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戸田菊雄君 どうも、その事故防止
対策についてですけれどもいままでも、そうなんですけれども、
政府の態度もそうですし、行政ベースでやった
対策もそうなんですけれども、事故が発生して死傷者その他が出たということになると、少しはやる。たとえば、交通災害が発生した。じゃそこへ何かの標識をつくるとか、あるいは白線を引くとか、追い越し禁止の黄線を引くとか、こういうような
具体策が事故にくっついていっているわけですね。みずからあらかじめ防止
対策を抜本的にやろうというようなこういう意欲がないんですね。いまの
説明を聞いても、ガス爆発が何回もやられているわけですね。だから、そのもののガス爆発の根源はわからないにしても、総合的な保安
体制というものについては、いま指摘をされましたように、通風であるとか、散水であるとか、そういったようなものが非常におろそかにされている。ことに、
経営内容というものが非常に苦しいですから、そういう意味では、どうしても手抜きをするということになると、余分な経費と思われるようなそういう保安
体制の面が省略されてこういうことになってくる。したがって、この事故が人禍を伴い、常に発生のおそれというものが存在をする、こういうことだと思うのですね。
それで、いまいろいろと
説明を聞いてきたのですけれども、今回の四次
答申に基づいて、言ってみれば、これは
会社の
赤字克服策
程度でしょう、この補助金
体制というものは。端的に言えば、
赤字を背負っている、これを克服するために
再建部面までいっていない、そういう
手当てについても。そうして、なおかつ、そういうものが、さっきも私が指摘をしましたように、どうしても無理な
再建の基準案というものを行政ベースで押しつける、埋蔵量、
出炭量というぐあいで。そういうことから、今度は、
会社としては、勢い
合理化政策を急激に展開せざるを得ない。そうすると、要員を削減をして余分の経費を使わない。そうすれば、保安
体制を省略する、こういうことに当然なってくるんですよ、いまの
実態からいけば。そういうものを抜本的に解決策を土台としてしいていかない限り、いまいくらこういうことで
調査委員会を設置をして、一定の安定ベースをしいて、それを見本にしてPRしていっても、これは非常になまぬるいやり方だと思うのですけれども、そういうことをやってみたって、その根源であるそういう事故発生の要因というものを克服することになっていかないのじゃないか。そういう点は、
ほんとうに人命尊重という一番大事なことですから、もっと意欲的な投資形態なり、補助金形態なり、あるいはみずから監督指導というものを強めるとか、こういう面でいい
方向に進めていってけっこうなんですから、もう少し意欲的な保安
体制というものを全般的に立ててもらいたいと思う。どうも、いまの
説明を聞いてみますと、事故のあとを追っていることは、これは間違いないですし、前途に対して確信があるかと言えば、そういう不安があるようじゃないですか。ようやく歌志内
調査委員会ができてそういうものに対する安定策をこれから生み出そうということじゃ、当該行政機関としては情けないやり方だと思う。これは、やはり、もっともっと思い切ってそういう面については金も使おう、
大蔵省にも要求すべきは要求する、こういうことでやっていくというのが私は当然じゃないかと思う。そういう点はどうですか。