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政府委員(
吉光久君) 御
質問が二点あったと思うわけでございますが、その第一は、現在まで
自動車の
部品工業に対して
政府としてどういう施策を進めてまいったかという点が第一点。それから第二点が、下請
会社に対して不当にしわ寄せをしないというふうな観点からの御
質問であったかと思うわけでございます。
第一の
自動車の
部品工業に対してとっておりました振興策でございますけれ
ども、先ほどの御
質問にもお答え申しげたわけでございますが、機械工業振興臨時
措置法の中の特定業種というふうなものに指定をいたしまして、従前は特に専門
生産体制というふうなものの確立あるいはまた企業規模の拡大というふうなこと、あるいは
品質精度の向上というふうなことをそれぞれ目的として振興をはかってまいっておったわけでございますけれ
ども、やはり
部品企業が
部品企業として輸出力を持つというふうな
段階で判断いたしますと、何と申しましても機能的に総合された
部品工業というふうなものが育ってまいるということが基本的には必要でないのでなかろうかというふうなことから、昨年度来、実はこういう
自動車の
部品工業につきましては、そういう機能的に総合化されました企業の育成という方向に重点を置きまして、現在その面での具体的な
計画が実施に移されつつある
段階でございます。したがいましてそういう観点から、主として
開発銀行あるいは中小企業金融公庫による融資を行ないまして助成
措置を講じておるわけでございまして、機械工業
関係の
開発銀行で持っております設備投資のうちの相当部分がこの
部品工業の中に注がれておるというのが現状でございます。と同時に、実はこの
欠陥車問題等につきましての下請企業のしわ寄せの問題でございますけれ
ども、これも先ほどお答え申し上げました
ように、
自動車にとりましては、完成品
業界とこの
自動車の
部品工業というふうなものは、実は車の両輪の
ようなものでございまして、いずれか一方が栄え、いずれか一方が衰滅するというふうなことでは
自動車産業は育たないわけでございます。したがいまして、それに対する比重につきましても同じ
ようなウエートを持っておるわけでございます。ただ、先ほ
どもお答え申し上げました
ように、従来
自動車産業の国際競争力強化というふうな至上命題が、下請企業に対しまして、特に
部品業界に対しまして、強い合理化要請をしておったという事実につきましては、これは否定できないのではないかと思うわけでございますが、
部品業界におきましても、そこらの点につきましてはよくその客観的
情勢を踏まえて設備の近代化、合理化等に
努力してまいっておるというふうに考えるわけでございます。ただ、今回の
欠陥車問題につきまして、この問題の解決のしわ寄せが
部品工
業界にしわ寄せられるというふうなことになりますと、これはたいへんな問題でございます。したがいまして、先ほどお答え申し上げました
ように
自動車工業会の社長会におきましてもそういうことのない
ように、常時連絡がとれる、そういう機構を早急につくってもらいたい、こういう要請をいたしたわけでございます。特に必要でございますのは、やはり
品質管理等の問題になりますと、どうしても親企業のほうで相当のめんどうを見ないとできない事項もあるわけでございます。したがいまして、設計にいたしましても、いまの現実の
品質管理の問題にいたしましても、親企業のほうで、よく下請企業と連絡をとりながら、常時そういう
品質面での
指導体制というものが必要になってくるものと考えておりますし、また、そういう
意味で親企業のほうの
指導をさらに強めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。