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和田静夫君
地方税問題や
地方公営企業問題などがまだ所信の中にたくさんありますけれ
ども、
関連法案審議の際にあらためて質問させていただくこととして、最後に、消防
行政についてお伺いをします。
去る二月五日、福島県磐梯熱海温泉に火事が起こり、三十一名の死者と二十七名の負傷者が出ました。四十一年三月十一日の水上温泉の火災といい、昨年十一月五月の有馬温泉の火災といい、温泉における火災は、多数の死者を出すことに特徴があるだけに、事が起こるたびに
国会で
議論をし、若干の
制度上、
財政上の改善が行なわれて、また火事が起こるといった繰り返しをいつまでも続けていくわけにはまいりません。どこかでこの悪循環を断たねばならない。
今度の磐光ホテルの場合、有馬の池之坊満月城と違って、そう目に余る建築基準法違反や消防法違反はなかったようでありますけれ
ども、やはり従業員に対する教育、訓練の不備があったこと、この一体
指導の責任、また今後の
指導の
あり方、あるいは前委員会でも
指摘をし、長官がその非を認められたように、消防水利に欠ける点があったこと、これは全く当局側の責任である。避難器具、避難通路の不備、消防用設備の管理が不十分であった、これも日常的ないわゆる連絡、防火
指導のたいへんな怠りであろう。消防
機関への通報がおくれたことなどなど、あげればたくさんありますが、やはりたび重なる惨事の経験が十分生かされていなかったという点が残念でたまりません。しかし同時に、水上温泉のときも今度の場合も、目に余る法違反がないにもかかわず、こうした惨事が起こったことをよく
考えてみる必要があると思います。つまり、ちっとやそっとの基準の改正では、こうした事故は防げないということであります。
しからば、温泉地
自治体の
財政力を強化して、十分なる消防
施設を
整備することが緊急の課題となるわけですが、補助金の面で、あるいは交付税の面で、あるいは起債の面で特別に考慮していることがありますか、これは第一であります。
さらに、
財政面での充実はもとより必要でありますが、基本的な点は、
行政の面にあるのではないでしょうか。建築は建築、消防は消防、食品衛生は食品衛生といったような縦割り
行政の
弊害については、有馬温泉の火災の際、本委員会においてわが党の松澤兼人委員が
指摘したことでございますが、この
弊害は二つの面から
考えることができると思います。
一つは、総合的
行政の欠除という点であります。旅館などが営業を開始する際、消防法上問題がなかった、建築基準法上の条件も満たしていた、そうして、旅館営業法に基づいて許可されるわけですが、その結果はどうですか。消防ポンプも通れないような細い迷路のような道をはさんで旅館がぎっしりと立ち並ぶという、そういうような状態であります。これでは大火にならないのがふしぎなくらいであります。
一つは、縦割り
行政にはすき間ができるという点であります。有馬火災の際の本委員会における
質疑の際、山本弘
消防庁次長が
指摘をされていましたが、旅館が増築をした場合に、竣工検査が行なわれてない前に営業権をすでに持っているといったような点は、
一つの例であります。今度の磐梯熱海の火事の場合にも、その欠陥が私は出ていると思うのです。今度の場合には、出火の原因が金粉ショーがそのもとになっている。たいまつの、金粉というのはどういうのか知りませんが、金粉ショーというのだそうですが、そのホテルで行なわれるショーの規制、旅館などで行なわれるショーが、火を使う場合の規制が実際的には不十分なものになっていたと思われてしかたがありません。このような縦割り
行政の
弊害を除去をして、総合
行政を回復をさせるにはどうしたらよいのだろうか。私は、
都道府県自治体機能のこの面における拡充しかない、こういうふうに思われてしかたがありません。災害対策基本法の
制定以来、防災の
事務は、ほとんど大部分の
都道府県において、消防担当課または消防係の所管になっております。近年、消防防災の
事務量の増加に伴って、単独の防災担当課を設置するところがふえてまいりましたが、特にこの機能を拡充をして、西ドイツにおける防火査察委員会的なものにしていく。ひいては、私も臨時
国会のときに、当時の船田理事などと、いわゆる四日市なんかの小湊地帯を視察をしました。そこにおける工場消防隊、あるいはこれは全く新しいつくり
ことばでありますが、温泉消防隊のようなものをその管轄のもとにおいて、防火、消防の両方の役割りを兼ねさせるといったようなことが
考えられないものだろうか。私は十分検討の余地があるのではないだろうかと思うのですが、以上大きく二つの点について、その後の報告を含んで、長官の答弁を求めたい。