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小柳勇君 そこのところが非常なこれからのこの
委員会の論点だと思うのですよ。ただ滞貨一掃のためだというだけならば、ほかの方法もさがさなければならない。それはもう端的に言うならば、職員団体などの意見にあるように、たとえばこれこれの定数というのをふやしてくださいと、事務職員の仕事を、
審査官がやっておるような仕事を返してくださいと、そして何名
増員されたならは現在の滞貨は何年間のうちにはこうなりますという具体的な数字まで出ておる、これも一つの方法であろうと思う。ただ
早期公開制度というものが今後の
産業の発展なりあるいは
技術の
進歩に寄与するのだという確信があるならば、これはもう滞貨
処理と同等のウエートをもってこれから論議していかなければならぬ。そういう
意味では米国上院のキントナー報告以降の米国
特許庁の事務
改善の資料がございます。したがって早急にこの事務
改善の資料、
実施状況、その成果の資料、そういうものを私のほうに資料として届けてもらいたい。
それともう一つは、
特許庁の中に働く
人たちがこれは
審査するわけですから、その
人たちの意見というものも
相当以上にこれを取り上げて、どうしたら一体現在の滞貨を一掃できるかということは、常に
長官も
大臣も相談していかなければならぬことだと思う。今回の
改正案が出まして私ども奇異に感じますのは、その
特許庁の職員の団体の代表の方が再三再四見えて、詳細な、具体的な資料をもって、これは改悪になりますよと、この法案が通りましても決して滞貨の
促進になりませんと。そういう資料をたくさんわれわれここに持っておる。そうしますと、実際仕事をやる人はそういう人ですから、ここで
改正案が通ったとしても、これは滞貨の一掃にならぬではないかという危惧は一ぱいあるのであります。この法案を通しても、結局はやるのはその
人たちだから、かえってこれは滞貨がふえるのではないかという心配もあるわけですから、したがって、そのいまの第一のアメリカの資料と、第二は、
大臣が出されております
工業所有権審議会の答申の冒頭に兼子会長が
大臣に書面をつけておられますけれども、本
審議会は
制度改正部会において
審査云々と書いてある。したがって、この
制度改正部会の規則及び細部の
審議を小
委員会にゆだねたと書いてあります。その小
委員会の記録を、私どもこれを
審議する上に参考にいたしますから、ひとつ出してもらいたいと思います。重ねて言いますならば、一工業所有権、
審議会の
制度改正部会及び
改正小
委員会の
審議経過の記録を出してもらいたい。それはなぜかといいますというと、さっき
長官のこの
補足説明の中で、これこれの法
改正をやりますというと、まあ滞貨あるいは今後の
審査期間は二年六カ月くらいで何とかできるようにいたしましょうと言われた、ところがその見通しがいろいろまちまちである、一貫しておらぬというようなことも聞いておったのです。だからこの部会や小
委員会の中で
審議された過程で、いろいろ資料が出ておるでしょうから、そういうものを少し検討して、そうして
長官が言われるこの法
改正の中にあるその見通しというものが正しいということをわれわれが把握しなければ、この法
改正というものを私たちが通すわけにまいらぬと、私はそう思うわけであります。したがって、資料として議事録を出してもらいたい。
それからもう一つは、最後の第三の資料は、今度総定員法が通りましたために、それによって
特許庁の職員の定員も当然きまっていくでありましょう。今後どうなるかという不安があるようです、職員団体の中に。そういう不安があっては法
改正も協力できぬということのようですから、その総定員法による
特許庁の各課別の定員が実は、ほしいわけです。そしてトータルしてどうなるか。現在の各課の動きと比較して、法
改正後これから一体どういうふうに
特許庁の
審査事務が推移していくかということを見たいと思うので、この資料をひとつ出してもらいたい。
以上三つの資料を早急に出してもらって、次の私の
審議の参考にさしてもらいたいと思います。
もう一つは、
大臣でも
長官でもいいんですが、これは
質問でございますけれども、たとえば中政連——中小
企業政治連盟という団体から、詳細な法
改正に対する反対の意見が出ている。その中には、大
企業ではたくさんの
研究員を持っているし専門に
特許に携わる者がおるからよいが、中小
企業や個人はとてもたいへんだ。
早期公開制度はたいへんである。これはもう大
企業優先の法
改正であるから絶対反対だと、こまかに
理由を付して反対
理由が出ています。わが
日本社会党としても、その点を一番心配しておるわけです。この法
改正というものは、中小
企業なり個人にとってはたいへん不利なものである。
早期公開で、ばく大な資料が出て、それを見るだけでもたいへんだ、こういう心配をしておるのでありますが、こういうものに対してどうお考えになりますか。専門ですから
長官から……。