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政府委員(
中川理一郎君) お話しのように、筑豊地区という非常に古いころから石炭
採掘をやってきた地方でございますので、既往にさかのぼって、昔どうであったかということを調べ出すと、立証その他ができないものがずいぶんあることは御理解いただけると思うわけでございます。ただ、しかしながら、私
どもは現在時点においての
鉱害の有無、
鉱害現象の有無というものは客観的にとらえられるわけでございますし、それに対しての解決と申しますか、処理問題については、一応の限定はございますけれ
ども、与えられた手段方法を持っておらないわけではない。しかも、これらの古く、かつ微妙な問題につきまして、一々法廷に持ち出して黒白を明らかにしないと処理ができぬということでは困るということで、前国会でも私
どもが法制
改正をお願いして実現していただいたところでございます。私はこの種の問題はやはりまず
通産省の判断、それが十分つかめない場合には、
鉱害認定の
科学調査というものに立てば、わからないものはわからないとして、わからない状態においてどういう解決が一番望ましいか、
事態をそのまま放置するという気持ちはさらさらございませんから、その上に立ちまして、
和解の
仲介の努力をいたしたわけでございます。しかも、それは私の聞いているところが間違いでなければ、これもいろいろまた異論があるようでございますけれ
ども、かなり望ましい方向に進展しておった時期もある。にもかかわらず、
金田町
全域の
意見というものがなかなかまとまらない。三区がどうの、四区がどうの、実はこう申しておりましても、三区以外の立場で問題解決についてほかの
結論をお持ちになっている利害
関係者の話も、私
どものほうにはしばしばくるわけでございます。しかも、町長が交代した、かわられたというところで、また
結論が振り出しに戻ってきたというような状況でございますので、それぞれ御
意見はあるのだと思いますが、私
どもが
和解の
仲介についてなるべく実際的な解決をいたしたいと、これを
三菱の責任だときめつけなくても、解決の方法があるということで私
どもは進んできたのでございますけれ
ども、
三菱の責任だというふうな解決でなければ困るという
意見が最近急速に強くなってきたことによって、問題処理が法廷までいかざるを得ない状態になった。こういうことでございますので、私
どもは決して係争問題になって法廷で
結論が出るのを望ましいと、それだけが望ましいというふうに
考えておるものでないことは、いままでの
経緯から見ても御理解いただけるところではないかと思っておりますし、もし当事者間におきまして、もう少しく現実的な解決の方向での歩み寄りがございましたならば、
三菱側の訴訟を引っ込めさせることだって私は不可能ではないと思っております。そういう点でひとつ
小野委員も
地元の方でございますから、わからないものをどっちか右、左にきめようということではなくて、この問題処理に現実的な解決は、しかも迅速な解決はどっちの方向にあるかということで御協力を賜われば、私のほうも全面的にその方向で努力をいたしたいと思っております。いささか当事者間の見解が
仲介過程の段階よりももっと開き過ぎた状況になって、私
どももほとほと困っておるという状況でございます。これがもう少し縮まってまいりますならば、いろいろまた
考えようもあろうかという感じがいたしますので、
地元の
先生としても、ひとつ御指導と御協力をお願いしたいと思うわけでございます。