法の百五十六条におきまして、国の
出先機関の設置につきましては国会の承認を得るという
規定がございます。この
関係につきまして、税関の支署並びに税務署及びその支署につきましては、国会の承認を受けなくてもいいという除外
規定の項に加えることは、過去の経緯から見ても何ら支障がないのではなかろうかというような結論を得ましたので、
行政の簡素化というような点をも
考えまして
措置をさしていただきたい。
第四番目の
関係でございますが、
最初の港湾法の
関係、それから
土地改良法に基づく
土地改良
事業に基づく徴収金等の
関係でございますが、これらは、
地方自治法におきましては、
法律に定める、
法律の指定にある収入でなければ公の収入というかっこうにならないということに先般
地方自治法が
改正になりました。この際、その
法律に定める、
法律の定めとしてこの
規定を入れさしていただきたいというわけでございます。
それから、次の第二番目は、
地方自治法の
改正を
昭和三十八年以降行なっておりませんので、自治法には別表がついておりまして、府県が行なわなければならないというふうに法令で定まっておる
事務は別表第一に掲げてございます。それから
市町村で行なわなければならないということになっておるものは別表第二に掲げてございます。知事の
機関委任
事務、
市町村長のそれもそれぞれ別表がございます。それにつきましては各省の法令が非常に
改正されましたのでございます。それに合わせますために別表の
整理をいたさしていただきたいということでございます。
その他、これらの
改正につきまして
関係条文その他が動きますので
整理をさしていただきたい、このようなことでございます。
以上で補足
説明を終わらしていただきます。